エリファズの3回目の弁論② 2024年5月29日(水曜 聖書と祈りの会)
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エリファズの3回目の弁論②
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- 村田寿和 牧師
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ヨブ記 22章21節~30節
聖書の言葉
22:21 あなたは神と和解し、平和を得てほしい。/そうすれば、幸いが訪れる。
22:22 神の口から教えを受け/その言葉を心に留めてほしい。
22:23 あなたが全能者に立ち帰るなら/あなたは元どおりにされる。/あなたの天幕から不正を遠ざけるがよい。
22:24 黄金を塵の上に/オフィルの金を川床の岩に置け。
22:25 全能者があなたの黄金となり/あなたにとって高価な銀となる。
22:26 その時、あなたは全能者を喜びとし/神に向かって顔を上げることができる。
22:27 あなたが神に懇願すれば、聞き入れられ/誓いを果たすことができる。
22:28 あなたが事を決めれば、それは成就し/あなたの道を光が照らす。
22:29 低くされた者たちに/あなたが「立ち上がれ」と言えば/神は目を伏せている人を救う。
22:30 罪ある者さえ神に救われ/あなたの手の清さによって救われる。
ヨブ記 22章21節~30節
メッセージ
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今朝は、『ヨブ記』の第22章21節から30節より、御言葉の恵みにあずかりたいと願います。前回学んだ1節から20節で、エリファズは、応報原理を守るために、ヨブが犯していない過ちを犯したと言い、ヨブが語っていない言葉を語ったと言いました。エリファズはヨブを悪しき者と言い、自分のことを「正しき人」、「罪なき人」と言います。エリファズは、悪しき者であるヨブが災いを被っている現実から、応報原理が確かであると言うのです。そして、エリファズは、ヨブに神へと立ち帰るようにと言うのです。
21節から30節までをお読みします。
あなたは神と和解し、平和を得てほしい。そうすれば、幸いが訪れる。神の口から教えを受け/その言葉を心に留めてほしい。あなたが全能者に立ち帰るなら/あなたは元どおりにされる。あなたの天幕から不正を遠ざけるがよい。黄金を塵の上に/オフィルの金を川床に置け。全能者があなたの黄金となり/あなたにとって高価な銀となる。その時、あなたは全能者を喜びとし/神に向かって顔を上げることができる。あなたが神に懇願すれば、聞き入れられ/誓いを果たすことができる。あなたが事を決めれば、それは成就し/あなたの道を光が照らす。低くされた者たちに/あなたが「立ち上がれ」と言えば/神は目を伏せている人を救う。罪ある者さえ神に救われ/あなたの手の清さによって救われる。
ヨブを悪しき者と定めたエリファズは、ヨブに不義から離れて、神と和解するようにと語ります。エリファズは、「神と和解するならば、幸いが訪れる」、「あなたが全能者に立ち帰るなら/あなたは元どおりにされる」と語ります。ここにあるのは、悪しき者と同じ御利益信仰です(21:15「彼に願ったところで/私たちにどんな利益があるのか」参照)。もし、ヨブが幸いを得るために、犯してもいない罪を認めて、神に赦しを乞うならば、ヨブは自分の利益のために、神を畏れていたことになります。そうすれば、サタンが言ったとおりであったことになるわけです(1:9~11参照)。しかし、ヨブは、自分が犯していない過ちを認めるようなことはしないのです。
エリファズは、6節から9節でこう言っていました。「あなたは理由もなく同胞から質を取り/裸の者たちの衣を剥ぎ取る。渇いた者に水を飲ませず/飢えた者に食物を与えない。腕力で土地をわが物にする者/そこに住む顔役のように。あなたはやもめを空しく去らせ/みなしごの腕を砕く」。これに対して、ヨブは第31章で自分の潔白について語ります。第31章16節から22節までをお読みします。旧約の801ページです。
もし、私が弱い人々の喜びとするものを拒み/やもめの目を衰えさせたなら。食べ物を独り占めにして食べ/みなしごに食べさせなかったことがあるなら。そうだ、私は若い頃から父親のように彼を育て/私の母の胎にいたときから彼女を導いたのだ。もし、私が衣服もなく死にゆく人や/覆うものがない貧しい人を見たときに/彼が私を祝福せず/私の羊の毛で彼が温められなかったなら/もし、私に味方する者が門にいるのを/見たからといって/私がみなしごに手を振り上げたならば/私の肩の骨が肩から落ち/私の腕が付け根から折られてもかまわない。
このヨブの言葉は、エリファズの言葉に対する反論です。エリファズは、ヨブがやもめとみなしごを保護しなかったと言いました。しかし、ヨブは、決してそのようなことはないと言うのです。ヨブがこのように主張するのは、神の正しい裁きを信じているからです。エリファズは、ヨブが「神は何を知っているのか。密雲の向こうから裁くことができようか」と言ったと語りました。しかし、ヨブは神の正しい裁きに固執するのです。
エリファズは、ヨブが不義を離れて、神に立ち帰るならば、元どおりにしてくださると語りました。第42章のエピローグを読むと、ヨブが元どおりどころか、倍の祝福を受けたことが記されています。しかし、ヨブが倍の祝福を受けたのは、ヨブが不義を離れて、神に立ち返ったからではありません。そのことを確認して、今朝は終わりたいと思います。第42章7節から10節までをお読みします。旧約の818ページです。
主はこれらの言葉をヨブに語った後、テマン人エリファズに言われた。「私の怒りがあなたとあなたの二人の友人に向かって燃え上がる。あなたがたは、私の僕ヨブのように確かなことを私に語らなかった。今、あなたがたは雄牛七頭、雄羊七匹を用意し、私の僕ヨブのところに行き、自分たちのために焼き尽くすいけにえを献げなさい。そうすれば、私の僕ヨブはあなたがたのために祈るだろう。私は彼の願いを聞き入れる。あなたがたが私の僕ヨブのように確かなことを語らなかったという理由で、私があなたがたに恥辱を与えることはない。」テマン人エリファズ、シュア人ビルダド、ナアマ人ツォファルは行って、主が彼らに語られたとおりにした。そこで、主はヨブの願いを聞き入れた。ヨブが友人たちのために祈ったとき、主はヨブの繁栄を回復した。そして、主はヨブの財産すべてを二倍に増やした。
このように、主は恵みによって、ヨブの繁栄を回復し、ヨブの財産を二倍にされたのです。今朝の御言葉、第22章30節で、エリファズはヨブに、こう語っていました。「罪ある者さえ神に救われ/あなたの手によって救われる」。その言葉のとおり、友人たちは、ヨブの執り成しの祈りによって恥辱から救われることになるのです。