問88.キリストがあがないの祝福を私たちに伝え…

　私たちは、問８５で「罪のため私たちに当然な神の怒りと呪いとを免れるために、神が私たちに求めておられる事は、キリストがあがないの祝福を私たちに伝えるのに用いられる外的手段を、忠実に用いて、イエス・キリストを信じ、命に至る悔い改めをすることです」と告白しました。

　問８８は、キリストがあがないの祝福を私たちに伝えるのに用いられる外的手段について、次のように告白しています。「キリストがあがないの祝福を私たちに伝えるのに用いられる外的な普通の手段とは、キリストの規定、特に、御言葉、礼典、祈祷です。このすべてが、選民にとって救いのために有効とされます」。

　この告白は、問８９から最後の問１０７までの総論です。外的な普通の手段は御言葉と礼典と祈りですが、問８９、問９０が御言葉について、問９１から問９７までが礼典について、問９８から問１０７までが祈りについて告白しています。

　ここでは「外的」な手段について告白されていますが、「内的」な手段は、問８６で告白した「イエス・キリストへの信仰」と問８７で告白した「命に至る悔い改め」です。私たちは外的手段であるキリストの規定、特に御言葉と礼典と祈祷を忠実に用いることにより、内的手段であるイエス・キリストを信じ、命に至る悔い改めをすることが求められているのです。そのようにして、私たちは救いの主体者であるイエス・キリストに救っていただくのです。

　また「普通」の手段とありますが、これは「特別」な手段との対比で語られています。旧約の時代、神は直接、また夢や幻によって語りかけられました。しかし、キリストはあがないの祝福を私たちに伝えるのに、外的な普通の手段を用いられるのです。この場合の「普通の手段」とは、聖書を読むことです。

　また、普通の手段を用いることができなくとも、聖霊は特別な仕方で働いてくださり、救いを実現されます。ウェストミンスター信仰告白の１０章３節は、次のように告白しています。「選ばれている幼児たちは、幼い時に死ぬと、自らよしとされる時と場所と方法で働かれる御霊を通して、キリストによって再生させられ、そして救われる。御言葉の宣教によって外的に召されることのできない他のすべての選ばれた人々もまた同様である」。

　このように、外的な普通の手段を用いることができない選ばれた者たちは、聖霊の自由なお働きによって救われるのです。しかし、通常、キリストは、御自分が定められた、御言葉と礼典と祈祷を用いて選民を救ってくださるのです。キリストは御自分が定められた規定を、御自分の聖霊によって有効としてくださり、御自分の民に、イエス・キリストへの信仰と命に至る悔い改めを与えてくださるのです。