影響力を与える人生
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- 千禎鎬 牧師
- 聖書 ヨシュア記 15章1節~12節
日本聖書協会『聖書 新共同訳』
ヨシュア記 15章1節~12節
私たちは、どのような形であれ、人に影響力を与えて生きています。ある人は、良い影響を与えるが、ある人はあまり良い影響を与えず、むしろ悪い影響を与える時もあります。またある人は、自分の影響力を自分の家庭だけに与える人もいるし、ある人は全世界に自分の影響力を与えて生きる人もいます。またある人は、その時代に影響力を与える人もいれば、ある人は時間を超え、人類史に続けて影響力を与える人もいます。例えば、アブラハムとダビデなどは、今のイスラエルの子孫たちや私たちの信仰者まで信仰の良い影響を与えています。主イエス・キリストを信じる私たちは、どのようにして多くの人に良い影響力を与えることができるのでしょうか。
1-12までは、ユダの部族の氏族ごとに嗣業の土地を与える内容が出ます。まず、ヨシュアはその嗣業の土地の東西南北の境(さかい),境界線を言います。ユダの部族が与えられた土地は、他の部族が与えられた土地と比べるともっと広い土地です。この地域は、砂漠の地域もありますが、わりあい肥(こ)えた土地であり、豊かな牧草地が含まれているそうです。このように神様は、ユダの部族を優先的に祝福され、ヤコブの預言を成就されました。神様は、ヤコブを通してユダの兄弟たちがユダをたたえるように、またユダを伏(ふ)し拝(おが)むようになると言われました。ユダの子孫たちは、良い信仰を継承し、神様がモーセを通して言われた通りユダの部族に良い土地を与えられました。それだけではなく、ユダの子孫の中でダビデという王が立てられ、ダビデの子孫たちがイスラエルの歴史の中で中心となります。さらに、その子孫の中からメシアであるキリストがお生まれになりました。今も、ユダヤ人とイスラエル人は同義語で呼ばれています。
ユダの部族がこのように祝福された理由は何でしょうか。
ユダは、レアの四番目の息子です。レアは、夫であるヤコブに愛されませんでした。神様は、疎(うと)んじられているレアに6人の息子を与えてくださいました。自分が生んだ息子四人と自分の召し使いを通して二人の息子を生みました。
ヤコブの12人の息子の中で一番から四番目までは、レア本人が生んだ息子たちです。長男であるルベンは、父の側女(そばめ)ビルハのことろへ入って寝たので、長男の祝福を与えられませんでした。また、二番目と三番目であるシメオンとレビは、妹のディナの事件で、虐殺(ぎゃくさつ)をしたので、神様の祝福を与えられませんでした。しかし、レビは神殿で仕える恵みを与えられました。
それでは、ユダはどうでしょうか。
ユダの名前の意味は、神様を賛美する、「賛美」という意味です。ユダは、彼の兄弟たちがヨセフを殺そうとしたとき、殺すのを反対しました。また創世記38章を見ますと、ユダの家門の悲劇が記されていますが、そのような絶望的な状況の中でユダは神様を見つめ、悔い改めました。また、ユダは自分の弟であるベニヤミンの代わりに人質となると求めました。要請しました。とにかく、ユダは悔い改めだけではなく、悔い改めのふさわしい実を結んだのです。神様は、このようなユダを大きく祝福し、ユダが彼の子孫に大きな影響力を与える人とならせてくださいました。
13、14節を見ますと、カレブはカナンの地を偵察した後、信仰を持ち、肯定的な報告をした結果、ヘブロンの地を与えられました。しかし、そこにはアナク人の子孫たちが住んでいました。ヨシュアがヘブロンの王を殺し、ヘブロンに住んでいるアナク人の子孫を殺しましたが、一部のアナク人の子孫が逃げて行ってそこで居住(きょじゅう)したのです。そこで王も殺し、ほとんどの人を追い払いましたが、まだ完全な影響を与えることはできませんでした。ユダの部族は、カナンの部族の人たちを追い払いましたが、続けてそこに駐屯(ちゅうとん)してはいませんでした。追い払うということは始まりです。そのあとは、続けてそこに駐屯し、そこを完全に自分たちのものとしなければなりません。
15-17節を見てください。カレブはデビルに上ります。デビルはかつてキルヤト·セフェルと呼ばれていました。カレブは、キルヤト·セフェルを占領した人に自分の娘、アクサを妻として与えようと約束しました。カレブは、自分自身が信仰の挑戦をしただけではなく、他人にも挑戦する信仰を教えようとしたのです。17節を見ますと、カレブの甥(おい)であるオトニエルがそこを占領しました。オトニエルは、カレブの甥らしい信仰の人でした。カレブは、自分の弟にも、甥にも良い影響を与えたでしょう。その結果、約束通りにオトニエルは、カレブの娘であるアクサと結婚するようになりました。18、19節を見てください。
アクサは結婚した時、父のカレブに「お祝いとして、ネゲブの地をくださるならば、溜池(ためいけ)も添(そ)えてください」と求めました。すると、カレブは上と下の溜池を娘に与えました。アクサは、父のカレブがヨシュアに「この山地を私にください」と求めた姿を見ました。娘であるアクサも父のカレブと同じように土地と溜池を求めました。カレブは、自分の娘に良い影響力を与えたのです。アクサは、父のカレブに良い影響力を与えられ、父の協力者となりました。
このように私たちも正しい信仰を継承しなければなりません。ヤコブを通して祝福されたユダの子孫からメシアが生まれました。ヤコブはイサクの信仰の継承者となります。正しい信仰の継承を通して神様の大きな祝福が与えられるのです。
私たちが、注目しなければならないことがあります。今日の御言葉に出るオトニエルの話が士師記1章にも同じように出ます。オトニエルは、士師記に出る最初の士師です。モーセとヨシュアに引き続き、イスラエルの指導者の祝福がオトニエルに与えられました。カレブは、最高の指導者ではなく、謙遜にヨシュアをサポートしながらヨシュアの協力者として働きました。そして、神様を堅く信じ、御言葉に従い生きました。その時、神様はカレブの甥であるオトニエルとカレブの娘を通して指導者の継承の働きを果たすように任務を与えてくださいました。私たちが信仰によって、また神様に従って生きても神様の祝福が与えられない時があります。しかし、私たちが信仰によって、また神様に従うならば、必ず色々な祝福が与えられます。今すぐに与えられなくても、次の世代、自分の子孫の世代を期待しながら神様を信じ、従わなければなりません。
20-63節は、ユダの部族が与えられた嗣業の土地について詳しく記されています。ユダの部族の町々は、21-32節をみますと、南部の29の町、33-47節を見ますと、平地の町、48-60節を見ますと、山地の町、61-62節には、荒れ野の町を与えられました。このようにユダの部族は、嗣業の土地を多く与えられました。そして、ユダの部族が占領しなければならない所があると記されてあり、これからの彼らの使命を提示しています。63節を見てください。
[ただし、ユダの人々はエルサレムの住民エブス人を追い出せなかったので、エブス人はユダの人々と共にエルサレムに住んで今日に至っている]
ユダとイスラエルの中心地は、エルサレムでした。ヨシュアは、カナンの地の南部地方を占領した時、エルサレムの王を殺しました。しかし、エルサレムを完全に占領することができませんでした。エルサレムを完全に征服したのは、ダビデです。エルサレムを占領するまではおよそ、600年という時間がかかりました。イスラエルは、エルサレムを占領してからエルサレムに影響力を与えるようになったのです。エルサレムは、象徴的な意味がとても大きいです。エルサレムは、イスラエルの中心地であり、高地帯に位置していて天然の砦(とりで)です。アブラハムを祝福したサレムの王、メルキゼデクが住んでいたところです。また、エルサレムは、アブラハムがイサクを捧げ物として捧げたモリアの山があったところです。ここに神様の神殿が建てられたのです。
エルサレムは、イスラエルの首都として宗教、政治、社会、文化の中心地となりました。イエス様は、エルサレムで十字架を背負い死なれました。またエルサレムで復活され、天に昇られました。復活された主は、弟子たちにエルサレムから離れず、聖霊を待ちなさいと言われました。聖霊が降ったところもエルサレムです。イエス様は、エルサレムからはじめ、全ユダとサマリアと地の果てまで福音が伝えられると言われました。さらに、ヨハネの黙示録では、エルサレムが神様の御国の都城(とじょう)として記されています。イスラエルの民は、このような重要なエルサレムを征服してからイスラエルとすべての世界に影響力を与えるようになったのです。
私たちは、イエス様を信じる人としてこの世で良い影響力を与えなければなりません。主が命令された福音伝道のためにクリスチャンとして良い香りを出さなければなりません。このことは簡単ではありません。しかし、私たちは聖霊に満たされ、祈る時、この世で良い影響力を与えることができます。また、それによって主の福音がもっと広げられ、伝えられると信じます。もちろん、私たちの時代でなくても、私たちの後世を通して主の命令が果たされると信じます。神様に与えられた賜物を持ち、また与えられた環境において神様の子どもとして、さらに主の弟子として良い影響力を与え、福音を延べ伝えながら大胆に生きましょう。お祈りを致します。
私たちの父なる神様、今日もあなたの御言葉を与え、聞かせてくださり感謝いたします。あなたは、いつも子どもである私たちを良い道に導き、良いものを与えてくださるお方であります。しかし、愚かな私たち人間は、神様が与えられた天の特権より、世のもの、また世のことに関心があり神様の子どもとして、また主に従う弟子として良い影響力を与えられず生きる時があります。赦してくださり、あなたの子どもとして、主の弟子として良い影響力を与え、主の福音を伝えることができるように導いてください。ここに集まっているお一人お一人が、あなたから与えられた恵みと使命を持ってこの世で良い影響力を与え、主の光として、また塩としてあなたを表すことができるように用いてください。善通寺教会の聖徒の皆様もこの信仰の歩みを歩ませてくださり、主が再び来られる時には、天の報いを与えられるように恵みを与えてください。
弱さを覚えている方、それぞれの悩みに苦しんでいる方を慰めてください。落胆せず、あなたの平安を持ち、置かれた環境にあって、救われた人として、主の弟子として、良い影響力を与え、あなたの栄光を表し、主の福音を伝える日々を過ごすことができる幸いを与えてください。求道者の方が、主を心から受け入れ信じる恵みを与え、この世であなたの子どもとして良い影響力を与える人生を生きるように導いてください。教会から離れている方が、一日も早くあなたの元に帰り、再び救いの恵みを悟り、恵まれた人として、この世の人々に良い影響力を与え、生きる幸いを与えてください。礼拝参加が難しくなっている兄弟姉妹がどこにいても神様の子どもとして、主の弟子としての誇り持ち、信仰を守り、良い影響力を与え生きる恵みを与えてください。さらに、共に礼拝を捧げる喜びの日を与えてください。来週主日に行われる会員総会の上にあなたの恵みを注いでください。すべてのことを主にゆだね主イエスキリストのみ名によってお祈りを致します。