月報巻頭言 Vol36「主にあって希望をもって喜ぶ①」

月報巻頭言 Vol36「主にあって希望をもって喜ぶ①」

西谷教会では月に一度「月報」を発行しています。 2025年のテーマは「主にあって喜び、耐え忍び、祈り続けよう」 副題は「主にあって希望をもって喜ぶ①」です。

日本キリスト改革派教会の教育機関誌委員会が発行している
「リジョイス」という冊子があります。
https://jesus-web.org/published/rejoice/

今月の月報のお話を書くにあたって2月号のリジョイス、
その冒頭ページにある祈りの言葉に目が留まりました。
それは、今年私たち、伊丹・西谷教会に与えられた年間聖句
「たゆまず祈りなさい。」(ローマ12:12)のことが念頭にあったからだと思います。

先月は年間聖句のことを綴りました。
たゆむことない祈りをもって
私たちのすべてをキリストにある希望へと向けていくこと。
その意識を少し広げて、
日本キリスト改革派教会としての、
公の祈りとも合わせたいと思いました。
そういえば、時宜に適った祈りがリジョイスの最初のところに記されている。
そのことをふと思い起こして、その言葉へと導かれ、目が留まったというわけです。

その祈りは「春を待ち望む冬の祈り」と題されていました。
季節は確かに春へと向かっていますが、
未だ寒さ厳しい朝が続いています。
起き出してストーブを点けない朝はありませんし、
西谷の地では2度、3度と雪景色となることもありました。
礼拝へと向かわれる皆さまの歩みが守られるよう、祈らない日はありません。
リジョイスの祈りの言葉からは、
そのように未だ寒さ厳しい“冬”の朝を、
み言葉と切なる祈りをもって迎える私たちに寄り添い、
共に祈ってくださろうとする思いが伝わりました。

驚かされたのは、
その冬の祈りの中に年間聖句の「忍耐」と「希望」の言葉があったことです。
“春の新しい恵みを忍耐と希望をもって待ち望み/歩むことが出来ますように”との
祈りが綴られていました。
文脈から考えてこれは同じローマ書にあるみ言葉、
「わたしたちは、目に見えないものを望んでいるなら、忍耐して待ち望むのです。」
(ローマ8:25)
から導かれた祈りのようです。
そしてその18節から30節までのみ言葉を読むと、
年間聖句への理解が深まりました。
そのように年間聖句と同じ書簡からの言葉を、
公の祈りとして備え、
み言葉への理解を深めさせ、
私たちを喜ばせてくださる神のお働きに深く感謝をしました。

その昔、「世界は言葉で出来ている」という趣旨のことを言った哲学者がいました。
そして私たちの日常も様々な言葉に取り囲まれています。
その中には私たちの信仰を凍えさせるような言葉もあります。
さながらそのような状況を冬の厳しさへの忍耐と例えることも出来るでしょう。
私自身の過去を思い返せば、
そのような状況を祈りではなく、
会計帳簿のバランスで乗り越えようとしていました。
その日々に神はまことの言葉たる御子キリストを遣わし、
私たちに希望に満ちた春の訪れをこそ
追い求めるべき現実として告げ知らせてくださいました。

そのようにみ言葉を意識し、
祈るようになると、
世界観が変わります。
それは今まで
私たちが神以外の事柄を希望の根拠として見ていた現実が、
キリストにある真実へと変えられていくからでしょう。
そしてキリストの他には、希望がないことを私たちが理解するからでもあります。
ストーブを点けずにいる冬の一日がないように、
私たちはみ言葉に示された御心に祈りをもって触れずして
その命を一日たりとも健かに保つことなど出来ないのです。
日々を健やかにし、希望に満ちたものとすべくみ言葉も、
また祈りの言葉も私たちには備えられています。

決して遠くない春の訪れをキリストに温められつつ、
この3月を健やかに過ごしくださるよう願っています。

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