Q.25
- 問い
- キリストは、どのようにして祭司職を果たされますか。
- 答え
- キリストが祭司職を果たされるのは、神の正義を満足させて私たちを神に和解させるために、御自身をいけにえとしてただ一度ささげられたこと、また私たちのためにとりなし続けてくださることにおいてです。
しかし、イエスは永遠に生きているので、変わることのない祭司職を持っておられるのです。それでまた、この方は常に生きていて、人々のために執り成しておられるので、御自分を通して神に近づく人たちを、完全に救うことがおできになります。ヘブライ人への手紙 7章24節~25節
小教理は、問23で「キリストは、私たちのあがない主として、預言者、祭司、王の職務を、へりくだりと高挙とのどちらの状態においても果たされます」と告白しました。
問25は、キリストの祭司職について告白しています。「キリストが祭司職を果たされるのは、神の正義を満足させて私たちを神と和解させるために、御自身をいけにえとしてただ一度ささげられたこと、また私たちのためにとりなし続けてくださることにおいてです」。
祭司とは神と人間との間に立って仲介する者です。神様はイスラエルに動物犠牲をささげるように定められました。その動物犠牲をささげるのが祭司の働きでした。なぜ、神様はイスラエルに動物犠牲をささげるように命じられたのでしょうか。それは、イスラエルの人々に、自分たちが神様の御前に罪人であり、その罪は死に値することを教えるためでありました。神様は罪を償ういけにえとして動物をささげることを命じることにより、人間は本来神様の御前に立つことのできない罪人であり、その罪は死に値することを教えられたのです。そして、この動物犠牲は、イエス・キリストの贖いを指し示すものであったのです。
イエス・キリストは私たちの大祭司として、十字架のうえに御自身をささげてくださいました。イエス・キリストの祭司職のユニークな点は、大祭司であるイエス・キリストが、世の罪を償ういけにえとして御自身をささげられたということです。ヘブライ人への手紙7章27節にこう記されています。「この方は、ほかの大祭司たちのように、まず自分の罪のため、次に民の罪のために毎日いけにえを献げる必要はありません。というのは、このいけにえはただ一度、御自身をささげることによって、成し遂げられたからです」(9:12も参照)。
イエス・キリストは十字架の死に至るまでの従順によって神の正義を満足させ、神様と私たちとを和解させてくださいました。そして、今も復活されたキリストは、御自分の贖いの御業を根拠として、私たちのためにとりなし続けてくださっています。十字架において御自身をいけにえとしてささげられたキリストは、復活され、神の右に座しておられます。そして、神の右の座で、私たちのためにとりなし続けるという仕方で、今も大祭司としての職務を果たしてくださっているのです。それゆえ、私たちは、イエス・キリストの御名によって祈り、大胆に恵みの座に近づくことができるのです(ヘブライ4:16参照)。