2012年7月15日(日)説教「主を待ち望む人」ウイリアム・モーア宣教師
2012年7月15日(日)説教「主を待ち望む人」ウイリアム・モーア宣教師
聖書;旧約聖書詩編31篇10~25
詩編31篇10 主よ、憐れんでください/わたしは苦しんでいます。目も、魂も、はらわたも/苦悩のゆえに衰えていきます。11 命は嘆きのうちに/年月は呻きのうちに尽きていきます。罪のゆえに力はうせ/骨は衰えていきます。
12 わたしの敵は皆、わたしを嘲り/隣人も、激しく嘲ります。親しい人々はわたしを見て恐れを抱き/外で会えば避けて通ります。13 人の心はわたしを死者のように葬り去り/壊れた器と見なします。14 ひそかな声が周囲に聞こえ/脅かすものが取り囲んでいます。人々がわたしに対して陰謀をめぐらし/命を奪おうとたくらんでいます。
15 主よ、わたしはなお、あなたに信頼し/「あなたこそわたしの神」と申します。
16 わたしにふさわしいときに、御手をもって/追い迫る者、敵の手から助け出してください。17 あなたの僕に御顔の光を注ぎ/慈しみ深く、わたしをお救いください。
18 主よ、あなたを呼びます。わたしを恥に落とすことなく/神に逆らう者をこそ恥に落とし/陰府に落とし、黙らせてください。19 偽って語る唇を封じてください/正しい人を侮り、驕り高ぶって語る唇を。
20 御恵みはいかに豊かなことでしょう。あなたを畏れる人のためにそれを蓄え/人の子らの目の前で/あなたに身を寄せる人に、お与えになります。
21 御もとに彼らをかくまって/人間の謀から守ってくださいます。仮庵の中に隠し/争いを挑む舌を免れさせてくださいます。
22 主をたたえよ。主は驚くべき慈しみの御業を/都が包囲されたとき、示してくださいました。23 恐怖に襲われて、わたしは言いました/「御目の前から断たれた」と。それでもなお、あなたに向かうわたしの叫びを/嘆き祈るわたしの声を/あなたは聞いてくださいました。
24 主の慈しみに生きる人はすべて、主を愛せよ。主は信仰ある人を守り/傲慢な者には厳しく報いられる。25 雄々しくあれ、心を強くせよ/主を待ち望む人はすべて。
要約(文責近藤)
今日の箇所はイスラエルの王、ダビデ王のどん底からの叫びです。彼の敵は彼の王権と命を奪おうとしました。この詩編31篇に彼は自身の気持ちを述べました。
【敵はわたしを死者のように葬り去り/壊れた器と見なす】
10~14節
「10 主よ、憐れんでください/わたしは苦しんでいます。目も、魂も、はらわたも/苦悩のゆえに衰えていきます。11 命は嘆きのうちに/年月は呻きのうちに尽きていきます。罪のゆえに力はうせ/骨は衰えていきます。12 わたしの敵は皆、わたしを嘲り/隣人も、激しく嘲ります。親しい人々はわたしを見て恐れを抱き/外で会えば避けて通ります。13 人の心はわたしを死者のように葬り去り/壊れた器と見なします。14 ひそかな声が周囲に聞こえ/脅かすものが取り囲んでいます。人々がわたしに対して陰謀をめぐらし/命を奪おうとたくらんでいます。」
このダビデの苦しみを想像できますか。完全にだめな人間とみなされ「死者のように葬り去り/壊れた器と見なします」と。壊れた器は陶器ですからゴミになります。ダビデは自分がゴミだと言われることを知りました。
大津市の自殺に追いやられた少年はそのような例です。自分はごみのようで希望がないので苦しみから解放されるのは死ぬしかないと思わされたのです。
ダビデも自分を死者のように、壊れた器だと思いました。彼はどうして立ち直れましたか?
【神に苦しみを叫ぶダビデ】
彼は詩編31篇3節、10節に
「3 あなたの耳をわたしに傾け/急いでわたしを救い出してください。砦の岩、城塞となってお救いください。」「10 主よ、憐れんでください/わたしは苦しんでいます。目も、魂も、はらわたも/苦悩のゆえに衰えていきます。」
とダビデは唯一全能の神に苦しみを叫びました。彼は自分自身にも聞きませんでした。自分の力では解決できないと知りました。
【無視されるダビデ】
12節「 わたしの敵は皆、わたしを嘲り/隣人も、激しく嘲ります。親しい人々はわたしを見て恐れを抱き/外で会えば避けて通ります。」
回りの人々はダビデをダメな人と思って無視しました。助けは神のみにあると信じたダビデは主に自分の心を告白し助けと癒しを神から受ける前に神との関係を次のように彼の気持ちを正直に伝えました。
詩編31篇4 あなたはわたしの大岩、わたしの砦。御名にふさわしく、わたしを守り導き
5 隠された網に落ちたわたしを引き出してください。あなたはわたしの砦。
15 主よ、わたしはなお、あなたに信頼し/「あなたこそわたしの神」と申します。
私たちはダビデよりイエス・キリストの贖い死のお蔭で神との緊密な関係を与えられた者です。主イエスを心から信じる者には誰でも主の癒しと助けが受けられます。
【神に頼るものの告白】
私たちはダビデのように主に信頼するものでなければなりません。
「主よ、御もとに身を寄せます。とこしえに恥に落とすことなく/恵みの御業によってわたしを助けてください(31篇2)。」と告白します。
十字架の上で主イエスはこの詩編31篇6節「 まことの神、主よ、御手にわたしの霊をゆだねます。」を引用して息を引き取られました。
ダビデは自分の力と知恵に頼るより神の力と知恵に信じ頼りました。
私たちはちょっとしたことで歓んだり落ち込んだりします。全てにおいてダビデのように「主に信頼します」と告白しましょう。人の心に左右されることなく、環境に左右されることなく「主よ、信頼します」と神を信頼しましょう。
【神の力と憐れみ】
壊された器のようなダビデは神について重要なことを実感しました。
第一に神の憐れみを知りました。
詩編31篇8節、17節に
8 慈しみをいただいて、わたしは喜び躍ります。あなたはわたしの苦しみを御覧になり/わたしの魂の悩みを知ってくださいました。
17 あなたの僕に御顔の光を注ぎ/慈しみ深く、わたしをお救いください。
愛する神はわたしたちを知り憐れみをもって癒して下さいます。
次にダビデが実感したことは神の力/能力です。
5節「 隠された網に落ちたわたしを引き出してください。あなたはわたしの砦。」
ダビデは愛する神とともに歩み、壊された器は治されると信じました。恐れは消え去り神の救いを感謝します。私たちもどんな難しい状況にあっても神の救う力を信じられます。
ダビデは神の力と憐れみを信じたのです。
神はダビデの叫びを聞き救ってくださいました。
【救いの証・歓び】
ダビデは大きな喜びをもって救いの証を立てました。
「22 主をたたえよ。主は驚くべき慈しみの御業を/都が包囲されたとき、示してくださいました。23 恐怖に襲われて、わたしは言いました/「御目の前から断たれた」と。それでもなお、あなたに向かうわたしの叫びを/嘆き祈るわたしの声を/あなたは聞いてくださいました。24 主の慈しみに生きる人はすべて、主を愛せよ。主は信仰ある人を守り/傲慢な者には厳しく報いられる。25 雄々しくあれ、心を強くせよ/主を待ち望む人はすべて。」
愛する兄弟姉妹
新約聖書ヘブライ人への手紙13章の御言葉のとおりに
「わたしは、決してあなたから離れず、決してあなたを置き去りにはしない」と言われた主イエスを信じ、また今日の詩編31篇のダビデの希望と力のように、神を信じ神に頼りながら主とともに人生を終わりまで歩みましょう。(おわり)
2012年07月18日
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