解説 問1 人間の主要(しゅよう)な目的は何ですか。 答 人間の主要な目的は、神の栄光をたたえ(1)、永遠に神を喜ぶことです(2)。 Q.1. What is the chief end of man? A. Man’s chief end is to glorify God, and to enjoy him for ever. (1)一コリ 10:31 だから、食べるにも、飲むにも、何をするにも、すべて神の栄光を現すためにしなさい。 ロマ 11:36 すべてのものは、神から出て、神によって保たれ、神に向かっているのです。栄光が神に永遠にありますように、アーメン。 (2)詩 73:24~28 あなたの計らいは私を導き/やがて栄光のうちに私を引き上げてくださる。天では、あなたのほかに誰が私を助けてくれようか。/地には、あなたのほかに愛するものは何もない。この身も心も朽ちるが/神はとこしえにわが心の岩、わが受くべき分。見よ、あなたから遠ざかる者は滅びる。/あなたは背く者を絶たれる。しかし私には、神に近くあることこそが幸い。/私は主なる神を逃れ場とし/あなたの業をことごとく語り伝えよう。 【解説】 ①小教理は、問1で「人間の主要な目的」を問うています。「人間の主要な目的は何ですか」。これはまことに大きな問いです。それは、一人一人が自分で見つけて、「これが私の主要な目的です」と言えるものなのでしょうか。もし、そう言えるなら、それは「その人の主要な目的」となってしまいます。しかし、小教理が問うているのは、「人間の主要な目的」です。老若男女を問わず、国籍や民族を問わず、人間であれば共通に持っている主要な目的です。この目的を外してしまうならば、的(まと)外れな人生を送ることになってしまう根本的で究極的な目的です。そのような問いの答えは、実は、私たち人間の中からは出て来ません。私たち人間を造られた神様に聞かなくては分からないのです。つまり、人間の主要な目的は、神様が人間を造られた主要な目的と表裏一体の関係にあるのです(問う存在としての人間ではなく、問われる存在としての人間という発想の転換、『ヨブ記』参照)。私たちは神の言葉である聖書によって、神様について知ることができます(問2参照)。聖書は、神様が人を御自分のかたちに造られたと教えています(創世1:27参照)。そのことは、神様が御自分の栄光をたたえ、永遠に御自分を喜ぶ者として人間を造られたことを教えているのです。 ②「神の栄光をたたえる」とは、イエス・キリストを信じて、神様を礼拝し、ほめたたえることです。また、「永遠に神を喜ぶ」とは、イエス・キリストを信じて、神様との永遠の愛の交わりを喜び、楽しむことです。人間が神の栄光をたたえ、永遠に神を喜ぶためには、イエス・キリストを信じることが必要不可欠です。なぜなら、アダムの子孫である人間は、良き創造の状態から堕落して、神をほめたたえることも、神を喜ぶこともできない者となってしまったからです(問13参照)。人間は、イエス・キリストにあって、神の栄光をたたえ、永遠に神を喜ぶという主要な目的を果たすことができるのです(問38参照)。 【参考】 ①ウェストミンスター大教理問答 問1 人間の主要な、最高の目的は何ですか。 答 人間の主要な、最高の目的は、神の栄光をたたえ(1)、永遠に、十分に神を喜ぶことです(2)。 (1)ロマ11:36、一コリ10:31、(2)詩73:24-28、ヨハ17:21-23 ②日本基督改革派教会信仰規準翻訳委員会訳(つのぶえ社) 問1 人のおもな目的は何であるか。 答 人のおもな目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶことである。 ③榊原康夫訳(新教出版社) 問1 人のおもな目的は、何ですか。 答 人のおもな目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶことです。 だから、食べるにも、飲むにも、何をするにも、すべて神の栄光を現すためにしなさい。コリントの信徒への手紙一 10章31節 2025年06月11日 村田寿和 牧師
問1 人間の主要(しゅよう)な目的は何ですか。
答 人間の主要な目的は、神の栄光をたたえ(1)、永遠に神を喜ぶことです(2)。
Q.1. What is the chief end of man?
A. Man’s chief end is to glorify God, and to enjoy him for ever.
(1)一コリ 10:31 だから、食べるにも、飲むにも、何をするにも、すべて神の栄光を現すためにしなさい。
ロマ 11:36 すべてのものは、神から出て、神によって保たれ、神に向かっているのです。栄光が神に永遠にありますように、アーメン。
(2)詩 73:24~28 あなたの計らいは私を導き/やがて栄光のうちに私を引き上げてくださる。天では、あなたのほかに誰が私を助けてくれようか。/地には、あなたのほかに愛するものは何もない。この身も心も朽ちるが/神はとこしえにわが心の岩、わが受くべき分。見よ、あなたから遠ざかる者は滅びる。/あなたは背く者を絶たれる。しかし私には、神に近くあることこそが幸い。/私は主なる神を逃れ場とし/あなたの業をことごとく語り伝えよう。
【解説】
①小教理は、問1で「人間の主要な目的」を問うています。「人間の主要な目的は何ですか」。これはまことに大きな問いです。それは、一人一人が自分で見つけて、「これが私の主要な目的です」と言えるものなのでしょうか。もし、そう言えるなら、それは「その人の主要な目的」となってしまいます。しかし、小教理が問うているのは、「人間の主要な目的」です。老若男女を問わず、国籍や民族を問わず、人間であれば共通に持っている主要な目的です。この目的を外してしまうならば、的(まと)外れな人生を送ることになってしまう根本的で究極的な目的です。そのような問いの答えは、実は、私たち人間の中からは出て来ません。私たち人間を造られた神様に聞かなくては分からないのです。つまり、人間の主要な目的は、神様が人間を造られた主要な目的と表裏一体の関係にあるのです(問う存在としての人間ではなく、問われる存在としての人間という発想の転換、『ヨブ記』参照)。私たちは神の言葉である聖書によって、神様について知ることができます(問2参照)。聖書は、神様が人を御自分のかたちに造られたと教えています(創世1:27参照)。そのことは、神様が御自分の栄光をたたえ、永遠に御自分を喜ぶ者として人間を造られたことを教えているのです。
②「神の栄光をたたえる」とは、イエス・キリストを信じて、神様を礼拝し、ほめたたえることです。また、「永遠に神を喜ぶ」とは、イエス・キリストを信じて、神様との永遠の愛の交わりを喜び、楽しむことです。人間が神の栄光をたたえ、永遠に神を喜ぶためには、イエス・キリストを信じることが必要不可欠です。なぜなら、アダムの子孫である人間は、良き創造の状態から堕落して、神をほめたたえることも、神を喜ぶこともできない者となってしまったからです(問13参照)。人間は、イエス・キリストにあって、神の栄光をたたえ、永遠に神を喜ぶという主要な目的を果たすことができるのです(問38参照)。
【参考】
①ウェストミンスター大教理問答
問1 人間の主要な、最高の目的は何ですか。
答 人間の主要な、最高の目的は、神の栄光をたたえ(1)、永遠に、十分に神を喜ぶことです(2)。
(1)ロマ11:36、一コリ10:31、(2)詩73:24-28、ヨハ17:21-23
②日本基督改革派教会信仰規準翻訳委員会訳(つのぶえ社)
問1 人のおもな目的は何であるか。
答 人のおもな目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶことである。
③榊原康夫訳(新教出版社)
問1 人のおもな目的は、何ですか。
答 人のおもな目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶことです。