2024年12月29日「イエス誕生の意味(4)ー新しい契約ー」

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イエス誕生の意味(4)ー新しい契約ー

日付
説教
金原堅二 牧師
聖書
マタイによる福音書 2章13節~18節

聖句のアイコン聖書の言葉

13占星術の学者たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った。「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている。」 14ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへ去り、 15ヘロデが死ぬまでそこにいた。それは、「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。
16さて、ヘロデは占星術の学者たちにだまされたと知って、大いに怒った。そして、人を送り、学者たちに確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させた。 17こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。
18「ラマで声が聞こえた。
激しく嘆き悲しむ声だ。
ラケルは子供たちのことで泣き、
慰めてもらおうともしない、
子供たちがもういないから。」
マタイによる福音書 2章13節~18節

原稿のアイコンメッセージ

先週は東の方からやってきた学者たちが生まれたばかりのイエス様に出会って、喜びに溢れたという御言葉をご一緒に読みました。そのように、クリスマスは喜びの出来事です。ですから、私たちもクリスマスをお祝いして楽しく、嬉しい気持ちで1日を過ごしました。

 ところが、そのクリスマスの喜びの背後で、実に暗い出来事が起こったということもまた、聖書の御言葉が伝えていることです。時の権力者ヘロデが、イエス様を殺そうとするために、2歳以下の男の子を虐殺してしまうのです。私たちは、これが、クリスマスのもうひとつの側面であることを忘れてはならないと思います。ここには、私たち人間のもつ心の暗さ、罪の深刻さというものが「これでもか」というほどに示されています。そしてその罪は、私たち自身の罪でもあります。ヘロデほど極端でなかったとしても、「邪魔者を排除しよう」とする思いは、多かれ少なかれ私たちの心にもあるからです。そして、その私たち人間のもつ罪の暗闇の真っ只中に、イエス様が来てくださったということなのです。

 マタイは、バビロン捕囚時代の嘆きを、ベツレヘムの若い母親たちが自分の子を殺された悲しみと重ねて「預言者エレミヤを通して言われたことが実現した」と言っています。これはエレミヤ書31章15節の引用です。しかし、そのエレミヤ所をもう少し読み進めて見ると、この悲しみの預言は、悲しみでは終わらない、ということが語られています。すぐあとに、慰めが語られていくのです。

 さらに31節に「新しい契約」と出てきます。31節「見よ、わたしがイスラエルの家、ユダの家と新しい契約を結ぶ日が来る、と主は言われる」。かつてイスラエルの民は、エジプトから救い出してくださった神様との契約を破りました。神様に背き続け、その身に裁きを招きました。けれども、神様はなお憐んで「新しい契約」を約束しておられたのです。神様が人の心に律法を刻みつけられて、神様と民との関係を揺るぎないものにしてくださる。そして、34節の最後にあるように「わたしは彼らの悪を赦し、再び彼らの罪に心を留めることはない」と、罪の赦しが与えられる。これが、新しい契約の時代です。

私たちはクリスマスを喜びの出来事として、心から共にお祝いしました。それは、クリスマスの背後から聞こえてくる母の嘆き、罪の現実、この世の悲惨と切り離したものではありません。イエス様のご降誕の背後には、この世界の悲惨があります。私たち人間の罪があります。神様から離れた罪深い人間の姿を真摯に見つめるときに、イエス様がどれほど暗い、どれほど悲惨な、人間の罪の中にお生まれになったのか。どれほどまでに「闇を照らす光」であったかを、私たちは教えられるのです。クリスマスの夜を真っ暗にしていたのは私たち自身の罪の現実です。しかし、この夜の闇が、喜びに変わるのは、この日にお生まれになったイエス様と出会うことによってなのです。イエス様を礼拝することによってなのです。