2024年09月01日「キリストの教会」
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キリストの教会
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マタイによる福音書 16章13節~20節
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聖書の言葉
イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」それから、イエスは、御自分がメシアであることをだれにも話さないように、と弟子たちに命じられた。マタイによる福音書 16章13節~20節
メッセージ
マタイによる福音書16章13節から20節の2回目。本日は特に後半部分を中心に。この箇所は、私たちの信仰の基盤に深く関わる重要な場面である。ペトロのキリスト告白、キリストの教会設立の宣言、そして受難の予告(21節~23節)と続く。
まず、イエスが弟子たちとフィリポ・カイサリア地方にいた背景について触れたい。この場所はローマ帝国の影響が強く、ユダヤ領土の北端近くに位置する。ここでイエスは、弟子たちに「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」と尋ねた。これは、人々がイエスをどのように理解しているかを確認するための問いであり、弟子たち自身の信仰を見つめ直すための問いかけでもある。
その後、イエスは弟子たちに「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか」と問いかける。この問いは、私たち一人ひとりにも向けられているものである。シモン・ペトロは「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。この告白は、イエスが単なる預言者以上の存在であり、救い主であることを示している。このペトロの言葉は、私たちの信仰の核心を表している。私たちもまた、この告白を心から行うことが求められている。
イエスはペトロの告白に対して「あなたは幸いだ、シモン・バルヨナ」と答えられる。ペトロの信仰が自分の理解からではなく、天の父からの啓示によるものであることを示している。
そして、イエスはペトロに「あなたはペトロ。この岩の上にわたしの教会を建てる」と宣言された。ここで重要なのは、ペトロという人物そのものではなく、彼の信仰告白であこそが「岩」だということ。教会の基盤は、このような真実の信仰告白の上に築かれている。さらに、イエスはペトロに「天の国の鍵を授ける」と言われた。この鍵は、教会に与えられた権威と責任を象徴している。誰が天の国に入るのかを主の導きのもと教会が決めるのだ。「地上でつなぐことは、天上でもつながれる。地上で解くことは、天上でも解かれる」との言葉は、地上の教会に連なることが、天の国の一員であることを意味する。
この箇所を通して、私たちは教会の設立とその権威について学ぶことができる。ペトロの信仰告白が教会の基盤となるように、私たちの信仰もまた教会を支える力となる。そして、私たちが教会に集い、共に祈り、共に歩むことは、神の導きの中でなされる。私たちもペトロのように、主の前に立ち、自分の信仰を告白し続ける者でありたいと願う。イエス・キリストの導きの中で生きる喜びと責任を、共に果たしていこう。