新約聖書「ヨハネによる福音書」に関する礼拝説教 87件
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新約聖書「ヨハネによる福音書」に関する礼拝説教 87件
ヨハネによる福音書1章1節~5節
1節「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」 2節「この言は、初めに神と共にあった。」 3節「万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。」 4節「言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。」 5節「光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。」
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ヨハネによる福音書1章6節~13節
6節 神から遣わされた一人の人がいた。その名はヨハネである。 7節 彼は証しをするために来た。光について証しをするため、また、すべての人が彼によって信じるようになるためである。 8節 彼は光ではなく、光について証しをするために来た。 9節 その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。 10節 言は世にあった。世は言によって成ったが、世は言を認めなかった。 11節 言は、自分の民のところへ来たが、民は受け入れなかった。
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ヨハネによる福音書1章14節~18節
14節 言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。 15節 ヨハネは、この方について証しをし、声を張り上げて言った。「『わたしの後から来られる方は、わたしより優れている。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。」 16節 わたしたちは皆、この方の満ちあふれる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受けた。 17節 律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して現れたからである。 18節 いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示されたのである。
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ヨハネによる福音書1章14節~18節
14節 言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。 15節 ヨハネは、この方について証しをし、声を張り上げて言った。「『わたしの後から来られる方は、わたしより優れている。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。」 16節 わたしたちは皆、この方の満ちあふれる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受けた。 17節 律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して現れたからである。 18節 いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示されたのである。
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ヨハネによる福音書1章19節~23節
19節 さて、ヨハネの証しはこうである。エルサレムのユダヤ人たちが、祭司やレビ人たちをヨハネのもとへ遣わして、「あなたは、どなたですか」と質問させたとき、 20節 彼は公言して隠さず、「わたしはメシアではない」と言い表した。 21節 彼らがまた、「では何ですか。あなたはエリヤですか」と尋ねると、ヨハネは、「違う」と言った。更に、「あなたは、あの預言者なのですか」と尋ねると、「そうではない」と答えた。 22節 そこで、彼らは言った。「それではいったい、だれなのです。わたしたちを遣わした人々に返事をしなければなりません。あなたは自分を何だと言うのですか。」 23節 ヨハネは、預言者イザヤの言葉を用いて言った。「わたしは荒れ野で叫ぶ声である。『主の道をまっすぐにせよ』と。」
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ヨハネによる福音書1章24節~28節
24節 遣わされた人たちはファリサイ派に属していた。 25節 彼らがヨハネに尋ねて、「あなたはメシアでも、エリヤでも、またあの預言者でもないのに、なぜ、洗礼を授けるのですか」と言うと、 26節 ヨハネは答えた。「わたしは水で洗礼を授けるが、あなたがたの中には、あなたがたの知らない方がおられる。 27節 その人はわたしの後から来られる方で、わたしはその履物のひもを解く資格もない。」 28節 これは、ヨハネが洗礼を授けていたヨルダン川の向こう側、ベタニアでの出来事であった。
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ヨハネによる福音書1章29節~34節
29節 その翌日、ヨハネは、自分の方へイエスが来られるのを見て言った。「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。 30節 『わたしの後から一人の人が来られる。その方はわたしにまさる。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。 31節 わたしはこの方を知らなかった。しかし、この方がイスラエルに現れるために、わたしは、水で洗礼を授けに来た。」 32節 そしてヨハネは証しした。「わたしは、“霊”が鳩のように天から降って、この方の上にとどまるのを見た。 33節 わたしはこの方を知らなかった。しかし、水で洗礼を授けるためにわたしをお遣わしになった方が、『“霊”が降って、ある人にとどまるのを見たら、その人が、聖霊によって洗礼を授ける人である』とわたしに言われた。 34節 わたしはそれを見た。だから、この方こそ神の子であると証ししたのである。」
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ヨハネによる福音書1章35節~39節
35節 その翌日、また、ヨハネは二人の弟子と一緒にいた。 36節 そして、歩いておられるイエスを見つめて、「見よ、神の小羊だ」と言った。 37節 二人の弟子はそれを聞いて、イエスに従った。 38節 イエスは振り返り、彼らが従って来るのを見て、「何を求めているのか」と言われた。彼らが、「ラビ――『先生』という意味――どこに泊まっておられるのですか」と言うと 39節 イエスは、「来なさい。そうすれば分かる」と言われた。そこで、彼らはついて行って、どこにイエスが泊まっておられるかを見た。そしてその日は、イエスのもとに泊まった。午後四時ごろのことである。
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ヨハネによる福音書1章40節~46節
40節 ヨハネの言葉を聞いて、イエスに従った二人のうちの一人は、シモン・ペトロの兄弟アンデレであった。 41節 彼は、まず自分の兄弟シモンに会って、「わたしたちはメシア――『油を注がれた者』という意味――に出会った」と言った。 42節 そして、シモンをイエスのところに連れて行った。イエスは彼を見つめて、「あなたはヨハネの子シモンであるが、ケファ――『岩』という意味――と呼ぶことにする」と言われた。 43節 その翌日、イエスは、ガリラヤへ行こうとしたときに、フィリポに出会って、「わたしに従いなさい」と言われた。 44節 フィリポは、アンデレとペトロの町、ベトサイダの出身であった。 45節 フィリポはナタナエルに出会って言った。「わたしたちは、モーセが律法に記し、預言者たちも書いている方に出会った。それはナザレの人で、ヨセフの子イエスだ。 46節 するとナタナエルが、「ナザレから何か良いものが出るだろうか」と言ったので、フィリポは、「来て、見なさい」と言った。
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ヨハネによる福音書1章47節~51節
47節 イエスは、ナタナエルが御自分の方へ来るのを見て、彼のことをこう言われた。「見なさい。まことのイスラエル人だ。この人には偽りがない。」 48節 ナタナエルが、「どうしてわたしを知っておられるのですか」と言うと、イエスは答えて、「わたしは、あなたがフィリポから話しかけられる前に、いちじくの木の下にいるのを見た」と言われた。 49節 ナタナエルは答えた。「ラビ、あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です。」 50節 イエスは答えて言われた。「いちじくの木の下にあなたがいるのを見たと言ったので、信じるのか。もっと偉大なことをあなたは見ることになる。 51節 更に言われた。「はっきり言っておく。天が開け、神の天使たちが人の子の上に昇り降りするのを、あなたがたは見ることになる。」
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ヨハネによる福音書2章1節~12節
1節 三日目に、ガリラヤのカナで婚礼があって、イエスの母がそこにいた。 2節 イエスも、その弟子たちも婚礼に招かれた。 3節 ぶどう酒が足りなくなったので、母がイエスに、「ぶどう酒がなくなりました」と言った。 4節 イエスは母に言われた。「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。」 5節 しかし、母は召し使いたちに、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言った。 6節 そこには、ユダヤ人が清めに用いる石の水がめが六つ置いてあった。いずれも二ないし三メトレテス入りのものである。 7節 イエスが、「水がめに水をいっぱい入れなさい」と言われると、召し使いたちは、かめの縁まで水を満たした。 8節 イエスは、「さあ、それをくんで宴会の世話役のところへ持って行きなさい」と言われた。召し使いたちは運んで行った。 9節 世話役はぶどう酒に変わった水の味見をした。このぶどう酒がどこから来たのか、水をくんだ召し使いたちは知っていたが、世話役は知らなかったので、花婿を呼んで、 10節 言った。「だれでも初めに良いぶどう酒を出し、酔いがまわったころに劣ったものを出すものですが、あなたは良いぶどう酒を今まで取って置かれました。」 11節 イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。 12節 この後、イエスは母、兄弟、弟子たちとカファルナウムに下って行き、そこに幾日か滞在された。
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ヨハネによる福音書2章1節~12節
1節 三日目に、ガリラヤのカナで婚礼があって、イエスの母がそこにいた。 2節 イエスも、その弟子たちも婚礼に招かれた。 3節 ぶどう酒が足りなくなったので、母がイエスに、「ぶどう酒がなくなりました」と言った。 4節 イエスは母に言われた。「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。」 5節 しかし、母は召し使いたちに、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言った。 6節 そこには、ユダヤ人が清めに用いる石の水がめが六つ置いてあった。いずれも二ないし三メトレテス入りのものである。 7節 イエスが、「水がめに水をいっぱい入れなさい」と言われると、召し使いたちは、かめの縁まで水を満たした。 8節 イエスは、「さあ、それをくんで宴会の世話役のところへ持って行きなさい」と言われた。召し使いたちは運んで行った。 9節 世話役はぶどう酒に変わった水の味見をした。このぶどう酒がどこから来たのか、水をくんだ召し使いたちは知っていたが、世話役は知らなかったので、花婿を呼んで、 10節 言った。「だれでも初めに良いぶどう酒を出し、酔いがまわったころに劣ったものを出すものですが、あなたは良いぶどう酒を今まで取って置かれました。」 11節 イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。 12節 この後、イエスは母、兄弟、弟子たちとカファルナウムに下って行き、そこに幾日か滞在された。
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ヨハネによる福音書2章13節~22節
13節 ユダヤ人の過越祭が近づいたので、イエスはエルサレムへ上って行かれた。 14節 そして、神殿の境内で牛や羊や鳩を売っている者たちと、座って両替をしている者たちを御覧になった。 15節 イエスは縄で鞭を作り、羊や牛をすべて境内から追い出し、両替人の金をまき散らし、その台を倒し、 16節 鳩を売る者たちに言われた。「このような物はここから運び出せ。わたしの父の家を商売の家としてはならない。 17節 弟子たちは、「あなたの家を思う熱意がわたしを食い尽くす」と書いてあるのを思い出した。」 18節 ユダヤ人たちはイエスに、「あなたは、こんなことをするからには、どんなしるしをわたしたちに見せるつもりか」と言った。 19節 イエスは答えて言われた。「この神殿を壊してみよ。三日で建て直してみせる。」 20節 それでユダヤ人たちは、「この神殿は建てるのに四十六年もかかったのに、あなたは三日で建て直すのか」と言った。 21節 イエスの言われる神殿とは、御自分の体のことだったのである。 22節「イエスが死者の中から復活されたとき、弟子たちは、イエスがこう言われたのを思い出し、聖書とイエスの語られた言葉とを信じた。
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ヨハネによる福音書2章23節~25節
23節 イエスは過越祭の間エルサレムにおられたが、そのなさったしるしを見て、多くの人がイエスの名を信じた。 24節 しかし、イエス御自身は彼らを信用されなかった。それは、すべての人のことを知っておられ、 25節 人間についてだれからも証ししてもらう必要がなかったからである。イエスは、何が人間の心の中にあるかをよく知っておられたのである。
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ヨハネによる福音書3章1節~8節
1節 さて、ファリサイ派に属する、ニコデモという人がいた。ユダヤ人たちの議員であった。 2節 ある夜、イエスのもとに来て言った。「ラビ、わたしどもは、あなたが神のもとから来られた教師であることを知っています。神が共におられるのでなければ、あなたのなさるようなしるしを、だれも行うことはできないからです。」 3節 イエスは答えて言われた。「はっきり言っておく。人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。」 4節 ニコデモは言った。「年をとった者が、どうして生まれることができましょう。もう一度母親の胎内に入って生まれることができるでしょうか。」 5節 イエスはお答えになった。「はっきり言っておく。だれでも水と霊とによって生まれなければ、神の国に入ることはできない。 6節 肉から生まれたものは肉である。霊から生まれたものは霊である。 7節 『あなたがたは新たに生まれねばならない』とあなたに言ったことに、驚いてはならない。 8節 風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者も皆そのとおりである。」
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ヨハネによる福音書3章9節~15節
9節 するとニコデモは、「どうして、そんなことがありえましょうか」と言った。 10節 イエスは答えて言われた。「あなたはイスラエルの教師でありながら、こんなことが分からないのか。 11節 はっきり言っておく。わたしたちは知っていることを語り、見たことを証ししているのに、あなたがたはわたしたちの証しを受け入れない。 12節 わたしが地上のことを話しても信じないとすれば、天上のことを話したところで、どうして信じるだろう。 13節 天から降って来た者、すなわち人の子のほかには、天に上った者はだれもいない。 14節 そして、モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。 15節 それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである。
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ヨハネによる福音書3章16節~21節
16節 神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。 17節 神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。 18節 御子を信じる者は裁かれない。信じない者は既に裁かれている。神の独り子の名を信じていないからである。 19節 光が世に来たのに、人々はその行いが悪いので、光よりも闇の方を好んだ。それが、もう裁きになっている。 20節 悪を行う者は皆、光を憎み、その行いが明るみに出されるのを恐れて、光の方に来ないからである。 21節 しかし、真理を行う者は光の方に来る。その行いが神に導かれてなされたということが、明らかになるために。
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ヨハネによる福音書3章22節~30節
22節 その後、イエスは弟子たちとユダヤ地方に行って、そこに一緒に滞在し、洗礼を授けておられた。 23節 他方、ヨハネは、サリムの近くのアイノンで洗礼を授けていた。そこは水が豊かであったからである。人々は来て、洗礼を受けていた。 24節 ヨハネはまだ投獄されていなかったのである。 25節 ところがヨハネの弟子たちと、あるユダヤ人との間で、清めのことで論争が起こった。 26節 彼らはヨハネのもとに来て言った。「ラビ、ヨルダン川の向こう側であなたと一緒にいた人、あなたが証しされたあの人が、洗礼を授けています。みんながあの人の方へ行っています。」 27節 ヨハネは答えて言った。「天から与えられなければ、人は何も受けることができない。 28節 わたしは、『自分はメシアではない』と言い、『自分はあの方の前に遣わされた者だ』と言ったが、そのことについては、あなたたち自身が証ししてくれる。 29節 花嫁を迎えるのは花婿だ。花婿の介添え人はそばに立って耳を傾け、花婿の声が聞こえると大いに喜ぶ。だから、わたしは喜びで満たされている。 30節 あの方は栄え、わたしは衰えねばならない。」
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ヨハネによる福音書3章31節~36節
31節「上から来られる方は、すべてのものの上におられる。地から出る者は地に属し、地に属する者として語る。天から来られる方は、すべてのものの上におられる。 32節 この方は、見たこと、聞いたことを証しされるが、だれもその証しを受け入れない。 33節 その証しを受け入れる者は、神が真実であることを確認したことになる。 34節 神がお遣わしになった方は、神の言葉を話される。神が“霊”を限りなくお与えになるからである。 35節 御父は御子を愛して、その手にすべてをゆだねられた。 36節 御子を信じる人は永遠の命を得ているが、御子に従わない者は、命にあずかることがないばかりか、神の怒りがその上にとどまる。」
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ヨハネによる福音書4章1節~10節
1節 さて、イエスがヨハネよりも多くの弟子をつくり、洗礼を授けておられるということが、ファリサイ派の人々の耳に入った。イエスはそれを知ると、 2節――洗礼を授けていたのは、イエス御自身ではなく、弟子たちである―― 3節 ユダヤを去り、再びガリラヤへ行かれた。 4節 しかし、サマリアを通らねばならなかった。 5節 それで、ヤコブがその子ヨセフに与えた土地の近くにある、シカルというサマリアの町に来られた。 6節 そこにはヤコブの井戸があった。イエスは旅に疲れて、そのまま井戸のそばに座っておられた。正午ごろのことである。 7節 サマリアの女が水をくみに来た。イエスは、「水を飲ませてください」と言われた。 8節 弟子たちは食べ物を買うために町に行っていた。 9節 すると、サマリアの女は、「ユダヤ人のあなたがサマリアの女のわたしに、どうして水を飲ませてほしいと頼むのですか」と言った。ユダヤ人はサマリア人とは交際しないからである。 10節 イエスは答えて言われた。「もしあなたが、神の賜物を知っており、また、『水を飲ませてください』と言ったのがだれであるか知っていたならば、あなたの方からその人に頼み、その人はあなたに生きた水を与えたことであろう。」
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ヨハネによる福音書4章11節~15節
11節 女は言った。「主よ、あなたはくむ物をお持ちでないし、井戸は深いのです。どこからその生きた水を手にお入れになるのですか。 12節 あなたは、わたしたちの父ヤコブよりも偉いのですか。ヤコブがこの井戸をわたしたちに与え、彼自身も、その子供や家畜も、この井戸から水を飲んだのです。」 13節 イエスは答えて言われた。「この水を飲む者はだれでもまた渇く。 14節 しかし、わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水がわき出る。」 15節 女は言った。「主よ、渇くことがないように、また、ここにくみに来なくてもいいように、その水をください。」
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ヨハネによる福音書4章16節~26節
16節 イエスが、「行って、あなたの夫をここに呼んで来なさい」と言われると、 17節 女は答えて、「わたしには夫はいません」と言った。イエスは言われた。「『夫はいません』とは、まさにそのとおりだ。 18節 あなたには五人の夫がいたが、今連れ添っているのは夫ではない。あなたは、ありのままを言ったわけだ。」 19節 女は言った。「主よ、あなたは預言者だとお見受けします。 20節 わたしどもの先祖はこの山で礼拝しましたが、あなたがたは、礼拝すべき場所はエルサレムにあると言っています。 21節 イエスは言われた。「婦人よ、わたしを信じなさい。あなたがたが、この山でもエルサレムでもない所で、父を礼拝する時が来る。 22節 あなたがたは知らないものを礼拝しているが、わたしたちは知っているものを礼拝している。救いはユダヤ人から来るからだ。 23節 しかし、まことの礼拝をする者たちが、霊と真理をもって父を礼拝する時が来る。今がその時である。なぜなら、父はこのように礼拝する者を求めておられるからだ。 24節 神は霊である。だから、神を礼拝する者は、霊と真理をもって礼拝しなければならない。 25節 女が言った。「わたしは、キリストと呼ばれるメシアが来られることは知っています。その方が来られるとき、わたしたちに一切のことを知らせてくださいます。 26節 イエスは言われた。「それは、あなたと話をしているこのわたしである
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ヨハネによる福音書4章16節~26節
16節 イエスが、「行って、あなたの夫をここに呼んで来なさい」と言われると、 17節 女は答えて、「わたしには夫はいません」と言った。イエスは言われた。「『夫はいません』とは、まさにそのとおりだ。 18節 あなたには五人の夫がいたが、今連れ添っているのは夫ではない。あなたは、ありのままを言ったわけだ。」 19節 女は言った。「主よ、あなたは預言者だとお見受けします。 20節 わたしどもの先祖はこの山で礼拝しましたが、あなたがたは、礼拝すべき場所はエルサレムにあると言っています。 21節 イエスは言われた。「婦人よ、わたしを信じなさい。あなたがたが、この山でもエルサレムでもない所で、父を礼拝する時が来る。 22節 あなたがたは知らないものを礼拝しているが、わたしたちは知っているものを礼拝している。救いはユダヤ人から来るからだ。 23節 しかし、まことの礼拝をする者たちが、霊と真理をもって父を礼拝する時が来る。今がその時である。なぜなら、父はこのように礼拝する者を求めておられるからだ。 24節 神は霊である。だから、神を礼拝する者は、霊と真理をもって礼拝しなければならない。 25節 女が言った。「わたしは、キリストと呼ばれるメシアが来られることは知っています。その方が来られるとき、わたしたちに一切のことを知らせてくださいます。 26節 イエスは言われた。「それは、あなたと話をしているこのわたしである
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ヨハネによる福音書4章27節~38節
27節 ちょうどそのとき、弟子たちが帰って来て、イエスが女の人と話をしておられるのに驚いた。しかし、「何か御用ですか」とか、「何をこの人と話しておられるのですか」と言う者はいなかった。 28節 女は、水がめをそこに置いたまま町に行き、人々に言った。 29節 さあ、見に来てください。わたしが行ったことをすべて、言い当てた人がいます。もしかしたら、この方がメシアかもしれません。 30節 人々は町を出て、イエスのもとへやって来た。 31節 その間に、弟子たちが「ラビ、食事をどうぞ」と勧めると、 32節イエスは、「わたしにはあなたがたの知らない食べ物がある」と言われた。 33節 弟子たちは、「だれかが食べ物を持って来たのだろうか」と互いに言った。 34節 イエスは言われた。「わたしの食べ物とは、わたしをお遣わしになった方の御心を行い、その業を成し遂げることである。 35節 あなたがたは、『刈り入れまでまだ四か月もある』と言っているではないか。わたしは言っておく。目を上げて畑を見るがよい。色づいて刈り入れを待っている。既に、 36節 刈り入れる人は報酬を受け、永遠の命に至る実を集めている。こうして、種を蒔く人も刈る人も、共に喜ぶのである。 37節 そこで、『一人が種を蒔き、別の人が刈り入れる』ということわざのとおりになる。 38節 あなたがたが自分では労苦しなかったものを刈り入れるために、わたしはあなたがたを遣わした。他の人々が労苦し、あなたがたはその労苦の実りにあずかっている。
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ヨハネによる福音書4章39節~42節
39節 さて、その町の多くのサマリア人は、「この方が、わたしの行ったことをすべて言い当てました」と証言した女の言葉によって、イエスを信じた。 40節 そこで、このサマリア人たちはイエスのもとにやって来て、自分たちのところにとどまるようにと頼んだ。イエスは、二日間そこに滞在された。 41節そ して、更に多くの人々が、イエスの言葉を聞いて信じた。 42節 彼らは女に言った。「わたしたちが信じるのは、もうあなたが話してくれたからではない。わたしたちは自分で聞いて、この方が本当に世の救い主であると分かったからです。」
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ヨハネによる福音書4章43節~54節
43節 二日後、イエスはそこを出発して、ガリラヤへ行かれた。 44節 イエスは自ら、「預言者は自分の故郷では敬われないものだ」とはっきり言われたことがある。 45節 ガリラヤにお着きになると、ガリラヤの人たちはイエスを歓迎した。彼らも祭りに行ったので、そのときエルサレムでイエスがなさったことをすべて、見ていたからである。 46節 イエスは、再びガリラヤのカナに行かれた。そこは、前にイエスが水をぶどう酒に変えられた所である。さて、カファルナウムに王の役人がいて、その息子が病気であった。 47節 この人は、イエスがユダヤからガリラヤに来られたと聞き、イエスのもとに行き、カファルナウムまで下って来て息子をいやしてくださるように頼んだ。息子が死にかかっていたからである。 48節 イエスは役人に、「あなたがたは、しるしや不思議な業を見なければ、決して信じない」と言われた。 49節 役人は、「主よ、子供が死なないうちに、おいでください」と言った。 50節 イエスは言われた。「帰りなさい。あなたの息子は生きる。」その人は、イエスの言われた言葉を信じて帰って行った。 51節 ところが、下って行く途中、僕たちが迎えに来て、その子が生きていることを告げた。 52節 そこで、息子の病気が良くなった時刻を尋ねると、僕たちは、「きのうの午後一時に熱が下がりました」と言った。 53節 それは、イエスが「あなたの息子は生きる」と言われたのと同じ時刻であることを、この父親は知った。そして、彼もその家族もこぞって信じた。
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ヨハネによる福音書5章1節~9節
1節 その後、ユダヤ人の祭りがあったので、イエスはエルサレムに上られた。 2節 エルサレムには羊の門の傍らに、ヘブライ語で「ベトザタ」と呼ばれる池があり、そこには五つの回廊があった。 3節 この回廊には、病気の人、目の見えない人、足の不自由な人、体の麻痺した人などが、大勢横たわっていた。 5節 さて、そこに三十八年も病気で苦しんでいる人がいた。 6節 イエスは、その人が横たわっているのを見、また、もう長い間病気であるのを知って、「良くなりたいか」と言われた。 7節 病人は答えた。「主よ、水が動くとき、わたしを池の中に入れてくれる人がいないのです。わたしが行くうちに、ほかの人が先に降りて行くのです。 8節 イエスは言われた。「起き上がりなさい。床を担いで歩きなさい。」 9節 すると、その人はすぐに良くなって、床を担いで歩きだした。その日は安息日であった。 (†底本に節が欠けている個所の異本による訳文) 彼らは、水が動くのを待っていた。それは、主の使いがときどき池に降りて来て、水が動くことがあり、水が動いたとき、真っ先に水に入る者は、どんな病気にかかっていても、いやされたからである。
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ヨハネによる福音書5章10節~19節
10節 そこで、ユダヤ人たちは病気をいやしていただいた人に言った。「今日は安息日だ。だから床を担ぐことは、律法で許されていない。」 11節 しかし、その人は、「わたしをいやしてくださった方が、『床を担いで歩きなさい』と言われたのです」と答えた。 12節 彼らは、「お前に『床を担いで歩きなさい』と言ったのはだれだ」と尋ねた。 13節 しかし、病気をいやしていただいた人は、それがだれであるか知らなかった。イエスは、群衆がそこにいる間に、立ち去られたからである。 14節 その後、イエスは、神殿の境内でこの人に出会って言われた。「あなたは良くなったのだ。もう、罪を犯してはいけない。さもないと、もっと悪いことが起こるかもしれない 15節 この人は立ち去って、自分をいやしたのはイエスだと、ユダヤ人たちに知らせた。 16節 そのために、ユダヤ人たちはイエスを迫害し始めた。イエスが、安息日にこのようなことをしておられたからである。 17節 イエスはお答えになった。「わたしの父は今もなお働いておられる。だから、わたしも働くのだ。 18節この ために、ユダヤ人たちは、ますますイエスを殺そうとねらうようになった。イエスが安息日を破るだけでなく、神を御自分の父と呼んで、御自身を神と等しい者とされたからである
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ヨハネによる福音書5章19節~23節
19節 そこで、イエスは彼らに言われた。「はっきり言っておく。子は、父のなさることを見なければ、自分からは何事もできない。父がなさることはなんでも、子もそのとおりにする。 20節 父は子を愛して、御自分のなさることをすべて子に示されるからである。また、これらのことよりも大きな業を子にお示しになって、あなたたちが驚くことになる。 21節 すなわち、父が死者を復活させて命をお与えになるように、子も、与えたいと思う者に命を与える。 22節 また、父はだれをも裁かず、裁きは一切子に任せておられる。 23節 すべての人が、父を敬うように、子をも敬うようになるためである。子を敬わない者は、子をお遣わしになった父をも敬わない。
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ヨハネによる福音書5章24節~30節
24節 はっきり言っておく。わたしの言葉を聞いて、わたしをお遣わしになった方を信じる者は、永遠の命を得、また、裁かれることなく、死から命へと移っている。 25節 はっきり言っておく。死んだ者が神の子の声を聞く時が来る。今やその時である。その声を聞いた者は生きる。 26節 父は、御自身の内に命を持っておられるように、子にも自分の内に命を持つようにしてくださったからである。 27節 また、裁きを行う権能を子にお与えになった。子は人の子だからである。 28節 驚いてはならない。時が来ると、墓の中にいる者は皆、人の子の声を聞き、 29節 善を行った者は復活して命を受けるために、悪を行った者は復活して裁きを受けるために出て来るのだ。 30節 わたしは自分では何もできない。ただ、父から聞くままに裁く。わたしの裁きは正しい。わたしは自分の意志ではなく、わたしをお遣わしになった方の御心を行おうとするからである。
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ヨハネによる福音書5章24節~30節
24節 はっきり言っておく。わたしの言葉を聞いて、わたしをお遣わしになった方を信じる者は、永遠の命を得、また、裁かれることなく、死から命へと移っている。 25節 はっきり言っておく。死んだ者が神の子の声を聞く時が来る。今やその時である。その声を聞いた者は生きる。 26節 父は、御自身の内に命を持っておられるように、子にも自分の内に命を持つようにしてくださったからである。 27節 また、裁きを行う権能を子にお与えになった。子は人の子だからである。 28節 驚いてはならない。時が来ると、墓の中にいる者は皆、人の子の声を聞き、 29節 善を行った者は復活して命を受けるために、悪を行った者は復活して裁きを受けるために出て来るのだ。 30節 わたしは自分では何もできない。ただ、父から聞くままに裁く。わたしの裁きは正しい。わたしは自分の意志ではなく、わたしをお遣わしになった方の御心を行おうとするからである。
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ヨハネによる福音書5章31節~40節
31節 もし、わたしが自分自身について証しをするなら、その証しは真実ではない。 32節 わたしについて証しをなさる方は別におられる。そして、その方がわたしについてなさる証しは真実であることを、わたしは知っている。 33節 あなたたちはヨハネのもとへ人を送ったが、彼は真理について証しをした。 34節 わたしは、人間による証しは受けない。しかし、あなたたちが救われるために、これらのことを言っておく。 35節 ヨハネは、燃えて輝くともし火であった。あなたたちは、しばらくの間その光のもとで喜び楽しもうとした。 36節 しかし、わたしにはヨハネの証しにまさる証しがある。父がわたしに成し遂げるようにお与えになった業、つまり、わたしが行っている業そのものが、父がわたしをお遣わしになったことを証ししている。 37節 また、わたしをお遣わしになった父が、わたしについて証しをしてくださる。あなたたちは、まだ父のお声を聞いたこともなければ、お姿を見たこともない。 38節 また、あなたたちは、自分の内に父のお言葉をとどめていない。父がお遣わしになった者を、あなたたちは信じないからである。 39節 あなたたちは聖書の中に永遠の命があると考えて、聖書を研究している。ところが、聖書はわたしについて証しをするものだ。 40節 それなのに、あなたたちは、命を得るためにわたしのところへ来ようとしない。
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ヨハネによる福音書5章31節~40節
31節 もし、わたしが自分自身について証しをするなら、その証しは真実ではない。 32節 わたしについて証しをなさる方は別におられる。そして、その方がわたしについてなさる証しは真実であることを、わたしは知っている。 33節 あなたたちはヨハネのもとへ人を送ったが、彼は真理について証しをした。 34節 わたしは、人間による証しは受けない。しかし、あなたたちが救われるために、これらのことを言っておく。 35節 ヨハネは、燃えて輝くともし火であった。あなたたちは、しばらくの間その光のもとで喜び楽しもうとした。 36節 しかし、わたしにはヨハネの証しにまさる証しがある。父がわたしに成し遂げるようにお与えになった業、つまり、わたしが行っている業そのものが、父がわたしをお遣わしになったことを証ししている。 37節 また、わたしをお遣わしになった父が、わたしについて証しをしてくださる。あなたたちは、まだ父のお声を聞いたこともなければ、お姿を見たこともない。 38節 また、あなたたちは、自分の内に父のお言葉をとどめていない。父がお遣わしになった者を、あなたたちは信じないからである。 39節 あなたたちは聖書の中に永遠の命があると考えて、聖書を研究している。ところが、聖書はわたしについて証しをするものだ。 40節 それなのに、あなたたちは、命を得るためにわたしのところへ来ようとしない。
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ヨハネによる福音書5章41節~47節
41節 わたしは、人からの誉れは受けない。 42節 しかし、あなたたちの内には神への愛がないことを、わたしは知っている。 43節 わたしは父の名によって来たのに、あなたたちはわたしを受け入れない。もし、ほかの人が自分の名によって来れば、あなたたちは受け入れる。 44節 互いに相手からの誉れは受けるのに、唯一の神からの誉れは求めようとしないあなたたちには、どうして信じることができようか。 45節 わたしが父にあなたたちを訴えるなどと、考えてはならない。あなたたちを訴えるのは、あなたたちが頼りにしているモーセなのだ。 46節 あなたたちは、モーセを信じたのであれば、わたしをも信じたはずだ。モーセは、わたしについて書いているからである。 47節 しかし、モーセの書いたことを信じないのであれば、どうしてわたしが語ることを信じることができようか。
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ヨハネによる福音書6章1節~15節
1節 その後、イエスはガリラヤ湖、すなわちティベリアス湖の向こう岸に渡られた。 2節 大勢の群衆が後を追った。イエスが病人たちになさったしるしを見たからである。 3節 イエスは山に登り、弟子たちと一緒にそこにお座りになった。 4節 ユダヤ人の祭りである過越祭が近づいていた。 5節 イエスは目を上げ、大勢の群衆が御自分の方へ来るのを見て、フィリポに、「この人たちに食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」と言われたが、 6節 こう言ったのはフィリポを試みるためであって、御自分では何をしようとしているか知っておられたのである。 7節 フィリポは、「めいめいが少しずつ食べるためにも、二百デナリオン分のパンでは足りないでしょう」と答えた。 8節 弟子の一人で、シモン・ペトロの兄弟アンデレが、イエスに言った。 9節「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」 10節 イエスは、「人々を座らせなさい」と言われた。そこには草がたくさん生えていた。男たちはそこに座ったが、その数はおよそ五千人であった。 11節 さて、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えてから、座っている人々に分け与えられた。また、魚も同じようにして、欲しいだけ分け与えられた。 12節 人々が満腹したとき、イエスは弟子たちに、「少しも無駄にならないように、残ったパンの屑を集めなさい」と言われた。 13節 集めると、人々が五つの大麦パンを食べて、なお残ったパンの屑で、十二の籠がいっぱいになった。 14節 そこで、人々はイエスのなさったしるしを見て、「まさにこの人こそ、世に来られる預言者である」と言った。 15節 イエスは、人々が来て、自分を王にするために連れて行こうとしているのを知り、ひとりでまた山に退かれた。
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ヨハネによる福音書6章1節~15節
1節 その後、イエスはガリラヤ湖、すなわちティベリアス湖の向こう岸に渡られた。 2節 大勢の群衆が後を追った。イエスが病人たちになさったしるしを見たからである。 3節 イエスは山に登り、弟子たちと一緒にそこにお座りになった。 4節 ユダヤ人の祭りである過越祭が近づいていた。 5節 イエスは目を上げ、大勢の群衆が御自分の方へ来るのを見て、フィリポに、「この人たちに食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」と言われたが、 6節 こう言ったのはフィリポを試みるためであって、御自分では何をしようとしているか知っておられたのである。 7節 フィリポは、「めいめいが少しずつ食べるためにも、二百デナリオン分のパンでは足りないでしょう」と答えた。 8節 弟子の一人で、シモン・ペトロの兄弟アンデレが、イエスに言った。 9節「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」 10節 イエスは、「人々を座らせなさい」と言われた。そこには草がたくさん生えていた。男たちはそこに座ったが、その数はおよそ五千人であった。 11節 さて、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えてから、座っている人々に分け与えられた。また、魚も同じようにして、欲しいだけ分け与えられた。 12節 人々が満腹したとき、イエスは弟子たちに、「少しも無駄にならないように、残ったパンの屑を集めなさい」と言われた。 13節 集めると、人々が五つの大麦パンを食べて、なお残ったパンの屑で、十二の籠がいっぱいになった。 14節 そこで、人々はイエスのなさったしるしを見て、「まさにこの人こそ、世に来られる預言者である」と言った。 15節 イエスは、人々が来て、自分を王にするために連れて行こうとしているのを知り、ひとりでまた山に退かれた。
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ヨハネによる福音書6章16節~21節
16節 夕方になったので、弟子たちは湖畔へ下りて行った。 17節 そして、舟に乗り、湖の向こう岸のカファルナウムに行こうとした。既に暗くなっていたが、イエスはまだ彼らのところには来ておられなかった。 18節 強い風が吹いて、湖は荒れ始めた。 19節 二十五ないし三十スタディオンばかり漕ぎ出したころ、イエスが湖の上を歩いて舟に近づいて来られるのを見て、彼らは恐れた。 20節 イエスは言われた。「わたしだ。恐れることはない。」 21節 そこで、彼らはイエスを舟に迎え入れようとした。すると間もなく、舟は目指す地に着いた。
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ヨハネによる福音書6章22節~29節
30節 そこで、彼らは言った。「それでは、わたしたちが見てあなたを信じることができるように、どんなしるしを行ってくださいますか。どのようなことをしてくださいますか。 31節 わたしたちの先祖は、荒れ野でマンナを食べました。『天からのパンを彼らに与えて食べさせた』と書いてあるとおりです。 32節 すると、イエスは言われた。「はっきり言っておく。モーセが天からのパンをあなたがたに与えたのではなく、わたしの父が天からのまことのパンをお与えになる。 33節 神のパンは、天から降って来て、世に命を与えるものである。 34節 そこで、彼らが、「主よ、そのパンをいつもわたしたちにください」と言うと、 35節 イエスは言われた。「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。
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ヨハネによる福音書6章30節~35節
30節 そこで、彼らは言った。「それでは、わたしたちが見てあなたを信じることができるように、どんなしるしを行ってくださいますか。どのようなことをしてくださいますか。 31節 わたしたちの先祖は、荒れ野でマンナを食べました。『天からのパンを彼らに与えて食べさせた』と書いてあるとおりです。 32節 すると、イエスは言われた。「はっきり言っておく。モーセが天からのパンをあなたがたに与えたのではなく、わたしの父が天からのまことのパンをお与えになる。 33節 神のパンは、天から降って来て、世に命を与えるものである。 34節 そこで、彼らが、「主よ、そのパンをいつもわたしたちにください」と言うと、 35節 イエスは言われた。「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。
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ヨハネによる福音書6章36節~40節
36節 しかし、前にも言ったように、あなたがたはわたしを見ているのに、信じない。 37節 父がわたしにお与えになる人は皆、わたしのところに来る。わたしのもとに来る人を、わたしは決して追い出さない。 38節 わたしが天から降って来たのは、自分の意志を行うためではなく、わたしをお遣わしになった方の御心を行うためである。 39節 わたしをお遣わしになった方の御心とは、わたしに与えてくださった人を一人も失わないで、終わりの日に復活させることである。 40節 わたしの父の御心は、子を見て信じる者が皆永遠の命を得ることであり、わたしがその人を終わりの日に復活させることだからである。
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ヨハネによる福音書6章41節~47節
41節 ユダヤ人たちは、イエスが「わたしは天から降って来たパンである」と言われたので、イエスのことでつぶやき始め、 42節 こう言った。「これはヨセフの息子のイエスではないか。我々はその父も母も知っている。どうして今、『わたしは天から降って来た』などと言うのか。」 43節 イエスは答えて言われた。「つぶやき合うのはやめなさい。 44節 わたしをお遣わしになった父が引き寄せてくださらなければ、だれもわたしのもとへ来ることはできない。わたしはその人を終わりの日に復活させる。 45節 預言者の書に、『彼らは皆、神によって教えられる』と書いてある。父から聞いて学んだ者は皆、わたしのもとに来る。 46節 父を見た者は一人もいない。神のもとから来た者だけが父を見たのである。 47節 はっきり言っておく。信じる者は永遠の命を得ている。
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ヨハネによる福音書6章47節~51節
47節 はっきり言っておく。信じる者は永遠の命を得ている。 48節 わたしは命のパンである。 49節 あなたたちの先祖は荒れ野でマンナを食べたが、死んでしまった。 50節 しかし、これは、天から降って来たパンであり、これを食べる者は死なない。 51節 わたしは、天から降って来た生きたパンである。このパンを食べるならば、その人は永遠に生きる。わたしが与えるパンとは、世を生かすためのわたしの肉のことである。
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ヨハネによる福音書6章52節~59節
52節 それで、ユダヤ人たちは、「どうしてこの人は自分の肉を我々に食べさせることができるのか」と、互いに激しく議論し始めた。」 53節 イエスは言われた。「はっきり言っておく。人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ、あなたたちの内に命はない。 54節 わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、永遠の命を得、わたしはその人を終わりの日に復活させる。 55節 わたしの肉はまことの食べ物、わたしの血はまことの飲み物だからである。 56節 わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、いつもわたしの内におり、わたしもまたいつもその人の内にいる。 57節 生きておられる父がわたしをお遣わしになり、またわたしが父によって生きるように、わたしを食べる者もわたしによって生きる。 58節 これは天から降って来たパンである。先祖が食べたのに死んでしまったようなものとは違う。このパンを食べる者は永遠に生きる。」 59節 これらは、イエスがカファルナウムの会堂で教えていたときに話されたことである。
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ヨハネによる福音書6章60節~65節
60節 ところで、弟子たちの多くの者はこれを聞いて言った。「実にひどい話だ。だれが、こんな話を聞いていられようか。」 61節 イエスは、弟子たちがこのことについてつぶやいているのに気づいて言われた。「あなたがたはこのことにつまずくのか。 62節 それでは、人の子がもといた所に上るのを見るならば……。 63節 命を与えるのは“霊”である。肉は何の役にも立たない。わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、命である。 64節 しかし、あなたがたのうちには信じない者たちもいる。」イエスは最初から、信じない者たちがだれであるか、また、御自分を裏切る者がだれであるかを知っておられたのである 65節 そして、言われた。「こういうわけで、わたしはあなたがたに、『父からお許しがなければ、だれもわたしのもとに来ることはできない』と言ったのだ。」
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ヨハネによる福音書6章66節~71節
66節 このために、弟子たちの多くが離れ去り、もはやイエスと共に歩まなくなった。 67節 そこで、イエスは十二人に、「あなたがたも離れて行きたいか」と言われた。 68節 シモン・ペトロが答えた。「主よ、わたしたちはだれのところへ行きましょうか。あなたは永遠の命の言葉を持っておられます。 69節 あなたこそ神の聖者であると、わたしたちは信じ、また知っています。」 70節 すると、イエスは言われた。「あなたがた十二人は、わたしが選んだのではないか。ところが、その中の一人は悪魔だ。」 71節 イスカリオテのシモンの子ユダのことを言われたのである。このユダは、十二人の一人でありながら、イエスを裏切ろうとしていた。
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ヨハネによる福音書7章1節~9節
1節 その後、イエスはガリラヤを巡っておられた。ユダヤ人が殺そうとねらっていたので、ユダヤを巡ろうとは思われなかった。 2節 ときに、ユダヤ人の仮庵祭が近づいていた。 3節 イエスの兄弟たちが言った。「ここを去ってユダヤに行き、あなたのしている業を弟子たちにも見せてやりなさい。 4節 公に知られようとしながら、ひそかに行動するような人はいない。こういうことをしているからには、自分を世にはっきり示しなさい。」 5節 兄弟たちも、イエスを信じていなかったのである。 6節 そこで、イエスは言われた。「わたしの時はまだ来ていない。しかし、あなたがたの時はいつも備えられている。 7節 世はあなたがたを憎むことができないが、わたしを憎んでいる。わたしが、世の行っている業は悪いと証ししているからだ。 8節 あなたがたは祭りに上って行くがよい。わたしはこの祭りには上って行かない。まだ、わたしの時が来ていないからである。」 9節 こう言って、イエスはガリラヤにとどまられた。
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ヨハネによる福音書7章10節~18節
10節 しかし、兄弟たちが祭りに上って行ったとき、イエス御自身も、人目を避け、隠れるようにして上って行かれた。 11節 祭りのときユダヤ人たちはイエスを捜し、「あの男はどこにいるのか」と言っていた。 12節 群衆の間では、イエスのことがいろいろとささやかれていた。「良い人だ」と言う者もいれば、「いや、群衆を惑わしている」と言う者もいた。 13節 しかし、ユダヤ人たちを恐れて、イエスについて公然と語る者はいなかった。 14節 祭りも既に半ばになったころ、イエスは神殿の境内に上って行って、教え始められた。 15節 ユダヤ人たちが驚いて、「この人は、学問をしたわけでもないのに、どうして聖書をこんなによく知っているのだろう」と言うと、 16節 イエスは答えて言われた。「わたしの教えは、自分の教えではなく、わたしをお遣わしになった方の教えである。 17節 この方の御心を行おうとする者は、わたしの教えが神から出たものか、わたしが勝手に話しているのか、分かるはずである。 18節 自分勝手に話す者は、自分の栄光を求める。しかし、自分をお遣わしになった方の栄光を求める者は真実な人であり、その人には不義がない。
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ヨハネによる福音書7章14節~24節
14節 祭りも既に半ばになったころ、イエスは神殿の境内に上って行って、教え始められた。 15節ユダヤ人たちが驚いて、「この人は、学問をしたわけでもないのに、どうして聖書をこんなによく知っているのだろう」と言うと、 16節 イエスは答えて言われた。「わたしの教えは、自分の教えではなく、わたしをお遣わしになった方の教えである。 17節 この方の御心を行おうとする者は、わたしの教えが神から出たものか、わたしが勝手に話しているのか、分かるはずである。 18節 自分勝手に話す者は、自分の栄光を求める。しかし、自分をお遣わしになった方の栄光を求める者は真実な人であり、その人には不義がない。 19節 モーセはあなたたちに律法を与えたではないか。ところが、あなたたちはだれもその律法を守らない。なぜ、わたしを殺そうとするのか。」 20節 群衆が答えた。「あなたは悪霊に取りつかれている。だれがあなたを殺そうというのか。」 21節 イエスは答えて言われた。「わたしが一つの業を行ったというので、あなたたちは皆驚いている。 22節 しかし、モーセはあなたたちに割礼を命じた。――もっとも、これはモーセからではなく、族長たちから始まったのだが――だから、あなたたちは安息日にも割礼を施している。 23節 モーセの律法を破らないようにと、人は安息日であっても割礼を受けるのに、わたしが安息日に全身をいやしたからといって腹を立てるのか。 24節 うわべだけで裁くのをやめ、正しい裁きをしなさい。」
- 日付:
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- 新井主一 牧師
ヨハネによる福音書7章25節~31節
25節 さて、エルサレムの人々の中には次のように言う者たちがいた。「これは、人々が殺そうとねらっている者ではないか。 26節 あんなに公然と話しているのに、何も言われない。議員たちは、この人がメシアだということを、本当に認めたのではなかろうか。 27節 しかし、わたしたちは、この人がどこの出身かを知っている。メシアが来られるときは、どこから来られるのか、だれも知らないはずだ。 28節 すると、神殿の境内で教えていたイエスは、大声で言われた。「あなたたちはわたしのことを知っており、また、どこの出身かも知っている。わたしは自分勝手に来たのではない。わたしをお遣わしになった方は真実であるが、あなたたちはその方を知らない。 29節 わたしはその方を知っている。わたしはその方のもとから来た者であり、その方がわたしをお遣わしになったのである。」 30節 人々はイエスを捕らえようとしたが、手をかける者はいなかった。イエスの時はまだ来ていなかったからである。 31節 しかし、群衆の中にはイエスを信じる者が大勢いて、「メシアが来られても、この人よりも多くのしるしをなさるだろうか」と言った。
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- (代読)柳麻理長老
ヨハネによる福音書7章32節~39節
32節 ファリサイ派の人々は、群衆がイエスについてこのようにささやいているのを耳にした。祭司長たちとファリサイ派の人々は、イエスを捕らえるために下役たちを遣わした。 33節 そこで、イエスは言われた。「今しばらく、わたしはあなたたちと共にいる。それから、自分をお遣わしになった方のもとへ帰る。 34節 あなたたちは、わたしを捜しても、見つけることがない。わたしのいる所に、あなたたちは来ることができない。」 35節 すると、ユダヤ人たちが互いに言った。「わたしたちが見つけることはないとは、いったい、どこへ行くつもりだろう。ギリシア人の間に離散しているユダヤ人のところへ行って、ギリシア人に教えるとでもいうのか。 36節 『あなたたちは、わたしを捜しても、見つけることがない。わたしのいる所に、あなたたちは来ることができない』と彼は言ったが、その言葉はどういう意味なのか。」 37節 祭りが最も盛大に祝われる終わりの日に、イエスは立ち上がって大声で言われた。「渇いている人はだれでも、わたしのところに来て飲みなさい。 38節 わたしを信じる者は、聖書に書いてあるとおり、その人の内から生きた水が川となって流れ出るようになる。」 39節 イエスは、御自分を信じる人々が受けようとしている“霊”について言われたのである。イエスはまだ栄光を受けておられなかったので、“霊”がまだ降っていなかったからである。
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- 新井主一 牧師
ヨハネによる福音書7章40節~52節
40節 この言葉を聞いて、群衆の中には、「この人は、本当にあの預言者だ」と言う者や、 41節 「この人はメシアだ」と言う者がいたが、このように言う者もいた。「メシアはガリラヤから出るだろうか。 42節 メシアはダビデの子孫で、ダビデのいた村ベツレヘムから出ると、聖書に書いてあるではないか。」 43節 こうして、イエスのことで群衆の間に対立が生じた。 44節 その中にはイエスを捕らえようと思う者もいたが、手をかける者はなかった。 45節 さて、祭司長たちやファリサイ派の人々は、下役たちが戻って来たとき、「どうして、あの男を連れて来なかったのか」と言った。 46節 下役たちは、「今まで、あの人のように話した人はいません」と答えた。 47節 すると、ファリサイ派の人々は言った。「お前たちまでも惑わされたのか。 48節 議員やファリサイ派の人々の中に、あの男を信じた者がいるだろうか。 49節 だが、律法を知らないこの群衆は、呪われている。」 50節 彼らの中の一人で、以前イエスを訪ねたことのあるニコデモが言った。 51節 「我々の律法によれば、まず本人から事情を聞き、何をしたかを確かめたうえでなければ、判決を下してはならないことになっているではないか。」 52節 彼らは答えて言った。「あなたもガリラヤ出身なのか。よく調べてみなさい。ガリラヤからは預言者の出ないことが分かる。」
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- 新井主一 牧師
ヨハネによる福音書7章53節~8章11節
1節 イエスはオリーブ山へ行かれた。 2節 朝早く、再び神殿の境内に入られると、民衆が皆、御自分のところにやって来たので、座って教え始められた。 3節 そこへ、律法学者たちやファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を連れて来て、真ん中に立たせ、 4節 イエスに言った。「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。 5節 こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか。」 6節 イエスを試して、訴える口実を得るために、こう言ったのである。イエスはかがみ込み、指で地面に何か書き始められた。 7節 しかし、彼らがしつこく問い続けるので、イエスは身を起こして言われた。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」 8節 そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。 9節 これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。 10節 イエスは、身を起こして言われた。「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか。」 11節 女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」
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ヨハネによる福音書8章12節~20節
12節 イエスは再び言われた。「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」 13節 それで、ファリサイ派の人々が言った。「あなたは自分について証しをしている。その証しは真実ではない。」 14節 イエスは答えて言われた。「たとえわたしが自分について証しをするとしても、その証しは真実である。自分がどこから来たのか、そしてどこへ行くのか、わたしは知っているからだ。しかし、あなたたちは、わたしがどこから来てどこへ行くのか、知らない。 15節 あなたたちは肉に従って裁くが、わたしはだれをも裁かない。 16節 しかし、もしわたしが裁くとすれば、わたしの裁きは真実である。なぜならわたしはひとりではなく、わたしをお遣わしになった父と共にいるからである。 17節 あなたたちの律法には、二人が行う証しは真実であると書いてある。 18節 わたしは自分について証しをしており、わたしをお遣わしになった父もわたしについて証しをしてくださる。」 19節 彼らが「あなたの父はどこにいるのか」と言うと、イエスはお答えになった。「あなたたちは、わたしもわたしの父も知らない。もし、わたしを知っていたら、わたしの父をも知るはずだ。」 20節 イエスは神殿の境内で教えておられたとき、宝物殿の近くでこれらのことを話された。しかし、だれもイエスを捕らえなかった。イエスの時がまだ来ていなかったからである。
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ヨハネによる福音書8章21節~24節
21節 そこで、イエスはまた言われた。「わたしは去って行く。あなたたちはわたしを捜すだろう。だが、あなたたちは自分の罪のうちに死ぬことになる。わたしの行く所に、あなたたちは来ることができない。」 22節 ユダヤ人たちが、「『わたしの行く所に、あなたたちは来ることができない』と言っているが、自殺でもするつもりなのだろうか」と話していると、 23節 イエスは彼らに言われた。「あなたたちは下のものに属しているが、わたしは上のものに属している。あなたたちはこの世に属しているが、わたしはこの世に属していない。 24節 だから、あなたたちは自分の罪のうちに死ぬことになると、わたしは言ったのである。『わたしはある』ということを信じないならば、あなたたちは自分の罪のうちに死ぬことになる。」
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ヨハネによる福音書8章25節~29節
25節 彼らが、「あなたは、いったい、どなたですか」と言うと、イエスは言われた。「それは初めから話しているではないか。 26節 あなたたちについては、言うべきこと、裁くべきことがたくさんある。しかし、わたしをお遣わしになった方は真実であり、わたしはその方から聞いたことを、世に向かって話している。」 27節 彼らは、イエスが御父について話しておられることを悟らなかった。 28節 そこで、イエスは言われた。「あなたたちは、人の子を上げたときに初めて、『わたしはある』ということ、また、わたしが、自分勝手には何もせず、ただ、父に教えられたとおりに話していることが分かるだろう。 29節 わたしをお遣わしになった方は、わたしと共にいてくださる。わたしをひとりにしてはおかれない。わたしは、いつもこの方の御心に適うことを行うからである。」
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ヨハネによる福音書8章30節~38節
30節 これらのことを語られたとき、多くの人々がイエスを信じた。 31節 イエスは、御自分を信じたユダヤ人たちに言われた。「わたしの言葉にとどまるならば、あなたたちは本当にわたしの弟子である。 32節 あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。」 33節 すると、彼らは言った。「わたしたちはアブラハムの子孫です。今までだれかの奴隷になったことはありません。『あなたたちは自由になる』とどうして言われるのですか。」 34節 イエスはお答えになった。「はっきり言っておく。罪を犯す者はだれでも罪の奴隷である。 35節 奴隷は家にいつまでもいるわけにはいかないが、子はいつまでもいる。 36節 だから、もし子があなたたちを自由にすれば、あなたたちは本当に自由になる。 37節 あなたたちがアブラハムの子孫だということは、分かっている。だが、あなたたちはわたしを殺そうとしている。わたしの言葉を受け入れないからである。 38節 わたしは父のもとで見たことを話している。ところが、あなたたちは父から聞いたことを行っている。」
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ヨハネによる福音書8章30節~38節
30節 これらのことを語られたとき、多くの人々がイエスを信じた。 31節 イエスは、御自分を信じたユダヤ人たちに言われた。「わたしの言葉にとどまるならば、あなたたちは本当にわたしの弟子である。 32節 あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。」 33節 すると、彼らは言った。「わたしたちはアブラハムの子孫です。今までだれかの奴隷になったことはありません。『あなたたちは自由になる』とどうして言われるのですか。」 34節 イエスはお答えになった。「はっきり言っておく。罪を犯す者はだれでも罪の奴隷である。 35節 奴隷は家にいつまでもいるわけにはいかないが、子はいつまでもいる。 36節 だから、もし子があなたたちを自由にすれば、あなたたちは本当に自由になる。 37節 あなたたちがアブラハムの子孫だということは、分かっている。だが、あなたたちはわたしを殺そうとしている。わたしの言葉を受け入れないからである。 38節 わたしは父のもとで見たことを話している。ところが、あなたたちは父から聞いたことを行っている。」
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ヨハネによる福音書8章39節~47節
39節 彼らが答えて、「わたしたちの父はアブラハムです」と言うと、イエスは言われた。「アブラハムの子なら、アブラハムと同じ業をするはずだ。 40節 ところが、今、あなたたちは、神から聞いた真理をあなたたちに語っているこのわたしを、殺そうとしている。アブラハムはそんなことはしなかった。 41節 あなたたちは、自分の父と同じ業をしている。」そこで彼らが、「わたしたちは姦淫によって生まれたのではありません。わたしたちにはただひとりの父がいます。それは神です」と言うと、 42節 イエスは言われた。「神があなたたちの父であれば、あなたたちはわたしを愛するはずである。なぜなら、わたしは神のもとから来て、ここにいるからだ。わたしは自分勝手に来たのではなく、神がわたしをお遣わしになったのである。 43節 わたしの言っていることが、なぜ分からないのか。それは、わたしの言葉を聞くことができないからだ。 44節 あなたたちは、悪魔である父から出た者であって、その父の欲望を満たしたいと思っている。悪魔は最初から人殺しであって、真理をよりどころとしていない。彼の内には真理がないからだ。悪魔が偽りを言うときは、その本性から言っている。自分が偽り者であり、その父だからである。 45節 しかし、わたしが真理を語るから、あなたたちはわたしを信じない。 46節 あなたたちのうち、いったいだれが、わたしに罪があると責めることができるのか。わたしは真理を語っているのに、なぜわたしを信じないのか。 47節 神に属する者は神の言葉を聞く。あなたたちが聞かないのは神に属していないからである。」
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ヨハネによる福音書8章48節~59節
48節 ユダヤ人たちが、「あなたはサマリア人で悪霊に取りつかれていると、我々が言うのも当然ではないか」と言い返すと、 49節 イエスはお答えになった。「わたしは悪霊に取りつかれてはいない。わたしは父を重んじているのに、あなたたちはわたしを重んじない。 50節 わたしは、自分の栄光は求めていない。わたしの栄光を求め、裁きをなさる方が、ほかにおられる。 51節 はっきり言っておく。わたしの言葉を守るなら、その人は決して死ぬことがない。」 52節 ユダヤ人たちは言った。「あなたが悪霊に取りつかれていることが、今はっきりした。アブラハムは死んだし、預言者たちも死んだ。ところが、あなたは、『わたしの言葉を守るなら、その人は決して死を味わうことがない』と言う。 53節 わたしたちの父アブラハムよりも、あなたは偉大なのか。彼は死んだではないか。預言者たちも死んだ。いったい、あなたは自分を何者だと思っているのか。」 54節 イエスはお答えになった。「わたしが自分自身のために栄光を求めようとしているのであれば、わたしの栄光はむなしい。わたしに栄光を与えてくださるのはわたしの父であって、あなたたちはこの方について、『我々の神だ』と言っている。 55節 あなたたちはその方を知らないが、わたしは知っている。わたしがその方を知らないと言えば、あなたたちと同じくわたしも偽り者になる。しかし、わたしはその方を知っており、その言葉を守っている。 56節 あなたたちの父アブラハムは、わたしの日を見るのを楽しみにしていた。そして、それを見て、喜んだのである。」 57節 ユダヤ人たちが、「あなたは、まだ五十歳にもならないのに、アブラハムを見たのか」と言うと、 58節 イエスは言われた。「はっきり言っておく。アブラハムが生まれる前から、『わたしはある。』」
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ヨハネによる福音書8章48節~59節
48節 ユダヤ人たちが、「あなたはサマリア人で悪霊に取りつかれていると、我々が言うのも当然ではないか」と言い返すと、 49節 イエスはお答えになった。「わたしは悪霊に取りつかれてはいない。わたしは父を重んじているのに、あなたたちはわたしを重んじない。 50節 わたしは、自分の栄光は求めていない。わたしの栄光を求め、裁きをなさる方が、ほかにおられる。 51節 はっきり言っておく。わたしの言葉を守るなら、その人は決して死ぬことがない。」 52節 ユダヤ人たちは言った。「あなたが悪霊に取りつかれていることが、今はっきりした。アブラハムは死んだし、預言者たちも死んだ。ところが、あなたは、『わたしの言葉を守るなら、その人は決して死を味わうことがない』と言う。 53節 わたしたちの父アブラハムよりも、あなたは偉大なのか。彼は死んだではないか。預言者たちも死んだ。いったい、あなたは自分を何者だと思っているのか。」 54節 イエスはお答えになった。「わたしが自分自身のために栄光を求めようとしているのであれば、わたしの栄光はむなしい。わたしに栄光を与えてくださるのはわたしの父であって、あなたたちはこの方について、『我々の神だ』と言っている。 55節 あなたたちはその方を知らないが、わたしは知っている。わたしがその方を知らないと言えば、あなたたちと同じくわたしも偽り者になる。しかし、わたしはその方を知っており、その言葉を守っている。 56節 あなたたちの父アブラハムは、わたしの日を見るのを楽しみにしていた。そして、それを見て、喜んだのである。」 57節 ユダヤ人たちが、「あなたは、まだ五十歳にもならないのに、アブラハムを見たのか」と言うと、 58節 イエスは言われた。「はっきり言っておく。アブラハムが生まれる前から、『わたしはある。』」 59節 すると、ユダヤ人たちは、石を取り上げ、イエスに投げつけようとした。しかし、イエスは身を隠して、神殿の境内から出て行かれた。
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ヨハネによる福音書9章1節~5節
1節 さて、イエスは通りすがりに、生まれつき目の見えない人を見かけられた。 2節 弟子たちがイエスに尋ねた。「ラビ、この人が生まれつき目が見えないのは、だれが罪を犯したからですか。本人ですか。それとも、両親ですか。」 3節 イエスはお答えになった。「本人が罪を犯したからでも、両親が罪を犯したからでもない。神の業がこの人に現れるためである。 4節 わたしたちは、わたしをお遣わしになった方の業を、まだ日のあるうちに行わねばならない。だれも働くことのできない夜が来る。 5節 わたしは、世にいる間、世の光である。」
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ヨハネによる福音書9章6節~12節
6節 こう言ってから、イエスは地面に唾をし、唾で土をこねてその人の目にお塗りになった。 7節 そして、「シロアム――『遣わされた者』という意味――の池に行って洗いなさい」と言われた。そこで、彼は行って洗い、目が見えるようになって、帰って来た。 8節 近所の人々や、彼が物乞いをしていたのを前に見ていた人々が、「これは、座って物乞いをしていた人ではないか」と言った。 9節 「その人だ」と言う者もいれば、「いや違う。似ているだけだ」と言う者もいた。本人は、「わたしがそうなのです」と言った。 10節 そこで人々が、「では、お前の目はどのようにして開いたのか」と言うと、 11節 彼は答えた。「イエスという方が、土をこねてわたしの目に塗り、『シロアムに行って洗いなさい』と言われました。そこで、行って洗ったら、見えるようになったのです。」 12節 人々が「その人はどこにいるのか」と言うと、彼は「知りません」と言った。
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ヨハネによる福音書9章13節~23節
13節 人々は、前に盲人であった人をファリサイ派の人々のところへ連れて行った。 14節 イエスが土をこねてその目を開けられたのは、安息日のことであった。 15節 そこで、ファリサイ派の人々も、どうして見えるようになったのかと尋ねた。彼は言った。「あの方が、わたしの目にこねた土を塗りました。そして、わたしが洗うと、見えるようになったのです。」 16節 ファリサイ派の人々の中には、「その人は、安息日を守らないから、神のもとから来た者ではない」と言う者もいれば、「どうして罪のある人間が、こんなしるしを行うことができるだろうか」と言う者もいた。こうして、彼らの間で意見が分かれた。 17節 そこで、人々は盲人であった人に再び言った。「目を開けてくれたということだが、いったい、お前はあの人をどう思うのか。」彼は「あの方は預言者です」と言った。 18節 それでも、ユダヤ人たちはこの人について、盲人であったのに目が見えるようになったということを信じなかった。ついに、目が見えるようになった人の両親を呼び出して、 19節 尋ねた。「この者はあなたたちの息子で、生まれつき目が見えなかったと言うのか。それが、どうして今は目が見えるのか。」 20節 両親は答えて言った。「これがわたしどもの息子で、生まれつき目が見えなかったことは知っています。 21節 しかし、どうして今、目が見えるようになったかは、分かりません。だれが目を開けてくれたのかも、わたしどもは分かりません。本人にお聞きください。もう大人ですから、自分のことは自分で話すでしょう。」 22節 両親がこう言ったのは、ユダヤ人たちを恐れていたからである。ユダヤ人たちは既に、イエスをメシアであると公に言い表す者がいれば、会堂から追放すると決めていたのである。 23節 両親が、「もう大人ですから、本人にお聞きください」と言ったのは、そのためである。
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ヨハネによる福音書9章24節~34節
24節 さて、ユダヤ人たちは、盲人であった人をもう一度呼び出して言った。「神の前で正直に答えなさい。わたしたちは、あの者が罪ある人間だと知っているのだ。」 25節 彼は答えた。「あの方が罪人かどうか、わたしには分かりません。ただ一つ知っているのは、目の見えなかったわたしが、今は見えるということです。」 26節 すると、彼らは言った。「あの者はお前にどんなことをしたのか。お前の目をどうやって開けたのか。」 27節 彼は答えた。「もうお話ししたのに、聞いてくださいませんでした。なぜまた、聞こうとなさるのですか。あなたがたもあの方の弟子になりたいのですか。」 28節 そこで、彼らはののしって言った。「お前はあの者の弟子だが、我々はモーセの弟子だ。 29節 我々は、神がモーセに語られたことは知っているが、あの者がどこから来たのかは知らない。」 30節 彼は答えて言った。「あの方がどこから来られたか、あなたがたがご存じないとは、実に不思議です。あの方は、わたしの目を開けてくださったのに。 31節 神は罪人の言うことはお聞きにならないと、わたしたちは承知しています。しかし、神をあがめ、その御心を行う人の言うことは、お聞きになります。 32節 生まれつき目が見えなかった者の目を開けた人がいるということなど、これまで一度も聞いたことがありません。 33節 あの方が神のもとから来られたのでなければ、何もおできにならなかったはずです。」 34節 彼らは、「お前は全く罪の中に生まれたのに、我々に教えようというのか」と言い返し、彼を外に追い出した。
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ヨハネによる福音書9章35節~41節
35節 イエスは彼が外に追い出されたことをお聞きになった。そして彼に出会うと、「あなたは人の子を信じるか」と言われた。 36節 彼は答えて言った。「主よ、その方はどんな人ですか。その方を信じたいのですが。」 37節 イエスは言われた。「あなたは、もうその人を見ている。あなたと話しているのが、その人だ。」 38節 彼が、「主よ、信じます」と言って、ひざまずくと、 39節 イエスは言われた。「わたしがこの世に来たのは、裁くためである。こうして、見えない者は見えるようになり、見える者は見えないようになる。」 40節 イエスと一緒に居合わせたファリサイ派の人々は、これらのことを聞いて、「我々も見えないということか」と言った。 41節 イエスは言われた。「見えなかったのであれば、罪はなかったであろう。しかし、今、『見える』とあなたたちは言っている。だから、あなたたちの罪は残る。」
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ヨハネによる福音書9章39節~10章6節
39節 イエスは言われた。「わたしがこの世に来たのは、裁くためである。こうして、見えない者は見えるようになり、見える者は見えないようになる。」 40節 イエスと一緒に居合わせたファリサイ派の人々は、これらのことを聞いて、「我々も見えないということか」と言った。 41節 イエスは言われた。「見えなかったのであれば、罪はなかったであろう。しかし、今、『見える』とあなたたちは言っている。だから、あなたたちの罪は残る。」 10章1節 「はっきり言っておく。羊の囲いに入るのに、門を通らないでほかの所を乗り越えて来る者は、盗人であり、強盗である。 2節 門から入る者が羊飼いである。 3節 門番は羊飼いには門を開き、羊はその声を聞き分ける。羊飼いは自分の羊の名を呼んで連れ出す。 4節 自分の羊をすべて連れ出すと、先頭に立って行く。羊はその声を知っているので、ついて行く。 5節 しかし、ほかの者には決してついて行かず、逃げ去る。ほかの者たちの声を知らないからである。」 6節 イエスは、このたとえをファリサイ派の人々に話されたが、彼らはその話が何のことか分からなかった。
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ヨハネによる福音書10章7節~10節
7節 イエスはまた言われた。「はっきり言っておく。わたしは羊の門である。 8節 わたしより前に来た者は皆、盗人であり、強盗である。しかし、羊は彼らの言うことを聞かなかった。 9節 わたしは門である。わたしを通って入る者は救われる。その人は、門を出入りして牧草を見つける。 10節 盗人が来るのは、盗んだり、屠ったり、滅ぼしたりするためにほかならない。わたしが来たのは、羊が命を受けるため、しかも豊かに受けるためである。
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ヨハネによる福音書10章11節~16節
11節 わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる。 12節 羊飼いでなく、自分の羊を持たない雇い人は、狼が来るのを見ると、羊を置き去りにして逃げる。――狼は羊を奪い、また追い散らす。―― 13節 彼は雇い人で、羊のことを心にかけていないからである。 14節 わたしは良い羊飼いである。わたしは自分の羊を知っており、羊もわたしを知っている。 15節 それは、父がわたしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同じである。わたしは羊のために命を捨てる。 16節 わたしには、この囲いに入っていないほかの羊もいる。その羊をも導かなければならない。その羊もわたしの声を聞き分ける。こうして、羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れになる。
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ヨハネによる福音書10章17節~21節
17節 わたしは命を、再び受けるために、捨てる。それゆえ、父はわたしを愛してくださる。 18節 だれもわたしから命を奪い取ることはできない。わたしは自分でそれを捨てる。わたしは命を捨てることもでき、それを再び受けることもできる。これは、わたしが父から受けた掟である。」 19節 この話をめぐって、ユダヤ人たちの間にまた対立が生じた。 20節 多くのユダヤ人は言った。「彼は悪霊に取りつかれて、気が変になっている。なぜ、あなたたちは彼の言うことに耳を貸すのか。」 21節 ほかの者たちは言った。「悪霊に取りつかれた者は、こういうことは言えない。悪霊に盲人の目が開けられようか。」
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ヨハネによる福音書10章22節~30節
22節 そのころ、エルサレムで神殿奉献記念祭が行われた。冬であった。 23節 イエスは、神殿の境内でソロモンの回廊を歩いておられた。 24節 すると、ユダヤ人たちがイエスを取り囲んで言った。「いつまで、わたしたちに気をもませるのか。もしメシアなら、はっきりそう言いなさい。」 25節 イエスは答えられた。「わたしは言ったが、あなたたちは信じない。わたしが父の名によって行う業が、わたしについて証しをしている。 26節 しかし、あなたたちは信じない。わたしの羊ではないからである。 27節 わたしの羊はわたしの声を聞き分ける。わたしは彼らを知っており、彼らはわたしに従う。 28節 わたしは彼らに永遠の命を与える。彼らは決して滅びず、だれも彼らをわたしの手から奪うことはできない。 29節 わたしの父がわたしにくださったものは、すべてのものより偉大であり、だれも父の手から奪うことはできない 30節 わたしと父とは一つである。」
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ヨハネによる福音書10章31節~39節
31節 ユダヤ人たちは、イエスを石で打ち殺そうとして、また石を取り上げた。 32節 すると、イエスは言われた。「わたしは、父が与えてくださった多くの善い業をあなたたちに示した。その中のどの業のために、石で打ち殺そうとするのか。」 33節 ユダヤ人たちは答えた。「善い業のことで、石で打ち殺すのではない。神を冒瀆したからだ。あなたは、人間なのに、自分を神としているからだ。」 34節 そこで、イエスは言われた。「あなたたちの律法に、『わたしは言う。あなたたちは神々である』と書いてあるではないか。 35節 神の言葉を受けた人たちが、『神々』と言われている。そして、聖書が廃れることはありえない。 36節 それなら、父から聖なる者とされて世に遣わされたわたしが、『わたしは神の子である』と言ったからとて、どうして『神を冒瀆している』と言うのか。 37節 もし、わたしが父の業を行っていないのであれば、わたしを信じなくてもよい。 38節 しかし、行っているのであれば、わたしを信じなくても、その業を信じなさい。そうすれば、父がわたしの内におられ、わたしが父の内にいることを、あなたたちは知り、また悟るだろう。」 39節 そこで、ユダヤ人たちはまたイエスを捕らえようとしたが、イエスは彼らの手を逃れて、去って行かれた。
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ヨハネによる福音書10章40節~11章4節
40節 イエスは、再びヨルダンの向こう側、ヨハネが最初に洗礼を授けていた所に行って、そこに滞在された。 41節 多くの人がイエスのもとに来て言った。「ヨハネは何のしるしも行わなかったが、彼がこの方について話したことは、すべて本当だった。」 42節 そこでは、多くの人がイエスを信じた。 1節 ある病人がいた。マリアとその姉妹マルタの村、ベタニアの出身で、ラザロといった。 2節 このマリアは主に香油を塗り、髪の毛で主の足をぬぐった女である。その兄弟ラザロが病気であった。 3節 姉妹たちはイエスのもとに人をやって、「主よ、あなたの愛しておられる者が病気なのです」と言わせた。 4節 イエスは、それを聞いて言われた。「この病気は死で終わるものではない。神の栄光のためである。神の子がそれによって栄光を受けるのである。」
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ヨハネによる福音書11章5節~16節
5節 イエスは、マルタとその姉妹とラザロを愛しておられた。 6節 ラザロが病気だと聞いてからも、なお二日間同じ所に滞在された。 7節 それから、弟子たちに言われた。「もう一度、ユダヤに行こう。」 8節 弟子たちは言った。「ラビ、ユダヤ人たちがついこの間もあなたを石で打ち殺そうとしたのに、またそこへ行かれるのですか。」 9節 イエスはお答えになった。「昼間は十二時間あるではないか。昼のうちに歩けば、つまずくことはない。この世の光を見ているからだ。 10節 しかし、夜歩けば、つまずく。その人の内に光がないからである。」 11節 こうお話しになり、また、その後で言われた。「わたしたちの友ラザロが眠っている。しかし、わたしは彼を起こしに行く。」 12節 弟子たちは、「主よ、眠っているのであれば、助かるでしょう」と言った。 13節 イエスはラザロの死について話されたのだが、弟子たちは、ただ眠りについて話されたものと思ったのである。 14節 そこでイエスは、はっきりと言われた。「ラザロは死んだのだ。 15節 わたしがその場に居合わせなかったのは、あなたがたにとってよかった。あなたがたが信じるようになるためである。さあ、彼のところへ行こう。」
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ヨハネによる福音書11章17節~27節
さて、イエスが行って御覧になると、ラザロは墓に葬られて既に四日もたっていた。 ベタニアはエルサレムに近く、十五スタディオンほどのところにあった。 マルタとマリアのところには、多くのユダヤ人が、兄弟ラザロのことで慰めに来ていた。 マルタは、イエスが来られたと聞いて、迎えに行ったが、マリアは家の中に座っていた。 マルタはイエスに言った。「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに。 しかし、あなたが神にお願いになることは何でも神はかなえてくださると、わたしは今でも承知しています。」 イエスが、「あなたの兄弟は復活する」と言われると、 マルタは、「終わりの日の復活の時に復活することは存じております」と言った。 イエスは言われた。「わたしは復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる。 生きていてわたしを信じる者はだれも、決して死ぬことはない。このことを信じるか。」 マルタは言った。「はい、主よ、あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであるとわたしは信じております。」
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ヨハネによる福音書11章17節~27節
17節 さて、イエスが行って御覧になると、ラザロは墓に葬られて既に四日もたっていた。 18節 ベタニアはエルサレムに近く、十五スタディオンほどのところにあった。 19節 マルタとマリアのところには、多くのユダヤ人が、兄弟ラザロのことで慰めに来ていた。 20節 マルタは、イエスが来られたと聞いて、迎えに行ったが、マリアは家の中に座っていた。 21節 マルタはイエスに言った。「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに。 22節 しかし、あなたが神にお願いになることは何でも神はかなえてくださると、わたしは今でも承知しています。」 23節 イエスが、「あなたの兄弟は復活する」と言われると、 24節 マルタは、「終わりの日の復活の時に復活することは存じております」と言った。 25節 イエスは言われた。「わたしは復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる。 26節 生きていてわたしを信じる者はだれも、決して死ぬことはない。このことを信じるか。」 27節 マルタは言った。「はい、主よ、あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであるとわたしは信じております。」
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ヨハネによる福音書11章28節~44節
28節「マルタは、こう言ってから、家に帰って姉妹のマリアを呼び、「先生がいらして、あなたをお呼びです」と耳打ちした。」 29節「マリアはこれを聞くと、すぐに立ち上がり、イエスのもとに行った。」 30節「イエスはまだ村には入らず、マルタが出迎えた場所におられた。」 31節「家の中でマリアと一緒にいて、慰めていたユダヤ人たちは、彼女が急に立ち上がって出て行くのを見て、墓に泣きに行くのだろうと思い、後を追った。」 32節「マリアはイエスのおられる所に来て、イエスを見るなり足もとにひれ伏し、「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに」と言った。」 33節「イエスは、彼女が泣き、一緒に来たユダヤ人たちも泣いているのを見て、心に憤りを覚え、興奮して、」 34節「言われた。「どこに葬ったのか。」彼らは、「主よ、来て、御覧ください」と言った。」 35節「イエスは涙を流された。」 36節「ユダヤ人たちは、「御覧なさい、どんなにラザロを愛しておられたことか」と言った。」 37節「しかし、中には、「盲人の目を開けたこの人も、ラザロが死なないようにはできなかったのか」と言う者もいた。」 38節「イエスは、再び心に憤りを覚えて、墓に来られた。墓は洞穴で、石でふさがれていた。」 39節「イエスが、「その石を取りのけなさい」と言われると、死んだラザロの姉妹マルタが、「主よ、四日もたっていますから、もうにおいます」と言った。」 40節「イエスは、「もし信じるなら、神の栄光が見られると、言っておいたではないか」と言われた。」 41節「人々が石を取りのけると、イエスは天を仰いで言われた。「父よ、わたしの願いを聞き入れてくださって感謝します。」 42節「わたしの願いをいつも聞いてくださることを、わたしは知っています。しかし、わたしがこう言うのは、周りにいる群衆のためです。あなたがわたしをお遣わしになったことを、彼らに信じさせるためです。」 43節「こう言ってから、「ラザロ、出て来なさい」と大声で叫ばれた。」 44節「すると、死んでいた人が、手と足を布で巻かれたまま出て来た。顔は覆いで包まれていた。イエスは人々に、「ほどいてやって、行かせなさい」と言われた。」
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ヨハネによる福音書11章28節~37節
28節 マルタは、こう言ってから、家に帰って姉妹のマリアを呼び、「先生がいらして、あなたをお呼びです」と耳打ちした。 29節 マリアはこれを聞くと、すぐに立ち上がり、イエスのもとに行った。 30節 イエスはまだ村には入らず、マルタが出迎えた場所におられた。 31節 家の中でマリアと一緒にいて、慰めていたユダヤ人たちは、彼女が急に立ち上がって出て行くのを見て、墓に泣きに行くのだろうと思い、後を追った。 32節 マリアはイエスのおられる所に来て、イエスを見るなり足もとにひれ伏し、「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに」と言った。 33節 イエスは、彼女が泣き、一緒に来たユダヤ人たちも泣いているのを見て、心に憤りを覚え、興奮して、 34節 言われた。「どこに葬ったのか。」彼らは、「主よ、来て、御覧ください」と言った 35節 イエスは涙を流された。 36節 ユダヤ人たちは、「御覧なさい、どんなにラザロを愛しておられたことか」と言った。 37節 しかし、中には、「盲人の目を開けたこの人も、ラザロが死なないようにはできなかったのか」と言う者もいた。
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ヨハネによる福音書11章38節~44節
38節 イエスは、再び心に憤りを覚えて、墓に来られた。墓は洞穴で、石でふさがれていた。 39節 イエスが、「その石を取りのけなさい」と言われると、死んだラザロの姉妹マルタが、「主よ、四日もたっていますから、もうにおいます」と言った。 40節 イエスは、「もし信じるなら、神の栄光が見られると、言っておいたではないか」と言われた。 41節 人々が石を取りのけると、イエスは天を仰いで言われた。「父よ、わたしの願いを聞き入れてくださって感謝します。 42節 わたしの願いをいつも聞いてくださることを、わたしは知っています。しかし、わたしがこう言うのは、周りにいる群衆のためです。あなたがわたしをお遣わしになったことを、彼らに信じさせるためです。」 43節 こう言ってから、「ラザロ、出て来なさい」と大声で叫ばれた。 44節 すると、死んでいた人が、手と足を布で巻かれたまま出て来た。顔は覆いで包まれていた。イエスは人々に、「ほどいてやって、行かせなさい」と言われた。
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ヨハネによる福音書11章45節~57節
45節 マリアのところに来て、イエスのなさったことを目撃したユダヤ人の多くは、イエスを信じた。 46節 しかし、中には、ファリサイ派の人々のもとへ行き、イエスのなさったことを告げる者もいた。 47節 そこで、祭司長たちとファリサイ派の人々は最高法院を召集して言った。「この男は多くのしるしを行っているが、どうすればよいか。 48節 このままにしておけば、皆が彼を信じるようになる。そして、ローマ人が来て、我々の神殿も国民も滅ぼしてしまうだろう。」 49節 彼らの中の一人で、その年の大祭司であったカイアファが言った。「あなたがたは何も分かっていない。 50節 一人の人間が民の代わりに死に、国民全体が滅びないで済む方が、あなたがたに好都合だとは考えないのか。」 51節 これは、カイアファが自分の考えから話したのではない。その年の大祭司であったので預言して、イエスが国民のために死ぬ、と言ったのである。 52節 国民のためばかりでなく、散らされている神の子たちを一つに集めるためにも死ぬ、と言ったのである。 53節 この日から、彼らはイエスを殺そうとたくらんだ。 54節 それで、イエスはもはや公然とユダヤ人たちの間を歩くことはなく、そこを去り、荒れ野に近い地方のエフライムという町に行き、弟子たちとそこに滞在された。 55節 さて、ユダヤ人の過越祭が近づいた。多くの人が身を清めるために、過越祭の前に地方からエルサレムへ上った。 56節 彼らはイエスを捜し、神殿の境内で互いに言った。「どう思うか。あの人はこの祭りには来ないのだろうか。」 57節 祭司長たちとファリサイ派の人々は、イエスの居どころが分かれば届け出よと、命令を出していた。イエスを逮捕するためである。
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ヨハネによる福音書12章1節~11節
1節 過越祭の六日前に、イエスはベタニアに行かれた。そこには、イエスが死者の中からよみがえらせたラザロがいた。 2節 イエスのためにそこで夕食が用意され、マルタは給仕をしていた。ラザロは、イエスと共に食事の席に着いた人々の中にいた。 3節 そのとき、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。家は香油の香りでいっぱいになった 4、5節 弟子の一人で、後にイエスを裏切るイスカリオテのユダが言った。「なぜ、この香油を三百デナリオンで売って、貧しい人々に施さなかったのか。」 6節 彼がこう言ったのは、貧しい人々のことを心にかけていたからではない。彼は盗人であって、金入れを預かっていながら、その中身をごまかしていたからである。 7、8節 イエスは言われた。「この人のするままにさせておきなさい。わたしの葬りの日のために、それを取って置いたのだから。貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。」 9〜11節 イエスがそこにおられるのを知って、ユダヤ人の大群衆がやって来た。それはイエスだけが目当てではなく、イエスが死者の中からよみがえらせたラザロを見るためでもあった。祭司長たちはラザロをも殺そうと謀った。多くのユダヤ人がラザロのことで離れて行って、イエスを信じるようになったからである。
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ヨハネによる福音書12章12節~19節
12節 その翌日、祭りに来ていた大勢の群衆は、イエスがエルサレムに来られると聞き、 13節 なつめやしの枝を持って迎えに出た。そして、叫び続けた。「ホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように、イスラエルの王に。」 14節 イエスはろばの子を見つけて、お乗りになった。次のように書いてあるとおりである。 15節 「シオンの娘よ、恐れるな。見よ、お前の王がおいでになる、ろばの子に乗って。」 16節 弟子たちは最初これらのことが分からなかったが、イエスが栄光を受けられたとき、それがイエスについて書かれたものであり、人々がそのとおりにイエスにしたということを思い出した。 17節 イエスがラザロを墓から呼び出して、死者の中からよみがえらせたとき一緒にいた群衆は、その証しをしていた。 18節 群衆がイエスを出迎えたのも、イエスがこのようなしるしをなさったと聞いていたからである。 19節 そこで、ファリサイ派の人々は互いに言った。「見よ、何をしても無駄だ。世をあげてあの男について行ったではないか。」
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ヨハネによる福音書12章20節~26節
20節 さて、祭りのとき礼拝するためにエルサレムに上って来た人々の中に、何人かのギリシア人がいた。 21節 彼らは、ガリラヤのベトサイダ出身のフィリポのもとへ来て、「お願いです。イエスにお目にかかりたいのです」と頼んだ。 22節 フィリポは行ってアンデレに話し、アンデレとフィリポは行って、イエスに話した。 23節 イエスはこうお答えになった。「人の子が栄光を受ける時が来た。 24節 はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。 25節 自分の命を愛する者は、それを失うが、この世で自分の命を憎む人は、それを保って永遠の命に至る。 26節 わたしに仕えようとする者は、わたしに従え。そうすれば、わたしのいるところに、わたしに仕える者もいることになる。わたしに仕える者がいれば、父はその人を大切にしてくださる。」
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ヨハネによる福音書12章27節~36節
27節 「今、わたしは心騒ぐ。何と言おうか。『父よ、わたしをこの時から救ってください』と言おうか。しかし、わたしはまさにこの時のために来たのだ。 28節 父よ、御名の栄光を現してください。」すると、天から声が聞こえた。「わたしは既に栄光を現した。再び栄光を現そう。」 29節 そばにいた群衆は、これを聞いて、「雷が鳴った」と言い、ほかの者たちは「天使がこの人に話しかけたのだ」と言った。 30節 イエスは答えて言われた。「この声が聞こえたのは、わたしのためではなく、あなたがたのためだ。 31節 今こそ、この世が裁かれる時。今、この世の支配者が追放される。 32節 わたしは地上から上げられるとき、すべての人を自分のもとへ引き寄せよう。」 33節 イエスは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、こう言われたのである。 34節 すると、群衆は言葉を返した。「わたしたちは律法によって、メシアは永遠にいつもおられると聞いていました。それなのに、人の子は上げられなければならない、とどうして言われるのですか。その『人の子』とはだれのことですか。」 35節 イエスは言われた。「光は、いましばらく、あなたがたの間にある。暗闇に追いつかれないように、光のあるうちに歩きなさい。暗闇の中を歩く者は、自分がどこへ行くのか分からない。 36節 光の子となるために、光のあるうちに、光を信じなさい。」イエスはこれらのことを話してから、立ち去って彼らから身を隠された。
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ヨハネによる福音書12章37節~43節
37節 このように多くのしるしを彼らの目の前で行われたが、彼らはイエスを信じなかった。 38節 預言者イザヤの言葉が実現するためであった。彼はこう言っている。「主よ、だれがわたしたちの知らせを信じましたか。主の御腕は、だれに示されましたか。」 39節 彼らが信じることができなかった理由を、イザヤはまた次のように言っている。 40節 「神は彼らの目を見えなくし、その心をかたくなにされた。こうして、彼らは目で見ることなく、心で悟らず、立ち帰らない。わたしは彼らをいやさない。」 41節 イザヤは、イエスの栄光を見たので、このように言い、イエスについて語ったのである。 42節 とはいえ、議員の中にもイエスを信じる者は多かった。ただ、会堂から追放されるのを恐れ、ファリサイ派の人々をはばかって公に言い表さなかった。 43節 彼らは、神からの誉れよりも、人間からの誉れの方を好んだのである。
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ヨハネによる福音書12章44節~50節
44節 イエスは叫んで、こう言われた。「わたしを信じる者は、わたしを信じるのではなくて、わたしを遣わされた方を信じるのである。 45節 わたしを見る者は、わたしを遣わされた方を見るのである。 46節 わたしを信じる者が、だれも暗闇の中にとどまることのないように、わたしは光として世に来た。 47節 わたしの言葉を聞いて、それを守らない者がいても、わたしはその者を裁かない。わたしは、世を裁くためではなく、世を救うために来たからである。 48節 わたしを拒み、わたしの言葉を受け入れない者に対しては、裁くものがある。わたしの語った言葉が、終わりの日にその者を裁く。 49節 なぜなら、わたしは自分勝手に語ったのではなく、わたしをお遣わしになった父が、わたしの言うべきこと、語るべきことをお命じになったからである。 50節 父の命令は永遠の命であることを、わたしは知っている。だから、わたしが語ることは、父がわたしに命じられたままに語っているのである。」
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ヨハネによる福音書14章1節~12節
心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。わたしの父の家には住む所がたくさんある。もしなければ、あなたがたのために場所を用意しに行くと言ったであろうか。行ってあなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、あなたがたをわたしのもとに迎える。こうして、わたしのいる所に、あなたがたもいることになる。わたしがどこへ行くのか、その道をあなたがたは知っている。」トマスが言った。「主よ、どこへ行かれるのか、わたしたちには分かりません。どうして、その道を知ることができるでしょうか。」イエスは言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。あなたがたがわたしを知っているなら、わたしの父をも知ることになる。今から、あなたがたは父を知る。いや、既に父を見ている。」フィリポが「主よ、わたしたちに御父をお示しください。そうすれば満足できます」と言うと、イエスは言われた。「フィリポ、こんなに長い間一緒にいるのに、わたしが分かっていないのか。わたしを見た者は、父を見たのだ。なぜ、『わたしたちに御父をお示しください』と言うのか。わたしが父の内におり、父がわたしの内におられることを、信じないのか。わたしがあなたがたに言う言葉は、自分から話しているのではない。わたしの内におられる父が、その業を行っておられるのである。わたしが父の内におり、父がわたしの内におられると、わたしが言うのを信じなさい。もしそれを信じないなら、業そのものによって信じなさい。はっきり言っておく。わたしを信じる者は、わたしが行う業を行い、また、もっと大きな業を行うようになる。わたしが父のもとへ行くからである。
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ヨハネによる福音書14章15節~19節
「あなたがたは、わたしを愛しているならば、わたしの掟を守る。わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。この方は、真理の霊である。世は、この霊を見ようとも知ろうともしないので、受け入れることができない。しかし、あなたがたはこの霊を知っている。この霊があなたがたと共におり、これからも、あなたがたの内にいるからである。わたしは、あなたがたをみなしごにはしておかない。あなたがたのところに戻って来る。しばらくすると、世はもうわたしを見なくなるが、あなたがたはわたしを見る。わたしが生きているので、あなたがたも生きることになる。」
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