【揺り動かされる事のないもの】ウイリアム・モーア 

【揺り動かされないもの】ヘブライ人への手紙12:25―29 25:あなたがたは、語っている方を拒むことのないように気をつけなさい。もし、地上で神の御旨を告げる人を拒む者たちが、罰を逃れられなかったとするなら、天から御旨を告げる方に背を向けるわたしたちは、なおさらそうではありませんか。 26:あのときは、その御声が地を揺り動かしましたが、今は次のように約束しておられます。「わたしはもう一度、地だけではなく天をも揺り動かそう。」 27:この「もう一度」は、揺り動かされないものが存続するために、揺り動かされるものが、造られたものとして取り除かれることを示しています。 28:このように、わたしたちは揺り動かされることのない御国を受けているのですから、感謝しよう。感謝の念をもって、畏れ敬いながら、 神に喜ばれるように仕えていこう。 29:実に、わたしたちの神は、焼き尽くす火です。

【阪神淡路大震災】
去る17日はに阪神淡路大震災の9周年記念がありました。9年後の今になっても、まだまだその後遺症で霊的と肉的において沢山の人々は苦しんでいると聞きました。特に、力強い神様の慰めと癒しがその方々一人一人の上にあります事をお祈りします。震災の日、朝早く、わずか20秒の間ですが、ほんのちょっとの間、どうしょうも出来ない事が起きました。その事で多くの人々の人生は完全にひっくり返てしまいました。その結果、5、500人が亡くなり、また35、000人の怪我人がありました。壊れた建物は18万軒、住む家を無くした者は30万人程でした。そして、地震が直接に起こした経済的被害は13兆円以上と思われています。

地が揺り動くと、多くの者は仕事の上で、家庭の上で、個人それぞれのプランや思いをこえ、人々の人生はすっかり変わりました。震災を経験した者一人一人は誰よりもその事をよく知っておられると思います。愛する者を亡くしたり、そして財産と職場が失われたり沢山の人々は現在も毎日、震災の影響の下で生きています。

【この世の変化】
恐らく地震はこの世の変化と変動の一番劇的な例であると思います。瞬間的に全てを大きく変えるからです。しかし、考えて見れば、この世の全ての事は常に変わります。特に人間の社会はますます変わって来ます。もし100年前の日本人が現在の日本を訪ねると、驚いてしまう事でしょう。変化があんまり大き過ぎて、きっとここは日本ではないのかと思ってしまいます。今の日本の社会には良い変化と良くない変化両方が沢山ありますから、恐らくここが日本だと信じ難いですね。

技術的な変化も結構沢山ありました。人間には不可能な多くの事が随分可能になりました。例えば、交通が良くなって飛行機で20時間以内にほどんど何処の国へでも行けます。また、電話とインタネットを通して即座の連絡が普通になって、色々な情報をすぐ入手出来ます。そして、医学の技術を通して、心臓移植のような以前には想像も出来なかった事が今は普通になりました。

約100年前のアメリカの特許局長は非常に面白い宣言をしました。その時は自動車と飛行機のような新しい物が沢山発明され刺激的な時代でした。その特許局長は素晴らしい新発明を見てこのように言いました。「私の仕事はもう必要ではないでしょう。全ての物は今もう既に発明されているので、これから新しい物が出て来ないだろう。」彼のお話は今私達が聞くと笑いますね。発明がなくなるどころか、時間が経つと共にますます沢山出て来ます。
実は、人間の社会と技術だけではなくて天地万物の全ての物は絶え間なく変化して行きます。ある山は崩れ少しずつ海の中に浸食するが、また他の山は火山活動によってもっと高くなります。言うまでもないが、私達の体さえも毎日変わって来ます。子供の成長を見る事は楽しい事ですが、少し年をとると自分の老化を経験するのはそれ程喜ばしい事ではありませんね。

全ての事が早いスピードでますます変わって行く今のこの世の中です。この中に生きている私達は絶対に頼れる事が出来、確かな変りのないものを必要としております。固定されているものに憧れ探し求めています。しかし、そうゆうものがあるのでしょうか。聖書の御言葉を通して見つけてみたいと思います。

【永遠に変わることのない神】
実は、聖書によると三つの事は絶対に変わる事がなくて、頼れます。そして、その三つの事はやはり唯一の全能の真の神に集中します。聖書に啓示されている神は始めもなければ終わりもありません永久の神です。そして、旧約聖書のマラキ書に神が御自身についてこのように言われます。「まことに、主である私は変わる事がない。」(3:6) その上、聖書は神の御子イエス・キリストについてこの御言葉があります。「イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わる事のない方です。」(ヘブライ人への手紙13:8)

神はどうして変わる事のないお方ですか。頑固なお爺さんのように変わりたくない、あるいは変える事が出来ないからですか。そう言う訳ではありません。神は全く完璧なお方ですから、変える理由と必要性がありません。全ての面でもう既に完璧で、現在よりもっと強く、もっと賢明、もっと正義になる事がありません。実は、もし神が変われば、その変りは必ずしも御自分の完璧さに障るから、完璧ではないお方になってしまいます。
私達の造り主、天の父なる神は全く変りのないお方ですから信じる事も、頼る事も出来ます。人間はよく気持ちを変えて計画も変わりますが、聖書における神は永遠から永遠まで不変なお方です。

【私達に対する神の愛は絶対に変わる事がない】
ですから、第一に覚えて頂きたい事は、私達に対する神の愛は絶対に変わる事がありません。エレミヤ書にこの神の御言葉が記されています。「私は、永久の愛をもってあなたを愛し、変わる事なく慈しみを注ぐ。」(31:3b) 聖書の他のところに「神は愛です」とも書いてあります。(ヨハネの手紙一4:16) あなたを愛する為に神があなたをお造りになって、毎日支えて下さいます。そして、更に、私達の永遠の救いの為に、神は御自分の御子イエス・キリストを私達に遣わして、死に至るまでも犠牲となったのです。人間の愛と違って、この神の愛は不変で永久のものです。ですから、どんな場合でも主は続けて私を愛して下さいます。罪を犯す時さえも神は私を愛します。もちろん、その罪を憎みますが、罪人である私を続けて愛します。また、神の愛は私がその愛を感じる時も感じない時も変わりがありません。何故なら、主の愛は私の行いと気持ちに基づいておりません。御自分の本質に基づいているのです。ですからどんな時でも、どんな場合でも神の愛を信じる事が出来ます。

使徒パウロはその事実をこのように良く表現しました。「私は確信しています。死も、命も、天使も、支配するものも、現在のものも、未来のものも、力あるものも、高い所にいるものも、低い所にいるものも、他のどんな被造物も、私達の主キリスト・イエスによって示された神の愛から、私達を引き離す事は出来ないのです。」(ローマ8:38)皆さん、全て他の事が変わっても、あなたに対して神の愛情が絶対に変わらないので、いつでもその愛を信じ、頼る事が出来ます。

【神の御言葉(みことば)は永遠に変わらない】
聖書によりますと、もう一つの変わらない事があります。それは神の御言葉です。「草は枯れ、花はしぼむが、私達の神の言葉は永久に立つ」とイザヤ書に記されています。(40:8)同じように主イエスはこのように言われました。「天地は滅びるが、私の言葉は決して滅びない。」(マタイ24:35) 御言葉、すなわち聖書を通して神は私達に最も大事な事を教えて下さいます。御自分はどんな神なのか、どういうふうに主の救いを受けるか、そして私達はどのように生きるべきかは全部聖書に記されています。歳月がいくらたっても、その御言葉は変わらないで、いつも私達の為の神の生きている啓示です。

太平洋戦争の時、米軍兵士がある小さな島に着陸しました。一人の原住民に助けられ、その家に招かれました。彼はずっと前に宣教師から頂いた宝のように大事にしていた聖書を取り出し兵士に嬉しく見せました。すると、彼の大事な聖書を見た兵士はこのように言いました。「私は成長して、この本はもういらなくなりました。」原住民は笑ってこのように返事をしました。「この本の教えがなければ、今夜あなたは私達の晩御飯になってしまうところです。私達に聖書がいらなくなったら、あなたは大変です。」

御言葉の真理は変わる事がありません。全て他の本の内容は古くなり、やがて忘れられますが、聖書の真理は永久です。私達の愛する造り主からの最も大事なお手紙のようです。真の生き方と唯一の救いの道を教えて下さいます。主イエスはこのように言われました。「私のこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。」(マタイ7:24) 聖書に記されている神の御言葉は変わらない、不変なものですから、その教えを信じ絶対に頼る事が出来ます。

【神の国は揺り動かされる事のない永遠のもの】
最後に、もう一つの変らない事があります。その事は今日の聖書の朗読に載ってあります。それは神の国です。「このように、わたしたちは揺り動かされることのない御国を受けているのですから、感謝しよう。感謝の念をもって、畏れ敬いながら、神に喜ばれるように仕えていこう。」(ヘブライ人への手紙12:28) 神の国は揺り動かされる事のないものです。何故なら、その国の王は永久の神その方です。この世の全ての国は倒れ、なくなりますが、神の国、すなわち、神の目的と支配はいつまでも続きます。そして、私達一人一人は今、イエス・キリストを信じ、その国の民になる事が出来、その国に仕える事も出来ます。信じない人には神の国は今隠れていますが、いつか皆がその国を見える日が来ます。その時、この世の国々は皆消え去り、全ての被造物は愛する神の支配の元に生きるようになります。神の国は揺り動かされる事のない永遠のものですから、その国を心から信じ、頼る事が出来ます。

神の愛、神の御言葉、神の国。その三つのものはいつまでも変わらないで、いつまでも残ります。ですから私達はその神の愛を受け入れ、その御言葉を心から信じ従い、そして、その国に仕えるべきです。そうすると、喜びと希望を持って、恐れずに、ますます変動するこの世の中にあって、全てのものに直面する事が出来ます。(おわり)

2004年01月25日 | カテゴリー: ヘブライ人への手紙 , 新約聖書

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