2022年09月04日「キリストによる癒し -あなたが信じたとおりに-」

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キリストによる癒し -あなたが信じたとおりに-

日付
説教
金原堅二 牧師
聖書
マタイによる福音書 8章5節~13節

聖句のアイコン聖書の言葉

5さて、イエスがカファルナウムに入られると、一人の百人隊長が近づいて来て懇願し、
6「主よ、わたしの僕が中風で家に寝込んで、ひどく苦しんでいます」と言った。
7そこでイエスは、「わたしが行って、いやしてあげよう」と言われた。
8すると、百人隊長は答えた。「主よ、わたしはあなたを自分の屋根の下にお迎えできるような者ではありません。ただ、ひと言おっしゃってください。そうすれば、わたしの僕はいやされます。
9わたしも権威の下にある者ですが、わたしの下には兵隊がおり、一人に『行け』と言えば行きますし、他の一人に『来い』と言えば来ます。また、部下に『これをしろ』と言えば、そのとおりにします。」
10イエスはこれを聞いて感心し、従っていた人々に言われた。「はっきり言っておく。イスラエルの中でさえ、わたしはこれほどの信仰を見たことがない。
11言っておくが、いつか、東や西から大勢の人が来て、天の国でアブラハム、イサク、ヤコブと共に宴会の席に着く。
12だが、御国の子らは、外の暗闇に追い出される。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。」
13そして、百人隊長に言われた。「帰りなさい。あなたが信じたとおりになるように。」ちょうどそのとき、僕の病気はいやされた。マタイによる福音書 8章5節~13節

原稿のアイコンメッセージ

カファルナウムにイエス様が入られたとき、1人の百人隊長がイエス様を訪ねてきました。イエス様のところに来た百人隊長は、ローマ軍であり、異邦人でありますので、聖書が語る神を知っていて畏れ敬っていたわけではなかったでしょうが、ここでは自分からイエス様のところに来て「私のしもべを助けてください」「中風で寝込んで、ひどく苦しんでいます」そのように願い出たのでした。

 イエス様は百人隊長の申し出に対して、「わたしが行って、いやしてあげよう」(7節)とお答えになりましたが、これに対して百人隊長は、イエス様が家に来られることについては遠慮の言葉を述べます(8-9節)。

 百人隊長がイエス様の申し出を遠慮した大きな理由は、イエス様が、ひとこと、お言葉をくだされば癒やされると信じていたからです。この人は、イエス様の力を本気で信じていました。自分の部下にひとこと命令をくだせば、その通りになることを知っていたのです。それだけの権威が、イエス様の御言葉にはあると信じていたのです。

 この百人隊長は、軍隊にいる人でしたから、言葉の権威というものをよく知っていました。軍隊では、上の立場にいる人が命じたとおりに人が動き、物事が動いていきます。誰かに「行け」と言えば命じられた人は行きますし、「これをしろ」と言えば、命じられた人はそのとおりにします。彼はそういう世界にいました。それと同じように、イエス様がお命じになったら、そのとおりになる。それだけの権威がイエス様にはあって、信じた通りのことが実際に起こる、と信じていたのです。

 ですから、百人隊長は、イエス様を家に招く代わりに願い出ました。「ただひとことおっしゃってください。そうすれば、わたしのしもべは癒されます」。「あなたが、ただひとこと仰ってくださるだけでいい」「その御言葉には力があるのだから」…彼がイエス様に申し述べていることとは、ただの遠慮や謙遜の言葉ではなくて、イエス・キリストの力を、心から信じ、その力に全幅の信頼を寄せる言葉なのです。

 私たちは、神の言葉の権威をどこまで信じているでしょうか。イエス・キリストの福音を聴きながら、実際の生活と御言葉をどこか切り離してしまうところはないでしょうか。「あの人が救われるように」と願いながら、どこかで諦めてしまいそうになっていないでしょうか。試練に遭ったとき、「苦しみが早く取り去られるように」と願いながらも、そうはならない現実に落ち込んではいないでしょうか。そういうときこそ、私たちもまた、イエス・キリストの御言葉に信頼して、そこに権威と力があることを信じて「神様、ひとこと仰ってください」と祈る人になりたいと思うのです。イエス様は、13節で百人隊長に言われたように、「あなたが信じたとおりになるように」と語りかけてくださるお方です。