Q.55
- 問い
- 第三戒では、何が禁じられていますか。
- 答え
- 第三戒が禁じている事は、神が御自身を知らせるのに用いておられるどんなものをも、汚したり濫用するすべてのことです。
子は父を、僕は主人を敬うものだ。しかし、わたしが父であるなら/わたしに対する尊敬はどこにあるのか。わたしが主人であるなら/わたしに対する畏れはどこにあるのかと/万軍の主はあなたたちに言われる。わたしの名を軽んずる祭司たちよ/あなたたちは言う/我々はどのようにして御名を軽んじましたか、と。あなたたちは、わたしの祭壇に/汚れたパンをささげておきながら/我々はどのようにして/あなたを汚しましたか、と言う。しかも、あなたたちは/主の食卓は軽んじられてもよい、と言う。マラキ書 1章6節~7節
問55と問56は、まとめて解説します。
第三戒は「あなたは、あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない」です。
問55は、第三戒が禁じている事について、次のように告白しています。「第三戒が禁じている事は、神が御自身を知らせるのに用いておられるどんなものをも、汚したり濫用するすべてのことです」。
私たちは、問54で「第三戒が求めている事は、神の御名、称号、属性、規定、御言葉、御業をきよく、敬虔に用いることです」と告白しました。「神が御自身を知らせるのに用いておられるどんなもの」の具体的な中身が「神の御名、称号、属性、規定、御言葉、御業」です。前回、私は「第三戒は神の啓示についての掟である」と記しましたが、そのことは問55で告白されています。私たちは、神様が御自身を知らせるのに用いられるどのようなものをも、汚したり、みだりに用いてはならないのです。
証拠聖句であるマラキ書の御言葉を読んで教えられることは、御名を軽んじる、御名を冒涜するという罪を、私たちは礼拝においてこそ犯すということです。礼拝に出席していても、なんとわずらわしいことかと思っているならば、私たちはその礼拝において、御名を冒涜する罪を犯すのです(マラキ1:13参照)。
「第三戒に加えられている」言葉は、「主は、御名をみだりに唱えるものを、罰しないではおかないであろう」です。この言葉が第三戒に加えられている理由について、問56は次のように告白しています。「第三戒に加えられている理由は、この戒めを破る者がどんなに人々からの罰を免れても、私たちの神、主は、御自身の正しい審判を免れさせはなさらない、ということです」。
神の御名をみだりに用いる罪の典型は、主の御名によって自分の思いを語る偽預言です。旧約聖書を読みますと、主が遣わされていないのに、「主はこう言われる」と語る偽預言者が多くいたと記されています。また、新約聖書にも、教会の中に偽教師が現れると記されています(二ペトロ2:1参照)。このような罪を見抜くことは人間にはなかなか難しいことです。しかし、神様は、御名をみだりに用いる者を必ず裁かれるのです(エレミヤ28:15、16、二ペトロ2:3参照)。