Q.102
- 問い
- 第二の祈願では、私たちは何を祈り求めるのですか。
- 答え
- (「み国をきたらせたまえ」という)第二の祈願で私たちが祈る事は、サタンの王国を滅ぼしてくださるように、恵みの王国を進展させ、私たち自身と他の人々をそこに入れ、その中に守ってくださるように、また栄光の王国を早く来たら せてくださるように、ということです。
終わりに、兄弟たち、わたしたちのために祈ってください。主の言葉が、あなたがたのところでそうであったように、速やかに宣べ伝えられ、あがめられるように、テサロニケの信徒への手紙二 3章1節
キリストが贖いの祝福を私たちに伝えるのに用いられる外的な手段は、キリストの規定、特に御言葉と礼典と祈りです。また、祈りの特別な指導基準は、キリストが弟子たちに教えられた主の祈りです。
問102は、主の祈りの第二の祈願について次のように告白しています。「(『み国を来たらせたまえ』という)第二の祈願で私たちが祈る事は、サタンの王国を滅びしてくださるように、恵みの王国を進展させ、私たち自身と他の人々をそこに入れ、その中に守ってくださるように、また栄光の王国を早く来たらせてくださるように、ということです」。
ここには、三つの王国が出て来ます。それは、①サタンの王国、②恵みの王国、③栄光の王国の三つです。サタンとは神様の敵である悪魔のことです。サタンは堕落した天使であり、神様の被造物に過ぎません。しかし、アダム(人間)を罪へと堕落させることによって、サタンは王国を樹立しました。聖書に「罪を犯す者はだれでも罪の奴隷である」(ヨハネ8:34)、「罪が支払う報酬は死です」(ローマ6:23)とあるように、サタンは罪と死によって、人間を支配しています。天の父なる神様に「あなたの王国が来ますように」と祈ることは、神様の敵であるサタンの王国、罪と死の支配を滅ぼしてくださいと願うことでもあるのです。
二つ目の「恵みの王国」と三つ目の「栄光の王国」は、どちらも、御国(神の国)のことです。「恵みの王国」とは、イエス・キリストの来臨によって既に到来している神の国のことです。また、「栄光の王国」とは、イエス・キリストの再臨によって将来に完成される神の国のことです。
「あなたの国が来ますように」と祈ることは、恵みの王国を進展させ、私たち自身と他の人々をそこに入れ、守ってくださるように、と祈ることです。王国は王的な御支配のことであり、恵みの王国は神の御言葉と御霊の御支配によって進展していきます。「私たち自身と他の人々をそこに入れ、守ってくださるように」とは、伝道と教会形成のための祈りであるのです。
また、「あなたの国が来ますように」という祈りは、イエス・キリストの再臨によってもたらされる栄光の王国をはやく来たらせてくださいという祈りでもあります。そして、この二つの祈り(「伝道と教会形成の祈り」と「キリストの再臨を求める祈り」)は軌を一にします。なぜなら、イエス様が教えられたように、御国の福音が全世界に宣べ伝えられてから、終わりが来るからです(マタイ24:14参照)。私たちは、「御国を来たらせたまえ」と祈りつつ、恵みの王国の進展に励み、目を覚まして栄光の王国の到来を待ち望むのです。