問79.第十戒は、どれですか。

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Q.79

問い
第十戒は、どれですか。
答え
第十戒はこれです。「あなたは隣人の家をむさぼってはならない。隣人の妻、しもべ、はしため、牛、ろば、またすべて隣人のものをむさぼってはならない」。

解説

 問79と問80と問81は、まとめて解説します。

 問79にあるように、第十戒は「あなたは隣人の家をむさぼってはならない。隣人の妻、しもべ、はしため、牛、ろば、またすべて隣人のものをむさぼってはならない」です。「むさぼる」とは「際限なく欲しがること」ですが、私たちは隣人の家や配偶者や財産を際限なく欲しがってはならないのです。

 これまでの戒めは、「殺す」「姦淫する」「盗む」「偽証する」といった行為を禁じていましたが、第十戒は「むさぼる」という心の思いを禁じる掟です。私たちは、ここから神様が人間の心をも御覧になり、裁かれるお方であることを教えられます。そして、この「むさぼり」からあらゆる罪が行われるのです。隣人の家をむさぼる思いから、殺人や姦淫、盗みや偽証が行われるのです。そればかりか、神でないものを神とする偶像礼拝さえ行われるのです(コロサイ3:5参照)。

 問80は、第十戒が求めている事として、次のように告白しています。「私たち自身の状態に全く満足すること、それも、隣人とそのすべての所有物とに対して、正しい愛の気持ちを持って満足することです」。

 私たちが自分の状態に全く満足するには、すべてが神様のものであり、すべてが神様の配剤によるものであるとの信仰が必要です。私たちはすべてが神様のものであり、すべては神様の配剤によって与えられることを信じるとき、隣人とそのすべての所有物とに対して正しい愛の気持ちをもって満足することができるのです。私たちに求められていることは、今、与えられているものに目を留めて、神様に感謝をささげることであるのです(ヘブライ13:5参照)。

 問81は、第十戒が禁じている事として、次のように告白しています。「すべて私たち自身の身分に満足せずに、隣人のしあわせをねたんだり恨んだりすること、またすべて、隣人の所有するどのようなものにでも法外な意向や愛着を寄せることです」。私たちは自分に与えられていないものに目を留めて不平不満を言ってしまいます。また、隣人のしあわせを喜ぶことができず、ねたんだり悲しんだりします。それは、私たちの心に「むさぼり」の罪があるからなのです。

隣人の家を欲してはならない。隣人の妻、男女の奴隷、牛、ろばなど隣人のものを一切欲してはならない。出エジプト記 20章17節
村田寿和 牧師