「真の富」ウイリアム・モーア2010.4.18
聖書:箴言10章22「人間を豊かにするのは主の祝福である。人間が苦労しても何も加えることはできない。」
【マクブライドとボートライト長老】
この間、ニュウースで驚くべき記事を見ました。それは二人の男の人がアメリカの宝くじで一等に当たって、318億ドルを儲けました。それは日本円で3万億円になります。人が宝くじで一等に当たったのはそれ程珍しい話ではないけれども、その背景と賞金の使い方はびっくりしました。一等に当たったのはオハイオ州のマクブライドさんとジョージア州のボートライトさんです。
【どん底のマクブライド】
6年前にマクブライドさんは精神のどん底に沈んで、アメリカ中、流浪生活をしました。特に暗い時、自殺する決心をしましたが、ジョージア州の小さい町の教会を通って、思わずに入りました。その教会でボートライトさんと言う長老に会って、心を打ち明けました。長老はマクブライドさんの悩みを聞いて、イエス・キリストを受け入れるように導きました。そして、新しい信仰と希望を持ったマクブライドさんは生き甲斐を得て、数日後、オハイオ州の家に帰りました。
信仰の故に、マクブライドさんは益々元気になり、教会の生活を忠実に守りました。そして、キリスト者になった6周年の時、 キリストに導いたボートライトさんに会いたい気持ちが強くなり、感謝を表す為にわざわざジョージア州へ行きました。そこにいる間にマクブライドさんはボートライトさんと共にその一等に当たった20ドルの宝くじを買いました。
【記者会見】
宝くじ当選発表の記者会見でマクブライドさんは公にこう言いました。「宝くじで得たお金で何も買うつもりはありません。全てを施します。もしそのお金を使ったら、不必要な物しか買えません。私は恵まれた人です。神の大きな恵みの故にボートライトさんが赤の他人であった私を愛し、イエス・キリストに導きました。私の事を諦めませんでした。その恵みは宝くじ一等よりも遥かに貴重になります。ですから、私の分、全部を施すつもりです。」
【気が狂った?】
マクブライドさんのお話を聞いた人々の反応は色々ありました。ある人々は彼が全額を施す事は偉いと思いました。しかし、彼は頭が変になったと思った者は遥かに多かったのです。それは一般的の反応でした。マクブライドさんの信仰と価値観が理解出来なくて、彼は気が狂ったとしか考えられませんでした。その莫大な富を自身の為に使わず、全部を人に譲るなんて、全くとんでもないと思ったのです。
【金が全てのこの世】
それは、この世には一般的な考え方になります。何故なら、お金は人間の全ての問題を解決出来ると思い込んでいる人が多いようです。「お金がもう少しあったら、私は幸せになり、ハッピーになります。」「お金が十分あれば、夫婦喧嘩が随分少なくなります。」「ある程度の貯金があれば、将来の為の心配がいらなくて、安心です。」「収入が増えたら、ゆとりのある生活が出来、本当に楽になります。」私達もそのように考えた事がありますか。正直だったら、そんな気持ちを覚えていると思います。
【真の富】
今朝、一緒に富と豊かさについて考えたいと思います。つまり、真の富はどう言うものなのでしょうか。また、私達を本当に豊かにさせるのは、何でしょうか。実は、今日の御言葉にはその答えがあります。もう一度、箴言10章22を聞いて下さい。
「人間を豊かにするのは主の祝福である。人間が苦労しても何も加えることはできない。」
「人間を豊かにするのは主の祝福である」と記されています。つまり、豊かさの源は神です。ですから、神の祝福の故に私たちは豊かになります。しかし、その主の祝福とは何ですか。それは主にお金と財産でしょうか。言うまでもなく、神はある人々をお金で祝福します。
【知人の大金持ちのこと】
私は金持ちをあんまり知りませんが、アメリカに帰る度にある友人の大金持ちの夫婦を出来るだけ尋ねます。今、結構年輩の方になりましたが、そのご主人が退職した時、自分が作ったハイテック会社を売って、たんまり儲けました。そして、その資金を投資して、また結構殖やしました。しかし、大金持ちになっても、それ程に豪華な生活をしません。
【神の国の発展の為に】
実は、その二人の最高の楽しみは自分の富を神の働きの為に手放す事です。教会や、病院や、海外宣教や、神学校や、福祉施設や、貧しい者などに自分の富を分ち合います。その富は全く神の祝福であると信じ、神の国の発展の為に使う義務があると確信します。ですから、天に召される前に財産全てを手放すつもりと言っています。
【天に宝を】
確かに、主はある人をお金と財産で祝福します。それはただ自分の為ではなく、主に神の国の発展と施しの為です。マタイによる福音書に主イエスの言葉がこう記されています。「あなたがたは地上に富を積んではならない。そこでは、虫が食ったり、さび付いたりするし、また、盗人が忍び込んで盗み出したりする。富は、天に積みなさい。そこでは、虫が食う事も、さび付くこともなく、また、盗人が忍び込むことも盗み出すこともない。あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ」と教えられました。(マタイ6:19)
「人間を豊かにするのは主の祝福である」のですが、その豊かさは勿論お金と財産に限られていません。 私たちは主によって、「地上に富を積んではならない」とはっきりと教えられています。そして、「 富は、天に積みなさい」と命じております。
【主イエスの貧しさ】
神は御自分が好意を特別に持つ人に財産で祝福する訳ではありません。神は全ての人々を同じように愛します。実は、イエス・キリストはこの世を歩んだ間、貧しい方でした。小さい町の大工の家に生まれ、財産を持ちませんでした。逆に、弟子達と共にパレスチナを巡回した時、人の施しで食べました。主は自分自身についてこう言われました。「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。だが、人の子には枕する所もない。」(マタイ8:20)。
主イエスが十字架につけられた時、財産は御自分の着物だけでした。そして、兵士達はその着物も奪ってしまいました。更に、主は借りもののお墓に納められたのです。
【主イエスの豊かさ】
イエス・キリストは財政が決して豊ではありませんでした。しかし、主は豊に生きていました。神によって豊かに祝福されていたのです。何故なら、信仰を持っていたからです。信仰を通して父なる神から大きな恵みが授けられていました。貧しくても、神の摂理と助けを徹底的に信じ、何も心配しませんでした。 また、主は良心に恥じないので、ぐっすり寝る事が出来ました。神から素晴らしい使命を受けて、精一杯その使命を果たしたので、生きる為の目的がありました。また、隣人を自分のように愛しましたので、主は自己中心になりませんでした。そして罪深い私とあなたの為に御自分の命を捨てる事が出来ました。信仰の故に自分を十字架に付けた人々さえも赦す事が出来、憎しみから解放されました。 神の最高の祝福、信仰の故にイエス・キリストは精神的と霊的に豊かに生きる事が出来ました。
【盗まれない富を】
愛する兄弟姉妹、私たちもその同じ賜物、信仰を受けています。神の祝福によって私たちも豊かになりました。どんな物質的富よりも豊かです。主イエスが教えられたように、この世の富は、「 虫が食ったり、さび付いたりするし、また、盗人が忍び込んで盗み出したりします。」
それに反し、誰も、何も、神の賜物、信仰を私たちから奪う事が出来ません。信仰は私たちを本当に豊かにする勇気と希望と目的と力を与えて下さいます。そして、私たちの信仰の対象は唯一の全能の愛である神なので、確かなものになり、永遠の命まで導きます。
【真の富を得る道】
「人間を豊かにするのは主の祝福である。人間が苦労しても何も加えることはできない」と記されています。神は私達を豊かにする信仰を自由に授けて下さいますので、人間が苦労してもその祝福に何も加える事は出来ません。つまり、私達の努力ではその賜物を得られないのです。実は、その富と救いに至る賜物を心から望むならば、神は自由に授けて下さいます。そして、神を信じ、毎日信仰を実行すると、益々祝福を経験出来ます。その祝福はこの世の富よりも遥かに豊かであり、素晴らしいものであります。
【ある貧しいお婆さん】
ある貧しいお婆さんが毎日起きるとベランダに出て、皆が聞こえるようにこう言いました。「主を賛美します。今日も私のニーズを与えて下さいます。」毎日、毎日、信仰を表す為にその同じ事を言いました。「主を賛美します。今日も私のニーズを与えて下さいます。」 隣のお爺さんはいつも毎日その同じ言葉を聞いて、いらいらして彼女を黙らせようとしました。しかし、お婆さんは彼を見て、いつもと同じように、「主を賛美します。今日も私のニーズを与えて下さいます」と返事しました。そうしますと、お爺さんはもっといらいらして、彼女にいたずらを企みました。彼は朝早くスーパーへ行って食料品を買って、レジ袋に入れました。そのレジ袋を静にお婆さんのベランダに置いて植木に自分の身を隠して待ちました。そして、いつものようにお婆さんが出て来た時、食料を見るとこのように言いました。「主を賛美します。今日、私の食料を与えて下さいました。」その瞬間、お爺さんは植木から飛んで来て、嬉しそうに言いました。「違います、俺がそれを買ってベランダに置きました。神は決してあなたの食料を与えてくれなかった。」そうしますと、お婆さんは笑って、こう言いました。「主を賛美します。神が今日の糧も与えて下さいました。しかも、主は鬼に請求を払わせ、配達までもさせたのです。」
どうか、私達を豊かにする神はその同じような信仰を与えますように、お祈りします。(おわり)
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