問63.第五戒は、どれですか。

　問６３と問６４と問６５と問６６は、まとめて解説します。

　第五戒は、「あなたの父と母を敬え。これは、あなたの神、主が賜る地で、あなたが長く生きるためである」です。神様は「あなたの父と母を敬え」と命じられました。それは神の掟が父と母を通して子供に教えられるからです。

　申命記の６章４節から７節に次のように記されています。「聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留め、子供たちに繰り返し教え、家に座っているときも道を歩くときも、寝ているときも起きているときも、これを語り聞かせなさい」。

　このように、父と母は、子供に神の言葉を教えるよう命じられていました。その神の言葉を教える、父と母を敬うことが子供に命じられているのです。「あなたの父と母を敬え」という戒めは、世代を超えて、神の言葉（神知識）を継承していくための要とも言える御言葉です。それゆえ、この戒めを守るものには、契約の祝福である長寿と繁栄が約束されているのです（問６６参照）。

　小教理は、第五戒を、親と子に限定せずに敷衍して告白しています。問６４は次のように告白しています。「第五戒が求めている事は、あらゆる人が目上、目下、対等といういろいろの地位と関係において持つ名誉を守り、義務を果たすことです」。また、問６５では次のように告白しています。「第五戒が禁じている事は、あらゆる人がそのいろいろの地位と関係において持つ名誉と義務を、無視したり、それに反する何かを行うことです」。

　私たちの人間関係には、目上、目下、対等といった関係があります。しかし、いずれの関係においても、神様によって与えられている関係であるのです。それゆえ、目上、目下、対等といったいろいろな関係において名誉を守り、義務を果たすことは、そのような秩序を立てられた神様に従うことであるのです。