2021年10月17日「あなたの神はわたしの神」
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あなたの神はわたしの神
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- 金原堅二 伝道者
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ルツ記 1章1節~22節
聖書の言葉
ルツは言った。「あなたを見捨て、あなたに背を向けて帰れなどと、そんなひどいことを強いないでください。わたしは、あなたの行かれる所に行き、お泊まりになる所に泊まります。あなたの民はわたしの民、あなたの神はわたしの神。あなたの亡くなる所でわたしも死に、そこに葬られたいのです。死んでお別れするのならともかく、そのほかのことであなたを離れるようなことをしたなら、主よ、どうかわたしを幾重にも罰してください」。(16節)ルツ記 1章1節~22節
メッセージ
1章1節に「士師が世を治めていたころ、飢饉が国を襲ったので、ある人が妻と二人の息子を連れて、ユダのベツレヘムからモアブの野に移り住んだ」とあります。この人の名前はエリメレク、妻はナオミ、二人の息子はマフロンとキルヨンといいました(2節)。妻のナオミは「快い」という意味ですが、本日読みました1章では彼女にとって悲劇の連続で、その皮肉さから彼女自身「私のことはマラ(苦い)と呼んでください」と言うほどでありました。
初めに、ナオミたち一家を飢饉が襲いました。これによって一家4人は故郷で生活することが難しくなり、外国であるモアブの地に移住しなければならなくなったのです。しかも移住してそれで終わりではありませんでした。ナオミはモアブの地で、一緒に移住してきた親しい家族をことごとく失うこととなるのです。まず、ナオミの夫エリメレクが死にました(3節)。二人の息子、マフロンとキルヨンは、それぞれモアブの女性を妻にしましたが、後に二人とも死んでしまいます(5節)。ナオミは、まずは夫に、次に息子たちに先立たれてしまったのです。
全てを失った悲しみの中で、ナオミは故郷であるユダのベツレヘムに帰る決意をします。故郷では、「主がその民を顧み、食べ物をお与えになった(6節)」からです。つまりナオミの故郷では再び食物がとれるようになっていたのです。
ここで問題となるのは先立たれた二人の息子、マフロンとキルヨンの妻たちのことです。彼女たちの名前は、一人はオルパ、もう一人はルツと言いました。ナオミにとってベツレヘムは故郷でしたが、オルパとルツにとって故郷はモアブであり、反対にベツレヘムは外国です。彼女たちにとって、ナオミについて行っても、そこに幸せがあるようには思えない状況に置かれていたのです。ですから、ナオミはオルパとルツを説得しようとします。「自分の里に帰りなさい。あなたたちは死んだ息子にも私にもよく尽くしてくれた。どうか主がそれに報いてくださるように。私にはもうあなたたちに結婚させられる息子はいない。あなたたちは自分の里で幸せになりなさい」と、懸命に説得します。
このナオミの説得に、オルパは別れの口付けをして去っていきましたが、ルツはナオミから離れようとしませんでした。「あなたの民はわたしの民。あなたの神はわたしの神」と言って、ナオミに縋り付いたのです。ルツは、自分の故郷であるモアブも、その宗教までも捨てて、ナオミの属するイスラエルの民を自分の民とし、イスラエルの神を自分の神としたのでした。
ナオミとルツの帰郷は、大麦の刈り入れの始まる季節であったといいます(22節)。まだ彼女たちは気がついていませんが、ナオミとルツの、互いに対する愛情と真心を通して、主なる神様が豊かな恵みをお与えになろうとしています。ルツが「わたしの神」としたイスラエルの神が、彼女を通して主イエス・キリスト誕生への道備えをされるのです。私たちもまた、全能の神様の御手に心を向けて、神様のみもとに留まるときに、主の特別な顧みを経験します。神様の備えてくださる刈り入れの希望に期待をして祈りながら歩みましょう。