◆シリーズ:神のご計画と恵みの契約

「天地万物の創造の目的」  創世記1章1~2章4節
 
Ⅰ.学びの目的(神のご計画と恵み契約)
 今日から聖書全体の概略を、神の救いのご計画と恵みの契約という視点で学びを始めます。私たちは、聖書を丁寧に読み進めると共に、聖書全体の理解・神による救いの目的を理解することが必要です(参照:聖書全体を鳥観する神の永遠の計画)。
 また同時に、神による救い・恵みの契約を意識して、ウェストミンスター信仰規準において語られている告白を確認しながら、学びを進めていこうと願っています。

Ⅱ.神による天地創造の御業
 さて最初は、天地万物の創造です。まだ時間が動き出すことなく、何もない状態(無)であったと解釈されています。
 そして、主なる神が「光あれ」と語られることにより、時間が動き始め、世界が動き始まります。主なる神は、6日にわたり、天地万物を創造され、最後に私たち人間を創造されました。
 人間の発明がありますが、主なる神がすべてを創造されました。そして主は、ご自身が造られたものを見て「良しとされました」(4,12,21,25)。そして6日の最後に「それは極めて良かった」と語られます(31)(参照:ウェストミンスター信仰告白4:1)。主なる神は、単に思いつきで天地万物を創造されたのではなく、すばらしいものとして、また被造物、特に人が主の栄光を称えることにより、主ご自身が喜びに満たされるものとして、創造されました。

Ⅲ.主による創造と自然科学・進化論
 しかし今、世では神抜きで世界が成り立っていったと教えられています。ビッグバンにより宇宙が始まり進化論が教えられています。神の存在と創造は、受け入れられません。しかしビッグバンも進化論も、人がその時代に行き、確認したことではなく、推論・推測の域を出ることはありません。
 また主なる神は、聖書の御言葉を私たちにお与えくださいました。科学のない時代に記され、論証する価値すらないと思われていますが、主は私たちの信仰にとって必要なことを御言葉によりお教えくださいました。そのため創造は、キリストの処女降誕や復活同様に、信仰によらなければ、受け入れ・信じることができません。
 キリスト者であっても、解釈が異なることがあります。その一つは、6日間における創造の一日の期間に関してです。
 つまり創造の6日間は、現在の一日、つまり24時間であると解釈する牧師・神学者もいます。しかし私はそうは考えません。
 黙示録における数字はどれも象徴的な数字であり、時間の概念においても象徴的に解釈します。創造の6日間も同じだと、私は思います。
 一日・一年という期間は、私たちの生活に密着した時間ですが、一週間も同様です。主の日、主なる神と出会い、主を礼拝し、世に遣わされ、家庭・働きの場・学びの場に遣わされます。しかし7日後に、教会に戻ってきて主を礼拝します。7日毎に休息をとり、主を礼拝する。それが主の創造の秩序の中にあって、人間に求められています(2:2-3)。つまり、ここでの6日間は、一日24時間ではなく、ある程度の期間を示しているのだと思います。一日毎の順番・秩序が指し示されており、それを逆転することは、許されません。
 このように解釈することにより、進化論も、全面否定する必要もなくなり、自然科学における研究を一刀両断で切り捨てるようなこともする必要はないかと思います。

Ⅳ.創造の目的と方向性
 私たちは、主なる神が天地万物を創造された目的を確認する必要があります。主なる神は、「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう」と語られています(26)。
 主は唯一の神ですが、「我々」と語られ、御父・御子・御霊の豊かな交わりにある三位一体の主なる神であると語られます。
 主なる神は、時間を創造し支配しておられます。永遠から永遠に生きておられます。この主なる神に似せて人を造られたのは、人は生きる者・死ぬことのない者として創造されたということです。
 ですから主が創造された目的は、人により、天地万物が治められ、主との交わりを持ち、主を礼拝するためです(ウ小教理問1)。
 問1 人間の主要な目的は何ですか。
 答  人間の主要な目的は、神の栄光をたたえ、永遠に神を喜ぶことです。
 ですから天地万物の創造の御言葉を読むとき、単に過去の出来事として読むのではなく、聖書の全体、そして神の国の完成を覚えつつ、創造の目的を意識して読むことが求められています。
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