2024年09月15日「平和のための協働と連帯・祈り-平和宣言を学ぶ④」

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平和のための協働と連帯・祈り-平和宣言を学ぶ④

日付
説教
木村恭子 牧師
聖書
ヨハネによる福音書 16章25節~33節

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「わたしはこれらのことを、たとえを用いて話してきた。もはやたとえによらず、はっきり父について知らせる時が来る。
その日には、あなたがたはわたしの名によって願うことになる。わたしがあなたがたのために父に願ってあげる、とは言わない。
父御自身が、あなたがたを愛しておられるのである。あなたがたが、わたしを愛し、わたしが神のもとから出て来たことを信じたからである。わたしは父のもとから出て、世に来たが、今、世を去って、父のもとに行く。」
弟子たちは言った。「今は、はっきりとお話しになり、少しもたとえを用いられません。あなたが何でもご存じで、だれもお尋ねする必要のないことが、今、分かりました。これによって、あなたが神のもとから来られたと、わたしたちは信じます。」
イエスはお答えになった。「今ようやく、信じるようになったのか。だが、あなたがたが散らされて自分の家に帰ってしまい、わたしをひとりきりにする時が来る。いや、既に来ている。しかし、わたしはひとりではない。父が、共にいてくださるからだ。
これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」

日本聖書協会『聖書 新共同訳』
ヨハネによる福音書 16章25節~33節

原稿のアイコンメッセージ

<説教要約> 
2024年9月15日ヨハネ16:25-33「平和のための協働と連帯-平和宣言を学ぶ④」

今朝は平和宣言の「4.平和のための協働と連帯」さらに「5.終末における平和の希望と祈り」を見て、これで平和宣言の学びは最後になります。
「4. 平和のための協働と連帯」
「4.平和のための協働と連帯」の所は、まず聖書の言葉が二か所引用されています。
一つは、ローマの信徒への手紙12:18「できれば、せめてあなたがたは、すべての人と平和に暮らしなさい。」人の罪ゆえに、地上には常に争いがあり、戦争がたえません。これは、平和宣言でも何度も言われてきたことです。しかし、たとえそうであっても、キリストの愛を知っている私たちは、神を愛し、人を愛し、そして世界の平和、地上の平和を求めます。
使徒パウロは、ローマの人々にこのように書き送っています。ローマ12:9-10「 愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。」キリスト者の生活は、キリストにある愛をもって互いに愛し合うことが第一に求められます。そしてそれが、神の平和の礎(いしずえ)でもあります。
平和宣言「4.平和のための協働と連帯」の第1段落。
『主イエス・キリストにある愛の交わりが、神の平和の礎(いしずえ)です。わたしたちは平和をつくり出すために、民族や国境を超え、教派を超えて、すべてのキリスト者と協働し連帯します。キリストにある神の子らの一致こそ、この世における最も鮮やかな神の平和の証だからです。』
さらに、第2段落では、キリスト者同士、互いに愛し合うだけでなく、キリスト者以外の人々と、もっと言うならすべての人々と、平和に過ごすこと。さらには平和のために共に働くことまでが視野に入っています。
ただし、罪ある私たち人間は、簡単にそれができません。隣人を愛するためには「忍耐と知恵、聖書に基づく信仰的洞察が必要」と宣言は語ります。
第2段落
『様々な矛盾に満ちた罪の世界に平和をつくり出すためには、忍耐と知恵、聖書に基づく信仰的洞察が必要です。わたしたちは、この世における平和と正義の実現のために、自らの確信を堅く保つと同時に、思想・信条・宗教・民族・人種・性など、あらゆる違いを越えてすべての人を尊び、謙遜に対話を重ね、個々人に与えられた務めと関係を通して共に働きます。すべての人と共に平和に生きることが、主の御心だからです。』
第3段落では、平和教育の必要が記されています。それが教会の責任であり、課題だといいますが、同時に私たち個人の責任でもあります。人は過去を忘れれば、必ずそれを繰り返します。それが罪ある私たちです。
第3段落
『この世における平和はまた、絶えずつくり続けなければ失われます。それゆえ、過去の過ちから学んで未来を切り拓く次世代への平和教育は、教会の重要な責任と課題です。わたしたちは、次世代の若者たちと共に神の平和を喜び、教会と家庭と社会において共に学び・語り・労する具体的プログラムを通して、平和を実現する人々を育てます。』
引用されているイザヤ書54章13節は「あなたの子らは皆、主について教えを受け、あなたの子らには平和が豊かにある」
私たちは、神の愛・キリスト教信仰も、平和の重要性も、教えられなければわからないのです。
特に、この世の平和については、どのような政治、どのような社会、どのような教育の中で、平和が築かれるのか、損なわれるのか。教育によって、次世代に伝えていく努力が大切です。そしてこれは、私たちが事あるごとに、自分の周囲の人たちに、あるいは家族や孫たちに、意識をもって語ること。日常の中で、自分の言葉で語ることが含まれます。

「5.終末における平和の希望と祈り」これが宣言の最後です。
まず記されている聖書の言葉は、ヨハネ16章33節。「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている」
宣言の最初から何度か繰り返して言われていることは、完全な平和は終末において初めて実現します。そして、終末への途上にある今は、平和を作り出す、平和を維持するために、私たちは、自分の罪も含めて、罪の現実との闘いが求められます。何もしないで世界平和は、日本の平和は、地上の平和は維持できない、ということを心に刻みましょう。

平和宣言「5.終末における平和の希望と祈り」の最初の2行。
『終末において、神は完全な平和をこの世界にもたらされます。その日に至るまで、わたしたちはなお自分自身とこの世界の罪の現実との戦いを避けることができません。』
それでも、一つはっきりしている希望があります。それは、神の御子であるイエス様は、既にこの世に勝っている、という真実です。
ヨハネ福音書16章33節に記されたみ言葉で明らかにされています。「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」

第2段落を読みます。
『しかし、わたしたちの主はすでに勝利しておられます。わたしたちは、何よりもまず、自らの心の中にキリストの平和を築き、この平和を喜ぶ力によって憎しみや失望に打ち勝ち、決して諦めることなく平和の道を模索し続けます。
この世の悪しき霊との戦いに神の武具を身に着けて立ち向かい、平和の主の到来を待ち望みつつ、心を高く上げて祈ります。』
「神の武具」について詳しく記されているのはエフェソの信徒への手紙、6:10-18をお読みください。

宣言の最後に、祈りの言葉が記されています。この祈りを私たち自身の祈りとしたいのです。
『平和の君である主イエス・キリストの父なる神よ、憎しみと争いの絶えない世にあって、あなたが御子によってもたらしてくださった平和の道を、わたしたちが生きて行くことができるように助けてください。
わたしたちの罪をきよめ、あなたの平和の道具としてお用いください。
言葉だけの平和に終わることのないように、平和を実現するために必要な知恵と力を、聖霊によってお与えください。
あなたによって立てられた為政者たちが、「剣を打ち直して鋤とし 槍を打ち直して鎌とする」勇気を与えられ、平和のために働くことができますように。
何よりも主ご自身が愛と正義と平和の御国を速やかに来たらせてくださいますように。
主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。』

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