2007年1月

急いで降りて来なさい ウイリアム・モーア宣教師

ルカによる福音書19章1−10
 
【税務官】
あるスポーツクラブのオーナーが自分の力を人々に見せつける為、自分よりも強い人には十万円の賞金を出すと言い出しました。人の力を試す方法で、彼はレモン一個を取って片手で一生懸命に搾り出しました。そして、そのレモンを挑戦者に渡しました。もし挑戦者がそのレモンからもう一滴の汁だけでも搾り出す事が出来たら、賞金が貰えます。力強い挑戦者が沢山集まりましたけれども皆は失敗してしまいました。いくら頑張ってもレモンからもう一滴の汁を搾る事が出来ませんでした。ある日、骨と皮ばかりの弱虫に見える男がスポーツクラブに初めて現れ、大胆にもオーナーに挑戦しました。皆が大声で彼を笑いましたが、オーナーはいつものようにレモン一個を取り完全に搾り出してから挑戦者に渡しました。そして、相手がそのレモンを片手に取って搾り始めました。すると、一滴だけではなく、二滴、三滴と、レモンから落ちて来ました。その珍しい光景を見た人々全ては彼に声援を送りました。負けたオーナーは大変驚きましたが、約束通りに賞金をちゃんと出しました。そして、オーナーは挑戦者の実力の説明として、その人の職業を尋ねました。そうすると、「僕は税務署で働いています」と返事が来ました。
 
【ザアカイ】
今日の聖書朗読は税務署で働いていたザアカイと言う人を紹介します。彼は住民から税金を搾るので悪名高い人でした。その当時、徴税人は国が決めた額以上に税金を無理やり取り、その差額(さがく)を自分のポケットに入れていましたので、大変嫌われた人でした。
 
さらに、ザアカイは徴税人の頭で部下からも何割かを要求して、大金持ちになりました。つまり、ザアカイは人を犠牲にして、豊かになったのです。その上、彼はユダヤ人でありながらでも、外国のローマ政権の為、ユダヤ人から徴税しました。その結果、彼は村八分になり、非国民のように扱われました。「罪人」、「悪党」と呼ばれ、ザアカイは金持ちになっても、とても寂しい人でした。

2007年01月07日 | カテゴリー: ルカによる福音書 , 新約聖書