2026年06月28日「ノアと約束の虹」
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ノアと約束の虹
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- 木村恭子 牧師
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創世記 6章5節~13節
聖書の言葉
創世記6章5-13節
6:5 主は、地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのを御覧になって、
6:6 地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた。
6:7 主は言われた。「わたしは人を創造したが、これを地上からぬぐい去ろう。人だけでなく、家畜も這うものも空の鳥も。わたしはこれらを造ったことを後悔する。」
6:8 しかし、ノアは主の好意を得た。
6:9 これはノアの物語である。その世代の中で、ノアは神に従う無垢な人であった。ノアは神と共に歩んだ。
6:10 ノアには三人の息子、セム、ハム、ヤフェトが生まれた。
6:11 この地は神の前に堕落し、不法に満ちていた。
6:12 神は地を御覧になった。見よ、それは堕落し、すべて肉なる者はこの地で堕落の道を歩んでいた。
6:13 神はノアに言われた。「すべて肉なるものを終わらせる時がわたしの前に来ている。彼らのゆえに不法が地に満ちている。見よ、わたしは地もろとも彼らを滅ぼす。日本聖書協会『聖書 新共同訳』
創世記 6章5節~13節
メッセージ
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説教要約 創世記6:5-13 「ノアと約束の虹」
今朝は「救済史説教」の4回目、「ノア契約」の話しです。
「日本キリスト改革派教会創立40周年記念宣言 一聖書について」では、救済史、神の救いの御業を次のように記しています。関係個所を一部抜粋して記します。
『救拯的内容
神は、人間が堕落した後、再びアダムを求め、その名を呼び、その罪を責め、有罪の宣告をし、しかも女のすえは蛇のかしらを砕くとの喜ばしい約束、すなわち彼は悪魔のわざを打ち砕くであろうとの約束を与えられた。
統一性
この約束は、たびたび繰り返され、次第に明らかにされてきた。すなわち、アダムからノアヘ、ノアからアブラハムへ、アブラハムからモーセへ、モーセからダビデへ、そしてついにキリストの受肉に至るまで、信仰の父祖たちは皆、キリスト・イエスの日を望み見て喜びにあふれたのである。』
このように、創世記3章15節、原福音の約束が、聖書全体を貫く一本の軸として、イエス・キリストに至ります。その中心は「アダム~ノア~アブラハム~モーセ~ダビデ」です。
ノアと言えば、ノアの箱舟の話が有名ですが、中心はノアという人の信仰です。
堕落後のアダムとエバに新たな命が与えられました。カインとアベルという兄弟です。しかし、アダムとエバの罪を引き継いで生まれる人類に、罪は付きまといます。神への献げもの、神礼拝のことで嫉妬した兄カインが弟アベルを殺すという悲惨な事件が起こります。
それでもカインの家系はそれなりに繫栄していきます。町を建て、牧畜をする者、青銅や鉄器で道具を作る者、竪琴や笛などを奏でる者が現れて、文化、芸術が次々と生まれました。しかし、神から離れ、自分の力を誇る一族は、暴力的な体質も増大していきました。
カインの子孫、レメクの言葉がそれを象徴しています。
4:23 さて、レメクは妻に言った。「アダとツィラよ、わが声を聞け。レメクの妻たちよ、わが言葉に耳を傾けよ。わたしは傷の報いに男を殺し/打ち傷の報いに若者を殺す。
4:24 カインのための復讐が七倍なら/レメクのためには七十七倍。」
アベルの死後、神はアダムとエバにセトという男の子を与えられました。
そうして、セトの子孫の中に「神の名を呼ぶ者」を残されたのです。「神を呼ぶ」とは「神に祈る」ということ。神は、罪の時代の中にあっても、神を呼び、祈り、神と共に生きる民を残してくださったのです。
これは、創世記3章15節の原福音のゆえであります。そしてセトの系図から誕生したのがノアです。
創5:28-29「レメクは百八十二歳になったとき、男の子をもうけた。彼は、『主の呪いを受けた大地で働く我々の手の苦労を、この子は慰めてくれるであろう』と言って、その子をノア(慰め)と名付けた。」 とあります。
レメクからノアが誕生したのですが、この「レメク」は、4章で登場したカインの子孫のレメクとは別人物です。
こういう背景があって、ノア物語が始まります。
創6:5~8「主は、地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのを御覧になって、地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた。主は言われた。『わたしは人を創造したが、これを地上からぬぐい去ろう。人だけでなく、家畜も這うものも空の鳥も。わたしはこれらを造ったことを後悔する。』しかし、ノアは主の好意を得た。」地上に増え広がったのは、武器を手にした傲慢なレメクの子孫たちで、神は、彼らの姿を見て心を痛めました。
しかし、神は主の名を呼ぶ者の系図も残されていました。それがセツの系図であり、そこから誕生したのがノアです。ノアについては次のように記されています。
創6:9「これはノアの物語である。その世代の中で、ノアは神に従う無垢な人であった。ノアは神と共に歩んだ。」そしてこの系図が、やがてキリストへと続く救いの系図です。
ノアは「神に従う無垢な人であった。ノアは神と共に歩んだ。」と紹介されています。
しかしノアもアダムの子孫であり、原罪を持つ人間ですから、罪を犯さないということではありません。ただ、彼は主の名を呼び、神と共に歩もうとしたのです。
そのことは、神がノアに、巨大な箱舟を造るよう神が命じたとき、彼は神の言葉に従って、全く水のない場所に箱舟を造り始めたことでわかります。箱舟が完成すると、まだ雨が降り始めていないのに、ノアは彼の家族と指定された生き物も伴って、箱舟に入りました。当時の人々の目には、気が狂ったとしか思えないような行為でしたが、ノアは神の言葉に従ってその通り行動したのです。結果、神の言葉のとおり40日40夜、地上に雨が降り続き、箱舟の外の人も家畜もすべて、地の面から拭い去られたのです。
ノアの洪水は、天地万物、そして人間を創造された神による、大きなリセットでした。しかし、神は原福音の約束を、ノアとその家族を残すことで守られたのです。
創世記9章には、洪水後の新しい地で、ノアの系図によって残された歴史と文化形成のこと。こうして原福音の約束が、救い主キリストの誕生を目指して、少しずつ前に進んでいったことが記されています。これがノア契約です。
創世記9:9-11「わたしは、あなたたちと、そして後に続く子孫と、契約を立てる。あなたたちと共にいるすべての生き物、またあなたたちと共にいる鳥や家畜や地のすべての獣など、箱舟から出たすべてのもののみならず、地のすべての獣と契約を立てる。わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない。」
そうして神は、虹を契約のしるしとなさったのです。
ノア契約にはもう一つ大切なことが示されています。それは、5節、6節です。
創世記9:5-6「また、あなたたちの命である血が流された場合、わたしは賠償を要求する。いかなる獣からも要求する。人間どうしの血については、人間から人間の命を賠償として要求する。人の血を流す者は/人によって自分の血を流される。人は神にかたどって造られたからだ。」
「人は神にかたどって造られた」と、創世記1章の記述が繰り返されています。
「神のかたち」は人の命を奪ってはいけないことの根拠として、語られています。全ての人が神のかたちであるなら、神を信じるわたしたちは、全ての人を隣人として、愛を持って受け入れる必要があります。
また、神のかたちである人間は、神からの語りかけを受け取ることができる、ということでもありますから、どんな人でも、真の神を知り信じることができる、福音に応答する可能性が開かれている、ということでもあります。
今の時代、ノアのときと同じように、神を知らない者、信じない者たちが大勢を占めています。しかし、だからこそ神を信じ、従う者の存在は貴重です。神の名を呼び、神と共に歩む者以外に、福音を伝えられる人はいないからです。
キリストの救いにあずかる可能性は、全ての人に開かれていることを心に刻んで、私たちはそれぞれが置かれている場所で、いろんな工夫をしながら、福音を証ししていきましょう。
新約聖書、ヘブライ人への手紙には、信仰者ノアの姿が紹介されていますので、そこを読んだあと祈ります。
ヘブライ11:6-7
11:6 信仰がなければ、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神が存在しておられること、また、神は御自分を求める者たちに報いてくださる方であることを、信じていなければならないからです。
11:7 信仰によって、ノアはまだ見ていない事柄について神のお告げを受けたとき、恐れかしこみながら、自分の家族を救うために箱舟を造り、その信仰によって世界を罪に定め、また信仰に基づく義を受け継ぐ者となりました。