月報巻頭言 Vol43「主にあってたゆまず祈り続ける③」
西谷教会では月に一度「月報」を発行しています。 2025年のテーマは「主にあって喜び、耐え忍び、祈り続けよう」 副題は「主にあってたゆまず祈り続ける③」です。
たゆまず祈り続けること。
今月はその学びの締めくくりとして
キリストがお教えくださった「主の祈り」に触れておきたいと思います。
思えば私たち西谷教会では、
読み進めているルカによる福音書を通して、
既に弟子たちと共に主イエスの祈りについての教えを受けていました。
そこでまず描かれていたこと。
それは弟子の一人が主イエスに祈りについての教えを請う姿でした。
(ルカ11:1)
聖書はそれまでも、
弟子たちから離れて一人で祈られる主イエスの姿を描いていました。
そしておそらく主イエスはこのときも少し離れて、
祈りをささげておられたのだろうと思います。
そのお姿から、
なにか私たちとはかけ離れた高尚な祈りではないか。
弟子たちはそう思っていたかもしれません。
しかし教えられた内容を見ると私たちからかけ離れた、
特別なところはありません。
むしろ私たちの誰しもが、
本当に必要とすることが祈られています。
ちょうど今、西谷教会では
ウェストミンスター小教理問答の学びを終えるところでもあります。
その最後に記されていることは祈りについてであり、
また主の祈りであることも意義深いことです。
その学びの始めにあたる問98で小教理は、
祈りとは私たちの願いを神に、
特にキリストの名においてささげることだ、と書かれていました。
ハイデルベルク信仰問答ではその願いについて、
私たちの「霊的また肉体的に必要なすべてのこと」(問118)だと説明しています。
これは先月学んだ「たゆまず」の意味、
すなわち日常のことと通じることです。
天上のことも、また地上のこともすべてを治め、
委ね得るお方にその思いの全てを委ねられるということ。
つまり祈りにおいて私たちは、
神共にある平安と喜びのうちに招かれているということです。
その一方でその祈る時々、
つまりその日常において何が本当に必要なことなのか。
そのことを私たちが知っているのかということをも思わされます。
なぜなら私たちは、ときに霊的な必要だけ、
あるいは肉体的なことだけに偏って祈ることがあるからです。
霊的な必要だけを求めてなにが悪いのか。
そのように皆さまからは問われそうですが、
たとえ主に救われても
未だ完成に至っていない私たちには
当然のごとく肉体的に弱い部分がたくさんあります。
サムエル記の始めにあるハンナの祈りの姿はそれこそ赤裸々です。
祭司エリから酔っぱらっているのではないか、
と疑われるほどであったことが綴られています(サムエル記上1:13)。
また使徒パウロでさえ
自らのとげを取り去ってくださるよう
祈っていたことを証ししています(Ⅱコリント12:8)。
ですから、キリストに救われてなお
完成途上の私たちは
信仰的なことばかりではなく、
人前で口にすることも憚られるような、
自らの肉体的なことをも神に委ねて
祈ってよいのです。
そして主イエスは
「あなたがたの父は、願う前から、あなたがたに必要なものをご存じなのだ。」
(マタイ6:8)とも言われています。
既に私たちの必要をご存じである神に、
その全てを委ね切ること。
それが私たちの献げるべき祈りの本質です。
ですからすべてを治め、
ご存じであられるお方への祈りが
どこか偏ることのほうが
私たち信仰者にとってむしろ不自由か
つ不自然なことだということです。
では、なぜ祈りについて
小教理問答の最後で取りあげられるのでしょうか。
たとえその言葉が普通のこと。
日常的なことであったとしても、
それはやはり
そのすべてを委ね得るお方が
神という特別なお方であるからです。
そのお方を御子イエス・キリストが、
その御名にあって、
私たちも「父よ」と
呼ぶことをいつもお赦しくださっているからです。
ですから祈りにおいて私たちは
たゆまずそのすべてを天へと向けることが赦されています。
その天にはキリストと共に
すでに天に召された方々もおられます。
ですから祈るとき私たちは決して一人ではありません。
世界中の神の子たち、
召された方々、
なによりキリストと共に祈るからこそ、
私たちは「希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈り」続けることが出来るのです。
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