キリスト者の為のチェックリスト:その2 ウイリアム・モーア宣教師

ローマの信徒への手紙12:9−13

【天国に入るには】
ある人が亡くなって天国の門に着きました。そうすると、主イエスの弟子ペトロは彼を迎えに来てこう言いました。「天国に入るには一千点が必要です。あなたは何点をお持ちでしょうか。」そして、その人は、「何点を持っているかと聞かれると、困りますよ。溜まった点数の合計はさっぱり知りません。」「それでは、あなたの生涯を調べて見ましょう」とペテロが返事しました。「あなたが実行した全ての善い行いを教えて下さい。私が点数を計算します。」そうすると、その人は一生懸命に自分が行なった善い行動を思い出し、全てをペテロに語り始めました。小さい親切から大きい善行まで一つ一つを数え上げました。彼がやっと終わった時、ペテロはその点数を計算して、全部で百点しかないと知らせました。天国に入る為に一千点が必要なのに、ただの百点しか持っていないその人は大変がっかりしてしまいました。彼は、「やっぱりとても無理ですね。一生頑張ったのに、百点しか溜まらなかった」とペトロに言いました。「神の恵みでなければ決してこの所には入れないですね」と彼は呟きました。その事を彼の口から聞いたペテロは大変喜んで、こう言いました。「実は、神の恵みは九百点の価値がある。どうぞ、入って下さい。」
 
【神の恵みのみ】
我々キリスト者は神の恵みのみで救われ、神の恵みのみに頼ります。罪人である私達はいくら頑張っても私達の救いを勝ち得る事が出来ません。イエス・キリストを信じる事によって神の賜物、御自分の救いを自由に受けられます。使徒パウロが書いた通りに、

「私達は信仰によって義とされたのだから、私達の主イエス・キリストによって神との間に平和を得ており、このキリストのお陰で、今の恵みに信仰によって導き入れられ、神の栄光にあずかる希望を誇りにしています。」


(ローマの信徒への手紙5:1−2)

実は、いくら努力して、どんなに善い行いを実行しても、救いは始めから終わりまで神の賜物です。一点も自分の力で得られません。それは私達の信仰の基本です。
 
しかしながら、聖書にはこのような御言葉もあります。エフェソの信徒へ使徒パウロはこのように書きました。

「私達は神に造られたものであり、しかも、神が前もって準備して下さった善い業の為に、キリスト•イエスにおいて造られたからです。私達は、その善い業を行なって歩むのです。」


(エフェソの信徒への手紙2:10)
 
また、ヨハネによる福音書に主イエスはこのようにおっしゃいました。

「真理を行う者は光の方に来る。その行いが神に導かれてなされたという事が、明らかになる為に。」


(ヨハネによる福音書3:21)
 
また、ヤコブの手紙にこの御言葉が記されています。

「行いを伴わない信仰は死んだものです。」


(ヤコブの手紙2:26)
 
逆説的に聞こえるかもしれないが、私達は神の恵みのみによって救われますが、同時に私達の善い行いも大事であります。やはり、神の恵みのみによって救われた私達は、その賜物に応じて善い業を行います。つまり、神に感謝を現すように喜んで神御自身のお働きに参加します。
 
今日の聖書朗読で使徒パウロは私達の為に善い行いのチェックリストを準備して下さいました。このチェックリストにはキリスト者として毎日の生活にしなければならない大事な事が載ってあります。このチェックリストを参考する事によってその大事な神のみ旨を忘れないで、毎日の生活を通して神のお働きが出来ます。
 
今月の第一主の日にチェックリストの最初の5つの事を学びました。それは9節と10節にあります。

人を心から愛する事と、悪を憎む事と、善から離れず事と、兄弟愛をもって互いに愛する事と、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思う事です。


過る二週間にこの5つの事を神の助けで実行しようとしましたか。
 
今日は11節と12節と13節に於ける次のチェックリストの事を学びたいと思います。

「怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい。希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。聖なる者達の貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなすように勤めなさい。」

 
11節の後半を見ますと、今日の一番目のチェックリスト項目、「主に仕える」事が書いてあります。そして、どういうふうに主に仕えるかと聞きますと、その答えは11節の前半に記されています。つまり、怠らず励み、そして、霊に燃えて、主に仕えるべきです。食べていく為に殆ど皆の人々は一生懸命に自分の仕事をします。多くの人は仕事を何よりも優先して、最善を尽くします。自分の仕事に関して責任感が非常に強くて、怠らず励みます。日本は特にそうだと思います。
 
【マクドナルドで】
去年アメリカへ行って、教会訪問をする為に車での時間が多かったです。そして、運転の休憩を取るように、マクドナルドによく止まって、食事やコーヒーを注文しました。場所は今覚えていませんが、朝食の為、あるマクドナルドに止まって、注文して会計を済ましたけれども、商品がなかなか来ませんでした。そして、厨房を見るとその理由が直ぐ分かりました。働き人は何でもゆっくりして、店長から直接に指示がない限り、何もしませんでした。つまり、怠けて、仕事を積極的に果たしませんでした。また、注文の間違いが多くて、返品の要求が次々ありました。朝食の一番忙しい時なので、注文待ちのお客さんはレジの前で大変な人込みになり、皆がお互いにマクドナルドの文句を言いました。私の注文を受けるまで30分程かかりました。しかも、商品が間違えられたのです。しかし、また30分を待つ余裕がなかったので、苦情などは何も言わずに食事を食べ、出来るだけ早くその店を出ました。 その反面、日本のマクドナルドの場合、サビスはいつも早くて、注文した物を正確に出してくれます。店員達皆が積極的に励んでお客さんを満足しようとします。
 
同じマクドナルドでも日本のマクドナルドのように私達はその同じ態度で主に仕えるべきだと使徒パウロがここで勧めています。つまり、「怠らず励み、主に仕えなさい」と教えて下さいます。私達は仕事をする時と同じような力や熱心などを持って、日々の生活に主イエスの教えと戒めに従っていますか。また、会社に仕えるようにイエス・キリストの教会に心から仕えていますか。
 
更に、私達は「霊に燃えて主に仕える」べきだと教えられています。今までのチェックリストの項目はおもに私達の行動に関しての事です。しかし、霊に燃える事は私達の態度についての教えなのです。つまり、主に仕える為の相応しい態度を教えています。そして、霊に燃えると言う態度は何よりも熱意です。神の事に関して、特に神に仕える事に関して熱意を持つ事なのです。私達キリスト者は気をつけないと、その熱意を失う状態になってしまいます。特に、比べる事が出来ない程の神の恵みと愛を安易な考えで受け入れると、熱意を失う恐れがあります。私達はこの世界と全ての宇宙を無から創造した唯一の神に仕え礼拝します。その生ける神は私達一人一人を計画し、独りの御子イエス・キリストを賜る程に私達を大事にして御自分の愛する子供として受け入れて下さいます。また御言葉、すなわち聖書によって神の御旨を知る事が出来ます。そして、祈りを通して私達は神と直接にコミュニケーションが出来ます。更に、イエス・キリストを救い主として信じる者は永遠に神と共に生きる事が出来ます。その素晴らしい恵みを覚え、経験すると熱意が自然に出て来るはずだと思います。神によってこんなに恵まれた私達は霊に燃えて主に仕えます。ですから、その神の恵みを当然だと思ってはなりません。そのように軽んじてはなりません。返って、感謝を持って神の賜物を常に覚えると、霊に燃えて主に使える事は当然の事になります。怠らず励み、霊に燃えて、主に仕える事を是非あなたの信仰のチェックリストに加わって下さい。
 
【希望を持って喜ぶ】
チェックリストの次の二つの項目は12節にあります。それは、

希望を持って喜ぶ事と苦難を耐え忍びたゆまず祈る事です。


私達キリスト者は大きな希望を持っているので喜ぶ事が出来ます。この世での私達の存在と人間は決して全てではありません。愛する全能の神は現在も天地万物を治め、全ての事を御存知でおられます。更に、イエス・キリストは再びこの世にいらっしゃって、あらゆる悪を取り除き、全てを新たにして下さいます。そして、この世でイエス・キリストを頼る者は天に召され、とこしえまでそこで神を喜びます。その確かな希望を持つので、現在喜ぶ事が出来ます。私達の将来は輝いています。楽しみに待ち望む事が出来ます。その故にこの世でどんな事があっても喜びと勝利を経験して生きられます。私達の喜びは周りの環境から来るのではなく、また生まれながらの気質から来るのでもありません。喜びは信仰から来るものなのです。ですから、希望をもって喜ぶ事は私達の為のチェックリストの大事な項目です。
 
【苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい】
次は、私達は

「苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい」


と教えられています。私達は希望をもっているので喜ぶ事が出来るように、希望をもっているからこそ苦難を耐え忍べます。去年の11月アメリから日本に帰る時15時間飛行機に乗っていました。実は、15時間満員飛行機の狭い席に座るのはあんまり楽しい事ではありません。寝る事も難しいし、立って廊下をうろうろする事も迷惑ですから、長く出来ません。更に、コストダウンの為、最近の機内食事は楽しみに待つ程の物でもありません。このように楽ではないんですけれども、十分耐え忍ぶ事が出来ます。その理由は簡単です。その状態はいつまでも続く訳でもないし、やがて到着地に着くので十分我慢が出来ます。希望があるからこそ、忍耐を持って耐えられます。同じように私達はこの世での苦難を耐え忍べます。この苦難はいつまでもの事ではありません。これからの状態は遥かにもっと素晴らしいので、希望と喜びさえももって苦難と試練を耐えられます。その上、祈る事が出来るので苦難を耐えられます。神は遠い所にいらっしゃいません。神は全ての祈りを聞いて、私達のベストを齎して下さいます。 苦難を乗り越えるために、必要な力と知恵と勇気を与えて下さいます。更に、お祈りを通して神のすぐ側にいる御臨在を感じる事が出来、苦難の時大きな慰めと力になります。「苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい」と言う御言葉は今日のチェックリストの三番目の項目です。
 
【聖なる者たちを助け、旅人をもてなすこと】
最後に13節にこの大事なお話があります。

「聖なる者たちの貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなすように努めなさい。」


同じ信仰と同じ救い主と同じ父なる神なので、キリスト者皆は神の家族に属しています。私達は兄弟姉妹の関係ですので、お互いに責任を持っています。そして、その責任は経済的事も含まれます。

「 聖なる者たち(つまりキリスト者同士)の貧しさを自分のものとして彼らを助けなさい」


と記されています。同じ家族に属しているので、キリスト者同士の貧しさは自分のものとして扱うべきです。そのように、具体的に私達はお互い犠牲的愛を実行出来ます。
 
同じようにキリスト者はもてなしを通して愛を現します。アメリカの教会を巡回する間、多くの信者の家に泊らせて頂きました。そのおもてなしと交わりは旅人の家内と私には大きな恵みになりました。その経験を通して全世界の神の家族の貴重さがもう一度実感出来ました。
 
愛する兄弟姉妹、今日学んだ事を自分のチェックリストに加えて下さい。

一番目に、 「怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい。」二番目に、「希望をもって喜びなさい。」三番目に、「苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。」そして、最後に、「聖なる者達の貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなすように勤めなさい。」


今週こそ、神の大きな恵みに答えて、この四つの事を実行してみて下さい。(おわり)

2007年02月18日 | カテゴリー: エフェソの信徒への手紙 , ヤコブの手紙 , ヨハネによる福音書 , ローマの信徒への手紙 , 新約聖書

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