2025年06月01日「イエスによって祝福を受ける(2)」

問い合わせ

日本キリスト改革派 滋賀摂理教会のホームページへ戻る

イエスによって祝福を受ける(2)

日付
説教
金原堅二 牧師
聖書
使徒言行録 3章17節~26節

聖句のアイコン聖書の言葉

17ところで、兄弟たち、あなたがたがあんなことをしてしまったのは、指導者たちと同様に無知のためであったと、わたしには分かっています。 18しかし、神はすべての預言者の口を通して予告しておられたメシアの苦しみを、このようにして実現なさったのです。 19だから、自分の罪が消し去られるように、悔い改めて立ち帰りなさい。 20こうして、主のもとから慰めの時が訪れ、主はあなたがたのために前もって決めておられた、メシアであるイエスを遣わしてくださるのです。 21このイエスは、神が聖なる預言者たちの口を通して昔から語られた、万物が新しくなるその時まで、必ず天にとどまることになっています。 22モーセは言いました。『あなたがたの神である主は、あなたがたの同胞の中から、わたしのような預言者をあなたがたのために立てられる。彼が語りかけることには、何でも聞き従え。 23この預言者に耳を傾けない者は皆、民の中から滅ぼし絶やされる。』 24預言者は皆、サムエルをはじめその後に預言した者も、今の時について告げています。 25あなたがたは預言者の子孫であり、神があなたがたの先祖と結ばれた契約の子です。『地上のすべての民族は、あなたから生まれる者によって祝福を受ける』と、神はアブラハムに言われました。 26それで、神は御自分の僕を立て、まず、あなたがたのもとに遣わしてくださったのです。それは、あなたがた一人一人を悪から離れさせ、その祝福にあずからせるためでした。」使徒言行録 3章17節~26節

原稿のアイコンメッセージ

 悔い改めへの招きは、誰にでも当てはまることでありますが、特にイスラエルの民族は、このペトロの勧めを真剣に聞く義務がありました。26節に「それで、神はご自分のしもべ(イエス様のことですが)を立て、まず、あなたがたのもとに遣わしてくださったのです」とありました。この「あなたがたのため」とはイスラエルの民族のことです。イスラエルは旧約時代から神の民として歩んでおり、したがって主が預言しておられた神のしもべであるイエス・キリストに聞き従う義務があったのです。その点について、ペトロは旧約の御言葉を二つ挙げて、聞く人たちに説得しようとしています。

 一つ目の例は、モーセのことです。22節〜23節でペトロが引用しているのは申命記18章で、これはモーセが「あなたがたの同胞の中から、わたしのような預言者が立てられるから、彼が語ることは何でも聞き従え」と語っているものです。ペトロはその「モーセのような預言者」がイエス・キリストだと言いたいのです。

 二つ目の例はアブラハムのことです。神様はかつてアブラハムに「あなたから生まれる者は、あなたによって祝福を受ける」と約束なさいました(創世記12章、22章、26章、28章)。アブラハムに与えられた祝福の約束は、息子のイサクに受け継がれ、さらにヤコブに受け継がれ、その子孫である神の民イスラエルに受け継がれていきました。やがて時至って、アブラハムの子孫としてイエス・キリストがお生まれになります。約束を実現する者として、イエス様がお生まれになるのです。ペトロは、旧約の預言者たちが繰り返し語ってきた約束のお方、それこそがイエス・キリストなのだと言いたいのです。

 ペトロがこのように、何とかして説得しようとする目的は、祝福にあずからせるためです。その目的のために、イエス・キリストが神のしもべとして立てられ、遣わされました。26節にありますように、まずは、ここで「あなたがた」と呼ばれるイスラエルの民、ユダヤ人の間に、イエス様が遣わされました。けれども、イエス様がもたらす祝福は、イスラエルの間だけに留まるものではありません。神様の救いのご計画には、イスラエルから全世界へという順序が定められていたのです。その広がりの中で、私たちもまた、イエス様によって祝福を受けるように招かれているのです。

 イエス・キリストによって与えられる祝福。その内容は、神様の愛のもとで、永遠の命を生きることです。ご自分の独り子を十字架にかけてでも私たちを生かそうとする神様の愛のもとに生きることです。また、その神様の愛の眼差しのもとで、この地上においても喜びと希望のうちに生きることです。

 この祝福を受けるためには、私たちもイエス・キリストを信じて受け入れる必要があります。神様から離れていた。そんな私たちが、悔い改めて立ち返り、神様のもとに立ち返るのです。私たちがイエス様を信じ、神様のみもとに立ち返るならば、神様は大いに喜んで私たちを迎え入れてくださいます。