知恵ある信仰者は祝福された幸いな人間です
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- ファニー・スナイマン
1:1 いかに幸いなことか/神に逆らう者の計らいに従って歩まず/罪ある者の道にとどまらず/傲慢な者と共に座らず
1:2 主の教えを愛し/その教えを昼も夜も口ずさむ人。
1:3 その人は流れのほとりに植えられた木。ときが巡り来れば実を結び/葉もしおれることがない。その人のすることはすべて、繁栄をもたらす。
1:4 神に逆らう者はそうではない。彼は風に吹き飛ばされるもみ殻。
1:5 神に逆らう者は裁きに堪えず/罪ある者は神に従う人の集いに堪えない。
1:6 神に従う人の道を主は知っていてくださる。神に逆らう者の道は滅びに至る。詩編 1編1~6節
Prof. Fanie Snyman
ファニー・スナイマン(南アフリカ共和国 ブルームフォンテイン神学校校長)
Psalm 1 is a special psalm. It is after all the very first Psalm. The first psalm serves also the introduction to the third part of the Old Testament scriptures.
詩編1編は特別な詩です。ですからついには、冒頭を飾る詩編となりました。更に、この詩編第1編は分厚い旧約聖書の第三部の導入としてとても大切なものです。
Psalm 1 is known as a wisdom psalm. It is a psalm giving guidance to live life in a meaningful way.
詩編1編は知恵の詩編として知られています。人生を意味のあるものとするように導くための詩編なのです。
The overall message of the psalm can be formulated as: Wise believers are happy and blessed people.
この詩編のメッセージを一言で言うと、こうなります:知恵ある信仰者は幸いで、祝福された人間です。
Let us examine this special psalm in more detail. What are the guidelines we can detect from this psalm?
この特別な詩編をもう少し詳しくみていきましょう。この詩編からどのような指針を見出せますでしょうか。
In the first instance: Wise believers know to say no sometimes.
一つ目に:知恵ある信仰者は言うべき時に、「いいえ」と言えます。
Wise believers know it is better to say no sometimes. Believers say no to sin. It is a misleading thought to think that sin will make one happy. The opposite is rather true: sin makes you unhappy.
知恵ある信仰者は「いいえ」と言うべき時を知っています。信仰者は罪に対しては、はっきりと「それはいけない」と言います。罪が幸せな人生をもたらすのではないかと考えるのは誤りです。事実は全く逆です:罪は不幸をもたらすのです。
Therefore, wise believers are mindful of the kind of practices they enter into. Wise believers take care in what they say. Wise believers take care in what they say about fellow human beings.
ですから、知恵ある信仰者は好ましくないことに関わるときには、十分注意します。知恵ある信仰者は自分の言葉使いに気を配ります。そうです。知恵ある信仰者は隣人について言うときにも、十分注意を払います。
In verse 1 it is said that a wise believer “does not walk in the counsel of the wicked or stand in the way of sinners of sit in the seat of mockers”.
1節によると、知恵ある信仰者は「神に逆らう者の計らいに従って歩まず、罪ある者の道にとどまらず、傲慢な者と共に座らず」とあります。
The wicked, the sinners and the mockers refer to people who are indifferent to God. It refers to people who do not know the Lord and who do not care about it.
「神に逆らう者」、「罪ある者」、「傲慢な者」とは、神に無関心な人々のことです。主を知ろうとせず、神と関わりなく生きている人のことを言っています。
Wise believers are people who are mindful (of this) when they meet these kind of people. Believers do not act in the same way as non-believers do.
知恵ある信仰者とは、そのような人に心を配る人のことです。信仰者は、神さまを信じない人(また、信者であっても信仰者としてふさわしくない歩み方をしている人)とは同調しません。
How do we as believers know how and when to say no? We must trust the guidance of the Holy Spirit. The Holy Spirit is also the Spirit of wisdom. The Spirit will guide us and help us to say no when we need to say no.
私たちは信仰者として「いいえ、それはできません」と、いつ、どのように言うべきかを、どうやって知るのでしょうか。私たちは聖霊の導きに信頼しなければなりません。聖霊なる神様は知恵の御霊なのです。聖霊は私たちを導いてくださり、「いいえ」というべき時に、私たちを助けてくださいます。
Psalm 1 is not only negative, telling us what not to do. Psalm 1 offers also positive advice.
けれども、詩編第1編は「こうしてはいけない」と言って、ただ否定的に教えるだけではありません。詩編1編にはまた、肯定的なアドバイスをもって、私たちに求めていることがあります。
Therefore, in the second instance: Wise believers take delight in the Word of God
ですから、二つ目のポイントとして、次のことが挙げられています:知恵ある信仰者は御言葉を喜びとします。
Wise believers take the Word of God really serious. The Word is their delight. They meditate the Word, day and night.
知恵ある信仰者は御言葉を真剣に受け止めています。御言葉を本当に喜びとしています。それを昼も夜も深く瞑想しています。
In Psalm 1 it is said their delight is in the law of the Lord. It refers probably to at least the first five books of the Old Testament.
詩編1編は、主の教えや戒めの中に、信仰者の喜びがある、と述べています。この「教え」とは旧約聖書のこと、少なくとも最初の五つの書物のことです。
Today we have the whole Bible to read and to ponder. Today we have the full revelation of God’s will. We can read what God wants us to do. Through the Bible we have come to the knowledge of Jesus Christ our Lord and Saviour.
今、私たちは聖書全体を読んだり、瞑想したりすることができます。神様の御心の完成した啓示けいじをもっているのです。神様が私たちに何を求めておられるかを読んで知ることができます。聖書の言葉を通して私たちは、私たちの救い主、主イエス・キリストのことを知ることができるのです。
To meditate upon the Word means to memorize passages from Scripture. To meditate the Word means we are able to quote Scripture appropriately.
御言葉を瞑想するということは実は、聖句を暗記することを意味しています。2節に「その教えを昼も夜も口くちずさむ」とあるのは、聖書を適切に引用できるという意味です。(私たちもそうするべきなのです。)
In this way the Word of God becomes part of your way of thinking. The Word of God becomes part of your thoughts. In this way the Word functions as the guiding principle in our lives.
暗記することによって、神様の御言葉がだんだんと私たちの思考回路に入り込んできます。そして、私たちの考えることの中に宿ります。こうして、御言葉は、私たちの生き方を導く、最も大切なものとなるのです。
Taking delight in the Word of God also means that one discovers that the Word starts influencing my life. It is not only me being busy with the Word, the Word is also at work in my life.
御言葉を喜びとするということは、御言葉が自分の人生に影響を与え始めたことに気づく、ということを意味しています。御言葉を喜びとするということは、追われるようにしてどんどん自分で御言葉を読むようになるわけですが、御言葉もまた、私たちの人生・実生活の中でどんどん働いてくださるようになる、ということです。
There is a third point in this psalm: Wise believers live meaningful lives
そして、最後になりますが、三つ目のポイントはこれです:知恵ある信仰者は有意義な生活を送ります。
The life of a believer is compared to a tree planted near a river. Such a tree “yields its fruit in season, its leaves do not whither”. It is a metaphor/simile describing a fruitful and meaningful life. To discover that you lead a meaningful life blessed by the Lord is a wonderful discovery.
信仰者の人生は流れている川のほとりに植えられた木に例えられています。そういう木は「ときが巡り来れば実を結び、葉もしおれることが」ありません。信仰者の人生が実り豊かで有意義な人生となることをこのようにたとえています。「私は本当に主によって、意味のある祝福された人生を送っている」と気づけることは、実に大きな発見なのです。
The opposite is also true: to discover that I live a life devoid of meaning is a terrible and dreadful discovery.
その逆もまた真実と言わなければなりません。「私は空しい、意味のない人生を送っている」と気づいてしまうことは、悲惨で恐ろしいことです。
This kind of life is also described in the psalm. The life of non-believers is described as chaff blown away by the wind. It is a metaphor for describing a life that is utterly meaningless.
このような人生もこの詩編に描かれています。信仰者として歩まない人生は、「風に吹き飛ばされるもみ殻」だと。この比喩は、そういう人生が全く無意味であることを表現しています。
Perhaps you long for a meaningful life. To live life in a relationship with God, is to live a meaningful life.
皆さんの間、もっと意味深い人生を求めているお方もいらっしゃるかもしれません。神様との深い関係を持ちながら人生を送ることは意味ある人生となるでしょう。
There is one last thought in the Psalm: Wise believers are guided by God.
この詩編の最後の教えはこれです:知恵ある信仰者は神様に導かれている。
Believers can take courage from the last verse in the psalm: The Lord watches over the way of the righteous. Our lives are directed by God. We do not always have a clear understanding of God’s guidance, but His guidance is a reality.
信仰者はこの詩編の最後の節に励まされます:「神に従う人の道を主は知っていてくださる。」私たちの人生は神様に導かれています。神様の導きだとはっきりわからないときもありますが、神様はたしかに導いておられます。
We may therefore live our lives in peace. We know that the Lord watches over our way. This thought gives us a peace of mind that surpasses everything else in the world.
ですから、私たちは自分の人生を平安のうちに送ることができます。なぜなら、主が私たちの歩みを見守ってくださっている、と知っているからです。この思いが、すべてにまさる平安を私たちの心にもたらします。
This peace of mind comes from living in a relationship with God through his Son Jesus Christ.
そして、この平安はイエス・キリストを通して神様との人格的な関係を持ちながら人生を送ることから生まれてきます。
Let us summarize the message of Psalm briefly:
おわりに、詩編1編のメッセージを纏めましょう。
Wise believers know to say no sometimes
知恵ある信仰者は言うべき時に、「いいえ」と言えます。
Wise believers take delight in the Word of God
知恵ある信仰者は御言葉を喜びとします。
Wise believers live meaningful lives
知恵ある信仰者は有意義な生活を送ります。
Wise believers are guided by God.
知恵ある信仰者は神様に導かれています。
Wise believers are happy and blessed people.
知恵ある信仰者は祝福された幸いな人間です。
Amen
アーメン