2023年12月03日「再臨の主を待ち望む」
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再臨の主を待ち望む
- 日付
- 説教
- 小宮山裕一 牧師
- 聖書
テサロニケの信徒への手紙一 4章13節~18節
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聖書の言葉
ののしられては優しい言葉を返しています。今に至るまで、わたしたちは世の屑、すべてのものの滓とされています。こんなことを書くのは、あなたがたに恥をかかせるためではなく、愛する自分の子供として諭すためなのです。キリストに導く養育係があなたがたに一万人いたとしても、父親が大勢いるわけではない。福音を通し、キリスト・イエスにおいてわたしがあなたがたをもうけたのです。そこで、あなたがたに勧めます。わたしに倣う者になりなさい。テモテをそちらに遣わしたのは、このことのためです。彼は、わたしの愛する子で、主において忠実な者であり、至るところのすべての教会でわたしが教えているとおりに、キリスト・イエスに結ばれたわたしの生き方を、あなたがたに思い起こさせることでしょう。わたしがもう一度あなたがたのところへ行くようなことはないと見て、高ぶっている者がいるそうです。テサロニケの信徒への手紙一 4章13節~18節
メッセージ
テサロニケの信徒への手紙一4章13節~18節は、キリストの再臨と信徒たちの望みに焦点を当てている。この手紙は新約聖書の中でも古い書物でありイエスキリストの十字架と復活の出来事の後に書かれたと考えられている。この時代のキリスト教徒は、キリストの再臨が自分たちの生存中に起こると信じていた。しかし、時間が経過するにつれて、キリストの再臨の即時性への期待は薄れ、聖霊によるキリストの現在の存在への理解が深まった。こうした進展が新約聖書の中にみられる。
アドベントの期間は、キリストの再臨への期待とともに、イエスの誕生を記念する重要な時である。これは過去のイエスの誕生と未来の再臨の間の現在を生きる信者の歩みを象徴している。キリストの誕生は、神の愛と救済の行為を示し、再臨は世界の完成と新しい創造の希望をもたらす。この二重の焦点は、クリスチャンの信仰における中心的な教義であり、信者たちが経験する過去、現在、未来の緊張を表している。
そのように生きる私たちの歩みに不安はつきものです。テサロニケの手紙の読者の不安はキリストの再臨を前にして既に亡くなった人々についてであった。パウロは、これらの人々が「眠っている」と表現し、キリストに結ばれた者の死は一時的な状態であり、彼らは復活の希望を持つことができると述べている。キリストの再臨の時には、最初に死んだ信者たちが復活し、生き残っている信者たちも天に召され、空中でキリストと出会う。こうした聖書箇所はどのように理解するのか難しいところであるが、再臨の御業がキリストによる一方的なものであるということを示している。
アドベントの期間中、クリスチャンはイエスの誕生を祝い、再臨を待ち望むことで、キリストの教えと彼の救済の業を思い起こす。この期間は、神の愛、救い、そして未来への希望に焦点を当てることにより、信者たちの信仰を深め、霊的な歩みを強化する。また、アドベントはキリスト教徒にとって、過去の出来事を記念するだけでなく、未来への希望と期待を育む重要な時期である。
キリストを信じるものはキリストの再臨によってもたらされる平和、正義、愛の完全な実現を待ち望んでいる。このアドベントの期間は、キリストの誕生を祝うと同時に、再臨に備えるために信仰を振り返るのに適したタイミングである。アドベントは、キリストにある希望を意識し、キリストがやがて来られることへの期待を育む時である。