問9.創造の御業とは、何ですか。

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Q.9

問い
創造の御業とは、何ですか。
答え
創造の御業とは、神が、すべてのものを無から、力ある御言葉により、六つの日にわたって、万事はなはだよく造られたことです。

解説

 小教理は、問8で「神が聖定を実行されるのは、創造と摂理の御業においてです」と告白しました。続く問9では、「創造の御業とは、何ですか」と問うています。答えはこうです。「創造の御業とは、神がすべてのものを無から、力ある御言葉(みことば)により、六つの日にわたって、万事はなはだよく造られたことです」。

 この世界は偶然に存在しているのではなく、神様によって造られました。証拠聖句である創世記1章は「天地の創造」について記しています。私たち人間は、何かを作るとき、材料を用います。しかし、神様は何もないところから、すべてのものを力ある御言葉によって造られたのです。神様の御言葉は無から有を生じさせる力ある御言葉であるのです(ローマ4:17参照)。神様がすべてのものを無から、力ある御言葉によって造られたことは、すべてのものが神様の御意志によって存在していることを教えています。言葉を発する源には、心の思い、意志があるからです。

 「六つの日にわたって」とありますが、この「日」が文字通りの一日を指すのか、それとも、ある一定の期間を指すのかは解釈が分かれます。創世記は、古代オリエントの世界像で記されているので、現代の私たちが読むと受け入れ難い点があります。しかし、聖書は科学の教科書ではなく、歴史的な救済の書物ですので、何を伝えようとしているのかを汲み取って読むことが大切です。

 その伝えようとしていることを汲み取って、小教理は「神が、すべてのものを無から、力ある御言葉により、六つの日にわたって、万事はなはだよく造られた」と告白しています。そして、私たちは、信仰によって、そのことを信じているのです。もう一つの証拠聖句であるヘブライ人への手紙11章3節に、こう記されています。「信仰によって、わたしたちは、この世界が神の言葉によって創造され、従って見えるものは、目に見えているものからできたのではないことが分かるのです」。

 聖書の書き出しの言葉が、「はじめに神は天地を創造された」であるように、神様が天地万物を造られたお方であることは、聖書の教えの大前提です(創世1:1)。聖書には、おのずからそこにあるという、いわゆる自然はなく、すべてのものは被造物(ひぞうぶつ)であり、神様との関係のうちにあるのです。

 神様が造られた世界は、はなはだ良い世界でありました。「神は、お造りにになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった」と書いてある通りです(創世1:31)。イエス・キリストを信じる私たちは、神様が造られた空や山や海を通して、植物や昆虫や鳥や魚や動物を通して、何より人間を通して、神様のすばらしさを知り、神様をほめたたえることができるのです。

初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。神は言われた。「光あれ。」こうして、光があった。神は光を見て、良しとされた。神は光と闇を分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。創世記 1章1節~5節
村田寿和 牧師