2023年02月05日「人を恐れず、神を恐れなさい」
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人を恐れず、神を恐れなさい
- 日付
- 説教
- 金原堅二 牧師
- 聖書
マタイによる福音書 10章24節~33節
聖書の言葉
26「人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである。
27わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい。
28体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。
29二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。
30あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。
31だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」
(26~31節)マタイによる福音書 10章24節~33節
メッセージ
イエス様は、「人々を恐れてはならない」と言われます(26,28,31節)。私たちがキリスト者として生きることに対して、そしてイエス・キリストを言い表すことに対して「恐れてはならない」と励ましておられます。
なぜ、そのように言うことができるのでしょうか。イエス様は、人々を恐れる必要がない理由を、主に二つの観点から語っておられます。
私たちが人を恐れる必要がない理由の一つ目は、本当に恐れるべきなのは、人ではなく神様だからです(28節)。「体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな」とイエス様が仰るように、たとえ体が殺されたとしても、人は、人の魂を滅ぼすことはできません。私たちの魂の生死を握るのは、ただ神様だけです。私たちを天国に連れて行って、永遠の命に生かすことも、反対に永遠の滅びに定めることもできるのは神様だけなのです。そのような方を恐れなさい、とイエス様は教えておられます。
私たちが人を恐れる必要がない理由の二つ目は、神の愛が私たちを包んでいるからです(29~31節)。人の魂を生かすことも滅ぼすこともできるお方が、私たちの命に対して細やかに配慮しておられます。「二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか」との言葉を聞いて、それがどのくらいの価値判断なのかイメージを抱きにくいかもしれません。「二羽の雀」という表現は、「一羽では値段もつかないほどだ」というニュアンスが漂っています。「一アサリオン」がどのくらいかと言うと、1日の収入(1デナリオン)のおよそ16分の1にあたりますが、イメージとしては、飲み物を一杯だけ買うようなものだと思ってよいと思います。「そんな雀の一羽でさえ、天の父の御心によらなければ、地に落ちることはない。神様は雀の一羽でさえ、そうやって細やかに配慮しておられる。それなら、あなたがたはなおさらである。あなたがたは雀よりもはるかにまさっているではないか。あなたがたの髪の毛一本でさえ、残らずに数えられている。それほどまでに配慮されているのだから、恐れてはならない」。…イエス様はそう言って励ましてくださっているのです。
イエス様から教えられた福音を広く伝えることが教会の使命でり、キリスト者の使命でありますが、私たちはこれを伝えることが喜びであることに心を向けたいと思うものです。私たちが福音を知らせていくとき、理解されないで苦しみを受けることがあるかもしれません。けれども、そもそも福音の中身とは、人類全体の救いに関わる事柄です。誰も無関係な人はいません。誰も無関係ではないのだから、誰もが救いの恵みに招かれているのだから、世の中の状況に躊躇わないで、恐れずに、この世に向けてキリストの福音を語っていきたいと思うのです。そうやって、誰か一人の人でも救いに導かれたのであれば、天には大きな喜びが満たされますし、「神様が喜んでくださる」その喜びが、私たちの中にも満たされます。