驚くべき恵み ウイリアム・モーア宣教師
ルカによる福音書2章1−20節
【日本でもクリスマス?】
毎年、クリスマスが近づくとアメリカの教会の人々からこのような手紙をよく頂きます。「日本のクリスマスはどうですか。そちらはキリスト者があまりいないと聞くので、大変寂しいでしょう。わたしの町はクリスマスの為にとても明るくなりましたが、日本はそうではないでしょう。辛く、寂しいけれども頑張って下さい。」
返事として私はこのように書きます。「多くの日本人はクリスマスを一生懸命に祝って下さいますので私達の事は心配しないで下さい。ここでは、十一月上旬からクリスマスの宣伝が始まります。どこでもサンタクロースとクリスマスツリーの姿が見えるし、店のスピーカではクリスマスキャロルもアメリカに負けない程よく聞こえます。クリスマスパーテイーも流行っていますし、クリスマスプレゼントを買う為に人々はデパートへ押し寄せます。その上、日本では我々アメリカ人にないクリスマスの伝統も結構あります。ここは12月24日にケンタキー•フライド•チキンとクリスマスケーキを食べます。また、青年達はクリスマスイブに特別なデートをします。私達の事を考えて下さって大変有りがたいのですが、日本人はクリスマスが大好きですので、私達の事は心配しなくてもよいのです。」
今年も、日本とアメリカだけではなく、全世界の多くの人々はクリスマスを祝っています。アフリカでは太鼓の音と激しいダンスでクリスマスの喜びを表しています。ヨーロッパでは色々な昔からのクリスマス伝統が守られています。南米では教会はクリスマスの為に満員になります。そして、パレスチナでは人々は主イエス・キリストがお生まれになった町ベツレヘムへ集まって礼拝を行います。本当にクリスマスは全世界の人々のものになり、一番良く守られた祭日ではないかと思います。
【救い主・メシア・キリスト】
考えてみると、日本人でも、アメリカ人でも、更に全人類はクリスマスを祝うのは当たり前の事です。先程読ませて頂いた聖書の個所に天使が羊飼い達にこのように発表しました。
「恐れるな。私は、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日、ダビデの町で、あなたがたの為に救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」
【神の御子】
愛である全能の神は御自分の尊い御子イエス・キリストを、私達と全ての人類の為にこの世に遣わして下さったのです。それこそはクリスマスの意味と驚くべき恵みです。
「神はその独り子を賜った程に、世を愛された。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得る為である」
(ヨハネによる福音書3:16)と聖書に記されています。
ほぼ2007年前に、ユダヤの国のベツレヘムと言う町の馬小屋で、マリヤは可愛い男の子を出産しました。その子は「イエス」と名付けられましたが、実はその子こそ、後にメシア、キリストと呼ばれるようになる方で、神の独り子であり、人類の唯一の救い主であります。この御子を通して、神が私達に対して持っておられる大きな愛をはっきりと現れされたのです。
昔のイスラエル人は長い間神様が約束された救い主を待ち望んでいました。その救い主はヘブライ語で「メシア」、すなわち、神によって遣わされた救世主と呼ばれていました。メシアは神の義と平和を持って全世界を祝福して下さるのです。旧約聖書に沢山の個所にその救い主が預言されましたが、イザヤ書9章にこの代表的預言が記されています。
「暗闇の中を歩む民は、大いなる光を見、死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。...ひとりのみどりごが私達の為に生まれた。ひとりの男の子が私達に与えられた。権威が彼の肩にある。その名は『驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君』ととなえられる。」
【イエスの生涯】
神は約束通りに救い主として御自分の独り子イエス・キリストを私達と全人類の為にこの世に遣わして下さいました。イエスは馬小屋でお生まれになり、30年間普通の人としての生活をなさいました。後には三年半にわたって伝道されました。しかし、当時の為政者によって、ついに十字架に掛けられて死なれたのです。そして、三日目に神の力によって復活されました。それは、私達の贖いの為であり、救いの為でした。
【クリスマスプレゼント】
私の子供達は小さい時、クリスマスが近付くと、アメリカの家族から送って来たプレゼントを家中捜し回っていました。そして、そのプレゼントを開ける25日の朝まで待つのは大変長いようでした。24日の夜、寝る事も難しく、明日を待ち続け、結局朝になると寝てしまいました。子供達はクリスマスになると、プレゼントを貰えるのはとても楽しみにしています。
実は、馬小屋でお生まれになりましたイエス様によって、神は私達に三つ程のプレゼント、すなわち驚くような救いと恵みをお与えになるのです。その三つのクリスマスプレゼントは人間誰でも最も貴重な賜物と祝福になる事です。
【罪の赦し】
その貴重な祝福の第一に「罪の赦し」です。私達は誰でも真面目に生きたいと願いつつ、ふとした事から罪を犯してしまいます。偽りを言ったり、人を憎んだり、人の心を傷つけたりします。人に対する愛のない言葉や行為は、みな罪なのです。その上、私達は愛する神が備えて下さった正しい道から迷って、自分かってな自己中心的道に向かいがちです。罪を犯して、神から離れ、私達はやがて神の正しい裁きを受ける者になります。しかし、その犯している罪を、神はイエス・キリストの十字架の贖いによって赦して下さるのです。この神の独り子がお生まれになった時、天のみ使いは「イエス」と命名しました。このお名前には、「この方こそ、御自分の民をその罪から救って下さる方です」との意味があります。
私達の人生において、私達が過去に犯した過ちや罪が全て帳消しになるとは、何と言う幸いでしょうか。罪の為に神の敵になった私達は御自分の愛され、赦された子供になります。この汚れた私達に対し、神の愛と憐れみは何と大きいでしょう。
神は御自分の独り子を人間の世界に送られる時、王侯(おうこう)貴族やお金持ちの家ではなく、卑しい馬小屋のような所に生まれさせられました。それは、どんなに罪深い人にも救いが届くためでした。ですから、クリスマスはどのような人の罪も赦し、清め、人生を新たにして下さる日なのです。罪で苦しんでいる私達に「罪の赦し」と言うプレゼントはどんなに大きな希望を与えるでしょう。
【新しく生まれる事】
クリスマスに与えられた第二の恵みは「新しく生まれる事」です。クリスマスは、イエス様がお生まれになった日ですが、それはまた、私達をも新しく生まれ変わらせて下さる日なのです。イエスの誕生は馬小屋をも神の宮のような礼拝の場へと変えました。そのように、汚れた心を清くし、神の子の宿りたもう所へと変え、清さと愛と平安と喜びに満ちる所として下さるのです。それはまた、馬小屋のような汚れた心を持っていた私達を、神の御姿に似た神の子へと変えて下さる事なのです。イエス・キリストを自分の救い主と信じ、これまでの罪を悔い改めれば、神はあなたの全ての罪を赦し、御自分の子供として新しい人へと造り変えて下さいます。
【永遠の命】
第三のクリスマスの驚くべき恵みは、「永遠の命」の始まりです。罪を犯した私達は皆、当然罪の刑を受け、永遠の滅亡の世界に行くべき者となりました。しかし、「それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得る為である」と聖書が示しているように、信じる者は「永遠の命」を頂く事になります。肉体は滅んでも魂は神の力によって永遠に主の素晴らしい御前に生きるのです。主イエスの御降誕は信じる人にとって永遠の命の始まりとなりました。これは「福音」すなわち、良いお知らせであります。他の事では、与えられる事の出来ない、唯一の神の憐れみ、神の驚くべき恵みです。
【本当のクリスマス】
全世界至るところの国々で、多くの人々は今年もイエス・キリストの御降誕を祝っています。その中からある人々はチキンとケーキを食べて、クリスマスの表面だけを祝って、クリスマスの本当の恵みを知らずに、毎年同じように繰り返すだけです。しかし、クリスマスの真の意味を知って、主イエスをあなたの心に救い主として迎え入ると、これこそ、あなたにとって、永遠に忘れる事の出来ない驚くべき恵みと喜びの日となるのです。(おわり)
2007年12月23日 | カテゴリー: イザヤ書 , ヨハネによる福音書 , ルカによる福音書 , 新約聖書 , 旧約聖書
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