2023年07月30日「約束と約束をつなぐお方」

はじめに　「人の子は、失われたものを捜して救うために来た」とは、子ども説教の使信。まことの人となられた永遠の神の御子イエス・キリストの救いと約束の実現を、まことの預言者エレミヤに臨んだ、「主の言葉」から学び、覚え、信じたい。

１「主はこう言われる。見よ、わたしはヤコブの天幕の繁栄（捕囚）を回復し」とは、イスラエルの民を「ヤコブ」と呼び、礼拝所を回復することの約束。実に、主なる神は、苦役の中でモーセに「主」の御名とともに、「アブラハム、イサク、ヤコブ」の神としてその御名を告げられた（出エジプト３章）。それは,アブラハムに約束されたことの実現（創世記１５章１３節）。しかし、出エジプトの時、シナイ山で、契約更新とともに十戒を与えられながら、イスラエルの民は、金の子牛の像を拝むことからはじまり、偶像礼拝との混交を繰り返した。ダビデ、ソロモンにその栄光を見た王国は分裂し（列王下１２章）、アッシリヤによる北イスラエル王国滅亡（同１７章）、 バビロンによる南ユダ王国滅亡（同２５章）を見る。それは、民と民の移動を含み、サマリアの都は、後にサマリア人の地と化し、エルサレムの都は、神殿崩壊を見た。しかし、主は、「その住む所を憐れむ。都は廃墟の丘の上に建てられ、城郭はあるべき姿に再建される」と約束される。背信と罪を重ねた民は、「切り傷」「打ち傷」を負った。真実に反するとき、人は、痛み、悲しむ。「天幕」という神の臨在を示す礼拝所の回復をもって、神の憐れみによる約束の実現を見る。

２　「そこから感謝の歌と、楽を奏する者の音が聞こえる」とは、ダニエルが、エレミヤの預言から捕囚の年月が七十年であることを知り、悔い改めの祈りをささげたとき、「主を愛しその戒めに従う者には契約を守って慈しみを施される神」を呼び、（ダニエル９章）、ネへミヤも、神殿再建の時、「忠実に契約を守られる神」と呼んだ（ネへミヤ９章）ように、神自ら、契約を守ってくださった、ことの実現。それは、ただ、神の憐れみによる。「わたしたちではなく、主よ　わたしたちではなく　あなたの御名こそ、栄え輝きますように　あなたの慈しみとまことによって」（詩編１１５編１節）との賛美は、捕囚から帰還した民の歌。生き、生かされている民の喜び。

３①「ヤコブの子らは、昔のようになり　その集いは、わたしの（顔の）前に固く立てられる。彼らを苦しめるものにわたしは報いる。」３②「ひとりの指導者が彼らの間から　治める者が彼らの中から出る。わたしが彼を近づけるので、彼はわたしのもとに来る。彼のほか、誰が命をかけて（心を動かして）わたしに近づくであろうか、と主は言われる。」３③「こうして、あなたたちはわたしの民となり　わたしはあなたたちの神となる」①礼拝の回復（聖なる集い）は、神の恵みの契約による。②キリストの召命と到来。③神の臨在と贖いの祝福の中に、神に近づく者とされた契約の民は、神を「わたしたちの神」と告白し、神も、ご自身の民として迎えられる。この約束をつなぐ御方は、神と罪人の仲保者となられた、主イエス・キリスト。

おわりに　なお、「主の怒りの嵐が吹く」ほどに、試練の日が続く。経験が教訓にとどまらず、悔い改めて、神に立ち帰る人こそ、主の憐れみによって生きる、真に幸いな人。「アーメン」である御方、主キリストの御名に、神の栄光の中に、近づこう。