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2025年09月14日「長く生きることができる」

長く生きることができる

日付
説教
千禎鎬 牧師
聖書
出エジプト記 20章12節

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日本聖書協会『聖書 新共同訳』
出エジプト記 20章12節

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私たちが告白しているウェストミンスター小教理問答には、十戒について記されています。
第1戒から第4戒は、神様との関係において必要な四つの戒です。そして、第5戒から第10戒は、人間関係において必要な六つの戒です。
その中で、今日の御言葉は、第5戒の御言葉です。この5戒は、人間関係において必要な六つの戒の中の最初に出てくる戒です。
[あなたの父母を敬え。そうすればあなたは、あなたの神、主が与えられる土地に長く生きることができる]

第5戒は、第4戒と連結しています。なぜなら、第4戒の安息日を心に留め、聖別して守るためには、家庭の役割がとても重要だからです。
そして、当然父母の役割はとても大切なのです。
父母と子どもの関係は、安息日を通してより固くなるでしょう。ですので、神様は第4戒と第5戒を通して家庭の回復を教えてくださると言われています。自分の父母を敬う姿、また自分の子供が自分を父母として敬うその家庭を造りなさいと第5戒は命令しています。そして、その命令を安息日という時間を通して守る事ができるのです。ですので、第4戒と第5戒は、別々の主題の戒ではなく、連結されている戒だという事が分かります。
それでレビ記19章3節には、第4と第5戒を一緒に記されています。
[父と母とを敬いなさい。私の安息日を守りなさい。私はあなたたちの神、主である]


[敬い]というヘブライ語の意味は、[重さ、人の肝臓]という意味を持っているそうです。しかし、聖書にはおもに比喩的な用法で使われているそうです。ですので、出エジプト20章12節に書いてある[敬う]という単語は、[名誉ある、尊敬する、敬意を払う]という意味で使われているそうです。ですので、英語聖書には、'Honor'で翻訳されています。
[ Honor your father and your mother… ] また、この単語は、[神様の栄光を現す]という意味として使われているそうです。
ですので、出エジプト20章12節に書いてある[敬う]という単語は、単純に人を敬うという意味より、神様を敬うように父母を敬わなければならないという意味です。

皆様。
私たちが目に見える父母を敬うこともできないのに、どうやって天におられる父なる神様を敬うことができるのでしょうか。家庭で最善を尽くして父母を敬うならば、天におられる父なる神様をどのようにして敬うことができるのかを悟ることができるでしょう。
私も個人的に色々な人の話を聞きましたが、父母を敬わない人が天の父なる神様を敬うという話を聞いたことはありません。父母を敬わずに、神様を敬いますという人はあまりいません。
なぜなら、自分の良心があるからです。自分の父母を敬うことができないのに、天の父なる神様を敬うことができないという事が分かるからです。
それで、少し内容は違いますが、ヨハネの手一4章20-21節にこのように書いてあります。[「神を愛している」と言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません。神を愛する人は、兄弟をも愛すべきです。
これが、神から受けた掟です。] このように、目に見える父母を敬い、愛することによって目に見えない神様を敬い、愛する方法を学んで行くことができるのです。
[神様、愛します]という告白前に、[父母を愛します]という告白がなければならないということです。父母を敬う心が神様にも同じように繋がるという意味です。しかし、実際に肉の父母を敬うことが難しい時もあります。時には、父母を敬いたくない時もあります。
ですので、肉の父母を敬うことも信仰の中で愛によって訓練されなければなりません。努力し、心を傾けなければなりません。自分の考えを少しずつ変えなければなりません。そのように肉の父母を心から敬う時、天におられる父なる神様を敬う心が自然に出るのです。神様は、父母を通して私たちをそのようにしなさいと教えられました。すなわち、父母を通して神様の御心を悟るように教えられました。

皆様。すでにウェストミンスター小教理問答を通して学びましたが、父母を敬う時、私たちは大きな祝福を与えられます。
それは、[主が与えられる土地に長く生きることができる]という祝福です。この祝福は、条件があります。[あなたの父母を敬え] この御言葉に従う時です。父母を敬わなければ、今日の箇所12節の後半部分は存在しないということです。必ず、父母を敬う時、主が与えられる土地に長く生きることができるのです。

皆様。
最近、ほとんどの人は、健康で、長く生きることを願います。それで、運動や良い食事や体を管理します。当然なことです。しかし、主が与えられる土地に長く生きることができる秘訣は、父母を敬うことなのです。もちろん、長く生きるために父母を敬うのではありません。神様が命令されたように父母を敬うならば、その祝福を神様が与えてくださるのです。
主が与えられる土地に長く生きたいでしょうか。また、幸せな家庭生活をしたいでしょうか。
今日、与えてくださった御言葉に忠実に従いましょう。もし、自身の父母がすでに天に召された方は、隣におられる目上の人や先輩の方々を敬いましょう。特に、今日はシメオンの会の礼拝を捧げていますが、シメオンの会の方々を心から敬いましょう。約束された神様の祝福が与えられると信じます。
エフェソの信徒への手紙6章1-3節には、このように書いてあります。
[子供たち、主に結ばれている者として両親に従いなさい。それは正しいことです。「父と母を敬いなさい。これは約束を伴う最初の掟です。そうすれば、あなたは幸福になり、地上で長く生きることができる」という約束です]
同じように父母を敬う時、与えられる神様の祝福の御言葉です。私たちが父母を敬わなければならない理由がそこにあります。
聖徒の皆様。
私たちが目に見える父母を敬うならば、私たちの子どもたちもそれに倣い、親である私たちを敬うでしょう。子どもたちは色々な所で多くのことを学ぶことができますが、特に親である私たちの生活を通して多くのことを学ぶのです。子どもたちをよく見ますと、親の姿が見られると言われます。私たちが父母を敬い、私たちの子供たちも親である私たちを敬うことができるならば、それほど、美しい家庭がありますでしょうか。
イエス様を信じる私たちは、そのような祝福された家庭を築かなければなりません。これこそ、神様が願っておられることであります。

私たちが住んでいる日本は、ご高齢の方が多くいらっしゃいます。もちろん、韓国も同じです。
残念ながら、このご高齢の方々を、また高齢の父母を敬わない人が多く増えています。ご高齢の方々を、また高齢の父母を無視したり、軽んじたりする時が多々あるように思います。神様を信じる私たちは、このようなことを見ながら反省し、神様が与えてくださった第5戒の戒めを回復しなければなりません。神様が命令されたように父母を敬う、正しい家庭、社会をつくらなければなりません。シメオンの会の礼拝を捧げる今日からはじめましょう。神様が喜ばれると信じます。父母を敬うことから始めるならば、天の父なる神様を心から敬うことができるのです。

聖徒の皆様。
今日、シメオンの会の記念礼拝を捧げています。私たちの父母として与えてくださった自分の父母を心から敬いましょう。
さらに、信仰の共同体である私たちの善通寺教会にいらっしゃる父母を敬いましょう。
これこそ、神様が願っておられることであり、神様が約束された命令であり、祝福の言葉であります。
皆が、父母を敬い、約束された神様の祝福の中で幸せに生きるように願います。
お祈りを致します。

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