旧約聖書「ダニエル書」に関する礼拝説教 12件
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旧約聖書「ダニエル書」に関する礼拝説教 12件
ダニエル書2章1節~46節
1ネブカドネツァル王が即位して二年目のことであった。王は何度か夢を見て不安になり、眠れなくなった。2王は命令を出して、占い師、祈祷師、まじない師、賢者を呼び出し、自分の夢を説明させようとした。彼らが王の前に進み出ると、3王は言った。「夢を見たのだが、その夢の意味を知りたくて心が落ち着かない。」4賢者たちは王にアラム語で答えた。「王様がとこしえまでも生き永らえられますように。どうぞ僕らにその夢をお話しください。解釈を申し上げます。」5王は賢者たちに答えた。「いいか、わたしの命令は絶対だ。もしお前たちがわたしの見た夢を言い当て、その解釈をしてくれなければ、お前たちの体を八つ裂きにし、お前たちの家も打ち壊す。6しかし、もしわたしの見た夢を言い当て、正しく解釈してくれれば、ほうびとして贈り物と大いなる名誉を授けよう。だから、その夢を言い当て、解釈してみよ。」7彼らは繰り返し答えた。「王様、どうぞその夢をお聞かせください。僕らはその解釈をいたしましょう。」8王は言った。「思ったとおりだ。わたしの命令が必ず実行されることを知っているので、時間を稼ごうとしているのだ。9その夢を話して聞かせることができなければ、お前たちに下される判決は今言ったとおりだ。だから、わたしの前でうそをついたり、いいかげんなことを述べ立てたりして、わたしの考えが変わるまで時を稼ごうとしているにちがいない。さあ、夢を話してみよ。そうすれば、解釈できるかどうかも分かるだろう。」10賢者たちは王に答えた。「王様のお求めに応じることのできる者は、この地上にはおりません。大王や支配者の中のだれも、そのようなことを占い師、祈祷師、賢者に求めたことはございません。11王様のお求めになることは難しく、これに応じることのできるのは、人間と住まいを共になさらぬ神々だけでございましょう。」12王は激しく怒り、憤慨し、バビロンの知者を皆殺しにするよう命令した。13知者を処刑する定めが出されたので、人々はダニエルとその同僚をも殺そうとして探した。14バビロンの知者を殺そうと出て来た侍従長アルヨクにダニエルは思慮深く賢明に応対し、15この王の高官アルヨクに尋ねた。「どうして王様はこのような厳しい命令を出されたのですか。」アルヨクはダニエルに事情を説明した。16ダニエルは王のもとに行って、願った。「しばらくの時をいただけますなら、解釈いたします。」17ダニエルは家に帰り、仲間のハナンヤ、ミシャエル、アザルヤに事情を説明した。18そして、他のバビロンの賢者と共に殺されることのないよう、天の神に憐れみを願い、その夢の秘密を求めて祈った。19すると、夜の幻によってその秘密がダニエルに明かされた。ダニエルは天の神をたたえ、20こう祈った。「神の御名をたたえよ、世々とこしえに。知恵と力は神のもの。21神は時を移し、季節を変え王を退け、王を立て知者に知恵を、識者に知識を与えられる。22 奥義と秘義を現し闇にひそむものを知り光は御もとに宿る。23わたしの父祖の神よ、感謝と賛美をささげます。知恵と力をわたしに授け今、願いをかなえ王の望むことを知らせてくださいました。」24それから、ダニエルはバビロンの知者皆殺しの命を受けていたアルヨクのもとに行って、こう言った。「バビロンの知者を殺さないでください。わたしを王様のもとに連れて行ってくだされば、王様に解釈を申し上げます。」25そこで、アルヨクはおそるおそるダニエルを王のもとに連れて出て、こう言った。「ユダの捕囚の中に、一人の男が見つかりました。王様に解釈を申し上げると言っております。」26王はベルテシャツァルの名を持つダニエルに尋ねた。「わたしの見た夢を言い当て、それを解釈してくれると言うのか。」27ダニエルは王に答えた。「王様がお求めになっている秘密の説明は、知者、祈祷師、占い師、星占い師にはできません。28だが、秘密を明かす天の神がおられ、この神が将来何事が起こるのかをネブカドネツァル王に知らせてくださったのです。王様の夢、お眠りになっていて頭に浮かんだ幻を申し上げましょう。29お休みになって先々のことを思いめぐらしておられた王様に、神は秘密を明かし、将来起こるべきことを知らせようとなさったのです。30その秘密がわたしに明かされたのは、命あるものすべてにまさる知恵がわたしにあるからではなく、ただ王様にその解釈を申し上げ、王様が心にある思いをよく理解なさるようお助けするためだったのです。31王様、あなたは一つの像を御覧になりました。それは巨大で、異常に輝き、あなたの前に立ち、見るも恐ろしいものでした。32それは頭が純金、胸と腕が銀、腹と腿が青銅、33すねが鉄、足は一部が鉄、一部が陶土でできていました。34見ておられると、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と陶土の足を打ち砕きました。35鉄も陶土も、青銅も銀も金も共に砕け、夏の打穀場のもみ殻のようになり、風に吹き払われ、跡形もなくなりました。その像を打った石は大きな山となり、全地に広がったのです。36これが王様の御覧になった夢です。さて、その解釈をいたしましょう。37王様、あなたはすべての王の王です。天の神はあなたに、国と権威と威力と威光を授け、38人間も野の獣も空の鳥も、どこに住んでいようとみなあなたの手にゆだね、このすべてを治めさせられました。すなわち、あなたがその金の頭なのです。39あなたのあとに他の国が興りますが、これはあなたに劣るもの。その次に興る第三の国は青銅で、全地を支配します。40第四の国は鉄のように強い。鉄はすべてを打ち砕きますが、あらゆるものを破壊する鉄のように、この国は破壊を重ねます。4 足と足指は一部が陶工の用いる陶土、一部が鉄であるのを御覧になりましたが、そのようにこの国は分裂しています。鉄が柔らかい陶土と混じっているのを御覧になったように、この国には鉄の強さもあります。42足指は一部が鉄、一部が陶土です。すなわち、この国には強い部分もあれば、もろい部分もあるのです。43また、鉄が柔らかい陶土と混じり合っているのを御覧になったように、人々は婚姻によって混じり合います。しかし、鉄が陶土と溶け合うことがないように、ひとつになることはありません。44この王たちの時代に、天の神は一つの国を興されます。この国は永遠に滅びることなく、その主権は他の民の手に渡ることなく、すべての国を打ち滅ぼし、永遠に続きます。45山から人手によらず切り出された石が、鉄、青銅、陶土、銀、金を打つのを御覧になりましたが、それによって、偉大な神は引き続き起こることを王様にお知らせになったのです。この夢は確かであり、解釈もまちがいございません。」46これを聞いたネブカドネツァルはひれ伏してダニエルを拝し、献げ物と香を彼に供えさせた。
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ダニエル書3章1節~30節
1ネブカドネツァル王は一つの金の像を造った。高さは六十アンマ、幅は六アンマで、これをバビロン州のドラという平野に建てた。2ネブカドネツァル王は人を遣わして、総督、執政官、地方長官、参議官、財務官、司法官、保安官、その他諸州の高官たちを集め、自分の建てた像の除幕式に参列させることにした。3総督、執政官、地方長官、参議官、財務官、司法官、保安官、その他諸州の高官たちはその王の建てた像の除幕式に集まり、像の前に立ち並んだ。4伝令は力を込めて叫んだ。「諸国、諸族、諸言語の人々よ、あなたたちに告げる。5角笛、横笛、六絃琴、竪琴、十三絃琴、風琴などあらゆる楽器による音楽が聞こえたなら、ネブカドネツァル王の建てられた金の像の前にひれ伏して拝め。6ひれ伏して拝まない者は、直ちに燃え盛る炉に投げ込まれる。」7それで、角笛、横笛、六絃琴、竪琴、十三絃琴の音楽が聞こえてくると、諸国、諸族、諸言語の人々は皆ひれ伏し、ネブカドネツァル王の建てた金の像を拝んだ。8さてこのとき、何人かのカルデア人がユダヤ人を中傷しようと進み出て、9ネブカドネツァル王にこう言った。「王様がとこしえまでも生き永らえられますように。10御命令によりますと、角笛、横笛、六絃琴、竪琴、十三絃琴、風琴などあらゆる楽器の音楽が聞こえたなら、だれでも金の像にひれ伏して拝め、ということでした。11そうしなければ、燃え盛る炉に投げ込まれるはずです。12バビロン州には、その行政をお任せになっているユダヤ人シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの三人がおりますが、この人々は御命令を無視して、王様の神に仕えず、お建てになった金の像を拝もうとしません。」 3:13 これを聞いたネブカドネツァル王は怒りに燃え、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴを連れて来るよう命じ、この三人は王の前に引き出された。14王は彼らに言った。「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、お前たちがわたしの神に仕えず、わたしの建てた金の像を拝まないというのは本当か。15今、角笛、横笛、六絃琴、竪琴、十三絃琴、風琴などあらゆる楽器の音楽が聞こえると同時にひれ伏し、わたしの建てた金の像を拝むつもりでいるなら、それでよい。もしも拝まないなら、直ちに燃え盛る炉に投げ込ませる。お前たちをわたしの手から救い出す神があろうか。」16シャドラク、メシャク、アベド・ネゴはネブカドネツァル王に答えた。「このお定めにつきまして、お答えする必要はございません。17わたしたちのお仕えする神は、その燃え盛る炉や王様の手からわたしたちを救うことができますし、必ず救ってくださいます。18そうでなくとも、御承知ください。わたしたちは王様の神々に仕えることも、お建てになった金の像を拝むことも、決していたしません。」19ネブカドネツァル王はシャドラク、メシャク、アベド・ネゴに対して血相を変えて怒り、炉をいつもの七倍も熱く燃やすように命じた。20そして兵士の中でも特に強い者に命じて、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴを縛り上げ、燃え盛る炉に投げ込ませた。21彼らは上着、下着、帽子、その他の衣服を着けたまま縛られ、燃え盛る炉に投げ込まれた。22王の命令は厳しく、炉は激しく燃え上がっていたので、噴き出る炎はシャドラク、メシャク、アベド・ネゴを引いて行った男たちをさえ焼き殺した。23シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの三人は縛られたまま燃え盛る炉の中に落ち込んで行った。24間もなく王は驚きの色を見せ、急に立ち上がり、側近たちに尋ねた。「あの三人の男は、縛ったまま炉に投げ込んだはずではなかったか。」彼らは答えた。「王様、そのとおりでございます。」25王は言った。「だが、わたしには四人の者が火の中を自由に歩いているのが見える。そして何の害も受けていない。それに四人目の者は神の子のような姿をしている。」26ネブカドネツァル王は燃え盛る炉の口に近づいて呼びかけた。「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、いと高き神に仕える人々よ、出て来なさい。」すると、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴは炉の中から出て来た。27総督、執政官、地方長官、王の側近たちは集まって三人を調べたが、火はその体を損なわず、髪の毛も焦げてはおらず、上着も元のままで火のにおいすらなかった。 3:28 ネブカドネツァル王は言った。「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をたたえよ。彼らは王の命令に背き、体を犠牲にしても自分の神に依り頼み、自分の神以外にはいかなる神にも仕えず、拝もうともしなかったので、この僕たちを、神は御使いを送って救われた。29わたしは命令する。いかなる国、民族、言語に属する者も、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をののしる者があれば、その体は八つ裂きにされ、その家は破壊される。まことに人間をこのように救うことのできる神はほかにはない。」30こうして王は、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴをバビロン州で高い位につけた。
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ダニエル書4章16節~34節
16しかし、ベルテシャツァルと呼ばれるダニエルは驚いた様子で、しばらくの間思い悩んでいた。王は彼に、「ベルテシャツァル、この夢とその解釈を恐れずに言うがよい」と言った。彼は答えた。「王様、この夢があなたの敵に、その解釈があなたを憎む者にふりかかりますように。17御覧になったその木、すなわち、成長してたくましくなり、天に届くほどの高さになり、地の果てからも見え、18葉は美しく茂り、実は豊かに実ってすべてを養うに足り、その木陰に野の獣は宿り、その枝に空の鳥は巣を作る、19その木はあなた御自身です。あなたは成長してたくましくなり、あなたの威力は大きくなって天にも届くほどになり、あなたの支配は地の果てにまで及んでいます。20また、王様は聖なる見張りの天使が天から降って来るのを御覧になりました。天使はこう言いました。この木を切り倒して滅ぼせ。ただし、切り株と根を地中に残し、これに鉄と青銅の鎖をかけて野の草の中に置け。天の露にぬれるにまかせ、獣と共に野の草を食らわせ、七つの時を過ごさせよ、と。21さて、王様、それを解釈いたしましょう。これはいと高き神の命令で、わたしの主君、王様に起こることです。22あなたは人間の社会から追放されて野の獣と共に住み、牛のように草を食べ、天の露にぬれ、こうして七つの時を過ごすでしょう。そうして、あなたはついに、いと高き神こそが人間の王国を支配し、その御旨のままにそれをだれにでも与えられるのだということを悟るでしょう。23その木の切り株と根を残すように命じられているので、天こそまことの支配者であると悟れば、王国はあなたに返されます。24王様、どうぞわたしの忠告をお受けになり、罪を悔いて施しを行い、悪を改めて貧しい人に恵みをお与えになってください。そうすれば、引き続き繁栄されるでしょう。」25このことはすべて、ネブカドネツァル王の上に起こった。26十二か月が過ぎたころのことである。王はバビロンの王宮の屋上を散歩しながら、27こう言った。「なんとバビロンは偉大ではないか。これこそ、このわたしが都として建て、わたしの権力の偉大さ、わたしの威光の尊さを示すものだ。」28まだ言い終わらぬうちに、天から声が響いた。「ネブカドネツァル王よ、お前に告げる。王国はお前を離れた。29 お前は人間の社会から追放されて、野の獣と共に住み、牛のように草を食らい、七つの時を過ごすのだ。そうしてお前はついに、いと高き神こそが人間の王国を支配する者で、神は御旨のままにそれをだれにでも与えるのだということを悟るであろう。」30この言葉は直ちにネブカドネツァルの身に起こった。彼は人間の社会から追放され、牛のように草を食らい、その体は天の露にぬれ、その毛は鷲の羽のように、つめは鳥のつめのように生え伸びた。31その時が過ぎて、わたしネブカドネツァルは目を上げて天を仰ぐと、理性が戻って来た。わたしはいと高き神をたたえ、永遠に生きるお方をほめたたえた。その支配は永遠に続きその国は代々に及ぶ。32すべて地に住む者は無に等しい。天の軍勢をも地に住む者をも御旨のままにされる。その手を押さえて何をするのかと言いうる者はだれもいない。33言い終わると、理性がわたしに戻った。栄光と輝きは再びわたしに与えられて、王国の威光となった。貴族や側近もわたしのもとに戻って来た。こうしてわたしは王国に復帰し、わたしの威光は増し加わった。34それゆえ、わたしネブカドネツァルは天の王をほめたたえ、あがめ、賛美する。その御業はまこと、その道は正しく、驕る者を倒される。
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ダニエル書5章13節~30節
13そこで、ダニエルが王の前に召し出された。王は彼に言った。「父王がユダから捕らえ帰ったユダヤ人の捕囚の一人、ダニエルというのはお前か。14聞くところによると、お前は神々の霊を宿していて、すばらしい才能と特別な知恵を持っているそうだ。15賢者や祈祷師を連れて来させてこの文字を読ませ、解釈させようとしたのだが、彼らにはそれができなかった。16お前はいろいろと解釈をしたり難問を解いたりする力を持つと聞いた。もしこの文字を読み、その意味を説明してくれたなら、お前に紫の衣を着せ、金の鎖を首にかけて、王国を治める者のうち第三の位を与えよう。」17ダニエルは王に答えた。「贈り物など不要でございます。報酬はだれか他の者にお与えください。しかし、王様のためにその文字を読み、解釈をいたしましょう。18王様、いと高き神は、あなたの父ネブカドネツァル王に王国と権勢と威光をお与えになりました。19その権勢を見て、諸国、諸族、諸言語の人々はすべて、恐れおののいたのです。父王様は思うままに殺し、思うままに生かし、思うままに栄誉を与え、思うままに没落させました。20しかし、父王様は傲慢になり、頑に尊大にふるまったので、王位を追われ、栄光は奪われました。21父王様は人間の社会から追放され、心は野の獣のようになり、野生のろばと共に住み、牛のように草を食らい、天から降る露にその身をぬらし、ついに悟ったのは、いと高き神こそが人間の王国を支配し、その御旨のままに王を立てられるのだということでした。22さて、ベルシャツァル王よ、あなたはその王子で、これらのことをよくご存じでありながら、なお、へりくだろうとはなさらなかった。23天の主に逆らって、その神殿の祭具を持ち出させ、あなた御自身も、貴族も、後宮の女たちも皆、それで飲みながら、金や銀、青銅、鉄、木や石で造った神々、見ることも聞くこともできず、何も知らないその神々を、ほめたたえておられます。だが、あなたの命と行動の一切を手中に握っておられる神を畏れ敬おうとはなさらない。24そのために神は、あの手を遣わして文字を書かせたのです。25さて、書かれた文字はこうです。メネ、メネ、テケル、そして、パルシン。26意味はこうです。メネは数えるということで、すなわち、神はあなたの治世を数えて、それを終わらせられたのです。27テケルは量を計ることで、すなわち、あなたは秤にかけられ、不足と見られました。28パルシンは分けるということで、すなわち、あなたの王国は二分されて、メディアとペルシアに与えられるのです。」29これを聞いたベルシャツァルは、ダニエルに紫の衣を着せ、金の鎖をその首にかけるように命じ、王国を治める者のうち第三の位を彼に与えるという布告を出した。30その同じ夜、カルデア人の王ベルシャツァルは殺された。
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ダニエル書6章1節~29節
1さて、王国を継いだのは、メディア人ダレイオスであった。彼は既に六十二歳であった。2ダレイオスは、王国に百二十人の総督を置いて全国を治めさせることにし、3 また、王に損失がないようにするため、これらの総督から報告を受ける大臣を三人、その上に置いた。ダニエルはそのひとりであった。4ダニエルには優れた霊が宿っていたので、他の大臣や総督のすべてに傑出していた。王は彼に王国全体を治めさせようとした。5大臣や総督は、政務に関してダニエルを陥れようと口実を探した。しかし、ダニエルは政務に忠実で、何の汚点も怠慢もなく、彼らは訴え出る口実を見つけることができなかった。6それで彼らは、「ダニエルを陥れるには、その信じている神の法に関してなんらかの言いがかりをつけるほかはあるまい」と話し合い、7王のもとに集まってこう言った。「ダレイオス王様がとこしえまでも生き永らえられますように。8王国の大臣、執政官、総督、地方長官、側近ら一同相談いたしまして、王様に次のような、勅令による禁止事項をお定めいただこうということになりました。すなわち、向こう三十日間、王様を差し置いて他の人間や神に願い事をする者は、だれであれ獅子の洞窟に投げ込まれる、と。9王様、どうぞこの禁令を出し、その書面に御署名ください。そうすれば、これはメディアとペルシアの法律として変更不可能なものとなり、廃止することはできなくなります。」10ダレイオス王は、その書面に署名して禁令を発布した。11ダニエルは王が禁令に署名したことを知っていたが、家に帰るといつものとおり二階の部屋に上がり、エルサレムに向かって開かれた窓際にひざまずき、日に三度の祈りと賛美を自分の神にささげた。12役人たちはやって来て、ダニエルがその神に祈り求めているのを見届け、13王の前に進み出、禁令を引き合いに出してこう言った。「王様、向こう三十日間、王様を差し置いて他の人間や神に願い事をする者があれば、獅子の洞窟に投げ込まれるという勅令に署名をなさったのではございませんか。」王は答えた。「そのとおりだ。メディアとペルシアの法律は廃棄されることはない。」14彼らは王に言った。「王様、ユダヤからの捕囚の一人ダニエルは、あなたさまをも、署名なさったその禁令をも無視して、日に三度祈りをささげています。」15 王はこれを聞いてたいそう悩み、なんとかダニエルを助ける方法はないものかと心を砕き、救おうとして日の暮れるまで努力した。16 役人たちは王のもとに来て言った。「王様、ご存じのとおり、メディアとペルシアの法律によれば、王による勅令や禁令は一切変更してはならないことになっております。」17 それで王は命令を下し、ダニエルは獅子の洞窟に投げ込まれることになって引き出された。王は彼に言った。「お前がいつも拝んでいる神がお前を救ってくださるように。」18 一つの石が洞窟の入り口に置かれ、王は自分の印と貴族たちの印で封をし、ダニエルに対する処置に変更がないようにした。19 王は宮殿に帰ったが、その夜は食を断ち、側女も近寄らせず、眠れずに過ごし、20 夜が明けるやいなや、急いで獅子の洞窟へ行った。21洞窟に近づくと、王は不安に満ちた声をあげて、ダニエルに呼びかけた。「ダニエル、ダニエル、生ける神の僕よ、お前がいつも拝んでいる神は、獅子からお前を救い出す力があったか。」22ダニエルは王に答えた。「王様がとこしえまでも生き永らえられますように。23神様が天使を送って獅子の口を閉ざしてくださいましたので、わたしはなんの危害も受けませんでした。神様に対するわたしの無実が認められたのです。そして王様、あなたさまに対しても、背いたことはございません。」24王はたいそう喜んで、ダニエルを洞窟から引き出すように命じた。ダニエルは引き出されたが、その身に何の害も受けていなかった。神を信頼していたからである。25王は命令を下して、ダニエルを陥れようとした者たちを引き出させ、妻子もろとも獅子の洞窟に投げ込ませた。穴の底にも達しないうちに、獅子は彼らに飛びかかり、骨までもかみ砕いた。26ダレイオス王は、全地に住む諸国、諸族、諸言語の人々に、次のように書き送った。「いっそうの繁栄を願って挨拶を送る。27 わたしは以下のとおりに定める。この王国全域において、すべての民はダニエルの神を恐れかしこまなければならない。この神は生ける神、世々にいまし/その主権は滅びることなく、その支配は永遠。28この神は救い主、助け主。天にも地にも、不思議な御業を行い/ダニエルを獅子の力から救われた。」29こうしてダニエルは、ダレイオスとペルシアのキュロスの治世を通して活躍した。
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ダニエル書7章1節~18節
1バビロンの王ベルシャツァルの治世元年のことである。ダニエルは、眠っているとき頭に幻が浮かび、一つの夢を見た。彼はその夢を記録することにし、次のように書き起こした。2ある夜、わたしは幻を見た。見よ、天の四方から風が起こって、大海を波立たせた。3すると、その海から四頭の大きな獣が現れた。それぞれ形が異なり、4第一のものは獅子のようであったが、鷲の翼が生えていた。見ていると、翼は引き抜かれ、地面から起き上がらされて人間のようにその足で立ち、人間の心が与えられた。5第二の獣は熊のようで、横ざまに寝て、三本の肋骨を口にくわえていた。これに向かって、「立て、多くの肉を食らえ」という声がした。6次に見えたのはまた別の獣で、豹のようであった。背には鳥の翼が四つあり、頭も四つあって、権力がこの獣に与えられた。7この夜の幻で更に続けて見たものは、第四の獣で、ものすごく、恐ろしく、非常に強く、巨大な鉄の歯を持ち、食らい、かみ砕き、残りを足で踏みにじった。他の獣と異なって、これには十本の角があった。8その角を眺めていると、もう一本の小さな角が生えてきて、先の角のうち三本はそのために引き抜かれてしまった。この小さな角には人間のように目があり、また、口もあって尊大なことを語っていた。9なお見ていると、/王座が据えられ/「日の老いたる者」がそこに座した。その衣は雪のように白く/その白髪は清らかな羊の毛のようであった。その王座は燃える炎/その車輪は燃える火 10 その前から火の川が流れ出ていた。幾千人が御前に仕え/幾万人が御前に立った。裁き主は席に着き/巻物が繰り広げられた。 11さて、その間にもこの角は尊大なことを語り続けていたが、ついにその獣は殺され、死体は破壊されて燃え盛る火に投げ込まれた。12他の獣は権力を奪われたが、それぞれの定めの時まで生かしておかれた。13夜の幻をなお見ていると、/見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り/「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み14権威、威光、王権を受けた。諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え/彼の支配はとこしえに続き/その統治は滅びることがない。15わたしダニエルは大いに憂い、頭に浮かんだこの幻に悩まされた。16そこに立っている人の一人に近づいてこれらのことの意味を尋ねると、彼はそれを説明し、解釈してくれた。17「これら四頭の大きな獣は、地上に起ころうとする四人の王である。18しかし、いと高き者の聖者らが王権を受け、王国をとこしえに治めるであろう。」
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ダニエル書8章1節~27節
1 わたしダニエルは先にも幻を見たが、その後ベルシャツァル王の治世第三年に、また幻を見た。2 その幻の中にあって、見るとわたしはエラム州の都スサにおり、ウライ川のほとりにいるようであった。3 目を上げて眺めると、見よ、一頭の雄羊が川岸に立っていた。二本の角が生えていたが共に長く、一本は他の一本より更に長くて、後ろの方に生えていた。4 見ていると、この雄羊は西、北、南に向かって突進し、これにかなう獣は一頭もなく、その力から救い出すものもなく、雄羊はほしいままに、また、高慢にふるまい、高ぶった。5 これについて考えていると、見よ、西から一頭の雄山羊が全地の上を飛ぶような勢いで進んで来た。その額には際立った一本の角が生えていた。6 この雄山羊は先に見た川岸に立っている二本の角のある雄羊に向かって、激しい勢いで突進した。7 みるみるうちに雄山羊は雄羊に近づき、怒りに燃えてこれを打ち倒し、その二本の角を折ったが、雄羊には抵抗する力がなかった。雄山羊はこれを地に投げ打ち、踏みにじった。その力から雄羊を救い出すものはなかった。8 雄山羊は非常に尊大になったが、力の極みで角は折れ、その代わりに四本の際立った角が生えて天の四方に向かった。9 そのうちの一本からもう一本の小さな角が生え出て、非常に強大になり、南へ、東へ、更にあの「麗しの地」へと力を伸ばした。10 これは天の万軍に及ぶまで力を伸ばし、その万軍、つまり星のうちの幾つかを地に投げ落とし、踏みにじった。11 その上、天の万軍の長にまで力を伸ばし、日ごとの供え物を廃し、その聖所を倒した12 また、天の万軍を供え物と共に打ち倒して罪をはびこらせ、真理を地になげうち、思うままにふるまった。13 わたしは一人の聖なる者が語るのを聞いた。またもう一人の聖なる者がその語っている者に言った。「この幻、すなわち、日ごとの供え物が廃され、罪が荒廃をもたらし、聖所と万軍とが踏みにじられるというこの幻の出来事は、いつまで続くのか。」14 彼は続けた。「日が暮れ、夜の明けること二千三百回に及んで、聖所はあるべき状態に戻る。」15 わたしダニエルは、この幻を見ながら、意味を知りたいと願っていた。その時、見よ、わたしに向かって勇士のような姿が現れた。16 すると、ウライ川から人の声がしてこう言った。「ガブリエル、幻をこの人に説明せよ。」17 彼がわたしの立っている所に近づいて来たので、わたしは恐れてひれ伏した。彼はわたしに言った。「人の子よ、この幻は終わりの時に関するものだということを悟りなさい。」18 彼がこう話している間に、わたしは気を失って地に倒れたが、彼はわたしを捕らえて立ち上がらせ、19 こう言った。「見よ、この怒りの時の終わりに何が起こるかをお前に示そう。定められた時には終わりがある。20 お前の見た二本の角のある雄羊はメディアとペルシアの王である。21 また、あの毛深い雄山羊はギリシアの王である。その額の大きな角は第一の王だ。22 その角が折れて代わりに四本の角が生えたが、それはこの国から、それほどの力を持たない四つの国が立つということである。23 四つの国の終わりに、その罪悪の極みとして/高慢で狡猾な一人の王が起こる。24 自力によらずに強大になり/驚くべき破壊を行い、ほしいままにふるまい/力ある者、聖なる民を滅ぼす。25才知にたけ/その手にかかればどんな悪だくみも成功し/驕り高ぶり、平然として多くの人を滅ぼす。ついに最も大いなる君に敵対し/人の手によらずに滅ぼされる。26この夜と朝の幻について/わたしの言うことは真実だ。しかし、お前は見たことを秘密にしておきなさい。まだその日は遠い。」27わたしダニエルは疲れ果てて、何日か病気になっていた。その後、起きて宮廷の務めに戻った。しかし、この幻にぼう然となり、理解できずにいた。
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- 藤井真 牧師
ダニエル書9章1節~19節
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- 藤井真 牧師
ダニエル書10章1節~21節
1ペルシアの王キュロスの治世第三年のことである。ベルテシャツァルと呼ばれるダニエルに一つの言葉が啓示された。この言葉は真実であり、理解するのは非常に困難であったが、幻のうちに、ダニエルに説明が与えられた。2そのころわたしダニエルは、三週間にわたる嘆きの祈りをしていた。3その三週間は、一切の美食を遠ざけ、肉も酒も口にせず、体には香油も塗らなかった。4一月二十四日のこと、チグリスという大河の岸にわたしはいた。5目を上げて眺めると、見よ、一人の人が麻の衣を着、純金の帯を腰に締めて立っていた。6体は宝石のようで、顔は稲妻のよう、目は松明の炎のようで、腕と足は磨かれた青銅のよう、話す声は大群衆の声のようであった。7この幻を見たのはわたしダニエルひとりであって、共にいた人々は何も見なかったのだが、強い恐怖に襲われて逃げ出し、隠れてしまった。8わたしはひとり残ってその壮大な幻を眺めていたが、力が抜けていき、姿は変わり果てて打ちのめされ、気力を失ってしまった。9その人の話す声が聞こえてきたが、わたしは聞きながら意識を失い、地に倒れた。10突然、一つの手がわたしに触れて引き起こしたので、わたしは手と膝をついた。11彼はこう言った。「愛されている者ダニエルよ、わたしがお前に語ろうとする言葉をよく理解せよ、そして、立ち上がれ。わたしはこうしてお前のところに遣わされて来たのだ。」こう話しかけられて、わたしは震えながら立ち上がった。12彼は言葉を継いだ。「ダニエルよ、恐れることはない。神の前に心を尽くして苦行し、神意を知ろうとし始めたその最初の日から、お前の言葉は聞き入れられており、お前の言葉のためにわたしは来た。13ペルシア王国の天使長が二十一日間わたしに抵抗したが、大天使長のひとりミカエルが助けに来てくれたので、わたしはペルシアの王たちのところにいる必要がなくなった。14それで、お前の民に将来起こるであろうことを知らせるために来たのだ。この幻はその時に関するものだ。」15こう言われてわたしは顔を地に伏せ、言葉を失った。16すると見よ、人の子のような姿の者がわたしの唇に触れたので、わたしは口を開き、前に立つその姿に話しかけた。「主よ、この幻のためにわたしは大層苦しみ、力を失いました。17どうして主の僕であるわたしのような者が、主のようなお方と話すことなどできましょうか。力はうせ、息も止まらんばかりです。」18人のようなその姿は、再びわたしに触れて力づけてくれた。19彼は言った。「恐れることはない。愛されている者よ。平和を取り戻し、しっかりしなさい。」こう言われて、わたしは力を取り戻し、こう答えた。「主よ、お話しください。わたしは力が出てきました。」20彼は言った。「なぜお前のところに来たか、分かったであろう。今、わたしはペルシアの天使長と闘うために帰る。わたしが去るとすぐギリシアの天使長が現れるであろう。21しかし、真理の書に記されていることをお前に教えよう。お前たちの天使長ミカエルのほかに、これらに対してわたしを助ける者はないのだ。
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ダニエル書11章21節~39節
21 代わって立つ者は卑しむべき者で、王としての名誉は与えられず、平穏な時期に現れ、甘言を用いて王権を取る。22 洪水のような勢力も彼によって押し流され、打ち破られ、契約の君も破られる。23 この王は、僅かの腹心と共に悪計を用いて多くの者と同盟を結び、勢力を増し、強大になって行く。24 平穏な時期に彼は最も豊かな地方を侵略し、先祖のだれもしたことのないようなことを行い、戦利品や財宝を分配する。また、諸方の砦に対して計略を練るが、それは一時期のことである。25 やがて彼は力と勇気を奮い起こし、南の王に対して大軍を整える。南の王も非常に強大な軍勢をもってこれと戦うが、計略にかかり、勝つことができない。26 すなわち、南の王の禄を食む者ら自身が彼を打ち破る。その軍勢は押し流され、多くの者が傷つき倒れる。27 これら二人の王は、互いに悪意を抱きながら一つの食卓を囲み、虚言を語り合う。しかし、何事も成功しない。まだ終わりの時ではないからである。28 北の王は莫大な富を獲得して自国に引き揚げる。聖なる契約に逆らう思いを抱いて、ほしいままにふるまい、自国に帰る。29 時が来て、彼は再び南に攻め入るが、これは最初でも最後でもない。30 キティムの船隊が攻めるので、彼は力を失う。彼は再び聖なる契約に対し、怒りを燃やして行動し、また聖なる契約を離れる者があることに気づく。31 彼は軍隊を派遣して、砦すなわち聖所を汚し、日ごとの供え物を廃止し、憎むべき荒廃をもたらすものを立てる。32 契約に逆らう者を甘言によって棄教させるが、自分の神を知る民は確固として行動する。33 民の目覚めた人々は多くの者を導くが、ある期間、剣にかかり、火刑に処され、捕らわれ、略奪されて倒される。34こうして倒れるこの人々を助ける者は少なく、多くの者は彼らにくみするが、実は不誠実である。35 これらの指導者の何人かが倒されるのは、終わりの時に備えて練り清められ、純白にされるためである。まだ時は来ていない。 36 あの王はほしいままにふるまい、いよいよ驕り高ぶって、どのような神よりも自分を高い者と考える。すべての神にまさる神に向かって恐るべきことを口にし、怒りの時が終わるまで栄え続ける。定められたことは実現されねばならないからである。37 先祖の神々を無視し、女たちの慕う神をも、そして他のどのような神をも尊ばず、自分を何者にもまさって偉大であると思う。38 代わりに、先祖の知らなかった神、すなわち砦の神をあがめ、金銀、宝石、宝物でこれを飾り立てる。39 強固な砦の数々を異国の神に頼って攻め、気に入った者には栄誉を与えて多くの者を支配させ、封土を与える。
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ダニエル書12章1節~13節
1その時、大天使長ミカエルが立つ。彼はお前の民の子らを守護する。その時まで、苦難が続く/国が始まって以来、かつてなかったほどの苦難が。しかし、その時には救われるであろう/お前の民、あの書に記された人々は。2多くの者が地の塵の中の眠りから目覚める。ある者は永遠の生命に入り/ある者は永久に続く恥と憎悪の的となる。3目覚めた人々は大空の光のように輝き/多くの者の救いとなった人々は/とこしえに星と輝く。4ダニエルよ、終わりの時が来るまで、お前はこれらのことを秘め、この書を封じておきなさい。多くの者が動揺するであろう。そして、知識は増す。」5わたしダニエルは、なお眺め続けていると、見よ、更に二人の人が、川の両岸に一人ずつ立っているのが見えた。6その一人が、川の流れの上に立つ、あの麻の衣を着た人に向かって、「これらの驚くべきことはいつまで続くのでしょうか」と尋ねた。7すると、川の流れの上に立つ、あの麻の衣を着た人が、左右の手を天に差し伸べ、永遠に生きるお方によってこう誓うのが聞こえた。「一時期、二時期、そして半時期たって、聖なる民の力が全く打ち砕かれると、これらの事はすべて成就する。」8こう聞いてもわたしには理解できなかったので、尋ねた。「主よ、これらのことの終わりはどうなるのでしょうか。」9彼は答えた。「ダニエルよ、もう行きなさい。終わりの時までこれらの事は秘められ、封じられている。10多くの者は清められ、白くされ、練られる。逆らう者はなお逆らう。逆らう者はだれも悟らないが、目覚めた人々は悟る。11日ごとの供え物が廃止され、憎むべき荒廃をもたらすものが立てられてから、千二百九十日が定められている。12待ち望んで千三百三十五日に至る者は、まことに幸いである。13終わりまでお前の道を行き、憩いに入りなさい。時の終わりにあたり、お前に定められている運命に従って、お前は立ち上がるであろう。」
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- 藤井真 牧師
ダニエル書6章1節~18節
1さて、王国を継いだのは、メディア人ダレイオスであった。彼は既に六十二歳であった。2ダレイオスは、王国に百二十人の総督を置いて全国を治めさせることにし、3また、王に損失がないようにするため、これらの総督から報告を受ける大臣を三人、その上に置いた。ダニエルはそのひとりであった。4ダニエルには優れた霊が宿っていたので、他の大臣や総督のすべてに傑出していた。王は彼に王国全体を治めさせようとした。5大臣や総督は、政務に関してダニエルを陥れようと口実を探した。しかし、ダニエルは政務に忠実で、何の汚点も怠慢もなく、彼らは訴え出る口実を見つけることができなかった。6それで彼らは、「ダニエルを陥れるには、その信じている神の法に関してなんらかの言いがかりをつけるほかはあるまい」と話し合い、7王のもとに集まってこう言った。「ダレイオス王様がとこしえまでも生き永らえられますように。8王国の大臣、執政官、総督、地方長官、側近ら一同相談いたしまして、王様に次のような、勅令による禁止事項をお定めいただこうということになりました。すなわち、向こう三十日間、王様を差し置いて他の人間や神に願い事をする者は、だれであれ獅子の洞窟に投げ込まれる、と。9王様、どうぞこの禁令を出し、その書面に御署名ください。そうすれば、これはメディアとペルシアの法律として変更不可能なものとなり、廃止することはできなくなります。」10ダレイオス王は、その書面に署名して禁令を発布した。11ダニエルは王が禁令に署名したことを知っていたが、家に帰るといつものとおり二階の部屋に上がり、エルサレムに向かって開かれた窓際にひざまずき、日に三度の祈りと賛美を自分の神にささげた。12役人たちはやって来て、ダニエルがその神に祈り求めているのを見届け、13王の前に進み出、禁令を引き合いに出してこう言った。「王様、向こう三十日間、王様を差し置いて他の人間や神に願い事をする者があれば、獅子の洞窟に投げ込まれるという勅令に署名をなさったのではございませんか。」王は答えた。「そのとおりだ。メディアとペルシアの法律は廃棄されることはない。」14彼らは王に言った。「王様、ユダヤからの捕囚の一人ダニエルは、あなたさまをも、署名なさったその禁令をも無視して、日に三度祈りをささげています。」15王はこれを聞いてたいそう悩み、なんとかダニエルを助ける方法はないものかと心を砕き、救おうとして日の暮れるまで努力した。16役人たちは王のもとに来て言った。「王様、ご存じのとおり、メディアとペルシアの法律によれば、王による勅令や禁令は一切変更してはならないことになっております。」17それで王は命令を下し、ダニエルは獅子の洞窟に投げ込まれることになって引き出された。王は彼に言った。「お前がいつも拝んでいる神がお前を救ってくださるように。」18一つの石が洞窟の入り口に置かれ、王は自分の印と貴族たちの印で封をし、ダニエルに対する処置に変更がないようにした。
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- 木村香 教師
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