Q.24 問い キリストは、どのようにして預言者職を果たされますか。 答え キリストが預言者職を果たされるのは、御自身の御言葉と御霊によって、私たちの救いのために神の御意志を私たちに啓示してくださることにおいてです。
解説 小教理は、問23で「キリストは、私たちのあがない主として、預言者、祭司、王の職務を、へりくだりと高挙とのどちらの状態においても果たされます」と告白しました。 続く問24は、キリストの預言者職について告白しています。「キリストが預言者職を果たされるのは、御自身の御言葉(みことば)と御霊(みたま)によって、私たちの救いのために神の御意志を私たちに啓示(けいじ)してくださることにおいてです」。 預言者とは、神様の言葉を預(あず)かって、神様に代わって語る者です。旧約聖書は、イザヤ、エレミヤなど、多くの預言者について記しています。イエス様も預言者でありました(マタイ13:53、21:11参照)。しかし、イエス様が預言者であると言うとき、他の預言者たちと決定的に違う点があります。それは、イエス様が神の永遠の御子でありつつ、人となられたお方であることです(問21参照)。それゆえ、イエス様は弟子たちにこう言われたのです。「わたしが父のうちにおり、父がわたしの内におられることを、信じないのか。わたしがあなたがたに言う言葉は、自分から話しているのではない。わたしの内におられる父が、その業を行っているのである」(ヨハネ14:10)。 また、イエス様は、人としてお生まれになる前から預言者職を果たしておられました。証拠聖句であるペトロの手紙一1章10節から12節にこう記されています。「この救いについては、あなたがたに与えられる恵みのことをあらかじめ語った預言者たちも、探求し、注意深く調べました。預言者たちは、自分たちの内にいるキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光についてあらかじめ証しされた際、それがだれを、あるいは、どの時期を指すのか調べたのです。彼らは、それらのことが、自分たちのためだけではなく、あなたがたのためであるとの啓示を受けました。それらのことは、天から遣わされた聖霊に導かれて福音をあなたがたに告げ知らせた人たちが、今、あなたがたに告げ知らせており、天使たちも見て確かめたいと願っているものなのです」。 この御言葉は、旧約聖書がキリストの霊に導かれて記された書物であり、新約聖書もキリストの霊(聖霊)に導かれて記された書物であることを教えています。聖書全体がキリストの霊に導かれて記されたキリストの言葉であるのです。その聖書の御言葉と御霊(聖霊)によって、天にあげられたキリストは、私たちの救いのために神の御意志を啓示してくださるのです。 小教理は「御自身と御言葉と御霊によって」と記していますが、なぜ、キリストの聖霊が必要なのでしょうか。それは、生まれながらの人は神の霊に属する事柄を受け入れることができないからです(一コリント2:6〜16参照)。アダムの堕落によって、私たちのうちにある神のかたちは歪み、正しく機能しなくなってしまいました。それゆえ、私たち人間が聖書を神の言葉として読み、聞くには、聖霊のお働きが必要であるのです。キリストの御言葉をキリストの聖霊に導かれて読み、聞くとき、私たちは救いのための神の御意志を知ることができるのです。 キリストは聖書を与えてくださったばかりでなく、その聖書を説き明かす説教者を教会に立ててくださいました。天にあげられたキリストは、聖書とその説き明かしである説教をとおして、今も、私たちの救いのために預言者職を果たしてくださっているのです(一テサロニケ2:13参照)。 これらのことが書かれたのは、あなたがたが、イエスは神の子メシアであると信じるためであり、また、信じてイエスの名により命を受けるためである。ヨハネによる福音書 20章31節 2018年08月30日 村田寿和 牧師
小教理は、問23で「キリストは、私たちのあがない主として、預言者、祭司、王の職務を、へりくだりと高挙とのどちらの状態においても果たされます」と告白しました。
続く問24は、キリストの預言者職について告白しています。「キリストが預言者職を果たされるのは、御自身の御言葉(みことば)と御霊(みたま)によって、私たちの救いのために神の御意志を私たちに啓示(けいじ)してくださることにおいてです」。
預言者とは、神様の言葉を預(あず)かって、神様に代わって語る者です。旧約聖書は、イザヤ、エレミヤなど、多くの預言者について記しています。イエス様も預言者でありました(マタイ13:53、21:11参照)。しかし、イエス様が預言者であると言うとき、他の預言者たちと決定的に違う点があります。それは、イエス様が神の永遠の御子でありつつ、人となられたお方であることです(問21参照)。それゆえ、イエス様は弟子たちにこう言われたのです。「わたしが父のうちにおり、父がわたしの内におられることを、信じないのか。わたしがあなたがたに言う言葉は、自分から話しているのではない。わたしの内におられる父が、その業を行っているのである」(ヨハネ14:10)。
また、イエス様は、人としてお生まれになる前から預言者職を果たしておられました。証拠聖句であるペトロの手紙一1章10節から12節にこう記されています。「この救いについては、あなたがたに与えられる恵みのことをあらかじめ語った預言者たちも、探求し、注意深く調べました。預言者たちは、自分たちの内にいるキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光についてあらかじめ証しされた際、それがだれを、あるいは、どの時期を指すのか調べたのです。彼らは、それらのことが、自分たちのためだけではなく、あなたがたのためであるとの啓示を受けました。それらのことは、天から遣わされた聖霊に導かれて福音をあなたがたに告げ知らせた人たちが、今、あなたがたに告げ知らせており、天使たちも見て確かめたいと願っているものなのです」。
この御言葉は、旧約聖書がキリストの霊に導かれて記された書物であり、新約聖書もキリストの霊(聖霊)に導かれて記された書物であることを教えています。聖書全体がキリストの霊に導かれて記されたキリストの言葉であるのです。その聖書の御言葉と御霊(聖霊)によって、天にあげられたキリストは、私たちの救いのために神の御意志を啓示してくださるのです。
小教理は「御自身と御言葉と御霊によって」と記していますが、なぜ、キリストの聖霊が必要なのでしょうか。それは、生まれながらの人は神の霊に属する事柄を受け入れることができないからです(一コリント2:6〜16参照)。アダムの堕落によって、私たちのうちにある神のかたちは歪み、正しく機能しなくなってしまいました。それゆえ、私たち人間が聖書を神の言葉として読み、聞くには、聖霊のお働きが必要であるのです。キリストの御言葉をキリストの聖霊に導かれて読み、聞くとき、私たちは救いのための神の御意志を知ることができるのです。
キリストは聖書を与えてくださったばかりでなく、その聖書を説き明かす説教者を教会に立ててくださいました。天にあげられたキリストは、聖書とその説き明かしである説教をとおして、今も、私たちの救いのために預言者職を果たしてくださっているのです(一テサロニケ2:13参照)。