2022年09月22日「十戒の学び19 第四戒2」

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十戒の学び19 第四戒2

日付
説教
田村英典 牧師
聖書
出エジプト記 20章8節~11節

聖句のアイコン聖書の言葉

20: 8 安息日を覚えて、これを聖なるものとせよ。
20: 9 六日間働いて、あなたの全ての仕事をせよ。
20:10 七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはいかなる仕事もしてはならない。あなたも、あなたの息子や娘も、それにあの男奴隷や女奴隷、家畜、またあなたの町囲みの中にいる寄留者も。
2:11 それは主が六日間で、天と地と海、またそれらの中の全てのものを造り、七日目に休んだからである。それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものとした。出エジプト記 20章8節~11節

原稿のアイコンメッセージ

 今日も十戒の第四戒を学びます。

 前回は、神こそが時間の真の所有者・支配者であり、また人間がしばしば陥る、すなわち、仕事に極度にのめり込むという意味での偶像礼拝から、神が私たちを守ろうとしておられることを見ました。今日は、六日間の労働について注目致します。

 第四戒の中心点は、七日目を休み、安息日として聖別することにありますが、私たちの人生で労働の占めるウェイトは大きく、その労働に直接触れるのは第四戒だけです。ですから、労働に注目することも有意義だと思います。

 実は、出エジプト20:15の第八戒「盗んではならない」も労働に関ります。エペソ4:28は「盗みをしている者は、もう盗んではいけません。むしろ、困っている人に分け与えるため、自分の手で正しい仕事をし、労苦して働きなさい」と教え、第八戒とそれに伴う労働に言及しています。しかし、今は六日間の労働というものについて考えたいと思います。

 よく考えますと、七日の内、六日間働くというのは、すごいことですね。人間の人生で労働の占める比重を改めて教えられます。

 人間が堕落する前、創世記1:28は「神は彼らを祝福された」と述べ、すぐそれに続いて、人のなすべき労働に触れています。つまり、労働は元々祝福だったのです。人間が神のパートナーとして、被造世界をよく管理し、秩序と調和のある美しいものにしていくという神の業(わざ)に参与させて頂くことだったからです。人間は、労働を通して神の栄光を現し、神を喜び、自らも人格的に完成させられるのです。本来、労働とは、そういう意義と目的を持つ、神からの祝福でした。

 ところが、人が神に背き、罪が人の中に入ってきたために、祝福であった労働が、呪いという悲惨な面を持つものになってしまいました。堕落後のアダムに神は言われました。創世記3:17~19「…大地は、あなたの故に呪われる。あなたは一生の間、苦しんでそこから食を得ることになる。大地は、あなたに対して茨とあざみを生えさせ、あなたは野の草を食べる。あなたは、顔に汗を流して糧を得、ついにはその大地に帰る。あなたはそこから取られたのだから。あなたは土の塵だから、土の塵に帰るのだ。」

こうして人間にとって、労働は苦痛と空しさの伴うものになってしまいました。

 しかし、そんな中でも、特に救い主イエス・キリストを信じる者には、主イエスの十字架によります神との関係の修復の故に、労働には祝福と恵みもまた伴うようになりました。先程お話しました堕落前の労働の意義と目的、すなわち、被造世界を管理し、秩序と調和のある美しいものにして神の栄光を表わし、神を喜び、自らも人格的に完成させられるという面が回復されたわけです。

 少し詳しく言いますと、例えば第一に、私たちは労働により忍耐心を培われます。労働には必ず苦痛が伴います。「顔に汗を流して糧を得る!」被造世界が人間の罪のために、歪んでしまっているためです。しかし、労働に携わることで、私たちは大切な忍耐心を培われます。

 第二に、責任感も養われます。仕事には必ず責任が伴います。無責任な事は許されません。しかし、それが私たちを、人に信頼される、より誠実な人格へと鍛え、清め、高めます。

 第三に、第八戒とも関係しますが、働くことにより、私たちは盗みをしないで済むだけでなく、困っている方々の命と生活を支えて上げることができ、具体的な愛の業をも私たちに可能とさせます。

 第四に、他者との協調性を養われ、独りでは出来ないことも、他者と協力することで出来るという、より大きな喜びをも体験出来ます。

 第五に、私たちは罪からも守られます。ダビデ王が姦淫の罪を犯した時、彼は、Ⅱサムエル11:1、2が伝えますように、丁度、ひまになり、特にすることもありませんでした。しかし、そのために心に隙が生じ、彼は大きな罪を犯しました。労働に夢中になり過ぎるのは良くありませんが、適度な労働による緊張感は、感謝なことに、私たちを罪と誘惑から守ります。

 主イエス・キリストにより神との関係を修復された信仰者にも、労働の苦しみは当然伴います。けれども、以上のような祝福と恵みの面も伴うようにされているのです。たとえ貧しい労働であっても、私たちの信仰をご覧下さる主なる神は、必ず私たちの労働を喜ばれ、報いて下さるのです。ですから、Ⅰコリント15:58は言います。「私の愛する兄弟たち、堅く立って、動かされることなく、いつも主の業に励みなさい。あなたは、自分たちの苦労が主にあって無駄でないことを知っているのですから。」

 第四戒で、「六日の間働いて、あなたの全ての仕事をせよ。七日目は、あなたの神、主の安息である。あなたはいかなる仕事もしてはならない」と、僅かに触れられている労働ですが、その重要な意義を改めて心に留めたいと思います。

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