2020年10月18日「何に従って生きるのか」

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何に従って生きるのか

日付
説教
木村恭子 牧師
聖書
使徒言行録 4章15節~22節

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そこで、二人に議場を去るように命じてから、相談して、言った。「あの者たちをどうしたらよいだろう。彼らが行った目覚ましいしるしは、エルサレムに住むすべての人に知れ渡っており、それを否定することはできない。しかし、このことがこれ以上民衆の間に広まらないように、今後あの名によってだれにも話すなと脅しておこう。」そして、二人を呼び戻し、決してイエスの名によって話したり、教えたりしないようにと命令した。しかし、ペトロとヨハネは答えた。「神に従わないであなたがたに従うことが、神の前に正しいかどうか、考えてください。わたしたちは、見たことや聞いたことを話さないではいられないのです。」 議員や他の者たちは、二人を更に脅してから釈放した。皆の者がこの出来事について神を賛美していたので、民衆を恐れて、どう処罰してよいか分からなかったからである。このしるしによっていやしていただいた人は、四十歳を過ぎていた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』
使徒言行録 4章15節~22節

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<要約>
2020年10月18日 使徒言行録4章15-22節 「何に従って生きるのか」

今日の説教も前の話は4章15節から22節まで。今日の所で話は一区切りになります。
先ず4章15-18節では、サンヘドリン議会の議員たちが、ペトロとヨハネの処分を相談する様子とその結論が記されています。次に19-21節では、議会の決定に対する申し開きがかかれています。そして最後の22節が締めくくりになります。
少しずつ見ていきましょう。
<15-18節>
議員たちは、ペトロとヨハネに、議場から去るよう命じてから、相談を始めました。「あの者たちをどうしたらよいだろう。彼らが行った目覚ましいしるしは、エルサレムに住むすべての人に知れ渡っており、それを否定することはできない。」(使徒4:16-17)彼らが行った目覚ましいしるしとは、もちろん、歩けなかった人の足が癒されたこと。しかも、この人が今まで彼らの目の前に立っていたわけですから、それを否定することはできません。何かの力が働いて癒しが行われたということは、議員たちも認めざるを得なかったのです。しかし、このまま彼らを放っておけば、このような働きと共に、イエス・キリストの名が広がっていく。議員たちはそれを恐れ、サンヘドリン議会という人間の権力によって彼らの行動を押しとどめようと考えました。
「 このことがこれ以上民衆の間に広まらないように、今後あの名によってだれにも話すなと脅しておこう。」(使徒4:18)とあります。これが、議会が出した結論です。そして、ペトロとヨハネを呼び戻して命じました。「決してイエスの名によって話したり、教えたりしないように」と。
<4:19-21>
それを聞いたペトロはすぐに反論しました。「神に従わないであなたがたに従うことが、神の前に正しいかどうか、考えてください。わたしたちは、見たことや聞いたことを話さないではいられないのです。」(使徒4:19-20)使徒たちは、キリストの十字架と死と復活、そして信じる者の救いを語ること、福音を証言することは、イエスから与えられた使命と捉えていたのです。
イエスが天に上げられる前に弟子たちに語られた言葉を確認しましょう。使徒言行録1章8節です。「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」(使徒1:8)
イエスはこの言葉を語った直後に彼らの目の前で天に上げられましたから、このイエスの言葉は、イエスが天に上げられていく光景と結びついて彼らの心に深く刻まれていたのでした。
ですから、ペトロは臆することなく答えました。
19、20節「神に従わないであなたがたに従うことが、神の前に正しいかどうか、考えてください。わたしたちは、見たことや聞いたことを話さないではいられないのです。」(4:19-20)
確かに自分たちは見たし、聞いた。そしてその後、確かに聖霊を受けた。だから、今自分たちはそのことの証人となるのだ、それが自分たちに与えられたイエスからの命令なのだ、というのが彼らの理解でした。
一方で、議員たちは、二人をそれ以上処罰することができませんでした。それは、この出来事を通して民衆が神を賛美していたからです。議会は神ではなく人を恐れたのです。
こうして二人は釈放されました。
<4:22>
そして22節「このしるしによっていやしていただいた人は、四十歳を過ぎていた。」がこの一連の事件の締めくくりの言葉です。考えてみれば、ひとりの男がペトロとヨハネに癒しを願った、それがきっかけで多くのことが起こりました。もちろん彼の足が癒され、彼の信仰が確信へと変えられたことは、この人の人生にとって、大変に大きなことでした。
しかし、神はこの出来事を用いてさらに大きなことをなさいました。この癒しがきっかけになって、ペトロが神殿で福音を語り、それを聞いたたくさんの人が福音を信じたのです。多くの人がキリストの救いにあずかり、教会も急成長を遂げたはずです。
彼の40年は、神のご計画の中で確かな意味があった、ということでもあります。

ところで、今日の箇所は、私たちとどう関係するのでしょうか。
一つのことは、ペトロや当時の使徒たち、キリストの弟子たちが、この時のペトロとヨハネのように、人の力を恐れずに、福音を命がけで証言してくれたおかげで、キリストの福音が世界へと広がって行ったということです。エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで。
このようにして私たちにまで届けられた福音ですから、私たちもそれを引き継いでいく使命があるはずです。わたしたちも、それぞれおかれている場所で、その使命を果たす努力をしましょう。

もう一つのことは、今日の説教題は「何に従って生きるのか」で、もちろん、「神に従って生きていこう」と言いたいわけです。
今日の所では、福音を語ることが神の意志だとはっきりわかりましたから、神の意志を改めて考える必要はありませんでした。ですが、私たちの人生の中で、もっと言えば日常の中で、神の意志がよくわからない、ということがありますよね。そういうときに、何を基準に考えたらいいでしょうか? 
で、その基準として与えられているのが十戒です。先週から、川越教会の週報裏面で十戒の連載をしていますが、求道中の方もいらっしゃいますから、この機会に、もう一度十戒を確認しましょう。

<十 戒>
1 あなたは、わたしのほかに、何者をも神としてはならない。
2 あなたは自分のために刻んだ像(ぞう)を造(つく)ってはならない。それにひれ伏(ふ)してはならない。それに仕(つか)えてはならない。
3 あなたは、あなたの神、主の名を、みだりに唱(とな)えてはならない。主は、み名をみだりに唱える者を、罰しないではおかれない。
4 安息日(あんそくにち)をおぼえて、これを聖とせよ。
5 あなたの父と母を敬え。
6 あなたは殺してはならない。
7 あなたは姦淫(かんいん)してはならない。
8 あなたは盗んではならない。
9 あなたは隣人について偽証(ぎしょう)してはならない。
10あなたは隣人の家をむさぼってはならない。隣人の妻、またすべて隣人のものをむさぼってはならない。

これが、私たちに示されている神の意志です。この十戒を判断基準にして人生の歩みを整えていくことで、神に従って生きる歩みになっていくはずです。

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