2023年01月22日「最後まで忍耐する」

問い合わせ

日本キリスト改革派 滋賀摂理教会のホームページへ戻る

聖句のアイコン聖書の言葉

16「わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。
17人々を警戒しなさい。あなたがたは地方法院に引き渡され、会堂で鞭打たれるからである。
18また、わたしのために総督や王の前に引き出されて、彼らや異邦人に証しをすることになる。
19引き渡されたときは、何をどう言おうかと心配してはならない。そのときには、言うべきことは教えられる。
20実は、話すのはあなたがたではなく、あなたがたの中で語ってくださる、父の霊である。
21兄弟は兄弟を、父は子を死に追いやり、子は親に反抗して殺すだろう。
22また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。
23一つの町で迫害されたときは、他の町へ逃げて行きなさい。はっきり言っておく。あなたがたがイスラエルの町を回り終わらないうちに、人の子は来る。
24弟子は師にまさるものではなく、僕は主人にまさるものではない。
25弟子は師のように、僕は主人のようになれば、それで十分である。家の主人がベルゼブルと言われるのなら、その家族の者はもっとひどく言われることだろう。」マタイによる福音書 10章16節~25節

原稿のアイコンメッセージ

イエス様は、彼らのところに弟子たちをお遣わしになります。神様を求めない人々のところに、弟子たちを派遣されます。求めないから、それで諦めてしまうのではなくて、求めない人々のところにも弟子たちを送るのです。求めていない人々のところに派遣されるわけですから、受け入れられないことがあるでしょう。かえって弟子たちを傷つけようとするかもしれません。それゆえ、福音を世に届けようとすることは簡単ではありません。危険を伴います。そこで、イエス様は派遣に先立って、迫害を予告されるのです。

 そこで、イエス様は弟子たちに対して、「蛇のように賢く、鳩のように素直でありなさい」と勧めをお語りになりました。

「鳩のように素直であれ」とありますが、その素直さとは、混じり気がなくて、単純素朴に神様のために用いられる純粋さ、または純真さを言い表しているものと思われます。おっとりとした平和の鳩のイメージのように、福音宣教においても素直に、率直に、自分の信じている信仰を語らなければならない場面が必ず出てくる。そのときに、「どうやったら相手をうまく説得できるか」とか、「どうしたら危険を回避できるか」と考えるのではなくて、単純素朴に、信じている神様について、イエス・キリストについて語る素直さをも持たなければならない、と言われているのです。

 イエス様は、迫害する人々をも福音を届ける対象に見ておられますが、だからと言って、福音宣教する私たちの命が、迫害によって意味もなく失われることを望んではおられません。それゆえ、時には賢く危険を回避するように勧めておられます。また、私たちは、イエス様に派遣されて福音を届けに行きますが、私たちが素直に単純素朴に「信じていること」を語る時、そこには鳩のように降る聖霊のお働きがあります。神様が共にいて、証言してくださると約束しておられるのです。だから「狼の群れに飛び込むことを恐れないで、神様を信頼して行きなさい」と励ましてくださっているのです。

 私たちの暮らす現代においても、信仰者は霊の戦いを避けることができません。家庭で、学校で、職場で、友人関係の中で、私たちを退けようとする力と戦うことが余儀なくされています。

 それでも、私たちは、私たちに注がれた恵みの数々を思い起こして、ある時には賢く争いを避けながら、でもある時には大胆に福音を証しして、それぞれの場所で生活していきたいと願っています。狼のようになっている人々に救いを届けようとしておられるイエス様が、その中に飛び込む羊たちのことを放っておかれるはずはありません。必ず、顧みてくださいます。私たちはそう信じてよいのです。「わたしはあなたがたを遣わす」と言ってくださった主イエス・キリストに信頼して、新しい1週間の歩みに遣わされていきましょう。