2022年10月30日「実現した約束」

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実現した約束

日付
説教
木村恭子 牧師
聖書
使徒言行録 13章26節~37節

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聖句のアイコン聖書の言葉

兄弟たち、アブラハムの子孫の方々、ならびにあなたがたの中にいて神を畏れる人たち、この救いの言葉はわたしたちに送られました。エルサレムに住む人々やその指導者たちは、イエスを認めず、また、安息日ごとに読まれる預言者の言葉を理解せず、イエスを罪に定めることによって、その言葉を実現させたのです。そして、死に当たる理由は何も見いだせなかったのに、イエスを死刑にするようにとピラトに求めました。こうして、イエスについて書かれていることがすべて実現した後、人々はイエスを木から降ろし、墓に葬りました。
しかし、神はイエスを死者の中から復活させてくださったのです。このイエスは、御自分と一緒にガリラヤからエルサレムに上った人々に、幾日にもわたって姿を現されました。その人たちは、今、民に対してイエスの証人となっています。
わたしたちも、先祖に与えられた約束について、あなたがたに福音を告げ知らせています。つまり、神はイエスを復活させて、わたしたち子孫のためにその約束を果たしてくださったのです。それは詩編の第二編にも、/『あなたはわたしの子、/わたしは今日あなたを産んだ』/と書いてあるとおりです。
また、イエスを死者の中から復活させ、もはや朽ち果てることがないようになさったことについては、/『わたしは、ダビデに約束した/聖なる、確かな祝福をあなたたちに与える』/と言っておられます。
ですから、ほかの個所にも、/『あなたは、あなたの聖なる者を/朽ち果てるままにしてはおかれない』/と言われています。ダビデは、彼の時代に神の計画に仕えた後、眠りについて、祖先の列に加えられ、朽ち果てました。
しかし、神が復活させたこの方は、朽ち果てることがなかったのです。日本聖書協会『聖書 新共同訳』
使徒言行録 13章26節~37節

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<説教要約>2022年10月30日使徒言行録13:26-37 「実現した約束」
先週から、使徒言行録13章16節以下、使徒言行録に記されたパウロの最初の説教を学び始めています。
今日は26節から37節まで。ここを二つに区切ってみていきます。まずは26節から29節。

1.13:26-29 イエスの死について語るパウロ
26節で、パウロは、会堂にいる人々に呼び掛けています。「兄弟たち、アブラハムの子孫の方々、神を畏れる人たち」と。今一緒に神を礼拝している人々に「この救いの言葉はわたしたちに送られました。」と呼び掛けているのです。
そのあとに続く27節から29節を見ると、
エルサレムに住む人々やユダヤ教の指導者たちは、「救いのことば」であるイエスを認めず、旧約預言者の言葉を理解せず、イエスを罪に定め、イエスを死刑にするようピラトに求め、木にかけて殺し、木から降ろして墓に葬った。
エルサレムに住む人々やユダヤ教の指導者たちは、旧約預言者が語ってきた神の言葉を理解せず、イエスを死に追いやったが、結果的にそれは預言の通りだったと。
29節「イエスについて書かれていることがすべて実現した」と語っています。
ここでパウロは、「しかし、あなた方はそうであってはなりません!」
この救いの言葉は、「わたしたちに、あなたたちに送られた」のです!!と言いたいのです。
会堂には、ユダヤ人もいましたが、ユダヤ教の神を畏れる者たち、つまり異邦人も多く集まっていました。パウロは、そういうユダヤ人以外の人々も念頭に置いて語っています。

2.13:30-37 イエスの復活について
30節以下でパウロは、墓に葬られたイエスの復活について、語ります。
30節から32節では、神がイエスを復活させたと教えます。
13:30 しかし、神はイエスを死者の中から復活させてくださったのです。
そして、イエスの復活は、イエスにお会いした証人が大勢いると教えます。
福音書には、復活のイエスにお会いした弟子たちのことが記されています。
復活から昇天までが40日だったことは、使徒言行録1章3節に記されています。
復活のイエスにお会いしたのは12弟子だけではありません。女性の弟子にもお会いになったし、さらに多くの人の前に姿を現わされました。
パウロはコリントの信徒への手紙Ⅰ15章3-8節で、イエスの復活証人について、詳しく記しています。

33節から37節では、イエスの復活は、時間がたてばまた死ぬというようなものではないこと。
神が、もはや朽ち果てることのない体、永遠の体へと復活させた、と教えます。
ここでは、旧約聖書の3つの箇所を引用して教えます。
13:33後半 それは詩編の第二編にも、/『あなたはわたしの子、/わたしは今日あなたを産んだ』/と書いてあるとおりです。
は、パウロが言うとおり詩篇第2編7節にある言葉です。
ここで「産んだ」という言葉が「死者の中からの復活」のことなんだそうです。ここから「復活」の意味を読み取ることができます。「復活」とは単に生き返ることではなく、「新しい命に生まれること」という理解です。
13:34 また、イエスを死者の中から復活させ、もはや朽ち果てることがないようになさったことについては、/『わたしは、ダビデに約束した/聖なる、確かな祝福をあなたたちに与える』/と言っておられます。
ここはイザヤ書55:3の引用と考えられます。つながり方は複雑なので、細かい説明は省きますが、ここでは「ダビデに約束した祝福」をあなたたちに与える、という箇所。
「ダビデに約束した祝福」とは、ダビデ契約のこと。
サムエル下7:16 あなたの家、あなたの王国は、あなたの行く手にとこしえに続き、あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。この約束がダビデだけでなくダビデの子孫にまで与えられる、と教えられていて、これが35節に続きます。
13:35 ですから、ほかの個所にも、/『あなたは、あなたの聖なる者を/朽ち果てるままにしてはおかれない』/と言われています。これは内容的には詩篇16編10節の引用です。
『朽ち果てるままにしてはおかれない』つまり、復活させるという約束です。
そして、36、37節は
ダビデは、やがて死んで朽ち果てたが、神が復活させたこの方、つまりイエスは、朽ち果てることがなかった、と結びます。
34-37節でパウロは「朽ち果てる」という言葉を何度も使っています。
「ダビデは・・・朽ち果てました」が、
イエスは 34節「神が・・・・朽ち果てることがないようになさった」、35節b「朽ち果てるままにしておかれない」、37節「神が復活させたこの方は、朽ち果てることがなかった」

また、朽ち果てることがない」とは、今も変わることなく、生きているということです。

今日のところから、三つのことを覚えたいと思います。
1)イエスは朽ち果てることのないお方として、復活しました。そして今も生きておられ、イエスを信じ、依り頼むものを執成し続けておられます。
ヘブライ7:24-25
7:24 しかし、イエスは永遠に生きているので、変わることのない祭司職を持っておられるのです。
7:25 それでまた、この方は常に生きていて、人々のために執り成しておられるので、御自分を通して神に近づく人たちを、完全に救うことがおできになります。

2)キリスト教信仰は、イエスの十字架による罪の赦し、そして体の復活の希望までが含まれます。
コリントⅠ15:3-8、 15:42-43参照
3)最後にもう一つ、今日は宗教改革記念日の礼拝です。
当時のカトリック教会は、贖宥状(免罪符)を買うことで、信者みずからが犯した罪を償うことが免除させると教えました。当時の信者たちは聖書を持っていませんでしたから、教会の教えることを信じるしかなかったのです。
宗教改革は神の言葉、神から送られた救いの言葉を取り戻す改革、と表現することもできます。
わたしたちは、聖書の学び、正しい理解を通して、キリストを信じる信仰が与えられ、罪の赦し、体のよみがえりの祝福にまで、与ることができます。
今、わたしたちの手元に聖書があることは、まことに幸いなことです。

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