2022年06月05日「聖霊が語らせる福音」
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聖霊が語らせる福音
- 日付
- 説教
- 金原堅二 牧師
- 聖書
使徒言行録 2章14節~36節
聖書の言葉
14すると、ペトロは十一人と共に立って、声を張り上げ、話し始めた。「ユダヤの方々、またエルサレムに住むすべての人たち、知っていただきたいことがあります。わたしの言葉に耳を傾けてください。 15今は朝の九時ですから、この人たちは、あなたがたが考えているように、酒に酔っているのではありません。 16そうではなく、これこそ預言者ヨエルを通して言われていたことなのです。
17『神は言われる。
終わりの時に、
わたしの霊をすべての人に注ぐ。
すると、あなたたちの息子と娘は預言し、
若者は幻を見、老人は夢を見る。
18わたしの僕やはしためにも、
そのときには、わたしの霊を注ぐ。
すると、彼らは預言する。
19上では、天に不思議な業を、
下では、地に徴を示そう。
血と火と立ちこめる煙が、それだ。
20主の偉大な輝かしい日が来る前に、
太陽は暗くなり、
月は血のように赤くなる。
21主の名を呼び求める者は皆、救われる。』
22イスラエルの人たち、これから話すことを聞いてください。ナザレの人イエスこそ、神から遣わされた方です。神は、イエスを通してあなたがたの間で行われた奇跡と、不思議な業と、しるしとによって、そのことをあなたがたに証明なさいました。あなたがた自身が既に知っているとおりです。
…
36だから、イスラエルの全家は、はっきり知らなくてはなりません。あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです。」使徒言行録 2章14節~36節
メッセージ
本日はペンテコステ、聖霊降臨を記念する日曜日です。使徒言行録2章によると、復活のイエス様が天に挙げられた後、弟子たちが一同に集まっていると、とつぜん風が吹き、炎のような舌が弟子たちの上に分かれ分かれに現れ、聖霊が降りました。そして聖霊に満たされた弟子たちは、主イエス・キリストによる救いを力強く語り始めたのです。それを聞いた人々が洗礼を受け、教会が誕生しました。私たちはそのことを記念して本日のペンテコステ礼拝をささげています。
ペトロは、この日に起きた出来事について、これを「預言者ヨエルの成就」と言います(~21節)。
その内容は、17節にありますように「終わりの時に、わたしの霊をすべての人に注ぐ」というものです。旧約聖書の時代においては、神の霊は特定の人々にだけ与えられていました。モーセやダビデ、イザヤやエゼキエルなど、イスラエルの指導者や、預言者といった特定の人々に与えられていたのです。それは、神様が特別に使命を与えて召し出した人々でした。しかし今や、「すべての人に」神の霊が注がれる。そこに「息子や娘」といった男女の違いもなく、「若者や老人」といった年齢の違いもなく、「しもべやはしため」といった身分や民族の違いもない。「終わりの時には、全ての人に神の霊が注がれる」と預言者ヨエルは預言したのでした。
とはいえ、年齢や身分などを問わないにしても、ヨエルは聖霊が無差別に誰にでも満ちる、とは言っていません。21節に「主の名を呼び求める者は皆、救われる」とあります。つまり、イエス様を信じて「主、救い主」と呼ぶ人(36節)こそ、聖霊を受け、救われるのだと言っているのです。
ペトロは、ヨエルが預言するところの「来るべき時代」が到来したのだと言っています。私たちもまた、いま、このとき始まった、聖霊が注がれる時代、福音宣教の時代、教会の時代を生きています。そのとき、イエス様を主と呼び求める人と、そうでない人の差が明らかに現れてくるのです。自分の人生を、イエス様を信じ神様に従う人生として生きるキリスト者は、聖霊の働きによる実りを、豊かに与えられていきます。このキリスト者こそ、ヨエルの預言した「聖霊を受ける人」だと、ペトロは言いたいのです。
聖霊は、私たちとイエス・キリストを結び合わせてくださる神様のお働きです。私たちは聖霊なる神様のお働きによって、イエス様と結び合わされます。こうして、父・子・聖霊なる三位一体の神様が、私たちを罪の中で滅びるままにされず、救いに入れてくださったのです。私たちは自分で救いを得ることはできませんが、神様にできないことはありません。ただ神様の憐れみによって、私たちはイエス・キリストと結ばれて、イエス様を喜んで生きるようになるのです。