旧約聖書「コヘレトの言葉」に関する礼拝説教 28件
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旧約聖書「コヘレトの言葉」に関する説教要約 28件
コヘレトの言葉1章1節~2節
1:1 エルサレムの王、ダビデの子、コヘレトの言葉。 1:2 コヘレトは言う。なんという空しさ/なんという空しさ、すべては空しい。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉1章3節~11節
1:3 太陽の下、人は労苦するが/すべての労苦も何になろう。 1:4 一代過ぎればまた一代が起こり/永遠に耐えるのは大地。 1:5 日は昇り、日は沈み/あえぎ戻り、また昇る。 1:6 風は南に向かい北へ巡り、めぐり巡って吹き/風はただ巡りつつ、吹き続ける。 1:7 川はみな海に注ぐが海は満ちることなく/どの川も、繰り返しその道程を流れる。 1:8 何もかも、もの憂い。語り尽くすこともできず/目は見飽きることなく/耳は聞いても満たされない。 1:9 かつてあったことは、これからもあり/かつて起こったことは、これからも起こる。太陽の下、新しいものは何ひとつない。 1:10 見よ、これこそ新しい、と言ってみても/それもまた、永遠の昔からあり/この時代の前にもあった。 1:11 昔のことに心を留めるものはない。これから先にあることも/その後の世にはだれも心に留めはしまい。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉1章12節~18節
1:12 わたしコヘレトはイスラエルの王としてエルサレムにいた。 1:13 天の下に起こることをすべて知ろうと熱心に探究し、知恵を尽くして調べた。神はつらいことを人の子らの務めとなさったものだ。 1:14 わたしは太陽の下に起こることをすべて見極めたが、見よ、どれもみな空しく、風を追うようなことであった。 1:15 ゆがみは直らず/欠けていれば、数えられない。 1:16 わたしは心にこう言ってみた。「見よ、かつてエルサレムに君臨した者のだれにもまさって、わたしは知恵を深め、大いなるものとなった」と。わたしの心は知恵と知識を深く見極めたが、 1:17 熱心に求めて知ったことは、結局、知恵も知識も狂気であり愚かであるにすぎないということだ。これも風を追うようなことだと悟った。 1:18 知恵が深まれば悩みも深まり/知識が増せば痛みも増す。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉2章1節~11節
2:1 わたしはこうつぶやいた。「快楽を追ってみよう、愉悦に浸ってみよう。」見よ、それすらも空しかった。 2:2 笑いに対しては、狂気だと言い/快楽に対しては、何になろうと言った。 2:3 わたしの心は何事も知恵に聞こうとする。しかしなお、この天の下に生きる短い一生の間、何をすれば人の子らは幸福になるのかを見極めるまで、酒で肉体を刺激し、愚行に身を任せてみようと心に定めた。 2:4 大規模にことを起こし/多くの屋敷を構え、畑にぶどうを植えさせた。 2:5 庭園や果樹園を数々造らせ/さまざまの果樹を植えさせた。 2:6 池を幾つも掘らせ、木の茂る林に水を引かせた。 2:7 買い入れた男女の奴隷に加えて/わたしの家で生まれる奴隷もあり/かつてエルサレムに住んだ者のだれよりも多く/牛や羊と共に財産として所有した。 2:8 金銀を蓄え/国々の王侯が秘蔵する宝を手に入れた。男女の歌い手をそろえ/人の子らの喜びとする多くの側女を置いた。 2:9 かつてエルサレムに住んだ者のだれにもまさって/わたしは大いなるものとなり、栄えたが/なお、知恵はわたしのもとにとどまっていた。 2:10 目に望ましく映るものは何ひとつ拒まず手に入れ/どのような快楽をも余さず試みた。どのような労苦をもわたしの心は楽しんだ。それが、労苦からわたしが得た分であった。 2:11 しかし、わたしは顧みた/この手の業、労苦の結果のひとつひとつを。見よ、どれも空しく/風を追うようなことであった。太陽の下に、益となるものは何もない。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉2章12節~17節
2:12 また、わたしは顧みて/知恵を、狂気と愚かさを見極めようとした。王の後を継いだ人が/既になされた事を繰り返すのみなら何になろうか。 2:13 わたしの見たところでは/光が闇にまさるように、知恵は愚かさにまさる。 2:14 賢者の目はその頭に、愚者の歩みは闇に。しかしわたしは知っている/両者に同じことが起こるのだということを。 2:15 わたしはこうつぶやいた。「愚者に起こることは、わたしにも起こる。より賢くなろうとするのは無駄だ。」これまた空しい、とわたしは思った。 2:16 賢者も愚者も、永遠に記憶されることはない。やがて来る日には、すべて忘れられてしまう。賢者も愚者も等しく死ぬとは何ということか。 2:17 わたしは生きることをいとう。太陽の下に起こることは、何もかもわたしを苦しめる。どれもみな空しく、風を追うようなことだ。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉2章18節~26節
2:18 太陽の下でしたこの労苦の結果を、わたしはすべていとう。後を継ぐ者に残すだけなのだから。 2:19 その者が賢者であるか愚者であるか、誰が知ろう。いずれにせよ、太陽の下でわたしが知力を尽くし、労苦した結果を支配するのは彼なのだ。これまた、空しい。 2:20 太陽の下、労苦してきたことのすべてに、わたしの心は絶望していった。 2:21 知恵と知識と才能を尽くして労苦した結果を、まったく労苦しなかった者に遺産として与えなければならないのか。これまた空しく大いに不幸なことだ。 2:22 まことに、人間が太陽の下で心の苦しみに耐え、労苦してみても何になろう。 2:23 一生、人の務めは痛みと悩み。夜も心は休まらない。これまた、実に空しいことだ。 2:24 人間にとって最も良いのは、飲み食いし/自分の労苦によって魂を満足させること。しかしそれも、わたしの見たところでは/神の手からいただくもの。 2:25 自分で食べて、自分で味わえ。 2:26 神は、善人と認めた人に知恵と知識と楽しみを与えられる。だが悪人には、ひたすら集め積むことを彼の務めとし、それを善人と認めた人に与えられる。これまた空しく、風を追うようなことだ。
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コヘレトの言葉3章1節~15節
3:1 何事にも時があり/天の下の出来事にはすべて定められた時がある。 3:2 生まれる時、死ぬ時/植える時、植えたものを抜く時 3:3 殺す時、癒す時/破壊する時、建てる時 3:4 泣く時、笑う時/嘆く時、踊る時 3:5 石を放つ時、石を集める時/抱擁の時、抱擁を遠ざける時 3:6 求める時、失う時/保つ時、放つ時 3:7 裂く時、縫う時/黙する時、語る時 3:8 愛する時、憎む時/戦いの時、平和の時。 3:9 人が労苦してみたところで何になろう。 3:10 わたしは、神が人の子らにお与えになった務めを見極めた。 3:11 神はすべてを時宜にかなうように造り、また、永遠を思う心を人に与えられる。それでもなお、神のなさる業を始めから終りまで見極めることは許されていない。 3:12 わたしは知った/人間にとって最も幸福なのは/喜び楽しんで一生を送ることだ、と 3:13 人だれもが飲み食いし/その労苦によって満足するのは/神の賜物だ、と。 3:14 わたしは知った/すべて神の業は永遠に不変であり/付け加えることも除くことも許されない、と。神は人間が神を畏れ敬うように定められた。 3:15 今あることは既にあったこと/これからあることも既にあったこと。追いやられたものを、神は尋ね求められる。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉3章16節~22節
3:16 太陽の下、更にわたしは見た。裁きの座に悪が、正義の座に悪があるのを。 3:17 わたしはこうつぶやいた。正義を行う人も悪人も神は裁かれる。すべての出来事、すべての行為には、定められた時がある。 3:18 人の子らに関しては、わたしはこうつぶやいた。神が人間を試されるのは、人間に、自分も動物にすぎないということを見極めさせるためだ、と。 3:19 人間に臨むことは動物にも臨み、これも死に、あれも死ぬ。同じ霊をもっているにすぎず、人間は動物に何らまさるところはない。すべては空しく、 3:20 すべてはひとつのところに行く。すべては塵から成った。すべては塵に返る。 3:21 人間の霊は上に昇り、動物の霊は地の下に降ると誰が言えよう。 3:22 人間にとって最も幸福なのは、自分の業によって楽しみを得ることだとわたしは悟った。それが人間にふさわしい分である。死後どうなるのかを、誰が見せてくれよう。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉4章1節~3節
4:1 わたしは改めて、太陽の下に行われる虐げのすべてを見た。見よ、虐げられる人の涙を。彼らを慰める者はない。見よ、虐げる者の手にある力を。彼らを慰める者はない。 4:2 既に死んだ人を、幸いだと言おう。更に生きて行かなければならない人よりは幸いだ。 4:3 いや、その両者よりも幸福なのは、生まれて来なかった者だ。太陽の下に起こる悪い業を見ていないのだから。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉4章4節~8節
4:4 人間が才知を尽くして労苦するのは、仲間に対して競争心を燃やしているからだということも分かった。これまた空しく、風を追うようなことだ。 4:5 愚か者は手をつかねてその身を食いつぶす。 4:6 片手を満たして、憩いを得るのは/両手を満たして、なお労苦するよりも良い。それは風を追うようなことだ。 4:7 わたしは改めて/太陽の下に空しいことがあるのを見た。 4:8 ひとりの男があった。友も息子も兄弟もない。際限もなく労苦し、彼の目は富に飽くことがない。「自分の魂に快いものを欠いてまで/誰のために労苦するのか」と思いもしない。これまた空しく、不幸なことだ。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉4章9節~12節
4:9 ひとりよりもふたりが良い。共に労苦すれば、その報いは良い。 4:10 倒れれば、ひとりがその友を助け起こす。倒れても起こしてくれる友のない人は不幸だ。 4:11 更に、ふたりで寝れば暖かいが/ひとりでどうして暖まれようか。 4:12 ひとりが攻められれば、ふたりでこれに対する。三つよりの糸は切れにくい。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉4章13節~16節
4:13 貧しくても利口な少年の方が/老いて愚かになり/忠告を入れなくなった王よりも良い。 4:14 捕われの身分に生まれても王となる者があり/王家に生まれながら、卑しくなる者がある。 4:15 太陽の下、命あるもの皆が/代わって立ったこの少年に味方するのを/わたしは見た。 4:16 民は限りなく続く。先立つ代にも、また後に来る代にも/この少年について喜び祝う者はない。これまた空しく、風を追うようなことだ。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉4章17節~5章6節
4:17 神殿に通う足を慎むがよい。悪いことをしても自覚しないような愚か者は/供え物をするよりも、聞き従う方がよい。 5:1 焦って口を開き、心せいて/神の前に言葉を出そうとするな。神は天にいまし、あなたは地上にいる。言葉数を少なくせよ。 5:2 夢を見るのは悩みごとが多いから。愚者の声と知れるのは口数が多いから。 5:3 神に願をかけたら/誓いを果たすのを遅らせてはならない。愚か者は神に喜ばれない。願をかけたら、誓いを果たせ。 5:4 願をかけておきながら誓いを果たさないなら/願をかけないほうがよい。 5:5 口が身を滅ぼすことにならないように。使者に「あれは間違いでした」などと言うな。神はその声を聞いて怒り/あなたの手の業を滅ぼされるであろう。 5:6 夢や空想が多いと饒舌になる。神を畏れ敬え。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉5章7節~19節
5:7 貧しい人が虐げられていることや、不正な裁き、正義の欠如などがこの国にあるのを見ても、驚くな。なぜなら/身分の高い者が、身分の高い者をかばい/更に身分の高い者が両者をかばうのだから。 5:8 何にもまして国にとって益となるのは/王が耕地を大切にすること。 5:9 銀を愛する者は銀に飽くことなく/富を愛する者は収益に満足しない。これまた空しいことだ。 5:10 財産が増せば、それを食らう者も増す。持ち主は眺めているばかりで、何の得もない。 5:11 働く者の眠りは快い/満腹していても、飢えていても。金持ちは食べ飽きていて眠れない。 5:12 太陽の下に、大きな不幸があるのを見た。富の管理が悪くて持ち主が損をしている。 5:13 下手に使ってその富を失い/息子が生まれても、彼の手には何もない。 5:14 人は、裸で母の胎を出たように、裸で帰る。来た時の姿で、行くのだ。労苦の結果を何ひとつ持って行くわけではない。 5:15 これまた、大いに不幸なことだ。来た時と同じように、行かざるをえない。風を追って労苦して、何になろうか。 5:16 その一生の間、食べることさえ闇の中。悩み、患い、怒りは尽きない。 5:17 見よ、わたしの見たことはこうだ。神に与えられた短い人生の日々に、飲み食いし、太陽の下で労苦した結果のすべてに満足することこそ、幸福で良いことだ。それが人の受けるべき分だ。 5:18 神から富や財宝をいただいた人は皆、それを享受し、自らの分をわきまえ、その労苦の結果を楽しむように定められている。これは神の賜物なのだ。 5:19 彼はその人生の日々をあまり思い返すこともない。神がその心に喜びを与えられるのだから。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉6章1節~12節
6:1 太陽の下に、次のような不幸があって、人間を大きく支配しているのをわたしは見た。 6:2 ある人に神は富、財宝、名誉を与え、この人の望むところは何ひとつ欠けていなかった。しかし神は、彼がそれを自ら享受することを許されなかったので、他人がそれを得ることになった。これまた空しく、大いに不幸なことだ。 6:3 人が百人の子を持ち、長寿を全うしたとする。しかし、長生きしながら、財産に満足もせず/死んで葬儀もしてもらえなかったなら/流産の子の方が好運だとわたしは言おう。 6:4 その子は空しく生まれ、闇の中に去り/その名は闇に隠される。 6:5 太陽の光を見ることも知ることもない。しかし、その子の方が安らかだ。 6:6 たとえ、千年の長寿を二度繰り返したとしても、幸福でなかったなら、何になろう。すべてのものは同じひとつの所に行くのだから。 6:7 人の労苦はすべて口のためだが/それでも食欲は満たされない。 6:8 賢者は愚者にまさる益を得ようか。人生の歩き方を知っていることが/貧しい人に何かの益となろうか。 6:9 欲望が行きすぎるよりも/目の前に見えているものが良い。これまた空しく、風を追うようなことだ。 6:10 これまでに存在したものは/すべて、名前を与えられている。人間とは何ものなのかも知られている。自分より強いものを訴えることはできない。 6:11 言葉が多ければ空しさも増すものだ。人間にとって、それが何になろう。 6:12 短く空しい人生の日々を、影のように過ごす人間にとって、幸福とは何かを誰が知ろう。人間、その一生の後はどうなるのかを教えてくれるものは、太陽の下にはいない。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉7章1節~7節
7:1 名声は香油にまさる。死ぬ日は生まれる日にまさる。 7:2 弔いの家に行くのは/酒宴の家に行くのにまさる。そこには人皆の終りがある。命あるものよ、心せよ。 7:3 悩みは笑いにまさる。顔が曇るにつれて心は安らぐ。 7:4 賢者の心は弔いの家に/愚者の心は快楽の家に。 7:5 賢者の叱責を聞くのは/愚者の賛美を聞くのにまさる。 7:6 愚者の笑いは鍋の下にはぜる柴の音。これまた空しい。 7:7 賢者さえも、虐げられれば狂い/賄賂をもらえば理性を失う。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉7章8節~14節
7:8 事の終りは始めにまさる。気位が高いよりも気が長いのがよい。 7:9 気短に怒るな。怒りは愚者の胸に宿るもの。 7:10 昔の方がよかったのはなぜだろうかと言うな。それは賢い問いではない。 7:11 知恵は遺産に劣らず良いもの。日の光を見る者の役に立つ。 7:12 知恵の陰に宿れば銀の陰に宿る、というが/知っておくがよい/知恵はその持ち主に命を与える、と。 7:13 神の御業を見よ。神が曲げたものを、誰が直しえようか。 7:14 順境には楽しめ、逆境にはこう考えよ/人が未来について無知であるようにと/神はこの両者を併せ造られた、と。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉7章15節~22節
7:15 この空しい人生の日々に/わたしはすべてを見極めた。善人がその善のゆえに滅びることもあり/悪人がその悪のゆえに長らえることもある。 7:16 善人すぎるな、賢すぎるな/どうして滅びてよかろう。 7:17 悪事をすごすな、愚かすぎるな/どうして時も来ないのに死んでよかろう。 7:18 一つのことをつかむのはよいが/ほかのことからも手を放してはいけない。神を畏れ敬えば/どちらをも成し遂げることができる。 7:19 知恵は賢者を力づけて/町にいる十人の権力者よりも強くする。 7:20 善のみ行って罪を犯さないような人間は/この地上にはいない。 7:21 人の言うことをいちいち気にするな。そうすれば、僕があなたを呪っても/聞き流していられる。 7:22 あなた自身も何度となく他人を呪ったことを/あなたの心はよく知っているはずだ。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉7章23節~29節
7:23 これらすべてを知恵によって吟味し/私は「知恵ある者になろう」と口にした。/だが、遠く及ばなかった。 7:24 存在するものは遠く/深く、さらに深い。/誰がそれを見いだせるのか。 7:25 心を転じて/私は知恵と道理を知り、見いだし/突き止めようとした。/そして、悪は愚行、愚かさは無知であると知った。 7:26 私は見いだした、女は死よりも苦いと。/女は罠、その心は網、その手は枷。/御心に適う人は彼女から逃げ出すことができるが/罪人はこれに捕らえられる。 7:27 「見よ、これこそ私が見いだした」/とコヘレトは言う。/一つ一つ積み重ねて見いだした結論。 7:28 私の魂はなおも探し求めたが/見いださなかった。/千人の中に一人の男を見いだしたが/これらすべての中に一人の女も見いださなかった。 7:29 ただし、見よ、これを私は見いだした。/神は人間をまっすぐに造ったのに/人間はさまざまな策略を練ろうとするのだ。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉8章1節~9節
8:1 誰が知恵ある者でありえよう。/誰が言葉の解釈を知りえよう。/知恵はその人の顔を輝かせ/その顔の険しさを和らげる。 8:2 私は言う。/神との誓いのゆえに、王の言葉を守れ。 8:3 王の前から慌てて立ち去るな。/悪事に関わるな。/王はすべてを思いどおりにするのだから。 8:4 王の言葉には権威がある。/誰が王に/「何ということをなさるのか」と言えよう。 8:5 王の命令を守る者は悪事を知らない。/知恵ある者の心は時と法をわきまえる。 8:6 確かに、すべての出来事には時と法がある。/災いは人間に重くのしかかる。 8:7 やがて何が起こるかを知る者は一人もいない。/確かに、何が起こるかを/誰が人に告げることができるだろう。 8:8 息を支配し、息を止められる人はいない。/また、死の日を支配できる人もいない。/戦いからの免除はなく/不正はそれを行う者を救えない。 8:9 これらすべてを私は見て、太陽の下で行われるすべての業に心を向けた。今は、人が人を支配し、災いを招く時代である。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉8章10節~17節
8:10 そして、悪しき者たちが葬られるのを私は見た。彼らは聖なる場所に出入りしていたが、あのように振る舞っていたことは町で忘れ去られている。これもまた空である。 8:11 悪事に対して判決が速やかに下されないため/人の子らの心は悪をなそうという思いに満ちる。 8:12 百度も悪を重ねながら/生き長らえる罪人がいる。/しかし、私は知っている/神を畏れる人々には/神を畏れるからこそ幸せがあると。 8:13 悪しき者には/神を畏れることがないゆえに幸せはない。/その人生は影のようで、生き長らえることがない。 8:14 地上に起こる空なることがある。/悪しき者にふさわしい報いを正しき者が受け/正しき者にふさわしい報いを悪しき者が受ける。/私は、これも空であると言おう。 8:15 そこで、私は喜びをたたえる。/太陽の下では食べ、飲み、楽しむことよりほかに/人に幸せはない。/これは、太陽の下で神が与える人生の日々の労苦に/伴うものである。 8:16 私は知恵を知るために心を尽くし、地上でなされる人の務めを見ようとした。昼も夜も、見極めようとして目には眠りがなかった。 8:17 私は神のすべての業を見た。太陽の下で行われる業を人は見極めることはできない。人が探し求めようと労苦しても、見極めることはできない。たとえ知恵ある者が知っていると言っても、彼も見極めることはできない。
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コヘレトの言葉9章1節~10節
9:1 私はこれらすべてを心に留め、明らかにした。すなわち、/正しき者も知恵ある者も/彼らの働きは神の手の中にある。/人は、愛も憎しみも/目の前にあるすべてのことを知ることはない。 9:2 すべての人に同じことが起きているにすぎず/一つの運命が/正しき者にも悪しき者にも、善人にも/清い人にも清くない人にも/いけにえを献げる人にも献げない人にも臨む。/善人にも罪人にも/誓いを立てる人にも誓いを恐れる人にも臨む。 9:3 太陽の下で行われるすべてのうちで最も悪しきことはこれ、すなわち一つの運命がすべての人に臨むこと。生きている間に、人の子らの心は悪に満ち、無知に支配される。そして、その後は死者のもとへ行く。 9:4 確かに、すべて生きる者として選ばれていれば/誰にも希望がある。/生きている犬のほうが死んだ獅子より幸せである。 9:5 生きている者は死ぬことを知っている。/けれども、死者は何一つ知らず/もはや報いを受けることもない。/彼らにまつわる記憶も失われる。 9:6 彼らの愛も憎しみも/妬みすらもすでに消え去っている。/太陽の下で行われるすべてのうちで/彼らにはとこしえに受ける分はない。 9:7 さあ、あなたのパンを喜んで食べよ。/あなたのぶどう酒を心楽しく飲むがよい。/神はあなたの業をすでに受け入れてくださった。 9:8 いつでも衣を純白に/頭には香油を絶やさないように。 9:9 愛する妻と共に人生を見つめよ/空である人生のすべての日々を。/それは、太陽の下、空であるすべての日々に/神があなたに与えたものである。/それは、太陽の下でなされる労苦によって/あなたが人生で受ける分である。 9:10 手の及ぶことはどのようなことでも/力を尽くして行うがよい。/あなたが行くことになる陰府には/業も道理も知識も知恵もない。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉9章11節~10章1節
9:11 太陽の下、私は振り返って見た。/足の速い者のために競走があるのでもなく/勇士のために戦いがあるのでもない。/知恵ある者のためにパンがあるのでもなく/聡明な者のために富があるのでもなく/知者のために恵みがあるのでもない。/時と偶然は彼らすべてに臨む。 9:12 人は自分の時さえ知らない。/不幸にも魚が網にかかり/鳥が罠にかかるように/突然襲いかかる災いの時に/人の子らもまた捕らえられる。 9:13 次もまた太陽の下で私が見た知恵であり、私にとってただならぬことであった。 9:14 小さな町があって、僅かな住民がいた。そこに強大な王が攻めて来て町を包囲し、これに向かって巨大な塁を築いた。 9:15 その町に貧しいが知恵のある男が現れ、知恵によって町を救った。けれども、この貧しい男を人々は記憶に留めることはなかった。 9:16 そこで、私は言った。/知恵は武力にまさるが/貧しい男の知恵は侮られ/その言葉は聞かれることがない。 9:17 静けさの中で聞かれる知恵ある者の言葉は/愚かな者たちの支配者が叫ぶ声にまさる。 9:18 知恵は武器にまさる。/一つの過ちは幸せをことごとく損なう。 10:1 死んだ蠅は香料職人の油を臭くし、腐らせる。/少しの愚かさは知恵や栄光よりも高くつく。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉10章2節~20節
10:2 知恵ある者の心は右に、愚かな者の心は左に。 10:3 愚かな者は道行くときも思慮に欠け/誰にでも自分が愚かな者だと言い触らす。 10:4 支配者があなたに憤っても/自分の場所を離れてはならない。/冷静になれば、大きな罪には問われない。 10:5 太陽の下に不幸があるのを私は見た。/それは権力ある者が引き起こす過ちで 10:6 愚かな者が甚だしく高められ/富める者が低い地位に座している。 10:7 私は、奴隷が馬に乗り/高官が奴隷のように地を歩くのを見た。 10:8 穴を掘る者はそこに落ち/石垣を崩す者は蛇にかまれる。 10:9 石を切り出す者は石で傷つき/木を割る者は木でけがをする。 10:10 斧がなまったとき、その刃を研いでおかなければ/力が要る。/知恵には益があり、成功をもたらす。 10:11 もし呪文を唱える前に蛇がかみつけば/蛇使いに益はない。 10:12 知恵ある者の口から出る言葉には恵みがあり/愚かな者の唇は身を滅ぼす。 10:13 その口から出る言葉は愚かさで始まり/悪しき無知で終わる。 10:14 愚かな者は多くを語るが/やがて何が起こるかは誰も知らない。/その後どうなるかを/誰が彼に告げることができようか。 10:15 愚かな者は労苦したところで疲れるだけだ。/町に行く道さえも知らない。 10:16 王が若者で/高官たちが朝から食事をする国よ/あなたに災いあれ。 10:17 王が高貴な生まれで/高官たちがふさわしい時に/飲むためにではなく/力を得るために食事をする国よ/あなたは幸いだ。 10:18 怠惰になると天井は落ち/手を抜くと家は雨漏りがする。 10:19 食事を整えるのは笑うため。/ぶどう酒は人生を楽しませる。/銀はそのすべてに応えてくれる。 10:20 心の中で王を呪ってはならない。/寝室で富める者を呪ってはならない。/空の鳥がその声を運び/翼を持つものがその言葉を知らせてしまう。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉11章1節~12章2節
11:1 あなたのパンを水面に投げよ。/月日が過ぎれば、それを見いだすからである。 11:2 あなたの受ける分を七つか八つに分けよ。/地にどのような災いが起こるか/あなたは知らないからである。 11:3 雲が満ちれば、雨が地に降り注ぐ。/木が南に倒れても、北に倒れても/その倒れた場所に木は横たわる。 11:4 風を見守る人は種を蒔けない。/雲を見る人は刈り入れができない。 11:5 あなたはどこに風の道があるかを知らず/妊婦の胎内で骨がどのようにできるかも/知らないのだから/すべてをなす神の業は知りえない。 11:6 朝に種を蒔き/夕べに手を休めるな。/うまくいくのはあれなのか、これなのか/あるいは、そのいずれもなのか/あなたは知らないからである。11:7 光は快く、太陽を見るのは目に心地よい。 11:8 人が多くの年月を生きるなら/これらすべてを喜ぶがよい。/しかし、闇の日が多いことも思い起こすがよい。/やって来るものはすべて空である。 11:9 若者よ、あなたの若さを喜べ。/若き日にあなたの心を楽しませよ。/心に適う道を/あなたの目に映るとおりに歩め。/だが、これらすべてについて/神があなたを裁かれると知っておけ。 11:10 あなたの心から悩みを取り去り/あなたの体から痛みを取り除け。/若さも青春も空だからである。 12:1 若き日に、あなたの造り主を心に刻め。/災いの日々がやって来て/「私には喜びがない」と言うよわいに/近づかないうちに。 12:2 太陽と光、月と星が闇にならないうちに。/雨の後にまた雲が戻って来ないうちに。
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- 村田寿和 牧師
コヘレトの言葉12章1節~14節
12:1 若き日に、あなたの造り主を心に刻め。/災いの日々がやって来て/「私には喜びがない」と言うよわいに/近づかないうちに。 12:2 太陽と光、月と星が闇にならないうちに。/雨の後にまた雲が戻って来ないうちに。 12:3 その日には/家を守る男たちは震え/力ある男たちは身をかがめる。/粉挽く女は数が減って作業をやめ/窓辺で眺める女たちは暗くなる。 12:4 粉を挽く音が小さくなり/通りの門は閉ざされる。/鳥のさえずりで人は起き上がり/娘たちの歌声は小さくなる。 12:5 人々は高い場所を恐れ、道でおののく。/アーモンドは花を咲かせ、ばったは足を引きずり/ケッパーの実はしぼむ。/人は永遠の家に行き、哀悼者たちは通りを巡る。 12:6 やがて銀の糸は断たれ、金の鉢は砕かれる。/泉で水がめは割られ、井戸で滑車は砕け散る。 12:7 塵は元の大地に帰り、息はこれを与えた神に帰る。 12:8 空の空、とコヘレトは言う。/一切は空である。 12:9 さて、コヘレトは知恵ある者であり、さらに知識を民に与えた。彼はまた多くの格言を探し出し、吟味し、分類した。 12:10 コヘレトは喜ばしい言葉を見つけ出そうと努め、真実の言葉を正しく書き留めた。 12:11 知恵ある者の言葉は/突き棒や打ち込まれた釘に似ている。/集められた言葉は一人の牧者から与えられた。 12:12 わが子よ、これ以外のことにも注意せよ。/書物はいくら記しても果てしなく/体はいくら学んでも疲れるばかり。 12:13 聞き取ったすべての言葉の結論。/神を畏れ、その戒めを守れ。/これこそ人間のすべてである。 12:14 神は善であれ悪であれ/あらゆる隠されたことについて/すべての業を裁かれる。
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- 村田寿和 牧師
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