問6.その神には、いくつの位格がありますか。

　小教理は、問５で、神は「ただひとりしかおられません」と告白しました。続く、問６では、「その神には、いくつの位格（いかく）がありますか」と問うています。答えはこうです。「神には、三つの位格があります。御父（おんちち）と、御子（みこ）と、聖霊（せいれい）です。この三位（さんみ）は、実体が同じで力と栄光において等しいひとりの神です」。

　問５と問６は一組で、「三位一体（さんみいったい）の神」について告白しています。唯一の神に、三つの位格がある。それは、御父と御子と聖霊であるのです。ここで「位格」と訳されている原文はパーソン（person)で、人格を意味します。唯一の神様には、御父と御子と聖霊という三つの異なった位格（人格）がある。しかもこの三つの位格（three persons）は、本質において同一で、力と栄光において同等のひとりの神であるのです。

　唯一の神様に、御父と御子と聖霊という三つの位格があることは、イエス・キリストの復活と聖霊の派遣によって示されました。旧約聖書は、神は唯一であることを教えていますが、新約聖書は、その唯一の神に、三つの位格があることを教えているのです。

　唯一の神様に、御父と御子と聖霊という三つの位格があることは、神様が孤独なお方ではなく、愛の交わりに生きるお方であることを教えています。神様は、御父と御子との聖霊における永遠の愛の交わりに生きておられるのです。

　証拠聖句のマタイによる福音書２８章１９節で、復活されたイエス・キリストはこう言われました。「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、･･･」。新約聖書の原文はギリシャ語ですが、ここでの「名」は単数形で記されています。父と子と聖霊の三者を受けているのですから、名は複数形（英語ならnames）になるはずです。しかし、三者を受けておりながら名は単数形（英語ならname）で記されています。このことは、神様が父と子と聖霊という三つの位格を持ちながら、ただひとりであることを示しているのです。