2026年04月05日「わたしの羊を飼いなさい」

問い合わせ

日本キリスト改革派 滋賀摂理教会のホームページへ戻る

わたしの羊を飼いなさい

日付
説教
金原堅二 牧師
聖書
ヨハネによる福音書 21章15節~19節

聖句のアイコン聖書の言葉

15食事が終わると、イエスはシモン・ペトロに、「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と言われた。ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの小羊を飼いなさい」と言われた。 16二度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの羊の世話をしなさい」と言われた。 17三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。 18はっきり言っておく。あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。」 19ペトロがどのような死に方で、神の栄光を現すようになるかを示そうとして、イエスはこう言われたのである。このように話してから、ペトロに、「わたしに従いなさい」と言われた。ヨハネによる福音書 21章15節~19節

原稿のアイコンメッセージ

イエス様は、弟子たちのためにパンと魚を炭火で焼いて、用意してくださいました(9節)。ただし、ペトロにとっては、この炭火の焚き火というものが別の意味をもっていたことを見逃すことはできません。炭が燃えているのを見ると、思い出す出来事がある。それは、イエス様が逮捕された夜に、大祭司のお屋敷の中で、イエス様のことを「知らない」と3回も言ってしまったときの出来事です。あれも、実は炭火にあたっていたときの出来事だったのです(18:18)。

 今、ペトロは目の前の炭火を見つめながら、かつての自分の過ちを思い出していたはずです。そしていま、目の前にはイエス様がおられます。ペトロはどんな顔をしていたでしょう。ペトロはイエス様の顔をまっすぐ見ることができなかったんじゃないかとも思います。どんな顔をしてイエス様と向き合ったらいいかわからない。だからペトロは、また元の生活に戻っていたわけです。ペトロもまた、元の生活に戻っていたんです。イエス様と出会う前のように、夜の暗闇の中で、魚をとっていたのです。

 けれども、そんなペトロのもとに、復活されたイエス様が来られました。さらに、「網を下ろしなさい」と言われてやってみたら、魚が大量にとれた。イエス様とペトロが初めて出会った時もこうだったと言いました。その出会いをもういちど体験させてくださった。ここはそういう場面なのです。ペトロをもう一度ご自分との関係に呼び戻すために、ペトロたちを食事の席へと招いてくださったのです。そのために十字架が立てられたのです。それは、ペトロのためであるだけでなく、今ここにいる私たちのためでもあります。

 さらにイエス様は、ペトロが「あなたを愛しています」と3度告白したそのたびに「わたしの羊を飼いなさい」とお命じになりました。「わたしの小羊を飼いなさい」(15節)。「わたしの羊の世話をしなさい」(16節)。「わたしの羊を飼いなさい」(17節)。イエス様は、かつて主を知らないと言ってしまったペトロを、もういちどご自分のもとに回復させてくださいました。その「甦り」は、ペトロ個人の出来事に終わりません。今度は「わたしの羊をあなたに託す」と仰ったのです。羊とは、イエス様が命をかけて愛された人々に他なりません。そのようなご自分の羊を「養い、支え、導く」。その務めに、ペトロを遣わされるのです。

 「わたしの羊を飼いなさい」と言ってくださった、このイエス様の言葉は、何と励ましに満ちたものであろうかと思います。ペトロの弱さを知って、「イエスなど知らない」と言ったその罪をひとつひとつお赦しになって、その上で、もういちど「あなたも立ち直れる」と手を差し伸べてくださるのです。今度こそ本当に、イエス様と共に歩むことができるように。イエス様が命懸けで愛された魂と向き合う働きに、遣わしてくださるのです。