新約聖書「マタイによる福音書」に関する礼拝説教 57件
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新約聖書「マタイによる福音書」に関する礼拝説教 57件
マタイによる福音書1章18節~25節
18イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。 19夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。 20このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。 21マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」 22このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。 23「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。 24ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れ、 25男の子が生まれるまでマリアと関係することはなかった。そして、その子をイエスと名付けた。
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書2章1節~12節
2:1イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、 2:2言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」 2:3これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。 2:4王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。 2:5彼らは言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。 2:6『ユダの地、ベツレヘムよ、/お前はユダの指導者たちの中で/決していちばん小さいものではない。お前から指導者が現れ、/わたしの民イスラエルの牧者となるからである。』」 2:7そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。 2:8そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムへ送り出した。 2:9彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。 2:10学者たちはその星を見て喜びにあふれた。 2:11家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。 2:12ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。
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- 山﨑正記 長老
マタイによる福音書6章7節~15節
6:7また、あなたがたが祈るときは、異邦人のようにくどくどと述べてはならない。異邦人は、言葉数が多ければ、聞き入れられると思い込んでいる。 6:8彼らのまねをしてはならない。あなたがたの父は、願う前から、あなたがたに必要なものをご存じなのだ。 6:9だから、こう祈りなさい。『天におられるわたしたちの父よ、/御名が崇められますように。 6:10御国が来ますように。御心が行われますように、/天におけるように地の上にも。 6:11わたしたちに必要な糧を今日与えてください。 6:12わたしたちの負い目を赦してください、/わたしたちも自分に負い目のある人を/赦しましたように。 6:13わたしたちを誘惑に遭わせず、/悪い者から救ってください。』 6:14もし人の過ちを赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたの過ちをお赦しになる。 6:15しかし、もし人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しにならない。」
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書6章25節~34節
6:25「だから、言っておく。自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切ではないか。 6:26空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。 6:27あなたがたのうちだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。 6:28なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。 6:29しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。 6:30今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことではないか、信仰の薄い者たちよ。 6:31だから、『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』と言って、思い悩むな。 6:32それはみな、異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの天の父は、これらのものがみなあなたがたに必要なことをご存じである。 6:33何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。 6:34だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。」
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- 辻幸宏 牧師
マタイによる福音書15章1節~20節
15:1そのころ、ファリサイ派の人々と律法学者たちが、エルサレムからイエスのもとへ来て言った。 15:2「なぜ、あなたの弟子たちは、昔の人の言い伝えを破るのですか。彼らは食事の前に手を洗いません。」 15:3そこで、イエスはお答えになった。「なぜ、あなたたちも自分の言い伝えのために、神の掟を破っているのか。 15:4神は、『父と母を敬え』と言い、『父または母をののしる者は死刑に処せられるべきである』とも言っておられる。 15:5それなのに、あなたたちは言っている。『父または母に向かって、「あなたに差し上げるべきものは、神への供え物にする」と言う者は、 15:6父を敬わなくてもよい』と。こうして、あなたたちは、自分の言い伝えのために神の言葉を無にしている。 15:7偽善者たちよ、イザヤは、あなたたちのことを見事に預言したものだ。 15:8『この民は口先ではわたしを敬うが、/その心はわたしから遠く離れている。 15:9人間の戒めを教えとして教え、/むなしくわたしをあがめている。』」 15:10それから、イエスは群衆を呼び寄せて言われた。「聞いて悟りなさい。 15:11口に入るものは人を汚さず、口から出て来るものが人を汚すのである。」 15:12そのとき、弟子たちが近寄って来て、「ファリサイ派の人々がお言葉を聞いて、つまずいたのをご存じですか」と言った。 15:13イエスはお答えになった。「わたしの天の父がお植えにならなかった木は、すべて抜き取られてしまう。 15:14そのままにしておきなさい。彼らは盲人の道案内をする盲人だ。盲人が盲人の道案内をすれば、二人とも穴に落ちてしまう。」 15:15するとペトロが、「そのたとえを説明してください」と言った。 15:16イエスは言われた。「あなたがたも、まだ悟らないのか。 15:17すべて口に入るものは、腹を通って外に出されることが分からないのか。 15:18しかし、口から出て来るものは、心から出て来るので、これこそ人を汚す。 15:19悪意、殺意、姦淫、みだらな行い、盗み、偽証、悪口などは、心から出て来るからである。 15:20これが人を汚す。しかし、手を洗わずに食事をしても、そのことは人を汚すものではない。」
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書15章21節~28節
15:21イエスはそこをたち、ティルスとシドンの地方に行かれた。 15:22すると、この地に生まれたカナンの女が出て来て、「主よ、ダビデの子よ、わたしを憐れんでください。娘が悪霊にひどく苦しめられています」と叫んだ。 15:23しかし、イエスは何もお答えにならなかった。そこで、弟子たちが近寄って来て願った。「この女を追い払ってください。叫びながらついて来ますので。」 15:24イエスは、「わたしは、イスラエルの家の失われた羊のところにしか遣わされていない」とお答えになった。 15:25しかし、女は来て、イエスの前にひれ伏し、「主よ、どうかお助けください」と言った。 15:26イエスが、「子供たちのパンを取って小犬にやってはいけない」とお答えになると、 15:27女は言った。「主よ、ごもっともです。しかし、小犬も主人の食卓から落ちるパン屑はいただくのです。」 15:28そこで、イエスはお答えになった。「婦人よ、あなたの信仰は立派だ。あなたの願いどおりになるように。」そのとき、娘の病気はいやされた。
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書15章29節~39節
15:29イエスはそこを去って、ガリラヤ湖のほとりに行かれた。そして、山に登って座っておられた。 15:30大勢の群衆が、足の不自由な人、目の見えない人、体の不自由な人、口の利けない人、その他多くの病人を連れて来て、イエスの足もとに横たえたので、イエスはこれらの人々をいやされた。 15:31群衆は、口の利けない人が話すようになり、体の不自由な人が治り、足の不自由な人が歩き、目の見えない人が見えるようになったのを見て驚き、イスラエルの神を賛美した。 15:32イエスは弟子たちを呼び寄せて言われた。「群衆がかわいそうだ。もう三日もわたしと一緒にいるのに、食べ物がない。空腹のままで解散させたくはない。途中で疲れきってしまうかもしれない。」 15:33弟子たちは言った。「この人里離れた所で、これほど大勢の人に十分食べさせるほどのパンが、どこから手に入るでしょうか。」 15:34イエスが「パンは幾つあるか」と言われると、弟子たちは、「七つあります。それに、小さい魚が少しばかり」と答えた。 15:35そこで、イエスは地面に座るように群衆に命じ、 15:36七つのパンと魚を取り、感謝の祈りを唱えてこれを裂き、弟子たちにお渡しになった。弟子たちは群衆に配った。 15:37人々は皆、食べて満腹した。残ったパンの屑を集めると、七つの籠いっぱいになった。 15:38食べた人は、女と子供を別にして、男が四千人であった。 15:39イエスは群衆を解散させ、舟に乗ってマガダン地方に行かれた。
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書16章1節~12節
16:1ファリサイ派とサドカイ派の人々が来て、イエスを試そうとして、天からのしるしを見せてほしいと願った。 16:2イエスはお答えになった。「あなたたちは、夕方には『夕焼けだから、晴れだ』と言い、 16:3朝には『朝焼けで雲が低いから、今日は嵐だ』と言う。このように空模様を見分けることは知っているのに、時代のしるしは見ることができないのか。 16:4よこしまで神に背いた時代の者たちはしるしを欲しがるが、ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない。」そして、イエスは彼らを後に残して立ち去られた。 16:5弟子たちは向こう岸に行ったが、パンを持って来るのを忘れていた。 16:6イエスは彼らに、「ファリサイ派とサドカイ派の人々のパン種によく注意しなさい」と言われた。 16:7弟子たちは、「これは、パンを持って来なかったからだ」と論じ合っていた。 16:8イエスはそれに気づいて言われた。「信仰の薄い者たちよ、なぜ、パンを持っていないことで論じ合っているのか。 16:9まだ、分からないのか。覚えていないのか。パン五つを五千人に分けたとき、残りを幾籠に集めたか。 16:10また、パン七つを四千人に分けたときは、残りを幾籠に集めたか。 16:11パンについて言ったのではないことが、どうして分からないのか。ファリサイ派とサドカイ派の人々のパン種に注意しなさい。」 16:12そのときようやく、弟子たちは、イエスが注意を促されたのは、パン種のことではなく、ファリサイ派とサドカイ派の人々の教えのことだと悟った。
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書16章13節~20節
16:13イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。 16:14弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」 16:15イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」 16:16シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。 16:17すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。 16:18わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。 16:19わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」 16:20それから、イエスは、御自分がメシアであることをだれにも話さないように、と弟子たちに命じられた。
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書16章21節~28節
16:21このときから、イエスは、御自分が必ずエルサレムに行って、長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受けて殺され、三日目に復活することになっている、と弟子たちに打ち明け始められた。 16:22すると、ペトロはイエスをわきへお連れして、いさめ始めた。「主よ、とんでもないことです。そんなことがあってはなりません。」 16:23イエスは振り向いてペトロに言われた。「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。神のことを思わず、人間のことを思っている。」 16:24それから、弟子たちに言われた。「わたしについて来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。 16:25自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを得る。 16:26人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。 16:27人の子は、父の栄光に輝いて天使たちと共に来るが、そのとき、それぞれの行いに応じて報いるのである。 16:28はっきり言っておく。ここに一緒にいる人々の中には、人の子がその国と共に来るのを見るまでは、決して死なない者がいる。」
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書17章1節~13節
17:1六日の後、イエスは、ペトロ、それにヤコブとその兄弟ヨハネだけを連れて、高い山に登られた。 17:2イエスの姿が彼らの目の前で変わり、顔は太陽のように輝き、服は光のように白くなった。 17:3見ると、モーセとエリヤが現れ、イエスと語り合っていた。 17:4ペトロが口をはさんでイエスに言った。「主よ、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。お望みでしたら、わたしがここに仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」 17:5ペトロがこう話しているうちに、光り輝く雲が彼らを覆った。すると、「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」という声が雲の中から聞こえた。 17:6弟子たちはこれを聞いてひれ伏し、非常に恐れた。 17:7イエスは近づき、彼らに手を触れて言われた。「起きなさい。恐れることはない。」 17:8彼らが顔を上げて見ると、イエスのほかにはだれもいなかった。 17:9一同が山を下りるとき、イエスは、「人の子が死者の中から復活するまで、今見たことをだれにも話してはならない」と弟子たちに命じられた。 17:10彼らはイエスに、「なぜ、律法学者は、まずエリヤが来るはずだと言っているのでしょうか」と尋ねた。 17:11イエスはお答えになった。「確かにエリヤが来て、すべてを元どおりにする。 17:12言っておくが、エリヤは既に来たのだ。人々は彼を認めず、好きなようにあしらったのである。人の子も、そのように人々から苦しめられることになる。」 17:13そのとき、弟子たちは、イエスが洗礼者ヨハネのことを言われたのだと悟った。
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書17章14節~20節
17:14一同が群衆のところへ行くと、ある人がイエスに近寄り、ひざまずいて、 17:15言った。「主よ、息子を憐れんでください。てんかんでひどく苦しんでいます。度々火の中や水の中に倒れるのです。 17:16お弟子たちのところに連れて来ましたが、治すことができませんでした。」 17:17イエスはお答えになった。「なんと信仰のない、よこしまな時代なのか。いつまでわたしはあなたがたと共にいられようか。いつまで、あなたがたに我慢しなければならないのか。その子をここに、わたしのところに連れて来なさい。」 17:18そして、イエスがお叱りになると、悪霊は出て行き、そのとき子供はいやされた。 17:19弟子たちはひそかにイエスのところに来て、「なぜ、わたしたちは悪霊を追い出せなかったのでしょうか」と言った。 17:20イエスは言われた。「信仰が薄いからだ。はっきり言っておく。もし、からし種一粒ほどの信仰があれば、この山に向かって、『ここから、あそこに移れ』と命じても、そのとおりになる。あなたがたにできないことは何もない。」
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書17章22節~27節
17:22一行がガリラヤに集まったとき、イエスは言われた。「人の子は人々の手に引き渡されようとしている。 17:23そして殺されるが、三日目に復活する。」弟子たちは非常に悲しんだ。 17:24一行がカファルナウムに来たとき、神殿税を集める者たちがペトロのところに来て、「あなたたちの先生は神殿税を納めないのか」と言った。 17:25ペトロは、「納めます」と言った。そして家に入ると、イエスの方から言いだされた。「シモン、あなたはどう思うか。地上の王は、税や貢ぎ物をだれから取り立てるのか。自分の子供たちからか、それともほかの人々からか。」 17:26ペトロが「ほかの人々からです」と答えると、イエスは言われた。「では、子供たちは納めなくてよいわけだ。 17:27しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣りをしなさい。最初に釣れた魚を取って口を開けると、銀貨が一枚見つかるはずだ。それを取って、わたしとあなたの分として納めなさい。」
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書18章1節~14節
18:1そのとき、弟子たちがイエスのところに来て、「いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか」と言った。 18:2そこで、イエスは一人の子供を呼び寄せ、彼らの中に立たせて、 18:3言われた。「はっきり言っておく。心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。 18:4自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。 18:5わたしの名のためにこのような一人の子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。」 18:6「しかし、わたしを信じるこれらの小さな者の一人をつまずかせる者は、大きな石臼を首に懸けられて、深い海に沈められる方がましである。 18:7世は人をつまずかせるから不幸だ。つまずきは避けられない。だが、つまずきをもたらす者は不幸である。 18:8もし片方の手か足があなたをつまずかせるなら、それを切って捨ててしまいなさい。両手両足がそろったまま永遠の火に投げ込まれるよりは、片手片足になっても命にあずかる方がよい。 18:9もし片方の目があなたをつまずかせるなら、えぐり出して捨ててしまいなさい。両方の目がそろったまま火の地獄に投げ込まれるよりは、一つの目になっても命にあずかる方がよい。」 18:10「これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい。言っておくが、彼らの天使たちは天でいつもわたしの天の父の御顔を仰いでいるのである。 18:12あなたがたはどう思うか。ある人が羊を百匹持っていて、その一匹が迷い出たとすれば、九十九匹を山に残しておいて、迷い出た一匹を捜しに行かないだろうか。 18:13はっきり言っておくが、もし、それを見つけたら、迷わずにいた九十九匹より、その一匹のことを喜ぶだろう。 18:14そのように、これらの小さな者が一人でも滅びることは、あなたがたの天の父の御心ではない。」
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書18章15節~20節
18:15「兄弟があなたに対して罪を犯したなら、行って二人だけのところで忠告しなさい。言うことを聞き入れたら、兄弟を得たことになる。 18:16聞き入れなければ、ほかに一人か二人、一緒に連れて行きなさい。すべてのことが、二人または三人の証人の口によって確定されるようになるためである。 18:17それでも聞き入れなければ、教会に申し出なさい。教会の言うことも聞き入れないなら、その人を異邦人か徴税人と同様に見なしなさい。 18:18はっきり言っておく。あなたがたが地上でつなぐことは、天上でもつながれ、あなたがたが地上で解くことは、天上でも解かれる。 18:19また、はっきり言っておくが、どんな願い事であれ、あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして求めるなら、わたしの天の父はそれをかなえてくださる。 18:20二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである。」
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書18章21節~35節
18:21そのとき、ペトロがイエスのところに来て言った。「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか。」 18:22イエスは言われた。「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい。 18:23そこで、天の国は次のようにたとえられる。ある王が、家来たちに貸した金の決済をしようとした。 18:24決済し始めたところ、一万タラントン借金している家来が、王の前に連れて来られた。 18:25しかし、返済できなかったので、主君はこの家来に、自分も妻も子も、また持ち物も全部売って返済するように命じた。 18:26家来はひれ伏し、『どうか待ってください。きっと全部お返しします』としきりに願った。 18:27その家来の主君は憐れに思って、彼を赦し、その借金を帳消しにしてやった。 18:28ところが、この家来は外に出て、自分に百デナリオンの借金をしている仲間に出会うと、捕まえて首を絞め、『借金を返せ』と言った。 18:29仲間はひれ伏して、『どうか待ってくれ。返すから』としきりに頼んだ。 18:30しかし、承知せず、その仲間を引っぱって行き、借金を返すまでと牢に入れた。 18:31仲間たちは、事の次第を見て非常に心を痛め、主君の前に出て事件を残らず告げた。 18:32そこで、主君はその家来を呼びつけて言った。『不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。 18:33わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか。』 18:34そして、主君は怒って、借金をすっかり返済するまでと、家来を牢役人に引き渡した。 18:35あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう。」
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書19章1節~12節
19:1イエスはこれらの言葉を語り終えると、ガリラヤを去り、ヨルダン川の向こう側のユダヤ地方に行かれた。 19:2大勢の群衆が従った。イエスはそこで人々の病気をいやされた。 19:3ファリサイ派の人々が近寄り、イエスを試そうとして、「何か理由があれば、夫が妻を離縁することは、律法に適っているでしょうか」と言った。 19:4イエスはお答えになった。「あなたたちは読んだことがないのか。創造主は初めから人を男と女とにお造りになった。」 19:5そして、こうも言われた。「それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる。 19:6だから、二人はもはや別々ではなく、一体である。従って、神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない。」 19:7すると、彼らはイエスに言った。「では、なぜモーセは、離縁状を渡して離縁するように命じたのですか。」 19:8イエスは言われた。「あなたたちの心が頑固なので、モーセは妻を離縁することを許したのであって、初めからそうだったわけではない。 19:9言っておくが、不法な結婚でもないのに妻を離縁して、他の女を妻にする者は、姦通の罪を犯すことになる。」 19:10弟子たちは、「夫婦の間柄がそんなものなら、妻を迎えない方がましです」と言った。 19:11イエスは言われた。「だれもがこの言葉を受け入れるのではなく、恵まれた者だけである。 19:12結婚できないように生まれついた者、人から結婚できないようにされた者もいるが、天の国のために結婚しない者もいる。これを受け入れることのできる人は受け入れなさい。」
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書19章16節~26節
19:16さて、一人の男がイエスに近寄って来て言った。「先生、永遠の命を得るには、どんな善いことをすればよいのでしょうか。」 19:17イエスは言われた。「なぜ、善いことについて、わたしに尋ねるのか。善い方はおひとりである。もし命を得たいのなら、掟を守りなさい。」 19:18男が「どの掟ですか」と尋ねると、イエスは言われた。「『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、 19:19父母を敬え、また、隣人を自分のように愛しなさい。』」 19:20そこで、この青年は言った。「そういうことはみな守ってきました。まだ何か欠けているでしょうか。」 19:21イエスは言われた。「もし完全になりたいのなら、行って持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」 19:22青年はこの言葉を聞き、悲しみながら立ち去った。たくさんの財産を持っていたからである。 19:23イエスは弟子たちに言われた。「はっきり言っておく。金持ちが天の国に入るのは難しい。 19:24重ねて言うが、金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」 19:25弟子たちはこれを聞いて非常に驚き、「それでは、だれが救われるのだろうか」と言った。 19:26イエスは彼らを見つめて、「それは人間にできることではないが、神は何でもできる」と言われた。
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書19章27節~20章16節
19:27すると、ペトロがイエスに言った。「このとおり、わたしたちは何もかも捨ててあなたに従って参りました。では、わたしたちは何をいただけるのでしょうか。」 19:28イエスは一同に言われた。「はっきり言っておく。新しい世界になり、人の子が栄光の座に座るとき、あなたがたも、わたしに従って来たのだから、十二の座に座ってイスラエルの十二部族を治めることになる。 19:29わたしの名のために、家、兄弟、姉妹、父、母、子供、畑を捨てた者は皆、その百倍もの報いを受け、永遠の命を受け継ぐ。 19:30しかし、先にいる多くの者が後になり、後にいる多くの者が先になる。」 20:1「天の国は次のようにたとえられる。ある家の主人が、ぶどう園で働く労働者を雇うために、夜明けに出かけて行った。 20:2主人は、一日につき一デナリオンの約束で、労働者をぶどう園に送った 20:3また、九時ごろ行ってみると、何もしないで広場に立っている人々がいたので、 20:4『あなたたちもぶどう園に行きなさい。ふさわしい賃金を払ってやろう』と言った。 20:5それで、その人たちは出かけて行った。主人は、十二時ごろと三時ごろにまた出て行き、同じようにした。 20:6五時ごろにも行ってみると、ほかの人々が立っていたので、『なぜ、何もしないで一日中ここに立っているのか』と尋ねると、 20:7彼らは、『だれも雇ってくれないのです』と言った。主人は彼らに、『あなたたちもぶどう園に行きなさい』と言った。 20:8夕方になって、ぶどう園の主人は監督に、『労働者たちを呼んで、最後に来た者から始めて、最初に来た者まで順に賃金を払ってやりなさい』と言った。 20:9そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った。 20:10最初に雇われた人たちが来て、もっと多くもらえるだろうと思っていた。しかし、彼らも一デナリオンずつであった。 20:11それで、受け取ると、主人に不平を言った。 20:12『最後に来たこの連中は、一時間しか働きませんでした。まる一日、暑い中を辛抱して働いたわたしたちと、この連中とを同じ扱いにするとは。』 20:13主人はその一人に答えた。『友よ、あなたに不当なことはしていない。あなたはわたしと一デナリオンの約束をしたではないか。 20:14自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。 20:15自分のものを自分のしたいようにしては、いけないか。それとも、わたしの気前のよさをねたむのか。』 20:16このように、後にいる者が先になり、先にいる者が後になる。」
- 日付:
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書20章17節~28節
20:17イエスはエルサレムへ上って行く途中、十二人の弟子だけを呼び寄せて言われた。 20:18「今、わたしたちはエルサレムへ上って行く。人の子は、祭司長たちや律法学者たちに引き渡される。彼らは死刑を宣告して、 20:19異邦人に引き渡す。人の子を侮辱し、鞭打ち、十字架につけるためである。そして、人の子は三日目に復活する。」 20:20そのとき、ゼベダイの息子たちの母が、その二人の息子と一緒にイエスのところに来て、ひれ伏し、何かを願おうとした。 20:21イエスが、「何が望みか」と言われると、彼女は言った。「王座にお着きになるとき、この二人の息子が、一人はあなたの右に、もう一人は左に座れるとおっしゃってください。」 20:22イエスはお答えになった。「あなたがたは、自分が何を願っているか、分かっていない。このわたしが飲もうとしている杯を飲むことができるか。」二人が、「できます」と言うと、 20:23イエスは言われた。「確かに、あなたがたはわたしの杯を飲むことになる。しかし、わたしの右と左にだれが座るかは、わたしの決めることではない。それは、わたしの父によって定められた人々に許されるのだ。」 20:24ほかの十人の者はこれを聞いて、この二人の兄弟のことで腹を立てた。 20:25そこで、イエスは一同を呼び寄せて言われた。「あなたがたも知っているように、異邦人の間では支配者たちが民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。 20:26しかし、あなたがたの間では、そうであってはならない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、 20:27いちばん上になりたい者は、皆の僕になりなさい。 20:28人の子が、仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのと同じように。」
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マタイによる福音書20章29節~34節
20:29一行がエリコの町を出ると、大勢の群衆がイエスに従った。 20:30そのとき、二人の盲人が道端に座っていたが、イエスがお通りと聞いて、「主よ、ダビデの子よ、わたしたちを憐れんでください」と叫んだ。 20:31群衆は叱りつけて黙らせようとしたが、二人はますます、「主よ、ダビデの子よ、わたしたちを憐れんでください」と叫んだ。 20:32イエスは立ち止まり、二人を呼んで、「何をしてほしいのか」と言われた。 20:33二人は、「主よ、目を開けていただきたいのです」と言った。 20:34イエスが深く憐れんで、その目に触れられると、盲人たちはすぐ見えるようになり、イエスに従った。
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マタイによる福音書21章1節~11節
1一行がエルサレムに近づいて、オリーブ山沿いのベトファゲに来たとき、イエスは二人の弟子を使いに出そうとして、 2言われた。「向こうの村へ行きなさい。するとすぐ、ろばがつないであり、一緒に子ろばのいるのが見つかる。それをほどいて、わたしのところに引いて来なさい。 3もし、だれかが何か言ったら、『主がお入り用なのです』と言いなさい。すぐ渡してくれる。」 4それは、預言者を通して言われていたことが実現するためであった。 5「シオンの娘に告げよ。『見よ、お前の王がお前のところにおいでになる、/柔和な方で、ろばに乗り、/荷を負うろばの子、子ろばに乗って。』」 6弟子たちは行って、イエスが命じられたとおりにし、 7ろばと子ろばを引いて来て、その上に服をかけると、イエスはそれにお乗りになった。 8大勢の群衆が自分の服を道に敷き、また、ほかの人々は木の枝を切って道に敷いた。 9そして群衆は、イエスの前を行く者も後に従う者も叫んだ。「ダビデの子にホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように。いと高きところにホサナ。」 10イエスがエルサレムに入られると、都中の者が、「いったい、これはどういう人だ」と言って騒いだ。 11そこで群衆は、「この方は、ガリラヤのナザレから出た預言者イエスだ」と言った。
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マタイによる福音書21章12節~17節
21:12それから、イエスは神殿の境内に入り、そこで売り買いをしていた人々を皆追い出し、両替人の台や鳩を売る者の腰掛けを倒された。 21:13そして言われた。「こう書いてある。『わたしの家は、祈りの家と呼ばれるべきである。』/ところが、あなたたちは/それを強盗の巣にしている。」 21:14境内では目の見えない人や足の不自由な人たちがそばに寄って来たので、イエスはこれらの人々をいやされた。 21:15他方、祭司長たちや、律法学者たちは、イエスがなさった不思議な業を見、境内で子供たちまで叫んで、「ダビデの子にホサナ」と言うのを聞いて腹を立て、 21:16イエスに言った。「子供たちが何と言っているか、聞こえるか。」イエスは言われた。「聞こえる。あなたたちこそ、『幼子や乳飲み子の口に、あなたは賛美を歌わせた』という言葉をまだ読んだことがないのか。」 21:17それから、イエスは彼らと別れ、都を出てベタニアに行き、そこにお泊まりになった。
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マタイによる福音書21章18節~22節
21:18朝早く、都に帰る途中、イエスは空腹を覚えられた。 21:19道端にいちじくの木があるのを見て、近寄られたが、葉のほかは何もなかった。そこで、「今から後いつまでも、お前には実がならないように」と言われると、いちじくの木はたちまち枯れてしまった。 21:20弟子たちはこれを見て驚き、「なぜ、たちまち枯れてしまったのですか」と言った。 21:21イエスはお答えになった。「はっきり言っておく。あなたがたも信仰を持ち、疑わないならば、いちじくの木に起こったようなことができるばかりでなく、この山に向かい、『立ち上がって、海に飛び込め』と言っても、そのとおりになる。 21:22信じて祈るならば、求めるものは何でも得られる。」
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マタイによる福音書21章23節~32節
23イエスが神殿の境内に入って教えておられると、祭司長や民の長老たちが近寄って来て言った。「何の権威でこのようなことをしているのか。だれがその権威を与えたのか。」 24イエスはお答えになった。「では、わたしも一つ尋ねる。それに答えるなら、わたしも、何の権威でこのようなことをするのか、あなたたちに言おう。 25ヨハネの洗礼はどこからのものだったか。天からのものか、それとも、人からのものか。」彼らは論じ合った。「『天からのものだ』と言えば、『では、なぜヨハネを信じなかったのか』と我々に言うだろう。 26『人からのものだ』と言えば、群衆が怖い。皆がヨハネを預言者と思っているから。」 27そこで、彼らはイエスに、「分からない」と答えた。すると、イエスも言われた。「それなら、何の権威でこのようなことをするのか、わたしも言うまい。」 28「ところで、あなたたちはどう思うか。ある人に息子が二人いたが、彼は兄のところへ行き、『子よ、今日、ぶどう園へ行って働きなさい』と言った。 29兄は『いやです』と答えたが、後で考え直して出かけた。 30弟のところへも行って、同じことを言うと、弟は『お父さん、承知しました』と答えたが、出かけなかった。 31この二人のうち、どちらが父親の望みどおりにしたか。」彼らが「兄の方です」と言うと、イエスは言われた。「はっきり言っておく。徴税人や娼婦たちの方が、あなたたちより先に神の国に入るだろう。 32なぜなら、ヨハネが来て義の道を示したのに、あなたたちは彼を信ぜず、徴税人や娼婦たちは信じたからだ。あなたたちはそれを見ても、後で考え直して彼を信じようとしなかった。」
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マタイによる福音書21章33節~46節
21:33「もう一つのたとえを聞きなさい。ある家の主人がぶどう園を作り、垣を巡らし、その中に搾り場を掘り、見張りのやぐらを立て、これを農夫たちに貸して旅に出た。 21:34さて、収穫の時が近づいたとき、収穫を受け取るために、僕たちを農夫たちのところへ送った。 21:35だが、農夫たちはこの僕たちを捕まえ、一人を袋だたきにし、一人を殺し、一人を石で打ち殺した。 21:36また、他の僕たちを前よりも多く送ったが、農夫たちは同じ目に遭わせた。 21:37そこで最後に、『わたしの息子なら敬ってくれるだろう』と言って、主人は自分の息子を送った。 21:38農夫たちは、その息子を見て話し合った。『これは跡取りだ。さあ、殺して、彼の相続財産を我々のものにしよう。』 21:39そして、息子を捕まえ、ぶどう園の外にほうり出して殺してしまった。 21:40さて、ぶどう園の主人が帰って来たら、この農夫たちをどうするだろうか。」 21:41彼らは言った。「その悪人どもをひどい目に遭わせて殺し、ぶどう園は、季節ごとに収穫を納めるほかの農夫たちに貸すにちがいない。」 21:42イエスは言われた。「聖書にこう書いてあるのを、まだ読んだことがないのか。『家を建てる者の捨てた石、/これが隅の親石となった。これは、主がなさったことで、/わたしたちの目には不思議に見える。』 21:43だから、言っておくが、神の国はあなたたちから取り上げられ、それにふさわしい実を結ぶ民族に与えられる。 21:44この石の上に落ちる者は打ち砕かれ、この石がだれかの上に落ちれば、その人は押しつぶされてしまう。」 21:45祭司長たちやファリサイ派の人々はこのたとえを聞いて、イエスが自分たちのことを言っておられると気づき、 21:46イエスを捕らえようとしたが、群衆を恐れた。群衆はイエスを預言者だと思っていたからである。
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マタイによる福音書22章1節~14節
1イエスは、また、たとえを用いて語られた。 2「天の国は、ある王が王子のために婚宴を催したのに似ている。 3王は家来たちを送り、婚宴に招いておいた人々を呼ばせたが、来ようとしなかった。 4そこでまた、次のように言って、別の家来たちを使いに出した。『招いておいた人々にこう言いなさい。「食事の用意が整いました。牛や肥えた家畜を屠って、すっかり用意ができています。さあ、婚宴においでください。」』 5しかし、人々はそれを無視し、一人は畑に、一人は商売に出かけ、 6また、他の人々は王の家来たちを捕まえて乱暴し、殺してしまった。 7そこで、王は怒り、軍隊を送って、この人殺しどもを滅ぼし、その町を焼き払った。 8そして、家来たちに言った。『婚宴の用意はできているが、招いておいた人々は、ふさわしくなかった。 9だから、町の大通りに出て、見かけた者はだれでも婚宴に連れて来なさい。』 10そこで、家来たちは通りに出て行き、見かけた人は善人も悪人も皆集めて来たので、婚宴は客でいっぱいになった。 11王が客を見ようと入って来ると、婚礼の礼服を着ていない者が一人いた。 12王は、『友よ、どうして礼服を着ないでここに入って来たのか』と言った。この者が黙っていると、 13王は側近の者たちに言った。『この男の手足を縛って、外の暗闇にほうり出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』 14招かれる人は多いが、選ばれる人は少ない。」
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マタイによる福音書22章15節~22節
15それから、ファリサイ派の人々は出て行って、どのようにしてイエスの言葉じりをとらえて、罠にかけようかと相談した。 16そして、その弟子たちをヘロデ派の人々と一緒にイエスのところに遣わして尋ねさせた。「先生、わたしたちは、あなたが真実な方で、真理に基づいて神の道を教え、だれをもはばからない方であることを知っています。人々を分け隔てなさらないからです。 17ところで、どうお思いでしょうか、お教えください。皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。」 18イエスは彼らの悪意に気づいて言われた。「偽善者たち、なぜ、わたしを試そうとするのか。 19税金に納めるお金を見せなさい。」彼らがデナリオン銀貨を持って来ると、 20イエスは、「これは、だれの肖像と銘か」と言われた。 21彼らは、「皇帝のものです」と言った。すると、イエスは言われた。「では、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」 22彼らはこれを聞いて驚き、イエスをその場に残して立ち去った。
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マタイによる福音書22章23節~33節
23その同じ日、復活はないと言っているサドカイ派の人々が、イエスに近寄って来て尋ねた。 24「先生、モーセは言っています。『ある人が子がなくて死んだ場合、その弟は兄嫁と結婚して、兄の跡継ぎをもうけねばならない』と。 25さて、わたしたちのところに、七人の兄弟がいました。長男は妻を迎えましたが死に、跡継ぎがなかったので、その妻を弟に残しました。 26次男も三男も、ついに七人とも同じようになりました。 27最後にその女も死にました。 28すると復活の時、その女は七人のうちのだれの妻になるのでしょうか。皆その女を妻にしたのです。」 29イエスはお答えになった。「あなたたちは聖書も神の力も知らないから、思い違いをしている。 30復活の時には、めとることも嫁ぐこともなく、天使のようになるのだ。 31死者の復活については、神があなたたちに言われた言葉を読んだことがないのか。 32『わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である』とあるではないか。神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。」 33群衆はこれを聞いて、イエスの教えに驚いた。
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マタイによる福音書22章34節~46節
34ファリサイ派の人々は、イエスがサドカイ派の人々を言い込められたと聞いて、一緒に集まった。 35そのうちの一人、律法の専門家が、イエスを試そうとして尋ねた。 36「先生、律法の中で、どの掟が最も重要でしょうか。」 37イエスは言われた。「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』 38これが最も重要な第一の掟である。 39第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』 40律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」 41ファリサイ派の人々が集まっていたとき、イエスはお尋ねになった。 42「あなたたちはメシアのことをどう思うか。だれの子だろうか。」彼らが、「ダビデの子です」と言うと、 43イエスは言われた。「では、どうしてダビデは、霊を受けて、メシアを主と呼んでいるのだろうか。 44『主は、わたしの主にお告げになった。「わたしの右の座に着きなさい、/わたしがあなたの敵を/あなたの足もとに屈服させるときまで」と。』 45このようにダビデがメシアを主と呼んでいるのであれば、どうしてメシアがダビデの子なのか。」 46これにはだれ一人、ひと言も言い返すことができず、その日からは、もはやあえて質問する者はなかった。
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マタイによる福音書23章1節~12節
1それから、イエスは群衆と弟子たちにお話しになった。 2「律法学者たちやファリサイ派の人々は、モーセの座に着いている。 3だから、彼らが言うことは、すべて行い、また守りなさい。しかし、彼らの行いは、見倣ってはならない。言うだけで、実行しないからである。 4彼らは背負いきれない重荷をまとめ、人の肩に載せるが、自分ではそれを動かすために、指一本貸そうともしない。 5そのすることは、すべて人に見せるためである。聖句の入った小箱を大きくしたり、衣服の房を長くしたりする。 6宴会では上座、会堂では上席に座ることを好み、 7また、広場で挨拶されたり、『先生』と呼ばれたりすることを好む。 8だが、あなたがたは『先生』と呼ばれてはならない。あなたがたの師は一人だけで、あとは皆兄弟なのだ。 9また、地上の者を『父』と呼んではならない。あなたがたの父は天の父おひとりだけだ。 10『教師』と呼ばれてもいけない。あなたがたの教師はキリスト一人だけである。 11あなたがたのうちでいちばん偉い人は、仕える者になりなさい。 12だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。
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マタイによる福音書23章13節~22節
13律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。人々の前で天の国を閉ざすからだ。自分が入らないばかりか、入ろうとする人をも入らせない。 14<底本に節が欠けている個所の異本による訳文> 律法学者とファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。やもめの家を食い物にし、見せかけの長い祈りをする。だからあなたたちは、人一倍厳しい裁きを受けることになる。† 15律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。改宗者を一人つくろうとして、海と陸を巡り歩くが、改宗者ができると、自分より倍も悪い地獄の子にしてしまうからだ。 16ものの見えない案内人、あなたたちは不幸だ。あなたたちは、『神殿にかけて誓えば、その誓いは無効である。だが、神殿の黄金にかけて誓えば、それは果たさねばならない』と言う。 17愚かで、ものの見えない者たち、黄金と、黄金を清める神殿と、どちらが尊いか。 18また、『祭壇にかけて誓えば、その誓いは無効である。その上の供え物にかけて誓えば、それは果たさねばならない』と言う。 19ものの見えない者たち、供え物と、供え物を清くする祭壇と、どちらが尊いか。 20祭壇にかけて誓う者は、祭壇とその上のすべてのものにかけて誓うのだ。 21神殿にかけて誓う者は、神殿とその中に住んでおられる方にかけて誓うのだ。 22天にかけて誓う者は、神の玉座とそれに座っておられる方にかけて誓うのだ。
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マタイによる福音書23章23節~33節
23律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。薄荷、いのんど、茴香の十分の一は献げるが、律法の中で最も重要な正義、慈悲、誠実はないがしろにしているからだ。これこそ行うべきことである。もとより、十分の一の献げ物もないがしろにしてはならないが。 24ものの見えない案内人、あなたたちはぶよ一匹さえも漉して除くが、らくだは飲み込んでいる。 25律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。杯や皿の外側はきれいにするが、内側は強欲と放縦で満ちているからだ。 26ものの見えないファリサイ派の人々、まず、杯の内側をきれいにせよ。そうすれば、外側もきれいになる。 27律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。白く塗った墓に似ているからだ。外側は美しく見えるが、内側は死者の骨やあらゆる汚れで満ちている。 28このようにあなたたちも、外側は人に正しいように見えながら、内側は偽善と不法で満ちている。 29律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。預言者の墓を建てたり、正しい人の記念碑を飾ったりしているからだ。 30そして、『もし先祖の時代に生きていても、預言者の血を流す側にはつかなかったであろう』などと言う。 31こうして、自分が預言者を殺した者たちの子孫であることを、自ら証明している。 32先祖が始めた悪事の仕上げをしたらどうだ。 33蛇よ、蝮の子らよ、どうしてあなたたちは地獄の罰を免れることができようか。
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マタイによる福音書23章34節~24章2節
34だから、わたしは預言者、知者、学者をあなたたちに遣わすが、あなたたちはその中のある者を殺し、十字架につけ、ある者を会堂で鞭打ち、町から町へと追い回して迫害する。 35こうして、正しい人アベルの血から、あなたたちが聖所と祭壇の間で殺したバラキアの子ゼカルヤの血に至るまで、地上に流された正しい人の血はすべて、あなたたちにふりかかってくる。 36はっきり言っておく。これらのことの結果はすべて、今の時代の者たちにふりかかってくる。」 37「エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、自分に遣わされた人々を石で打ち殺す者よ、めん鳥が雛を羽の下に集めるように、わたしはお前の子らを何度集めようとしたことか。だが、お前たちは応じようとしなかった。 38見よ、お前たちの家は見捨てられて荒れ果てる。 39言っておくが、お前たちは、『主の名によって来られる方に、祝福があるように』と言うときまで、今から後、決してわたしを見ることがない。」 1イエスが神殿の境内を出て行かれると、弟子たちが近寄って来て、イエスに神殿の建物を指さした。 2そこで、イエスは言われた。「これらすべての物を見ないのか。はっきり言っておく。一つの石もここで崩されずに他の石の上に残ることはない。」
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マタイによる福音書24章3節~14節
3イエスがオリーブ山で座っておられると、弟子たちがやって来て、ひそかに言った。「おっしゃってください。そのことはいつ起こるのですか。また、あなたが来られて世の終わるときには、どんな徴があるのですか。」 4イエスはお答えになった。「人に惑わされないように気をつけなさい。 5わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『わたしがメシアだ』と言って、多くの人を惑わすだろう。 6戦争の騒ぎや戦争のうわさを聞くだろうが、慌てないように気をつけなさい。そういうことは起こるに決まっているが、まだ世の終わりではない。 7民は民に、国は国に敵対して立ち上がり、方々に飢饉や地震が起こる。 8しかし、これらはすべて産みの苦しみの始まりである。 9そのとき、あなたがたは苦しみを受け、殺される。また、わたしの名のために、あなたがたはあらゆる民に憎まれる。 10そのとき、多くの人がつまずき、互いに裏切り、憎み合うようになる。 11偽預言者も大勢現れ、多くの人を惑わす。 12不法がはびこるので、多くの人の愛が冷える。 13しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる 14そして、御国のこの福音はあらゆる民への証しとして、全世界に宣べ伝えられる。それから、終わりが来る。」
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マタイによる福音書24章15節~28節
15「預言者ダニエルの言った憎むべき破壊者が、聖なる場所に立つのを見たら――読者は悟れ――、 16そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。 17屋上にいる者は、家にある物を取り出そうとして下に降りてはならない。 18畑にいる者は、上着を取りに帰ってはならない。 19それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ。 20逃げるのが冬や安息日にならないように、祈りなさい。 21そのときには、世界の初めから今までなく、今後も決してないほどの大きな苦難が来るからである。 22神がその期間を縮めてくださらなければ、だれ一人救われない。しかし、神は選ばれた人たちのために、その期間を縮めてくださるであろう。 23そのとき、『見よ、ここにメシアがいる』『いや、ここだ』と言う者がいても、信じてはならない。 24偽メシアや偽預言者が現れて、大きなしるしや不思議な業を行い、できれば、選ばれた人たちをも惑わそうとするからである。 25あなたがたには前もって言っておく。 26だから、人が『見よ、メシアは荒れ野にいる』と言っても、行ってはならない。また、『見よ、奥の部屋にいる』と言っても、信じてはならない。 27稲妻が東から西へひらめき渡るように、人の子も来るからである。 28死体のある所には、はげ鷹が集まるものだ。」
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マタイによる福音書24章29節~36節
29「その苦難の日々の後、たちまち/太陽は暗くなり、/月は光を放たず、/星は空から落ち、/天体は揺り動かされる。 30そのとき、人の子の徴が天に現れる。そして、そのとき、地上のすべての民族は悲しみ、人の子が大いなる力と栄光を帯びて天の雲に乗って来るのを見る。 31人の子は、大きなラッパの音を合図にその天使たちを遣わす。天使たちは、天の果てから果てまで、彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める。」 32「いちじくの木から教えを学びなさい。枝が柔らかくなり、葉が伸びると、夏の近づいたことが分かる。 33それと同じように、あなたがたは、これらすべてのことを見たなら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい。 34はっきり言っておく。これらのことがみな起こるまでは、この時代は決して滅びない。 35天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」 36「その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。ただ、父だけがご存じである。
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マタイによる福音書24章37節~51節
37人の子が来るのは、ノアの時と同じだからである。 38洪水になる前は、ノアが箱舟に入るその日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていた。 39そして、洪水が襲って来て一人残らずさらうまで、何も気がつかなかった。人の子が来る場合も、このようである。 40そのとき、畑に二人の男がいれば、一人は連れて行かれ、もう一人は残される。 41二人の女が臼をひいていれば、一人は連れて行かれ、もう一人は残される。 42だから、目を覚ましていなさい。いつの日、自分の主が帰って来られるのか、あなたがたには分からないからである。 43このことをわきまえていなさい。家の主人は、泥棒が夜のいつごろやって来るかを知っていたら、目を覚ましていて、みすみす自分の家に押し入らせはしないだろう。 44だから、あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時に来るからである。」 45「主人がその家の使用人たちの上に立てて、時間どおり彼らに食事を与えさせることにした忠実で賢い僕は、いったいだれであろうか。 46主人が帰って来たとき、言われたとおりにしているのを見られる僕は幸いである。 47はっきり言っておくが、主人は彼に全財産を管理させるにちがいない。 48しかし、それが悪い僕で、主人は遅いと思い、 49仲間を殴り始め、酒飲みどもと一緒に食べたり飲んだりしているとする。 50もしそうなら、その僕の主人は予想しない日、思いがけない時に帰って来て、 51彼を厳しく罰し、偽善者たちと同じ目に遭わせる。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。」
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- 川栄智章 牧師
マタイによる福音書25章1節~13節
1「そこで、天の国は次のようにたとえられる。十人のおとめがそれぞれともし火を持って、花婿を迎えに出て行く。 2そのうちの五人は愚かで、五人は賢かった。 3愚かなおとめたちは、ともし火は持っていたが、油の用意をしていなかった。 4賢いおとめたちは、それぞれのともし火と一緒に、壺に油を入れて持っていた。 5ところが、花婿の来るのが遅れたので、皆眠気がさして眠り込んでしまった。 6真夜中に『花婿だ。迎えに出なさい』と叫ぶ声がした。 7そこで、おとめたちは皆起きて、それぞれのともし火を整えた。 8愚かなおとめたちは、賢いおとめたちに言った。『油を分けてください。わたしたちのともし火は消えそうです。』 9賢いおとめたちは答えた。『分けてあげるほどはありません。それより、店に行って、自分の分を買って来なさい。』 10愚かなおとめたちが買いに行っている間に、花婿が到着して、用意のできている五人は、花婿と一緒に婚宴の席に入り、戸が閉められた。 11その後で、ほかのおとめたちも来て、『御主人様、御主人様、開けてください』と言った。 12しかし主人は、『はっきり言っておく。わたしはお前たちを知らない』と答えた。 13だから、目を覚ましていなさい。あなたがたは、その日、その時を知らないのだから。」
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マタイによる福音書25章14節~30節
14「天の国はまた次のようにたとえられる。ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。 15それぞれの力に応じて、一人には五タラントン、一人には二タラントン、もう一人には一タラントンを預けて旅に出かけた。早速、 16五タラントン預かった者は出て行き、それで商売をして、ほかに五タラントンをもうけた。 17同じように、二タラントン預かった者も、ほかに二タラントンをもうけた。 18しかし、一タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。 19さて、かなり日がたってから、僕たちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた。 20まず、五タラントン預かった者が進み出て、ほかの五タラントンを差し出して言った。『御主人様、五タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに五タラントンもうけました。』 21主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』 22次に、二タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、二タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに二タラントンもうけました。』 23主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』 24ところで、一タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、 25恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。』 26主人は答えた。『怠け者の悪い僕だ。わたしが蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集めることを知っていたのか。 27それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きで返してもらえたのに。 28さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、十タラントン持っている者に与えよ。 29だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。 30この役に立たない僕を外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』」
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マタイによる福音書25章31節~46節
31「人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座に着く。 32そして、すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分け、 33羊を右に、山羊を左に置く。 34そこで、王は右側にいる人たちに言う。『さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。 35お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、 36裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。』 37すると、正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。 38いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。 39いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』 40そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』 41それから、王は左側にいる人たちにも言う。『呪われた者ども、わたしから離れ去り、悪魔とその手下のために用意してある永遠の火に入れ。 42お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせず、のどが渇いたときに飲ませず、 43旅をしていたときに宿を貸さず、裸のときに着せず、病気のとき、牢にいたときに、訪ねてくれなかったからだ。』 44すると、彼らも答える。『主よ、いつわたしたちは、あなたが飢えたり、渇いたり、旅をしたり、裸であったり、病気であったり、牢におられたりするのを見て、お世話をしなかったでしょうか。』 45そこで、王は答える。『はっきり言っておく。この最も小さい者の一人にしなかったのは、わたしにしてくれなかったことなのである。』 46こうして、この者どもは永遠の罰を受け、正しい人たちは永遠の命にあずかるのである。」
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マタイによる福音書26章1節~5節
1イエスはこれらの言葉をすべて語り終えると、弟子たちに言われた。 2「あなたがたも知っているとおり、二日後は過越祭である。人の子は、十字架につけられるために引き渡される。」 3そのころ、祭司長たちや民の長老たちは、カイアファという大祭司の屋敷に集まり、 4計略を用いてイエスを捕らえ、殺そうと相談した。 5しかし彼らは、「民衆の中に騒ぎが起こるといけないから、祭りの間はやめておこう」と言っていた。
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マタイによる福音書26章6節~25節
6さて、イエスがベタニアで重い皮膚病の人シモンの家におられたとき、 7一人の女が、極めて高価な香油の入った石膏の壺を持って近寄り、食事の席に着いておられるイエスの頭に香油を注ぎかけた。 8弟子たちはこれを見て、憤慨して言った。「なぜ、こんな無駄遣いをするのか。 9高く売って、貧しい人々に施すことができたのに。」 10イエスはこれを知って言われた。「なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ。 11貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。 12この人はわたしの体に香油を注いで、わたしを葬る準備をしてくれた。 13はっきり言っておく。世界中どこでも、この福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」 14そのとき、十二人の一人で、イスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところへ行き、 15「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と言った。そこで、彼らは銀貨三十枚を支払うことにした。 16そのときから、ユダはイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。 17除酵祭の第一日に、弟子たちがイエスのところに来て、「どこに、過越の食事をなさる用意をいたしましょうか」と言った。 18イエスは言われた。「都のあの人のところに行ってこう言いなさい。『先生が、「わたしの時が近づいた。お宅で弟子たちと一緒に過越の食事をする」と言っています。』」 19弟子たちは、イエスに命じられたとおりにして、過越の食事を準備した。 20夕方になると、イエスは十二人と一緒に食事の席に着かれた。 21一同が食事をしているとき、イエスは言われた。「はっきり言っておくが、あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」 22弟子たちは非常に心を痛めて、「主よ、まさかわたしのことでは」と代わる代わる言い始めた。 23イエスはお答えになった。「わたしと一緒に手で鉢に食べ物を浸した者が、わたしを裏切る。 24人の子は、聖書に書いてあるとおりに、去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。生まれなかった方が、その者のためによかった。」 25イエスを裏切ろうとしていたユダが口をはさんで、「先生、まさかわたしのことでは」と言うと、イエスは言われた。「それはあなたの言ったことだ。」
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マタイによる福音書26章26節~30節
26一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えながら言われた。「取って食べなさい。これはわたしの体である。」 27また、杯を取り、感謝の祈りを唱え、彼らに渡して言われた。「皆、この杯から飲みなさい。 28これは、罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。 29言っておくが、わたしの父の国であなたがたと共に新たに飲むその日まで、今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」 30一同は賛美の歌をうたってから、オリーブ山へ出かけた。
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マタイによる福音書26章30節~46節
30一同は賛美の歌をうたってから、オリーブ山へ出かけた。 31そのとき、イエスは弟子たちに言われた。「今夜、あなたがたは皆わたしにつまずく。『わたしは羊飼いを打つ。すると、羊の群れは散ってしまう』/と書いてあるからだ。 32しかし、わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く。」 33するとペトロが、「たとえ、みんながあなたにつまずいても、わたしは決してつまずきません」と言った。 34イエスは言われた。「はっきり言っておく。あなたは今夜、鶏が鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう。」 35ペトロは、「たとえ、御一緒に死なねばならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません」と言った。弟子たちも皆、同じように言った。 36それから、イエスは弟子たちと一緒にゲツセマネという所に来て、「わたしが向こうへ行って祈っている間、ここに座っていなさい」と言われた。 37ペトロおよびゼベダイの子二人を伴われたが、そのとき、悲しみもだえ始められた。 38そして、彼らに言われた。「わたしは死ぬばかりに悲しい。ここを離れず、わたしと共に目を覚ましていなさい。」 39少し進んで行って、うつ伏せになり、祈って言われた。「父よ、できることなら、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。しかし、わたしの願いどおりではなく、御心のままに。」 40それから、弟子たちのところへ戻って御覧になると、彼らは眠っていたので、ペトロに言われた。「あなたがたはこのように、わずか一時もわたしと共に目を覚ましていられなかったのか。 41誘惑に陥らぬよう、目を覚まして祈っていなさい。心は燃えても、肉体は弱い。」 42更に、二度目に向こうへ行って祈られた。「父よ、わたしが飲まないかぎりこの杯が過ぎ去らないのでしたら、あなたの御心が行われますように。」 43再び戻って御覧になると、弟子たちは眠っていた。ひどく眠かったのである。 44そこで、彼らを離れ、また向こうへ行って、三度目も同じ言葉で祈られた。 45それから、弟子たちのところに戻って来て言われた。「あなたがたはまだ眠っている。休んでいる。時が近づいた。人の子は罪人たちの手に引き渡される。 46立て、行こう。見よ、わたしを裏切る者が来た。」
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マタイによる福音書26章47節~56節
47イエスがまだ話しておられると、十二人の一人であるユダがやって来た。祭司長たちや民の長老たちの遣わした大勢の群衆も、剣や棒を持って一緒に来た。 48イエスを裏切ろうとしていたユダは、「わたしが接吻するのが、その人だ。それを捕まえろ」と、前もって合図を決めていた。 49ユダはすぐイエスに近寄り、「先生、こんばんは」と言って接吻した。 50イエスは、「友よ、しようとしていることをするがよい」と言われた。すると人々は進み寄り、イエスに手をかけて捕らえた。 51そのとき、イエスと一緒にいた者の一人が、手を伸ばして剣を抜き、大祭司の手下に打ちかかって、片方の耳を切り落とした。 52そこで、イエスは言われた。「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。 53わたしが父にお願いできないとでも思うのか。お願いすれば、父は十二軍団以上の天使を今すぐ送ってくださるであろう。 54しかしそれでは、必ずこうなると書かれている聖書の言葉がどうして実現されよう。」 55またそのとき、群衆に言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持って捕らえに来たのか。わたしは毎日、神殿の境内に座って教えていたのに、あなたたちはわたしを捕らえなかった。 56このすべてのことが起こったのは、預言者たちの書いたことが実現するためである。」このとき、弟子たちは皆、イエスを見捨てて逃げてしまった。
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マタイによる福音書26章57節~68節
57人々はイエスを捕らえると、大祭司カイアファのところへ連れて行った。そこには、律法学者たちや長老たちが集まっていた。 58ペトロは遠く離れてイエスに従い、大祭司の屋敷の中庭まで行き、事の成り行きを見ようと、中に入って、下役たちと一緒に座っていた。 59さて、祭司長たちと最高法院の全員は、死刑にしようとしてイエスにとって不利な偽証を求めた。 60偽証人は何人も現れたが、証拠は得られなかった。最後に二人の者が来て、 61「この男は、『神の神殿を打ち倒し、三日あれば建てることができる』と言いました」と告げた。 62そこで、大祭司は立ち上がり、イエスに言った。「何も答えないのか、この者たちがお前に不利な証言をしているが、どうなのか。」 63イエスは黙り続けておられた。大祭司は言った。「生ける神に誓って我々に答えよ。お前は神の子、メシアなのか。」 64イエスは言われた。「それは、あなたが言ったことです。しかし、わたしは言っておく。あなたたちはやがて、/人の子が全能の神の右に座り、/天の雲に乗って来るのを見る。」 65そこで、大祭司は服を引き裂きながら言った。「神を冒涜した。これでもまだ証人が必要だろうか。諸君は今、冒涜の言葉を聞いた。 66どう思うか。」人々は、「死刑にすべきだ」と答えた。 67そして、イエスの顔に唾を吐きかけ、こぶしで殴り、ある者は平手で打ちながら、 68「メシア、お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と言った。
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マタイによる福音書26章69節~75節
69ペトロは外にいて中庭に座っていた。そこへ一人の女中が近寄って来て、「あなたもガリラヤのイエスと一緒にいた」と言った。 70ペトロは皆の前でそれを打ち消して、「何のことを言っているのか、わたしには分からない」と言った。 71ペトロが門の方に行くと、ほかの女中が彼に目を留め、居合わせた人々に、「この人はナザレのイエスと一緒にいました」と言った。 72そこで、ペトロは再び、「そんな人は知らない」と誓って打ち消した。 73しばらくして、そこにいた人々が近寄って来てペトロに言った。「確かに、お前もあの連中の仲間だ。言葉遣いでそれが分かる。」 74そのとき、ペトロは呪いの言葉さえ口にしながら、「そんな人は知らない」と誓い始めた。するとすぐ、鶏が鳴いた。 75ペトロは、「鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われたイエスの言葉を思い出した。そして外に出て、激しく泣いた。
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マタイによる福音書27章1節~10節
1夜が明けると、祭司長たちと民の長老たち一同は、イエスを殺そうと相談した。 2そして、イエスを縛って引いて行き、総督ピラトに渡した。 3そのころ、イエスを裏切ったユダは、イエスに有罪の判決が下ったのを知って後悔し、銀貨三十枚を祭司長たちや長老たちに返そうとして、 4「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯しました」と言った。しかし彼らは、「我々の知ったことではない。お前の問題だ」と言った。 5そこで、ユダは銀貨を神殿に投げ込んで立ち去り、首をつって死んだ。 6祭司長たちは銀貨を拾い上げて、「これは血の代金だから、神殿の収入にするわけにはいかない」と言い、 7相談のうえ、その金で「陶器職人の畑」を買い、外国人の墓地にすることにした。 8このため、この畑は今日まで「血の畑」と言われている。 9こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。「彼らは銀貨三十枚を取った。それは、値踏みされた者、すなわち、イスラエルの子らが値踏みした者の価である。 10主がわたしにお命じになったように、彼らはこの金で陶器職人の畑を買い取った。」
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マタイによる福音書27章11節~26節
27:11さて、イエスは総督の前に立たれた。総督がイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と尋問すると、イエスは、「それは、あなたが言っていることです」と言われた。 27:12祭司長たちや長老たちから訴えられている間、これには何もお答えにならなかった。 27:13するとピラトは、「あのようにお前に不利な証言をしているのに、聞こえないのか」と言った。 27:14それでも、どんな訴えにもお答えにならなかったので、総督は非常に不思議に思った。 27:15ところで、祭りの度ごとに、総督は民衆の希望する囚人を一人釈放することにしていた。 27:16そのころ、バラバ・イエスという評判の囚人がいた。 27:17ピラトは、人々が集まって来たときに言った。「どちらを釈放してほしいのか。バラバ・イエスか。それともメシアといわれるイエスか。」 27:18人々がイエスを引き渡したのは、ねたみのためだと分かっていたからである。 27:19一方、ピラトが裁判の席に着いているときに、妻から伝言があった。「あの正しい人に関係しないでください。その人のことで、わたしは昨夜、夢で随分苦しめられました。」 27:20しかし、祭司長たちや長老たちは、バラバを釈放して、イエスを死刑に処してもらうようにと群衆を説得した。 27:21そこで、総督が、「二人のうち、どちらを釈放してほしいのか」と言うと、人々は、「バラバを」と言った。 27:22ピラトが、「では、メシアといわれているイエスの方は、どうしたらよいか」と言うと、皆は、「十字架につけろ」と言った。 27:23ピラトは、「いったいどんな悪事を働いたというのか」と言ったが、群衆はますます激しく、「十字架につけろ」と叫び続けた。 27:24ピラトは、それ以上言っても無駄なばかりか、かえって騒動が起こりそうなのを見て、水を持って来させ、群衆の前で手を洗って言った。「この人の血について、わたしには責任がない。お前たちの問題だ。」 27:25民はこぞって答えた。「その血の責任は、我々と子孫にある。」 27:26そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。
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マタイによる福音書27章27節~44節
27それから、総督の兵士たちは、イエスを総督官邸に連れて行き、部隊の全員をイエスの周りに集めた。 28そして、イエスの着ている物をはぎ取り、赤い外套を着せ、 29茨で冠を編んで頭に載せ、また、右手に葦の棒を持たせて、その前にひざまずき、「ユダヤ人の王、万歳」と言って、侮辱した。 30また、唾を吐きかけ、葦の棒を取り上げて頭をたたき続けた。 31このようにイエスを侮辱したあげく、外套を脱がせて元の服を着せ、十字架につけるために引いて行った。 32兵士たちは出て行くと、シモンという名前のキレネ人に出会ったので、イエスの十字架を無理に担がせた。 33そして、ゴルゴタという所、すなわち「されこうべの場所」に着くと、 34苦いものを混ぜたぶどう酒を飲ませようとしたが、イエスはなめただけで、飲もうとされなかった。 35彼らはイエスを十字架につけると、くじを引いてその服を分け合い、 36そこに座って見張りをしていた。 37イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王イエスである」と書いた罪状書きを掲げた。 38折から、イエスと一緒に二人の強盗が、一人は右にもう一人は左に、十字架につけられていた。 39そこを通りかかった人々は、頭を振りながらイエスをののしって、 40言った。「神殿を打ち倒し、三日で建てる者、神の子なら、自分を救ってみろ。そして十字架から降りて来い。」 41同じように、祭司長たちも律法学者たちや長老たちと一緒に、イエスを侮辱して言った。 42「他人は救ったのに、自分は救えない。イスラエルの王だ。今すぐ十字架から降りるがいい。そうすれば、信じてやろう。 43神に頼っているが、神の御心ならば、今すぐ救ってもらえ。『わたしは神の子だ』と言っていたのだから。」 44一緒に十字架につけられた強盗たちも、同じようにイエスをののしった。
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マタイによる福音書27章45節~54節
27:45さて、昼の十二時に、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 27:46三時ごろ、イエスは大声で叫ばれた。「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。 27:47そこに居合わせた人々のうちには、これを聞いて、「この人はエリヤを呼んでいる」と言う者もいた。 27:48そのうちの一人が、すぐに走り寄り、海綿を取って酸いぶどう酒を含ませ、葦の棒に付けて、イエスに飲ませようとした。 27:49ほかの人々は、「待て、エリヤが彼を救いに来るかどうか、見ていよう」と言った。 27:50しかし、イエスは再び大声で叫び、息を引き取られた。 27:51そのとき、神殿の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂け、地震が起こり、岩が裂け、 27:52墓が開いて、眠りについていた多くの聖なる者たちの体が生き返った。 27:53そして、イエスの復活の後、墓から出て来て、聖なる都に入り、多くの人々に現れた。 27:54百人隊長や一緒にイエスの見張りをしていた人たちは、地震やいろいろの出来事を見て、非常に恐れ、「本当に、この人は神の子だった」と言った。
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マタイによる福音書27章55節~66節
55またそこでは、大勢の婦人たちが遠くから見守っていた。この婦人たちは、ガリラヤからイエスに従って来て世話をしていた人々である。 56その中には、マグダラのマリア、ヤコブとヨセフの母マリア、ゼベダイの子らの母がいた。 57夕方になると、アリマタヤ出身の金持ちでヨセフという人が来た。この人もイエスの弟子であった。 58この人がピラトのところに行って、イエスの遺体を渡してくれるようにと願い出た。そこでピラトは、渡すようにと命じた。 59ヨセフはイエスの遺体を受け取ると、きれいな亜麻布に包み、 60岩に掘った自分の新しい墓の中に納め、墓の入り口には大きな石を転がしておいて立ち去った。 61マグダラのマリアともう一人のマリアとはそこに残り、墓の方を向いて座っていた。 62明くる日、すなわち、準備の日の翌日、祭司長たちとファリサイ派の人々は、ピラトのところに集まって、 63こう言った。「閣下、人を惑わすあの者がまだ生きていたとき、『自分は三日後に復活する』と言っていたのを、わたしたちは思い出しました。 64ですから、三日目まで墓を見張るように命令してください。そうでないと、弟子たちが来て死体を盗み出し、『イエスは死者の中から復活した』などと民衆に言いふらすかもしれません。そうなると、人々は前よりもひどく惑わされることになります。」 65ピラトは言った。「あなたたちには、番兵がいるはずだ。行って、しっかりと見張らせるがよい。」 66そこで、彼らは行って墓の石に封印をし、番兵をおいた。
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マタイによる福音書28章1節~15節
1さて、安息日が終わって、週の初めの日の明け方に、マグダラのマリアともう一人のマリアが、墓を見に行った。 2すると、大きな地震が起こった。主の天使が天から降って近寄り、石をわきへ転がし、その上に座ったのである。 3その姿は稲妻のように輝き、衣は雪のように白かった。 4番兵たちは、恐ろしさのあまり震え上がり、死人のようになった。 5天使は婦人たちに言った。「恐れることはない。十字架につけられたイエスを捜しているのだろうが、 6あの方は、ここにはおられない。かねて言われていたとおり、復活なさったのだ。さあ、遺体の置いてあった場所を見なさい。 7それから、急いで行って弟子たちにこう告げなさい。『あの方は死者の中から復活された。そして、あなたがたより先にガリラヤに行かれる。そこでお目にかかれる。』確かに、あなたがたに伝えました。」 8婦人たちは、恐れながらも大いに喜び、急いで墓を立ち去り、弟子たちに知らせるために走って行った。 9すると、イエスが行く手に立っていて、「おはよう」と言われたので、婦人たちは近寄り、イエスの足を抱き、その前にひれ伏した。 10イエスは言われた。「恐れることはない。行って、わたしの兄弟たちにガリラヤへ行くように言いなさい。そこでわたしに会うことになる。」 11婦人たちが行き着かないうちに、数人の番兵は都に帰り、この出来事をすべて祭司長たちに報告した。 12そこで、祭司長たちは長老たちと集まって相談し、兵士たちに多額の金を与えて、 13言った。「『弟子たちが夜中にやって来て、我々の寝ている間に死体を盗んで行った』と言いなさい。 14もしこのことが総督の耳に入っても、うまく総督を説得して、あなたがたには心配をかけないようにしよう。」 15兵士たちは金を受け取って、教えられたとおりにした。この話は、今日に至るまでユダヤ人の間に広まっている。
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マタイによる福音書28章16節~20節
16さて、十一人の弟子たちはガリラヤに行き、イエスが指示しておかれた山に登った。 17そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。 18イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。 19だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、 20あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」
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