2022年08月14日「実によって木を知る」

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聖句のアイコン聖書の言葉

15「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。
16あなたがたは、その実で彼らを見分ける。茨からぶどうが、あざみからいちじくが採れるだろうか。
17すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。
18良い木が悪い実を結ぶことはなく、また、悪い木が良い実を結ぶこともできない。
19良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる。
20このように、あなたがたはその実で彼らを見分ける。」
21「わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者が皆、天の国に入るわけではない。わたしの天の父の御心を行う者だけが入るのである。
22かの日には、大勢の者がわたしに、『主よ、主よ、わたしたちは御名によって預言し、御名によって悪霊を追い出し、御名によって奇跡をいろいろ行ったではありませんか』と言うであろう。
23そのとき、わたしはきっぱりとこう言おう。『あなたたちのことは全然知らない。不法を働く者ども、わたしから離れ去れ。』」マタイによる福音書 7章15節~23節

原稿のアイコンメッセージ

イエス様はまず、「偽預言者」に注意するようにと呼びかけておられます。聖書における預言者とは、神様から預かった言葉を取り次いで伝える人のことです。「コトバを預かる者」と書きますように、神様がお語りになった言葉を取り次いで「神はこう言われる」と民に伝える者のことです。日本語で「よげん」と言うと、未来を予知する者のことに思われることがありますが、漢字が違いますので(預かるという字を使いますので)未来予知とは全くの別物です。

 イエス様は、その預言者に偽物がいると言っておられるわけです。神のみ声を聞いていないにもかかわらず「神はこう言われる」と言って、自分の都合のよいことを人々に聞かせたり、相手にとって快い言葉を語ったりする者です。神様が罪に対する裁きを語っているにもかかわらず「あなたがたは大丈夫ですよ。神が共におられるので、あなたがたには平安がありますよ」といったことを語るのが典型的な例です。

 イエス様は私たちに、その「実」で彼らを見分けなさい、と言っておられます。預言者の語る言葉が良い実を結んでいるかどうかで見分ける、つまり、その言葉の結実を見なさい、ということです。実を結ぶということですから、ブドウの木がブドウの実を結ぶのに時間がかかるように、すぐにはわからないかもしれません。けれども、本当に良いぶどうの実がなっているならば、あるいはいちじくの実がなっているならば、その実を成り立たせるブドウの木、いちじくの木は本物だったとわかります。

 今日、イエス様が「実と木」のたとえを用いて教えようとしておられることは、特に神の言葉に関することです。その言葉に聞き従う者には命が、背く者には滅びがあることは旧約のイスラエルの民の頃から繰り返し言われていたことです。イエス様は私たちが、滅びへと導く言葉ではなく、命へと導く声に、ここではイエス様ご自身の声に聞き従うようにと招いておられるのです。

 これを語っておられるイエス・キリストは、神様の独り子として、神様の御心に従ってこの地上を歩まれました。イエス様は私たちの罪を背負って十字架の死に至る道を歩んでくださり、自分を十字架につける者たちのためにもとりなし祈ってくださいました。イエス様はそのようにしてご自分をお遣わしになった天の父なる神様の御心に従い通されました。そのイエス・キリストが今、私たちに、「あなたは滅びに導く言葉ではなく、命へと導く言葉に聞き従いなさい」「自分の肉の業によって生み出す実ではなくて、聖霊の生み出す良い実を結びなさい」と私たちを招いておられるのです。

 このイエス・キリストを受け入れ、信じ、御言葉を真剣に受け止めるなら、私たちは恐れることはありません。神様は必ず私たちを神様の子どもとして喜んでくださる。神様の子どもたちの間に良い実を結ばせてくださる。その神様の御業に期待をして、勇気をもって新しい一週間の歩みに向かっていきましょう。