西谷聖書通信 2023年クリスマス号

西谷聖書通信 2023年クリスマス号

西谷教会ではクリスマスやイースターに「西谷聖書通信」を地域の方々にお配りしています。 今回クリスマス号は、ヨハネによる福音書からのショートメッセージです。

『言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。
光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。』
(ヨハネによる福音書1章4節~5節、新共同訳)

牧“師も走”り回る12月。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
車や自転車で走りながら行きかう中で、
また住み暮らす西谷のあちこちでも輝くクリスマスの飾りつけを見るようになりました。
皆さまのお宅でも、あるいは施設の中でもなにか飾りつけをされているでしょうか。
それらの飾りを見るだけでどこか華やいだ、
また心安らかな気持ちになって頂けたなら教会として嬉しく、
また感謝申し上げたいと思います。

クリスマスとは、およそ2000年前のある夜のことを思い起こすキリスト教のお祭りです。
ベツレヘムという小さな村にある家の家畜のそばで、
イエス・キリストはひっそりとお生まれになりました。
家畜小屋とも言われますが、当時の家にはごく普通に土間があり、
そこで家畜を飼っていました。
聞けば但馬地方などではごく一般的な光景だったそうです。
神の御子イエスが私たちのところへ来られたクリスマスとは、
そのような私たちにもなじみ深いごく一般の家で命の光が輝き始めた出来事でした。

輝きといえば、西谷では夜空を見上げるとたくさんの星の輝きを見ることが出来ます。
その星々の輝きが多くの旅人を導きました。
イエス・キリストの両親であるマリアとヨセフも国からの命令で旅をして、
夫ヨセフの故郷、ベツレヘムにたどり着きました。
その旅もきっと星を見ながらの旅であったことでしょう。
星を見て旅をする時代からずいぶんと月日が流れました。
その後、人々を導いたのは哲学者や音楽、文学かもしれません。
そして今ではインターネットで見聞きする成功者の言葉でしょうか。

見る対象や方法は変わっても、人は今でもそうやって、
輝く星々をどうにか自分なりに見つけ出し、
人生という旅を続けようとしています。
その時々にめぐり合う星の輝きを見いだし、
また導かれながら、私たちは本物の光を求めて続けている。
そして一度は自分も輝こう、輝きたいと願う。
人生とはそんなふうにも例えられる気がします。
その一方で、人生には暗い部分も少なからずあります。
そして案外、その暗いところを居心地よく感じることもあるのでしょう。

そのような思いを頂きつつ、聖書の言葉を読むと、
あれっ?と思わせられる言葉に出会います。
冒頭でご紹介した言葉です。
「光は暗闇の中で輝いている」。しかし、「暗闇は光を理解しなかった」。

人生という旅を繰り返していくと、誰でも一度や二度は暗く悲しいことに出会います。
そしてその悲しみのうちに
人生という旅そのものの意味を見失ってしまうことがあります。
諦めて暗闇を受け入れるという考えもある中で、
「光は暗闇の中で輝いている。」聖書はそう告げています。

目先にある輝きから、
あるいはむしろ歩みの果てに自らが落ち着いていた暗闇から離れること。
それは大変に勇気がいることです。
輝きから離れると暗闇が深まり、
また暗闇から離れると今までのこと、あるいはもはや無しか残らない。
そのように思うからです。
その諦めるほどに深まる闇を貫いて、
向こう側から差し込んでくる命の光がある。
聖書はそのことを告げています。
クリスマスの夜に輝きはじめた光。
それは神が私たちのため、世の暗闇の中で灯された小さな光なのです。

その小さな光はイエス・キリストがこの地上で過ごされた姿とも重なります。
イエス・キリストは、
クリスマスの飼い葉桶での誕生から十字架の死に至るまで、
人の世を照らす神の光としてお過ごしになりました。
その言葉にあった光は、
人々の心の奥深くにひそむ暗闇をも照らし、
人々を生かす命がけの光なのです。

たとえ私たちが今、輝きを見出せないと嘆くときも、
輝くことが出来なくなったとしても、
そしてついにその地上での命が尽きるときも、
イエス・キリストという光は、私たちを照らし続けてくださいます。
なぜなら「言(イエス・キリスト)の内に命があった。
命は人間を照らす光であった」からです。

皆さんをこれまで導いてきた言葉。
それが皆さんの歩む道を変えてきたのであれば、
神の言葉は私たちの存在そのものを根底からつくり変える力を持っているはずです。
私たちにとって本当の暗闇とは、
その神の命がけの言葉に目も耳も閉ざしてしまうことです。
永遠に消えることのない命の言葉。
私たちを導き、照らす神からの言葉が、
このお知らせをお読みになられたあなたのうちにも灯ることを心から願っています。

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